• 検索結果がありません。

マウス性腺の形態形成に関与する転写因子Sox9,GATA4及びAd4BPと蛋白-蛋白相互作用をする因子の同定とその発現様式

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "マウス性腺の形態形成に関与する転写因子Sox9,GATA4及びAd4BPと蛋白-蛋白相互作用をする因子の同定とその発現様式"

Copied!
57
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)マウス性腺の形態形成に関与する転写因子Sox9, GATA4及び. Ad4BPと蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定とその発現様式. 専 攻. 教科・領域教育. コース. 自然系(理科). 氏 名. 繁戸克彦. 生殖活動はすべての生物種に普遍的な生命活動. もとでその機能を発揮するのか,どのように有機的. である。我々哺乳類をはじめ,生物種の中には2つ. 連携を持つで性腺の分化に関わるのか,分子レベル. の性(雄と雌)による有性生殖という生殖法をとる. でのメカニズムは解明されていない点が多い。対象. ものも多い。これら生物種にとって唯の確立」は,. とした転写因子は,DNA結合因子であり,これら. 生殖活動を支える重要な事柄となると考えられる。. 因子の活性は他の蛋自質の結合によって制御されて. 哺乳類以外の動物では,社会的,環境的要因により. いることが多い。しかし,これら転写因子と相互作. 性が決定したり,自ら性転換することで,より効率. 用する因子(蛋白質)は,ほとんど同定されていな. 的に子孫を残すことが知られている。これに対し哺. い。本研究では性腺分化時期に,これら転写因子と. 乳類の性決定は性染色体(Y染色体)に依存し,他. 相互作用する新規因子を網羅的に同定することで,. の動物に比べ遺伝的要素に強く支配されている。し. 性分化に関わる因子とその調節機購を明らかにしょ. かしながら,性染色体が正常であっても,性転換を. うとするものである。. 起こすケースもあり,哺乳類においてもさえも,性. 本研究では,SOx9, GATA4, Ad4BP/SF−1と蛋. 染色体上の遺伝子以外の遺伝子が,性腺分化に関与. 白一蛋白相互作用をする因子を蛋白質複合体検出シ. していることは明らかである。雌雄の性腺はその機. ステムである,出芽酵母を用いた]Mo−hybrid. 能と構造が大きく異なる。この違いは,どの遺伝子. systemを用いて検出した。 Soxgでは,全長と後. 群の転写を特異的に活性化するかによって規定され. 半部の2種類を,GATA4ではアミノ末端を除いた. ている。性分化の過程では,それぞれの性を分ける. Znフィンガーを含んだ長さの異なるもの3種類を,. 一群の遺伝子の発現が起こる。これら遺伝子の転写. Ad4BP/SF−1ではカルボキシル末端の転写活性化. の制御に関与する因子が転写因子である。本研究で. ドメインを除いたものと,プロリンリッチ領域を中. 対象としたSoxg(SRY related脳G box g),. 心とするものの2種類をそれぞれベイトとし,マウ. GAり巳A4(GATA. ス雌雄の11.5∼13.5日胚の性腺より作られた. transcription fact;or 4),. Ad4BP/SF−1(Adrenal 4 binding prot:ein /. cDNAライブラリーを使用してスクリーニングの実. Steroidgenic factor 1)は性腺分化に関与す. 験を行った。実験によりそれぞれの転写因子と蛋白. る遺伝子の転写を制御する転写因子で,精巣の発達. 一蛋白相互作用が確認されたクローンの中で,生殖. における重要な役割を担っていると考えられている。. 腺分化に関連すると考えられるものについて,基礎. しかし,これら転写因子がどのようなメカニズムの. 生物学研究所(細胞分化研究部門)との共同研究で,.

(2) ホールマウント1nε1加ハイブリダイゼーション. 4のシグナル伝達因子),c−abエ(abヱの原ガン遺. を行い,マウス初期胚の性腺におけるそれらの遺伝. 伝子)は,すでに判明している機能から細胞の増殖. 子の発現様式を解析した。. 分化に関わりを持ち,性腺の形態形成に関与してい. 実験により性腺の形態形成に関与する転写因子,. る可能性が高いと考えられる。これら因子の発現様. Sox9, GATA4, Ad4BP/SF−1と蛋白一蛋白相互作. 式はまだ確認されていないが,今後,発現様式を見. 用をする因子を数多く同定した。しかし,すべての. ることでその因子の動態を解析することができるだ. 因子が実際に有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子. ろう。. ではなく,細胞の核内に移行し,転写因子と結合し. 本研究では,酵母という加v拉。の系の中での. 相互作用を行うと考えられるものを遡ljし有効な蛋. 相互作用を見てきたが,蛋白質どうしが結合するこ. 白一蛋白相互作用をする因子の候補とした。また,. とを,精製した蛋白質を使い,1nv北roの条件の. ホールマウント加訂加ハイブリダイゼーション. もとで確認していく必要がある。また,蛋白質どう. による発現パターンの結果が得られたものについて. しがどのような領域で相互作用しあっているかも,. は,ベイトに用いた転写因子の発現パターンとの比. まだ判明していない。機能面においては,その相互. 較により性分化に関与する因子であるか解析した。. 作用の結果どのような反応(転写の活性化など)が. これら考察の結果,いくつかのクローンが性分化に. 起こるか,などの機能解析は手つかずのままである。. 関係する有効な蛋自一蛋白相互作用をする因子であ. 今後,これらの課題が克服され,対象とした転写因. ると考えた。SOx9でとれた{のdomainを持つク. 子の機能面の解析が進み,性分化というメカニズム. ローンはTrp−Aspの繰り返しを含む冊40. の一端が解明されることができるものと考える。. repeatsを持ち,このdomainを持つものには転 写因子と結合する因子も知られており,また,1n S1加ハイブリダイゼーションの結果, SOX9と同 様に発生初期から雄の性腺特に精細管で強く発現 しており,精細管壁のセルトリ細胞でSOxgと相互. 主任指導教官. 山口 修. 作用を行い性腺の形態形成(雄化)に関与している. と考えられる。GATA4ではHiston macro H2A.1. に類似するクローンがGATA4と同様に雄の性腺の 精細管で強く発現が見られGATA4と関係し性腺の 形態形成(雄心)に関与している可能性が高いと考 えられる。また,両遺伝子と相互作用する因子とし. て刷domainを持つものがとられMエS(ミューラ ー管阻害因子)の発現に関与する可能性を残す。 Ad4BP/SF−1においてとられた, Arx(ショウジョ. ウバエのホメオボックス遺伝子アリスタレスと相同 な遺伝子),β一円テニンα伽亡4:姫ηgエess≠1nむ一エ. 指導教官 吉岡秀文.

(3) 平成12年度 修士論文. マウスの性腺の形態形成に関与する転写因子Sox9,GATA4及び Ad4BPと蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定とその発現様式. 兵庫教育大学大学院修士課程 専 攻. 教科・領域教育. コース. 自然系(理科). 学籍番号 M99613A. 繁戸克彦.

(4) 目 次. 1序論 H 実験材料と実験方法 1.実験材料 (1)酵母,大腸菌 (2)転写因子 (3)プラスミド. (4)cDNAライブラリー (5)オリゴヌクレオチドプライマー. 2.実験方法 (1)ベイトプラスミドの作製 (2)酵母の形質転換およびスクリーニングの方法 (3)融合蛋白質の転写活性能の検出と選択培地調整実験 (4)スクリーニングで得られたクローンの同定 (5)スクリーニングで得られたクローンの蛋白一蛋白相互作用の再確認 (6)ホールマウント1n sf亡uハイブリダイゼーションによる発現様式の解析. 皿 結果. 1.Sox9と蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定 (1)SQX9のアミノ酸配列の確認. (2)GAM−SQX9融合蛋白質の転写活性 (3)Soxg fullと蛋白一蛋白相互作用をする因子. (4)So認C−te㎜と蛋白一蛋白相互作用をする因子 2.GA:A4と蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定 (1)GAユA4のアミノ酸配列の確認 (2)GAL4−GArA4融合蛋白質の転写活性 (3)GAユA4 C−tem1と蛋白一蛋白相互作用をする因子 (4)GATA4 C−SCと蛋白一蛋白相互作用をする因子 (5)GAユA4 Znと蛋白一蛋白相互作用をする因子 3.Ad4BP/SF−1と蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定. (1)Ad4BP/SF−1のアミノ酸配列の確認 (2)GAL4−Ad4BP/SF−1融合蛋白質の転写活性 (3)Ad4BP AF2一と蛋白一蛋白相互作用をする因子 (4)Ad4BP proと蛋白一蛋白相互作用をする因子 4.各転写因子と蛋白一蛋白相互作用をする因子の発現様式. (1)SQX9と蛋白一蛋白相互作用をする因子の発現様式. (2)GAJA4と蛋白一蛋白相互作用をする因子の発現様式 (3)Ad4BP/SP1と蛋白一蛋白相互作用をする因子の発現様式.

(5) 】V考察 1.有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の遡llについて 2.各転写因子と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の醐1」. (1)SQX9と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の選別. (2)GAπA4と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の醐り (3)Ad4BP/SF−1と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の遡1」 3.各転写因子と有効な蛋白一蛋白相互作用をする新規因子と今後の課題. V 謝辞. VI引用文献 表1∼表13 図1∼図15.

(6) 1 序論 生殖活動はすべての生物種に普遍的な生命活動である。我々哺乳類をはじめ,生物種 の申には2つの性(雄と雌》による有性生殖という生殖法をとるものも多い。これら生物 種にとって「性の確立」は,生殖活動を支える重要な事柄となると考えられる。哺乳類以 外の動物では,社会的,環境的要因により性が決定したり,自ら性転換することで,より 効率的に子孫を残すことが知られている。これに対し哺乳類の性決定は性染色体(Y染色 体)に依存し,他の動物に比べ遺伝的要素に強く支配されている。しかしながら,性染色 体が正常であっても,性転換を起こすケースもあり,哺乳類においてもさえも,性染色体 上の遺伝子以外の遺伝子が,性腺分化に関与していることは明らかである。雌雄の性腺は その機能と構造が大きく異なる。この違いは,どの遺伝子群の転写を特異的に活性化する かによって規定されている。性分化の過程では,それぞれの性を分ける一群の遺伝子の発 現が起こる。これら遺伝子の転写の制御に関与する因子が転写因子である。これまで醐泉 の性分化に異常をきたす疾患の原因遺伝子の同定や遺伝子破壊動物の作製をなどを通して,. 性腺の分化を担う転写因子のいくつかが同定,単離されている。本研究で取り上げた Sox9(SRY. related HMG. box. 9)(Foster. e亡 ∂ユ.,1994), GATA4(GATA. transcriptiOn factor 4) (White e亡 ∂エ.,1995), Ad4BP/SF−1(Adrenal 4. binding protein/Steroidgenic factor 1)(Morohashi eむ∂エ.,1992)も これら転写因子の一つである。. 哺乳類の性の生じる過程は,未分化な性腺がSRY(Sex determin土ng region on Y chromo some)の作用により精巣に,作用のない場合,卵巣に分化する(Gubbay e亡 aエ.,1990;Sinclair e亡aエ.,1990)。分化した精巣では,生殖細胞を取り囲むよう にセルトリ細胞とその外側にライディッヒ細胞が出現する。これらの細胞からミューラ一 管阻害因子(MI S,㎜)(セルトリ細胞から分泌されるTGF一β族に属するホルモン)と テストステロン(ライディッヒ細胞から分泌される男性ホルモン)が分泌され,それぞれ ミューラ一管の退縮とウォルフ管を発達させる(広川,エ999;武藤,1998)。このよう な性分化の過程にSOx9, GATA4, Ad4BP/SF−1をはじめ多くの転写因子は関与してい ると考えられている(図1)。. Sox9はSRYのHMG boxと呼ばれるDNA結合領域と高い類似性を示すHMG boxを もつS。x転写因子群の一つで,田G boxの他に転写活1生化領域を持つ(K。opman,1999). (図2)。Sox9は先天性骨形成不全症候群(CD=campomelic dysplasia)からクロー ニングされた遺伝子で,CD患者は骨や軟骨の変形,形成不全を引き起こすと共に男性か ら女性への性転換がみられる(Foster e亡aユ.,1994;Wagner e亡∂エ.,1994)。ま た,性腺の分化過程に先立ち発現量に性差が現れ,雄のセルトリ細胞に強く発現する(Kenし e亡 aエ.,1996)。. GATA4はGATA転写因子群の一つで, DNA結合モチーフであるZnフィンガーを2つ 持つ(White e亡aエ.,1995)(図2)。腹側の形態形成に必要な転写因子であり(Jeffery. e亡aエ.,1997),性腺の形成開始においては雌雄共にみられ,その後,雌雄差がでてく ると精巣のセルトリ細胞に強く発現する(Viger eむaエ.,1998)。 GATA4は性腺分化に 重要な機能を果たす。. Ad4BP/SF−1はステロイドホルモン産生に不可欠なP450酵素群の遺伝子の発現を制 1.

(7) 御する因子として同定され(MOr。hashi eむaユ.,1992), znフィンガーを2つ, Fしz−Fl. box,プロリンリッチ領域,転写活性化ドメイン(TA)などをもっている(Parker,1998) (図2)。本因子のノックアウトマウスには副腎と性腺の形成が認められないことから, 性腺形成に不可欠であると考えられている(ShinOda e亡∂エ.,lg95)。 Ad4Bp/SF−1. の発現は性分化期において雄で高くなり(HatanO et aエ.,1994),ステロイド産生細. 胞であるライディッヒ細胞においても認められ雄においてライディッヒ細胞自体の分化 やテストステロン合成に関与しているものと思われる(諸橋,1995)。. これらの遺伝子は発生の特定の時期に特定の細胞群で発現し,細胞の分化に関与し細. 胞に雌雄差という特異性を与える転写因子である。SOx9(Santa−Barbara e亡 aユ.,1998),GATA4 (▽iger e亡∂ユ.,1998), Ad4BP/SF−1 (Hatano e亡aエ.,1994;. Shen eとaエ.,1995)はMエSプロモーター領域に結合配列が認められMエSの発現の調 節を行っていることが明らかになっており,これらの転写因子はMエsを介して雄化へと 導くと考えられている。. しかし,これら転写因子がどのようなメカニズムのもとでその機能を発揮するのか, どのように有機的連携を持って性腺の分化に関わるのか,分子レベルでのメカニズムは解. 明されていない点が多い。本研究で対象とした転写因子は,先に述べたとおり脚A結合 因子であり,これら因子の活性は他の蛋白質の結合によって制御されていることが多い。 しかし,これら転写因子と相互作用する因子(蛋白質)は,ほとんど同定されていない。. 本研究では性腺分化時期に,これら転写因子と相互作用する新規因子を網羅的に同定する ことで,性分化に関わる因子とその調節機購を明らかにすることを目的とした。 本研究では,マウス(蜘S 」mしZSσUエUS)のSox9, GATA4, Ad4Bp/SF−1と性腺分化時. 期に結合してシグナル伝達を行う因子を探すべく,これら因子と蛋白一蛋白相互作用する. 因子を蛋白質複合体検出システムである出芽酵母を用いた揃。−hybrid system(philip eむaエ.,1996)(図3)により検出した。蹄。−hybrid systemは,. 出芽酵母の転写因子GA:L4のエη近vo再構成を利用した蛋白質複合体検出システムであ る。酵母の転写因子遺伝子(孤4をDNA結合領域(GA:』4BD)をコードする部分と転写活 性化領域(GA:L4AD)をコードする部分に分割し,前者に各転写因子を連結しプラスミドに 組み込み,後者にはマウスの性腺が分化する時期の性腺から作られたcDNAを連結しプラ スミドに組み込む(cDNAライブラリー)。両プラスミドを酵母に導入することによって, 各転写因子とライブラリーの蛋白質が複合体を形成,GAL4蛋白質が再構成されるとレポ ーター遺伝子(肛53)が活性化される。レポーター遺伝子の発現の有無によって蛋白質 問の複合体形成を検出することができ,発現したクローン解析することで,挿入した各転 写因子と直接的に相互作用する蛋白質をコードする遺伝子が得られる。得られた遺伝子を. 同定し,生殖腺分化に関連すると考えられるものについては,ホールマウント1n誼uハ イブリダイゼーションを行い,マウス初期胚での性腺におけるそれら遺伝子の発現様式を 解析した。. 2.

(8) H 実験材料と実験方法 1.実験材料 (1)酵母,大腸菌 実験に用いた酵母,大腸菌は5∂σσh∂rα四ごe5σere恒5エ∂e. pJ69−4A株と. 船cer1曲1∂σoh DH5α株HBIO1株である。 GenOtypeはそれぞれ表1,表2に示 す。. (2)転写因子 S。x9, GATA4, Ad4BP/SF−1は基礎生物学研究所(細胞分化研究部門)より供与され たマウス(Mus mu5σuエus)のもので, SOx9とAd4Bp/SF−1はプラスミドベクターpGBT9. のマルチクローニングサイト(MC S>挿入されたものを, GATA4はプラスミドベクター PBluescript H(SK+)のMcsに挿入されたものをもちいた。. (3)プラスミド 実験に使用したプラスミドはpGBT9とpGAD424でともに大腸菌と酵母で自立増殖可 能なシャトルベクターである。pGBT9はGA:L4 D煎A結合領域(アミノ酸!∼147番目). の配列を含む融合蛋白質作製用プラスミドで,DNA結合領域のオープンリーディングフ レーム(ORF)の3’末端にMC Sを持ち,大腸菌ではアンピシリン耐性となる.bユa遺伝子. とアミノ酸要求性を抑制する栄養マーカー町pユを選択マーカーとして持つ(図4)。 pGAD424はGA:』4転写活性化領域(アミノ酸768∼881番目)の配列を含む融合蛋白質 作製用プラスミドで,DNA結合領域のオープンリーディングフレームの3’末端にMC Sを 持ち,大腸菌ではアンピシリン耐性となるわユa遺伝子とアミノ酸要求性を抑制する栄養 マーカーLeu2を選択マーカーとして持つ(図4)。. (4)c㎜ライブラリー 基礎生物学研究所(細胞分化研究部門)より供与されたcDNAライブラリーを使用した。 マウス(」血s珈usσuエus)雌雄の11.5∼13.5日胚の性腺(中腎を除く)より得られたcDNA. をpGAD424のMC Sに挿入し作成された。. (5)オリゴヌクレオチドプライマー 実験に用いたオリゴヌクレオチドプライマーを表3に示す。これらのプライマーは日 清紡東京研究センターに依頼し合成したものを使用した。. 3.

(9) 2.実験方法 (1)ベイトプラスミドの作製 本研究における組み換えDNA実験における基本的操作は, Current Pr。tOcOl in MOlecular BiOlogy(Ausuま)eユ. e亡:∂ユ.,1987),Molecular cloning(S∼…皿)rOok. e亡∂エ.,1989)の方法を使用した。また,DNAシーケンシングにはABエ373A DNAシ ーケンサーとBig Dye Te]:minatOrを用いた。. pGBT9のMC Sに遺伝子の塩基配列の方向と読み枠が合うように転写因子を挿入し, GA]』4と挿入した転写因子の融合蛋白質ができるようベイトプラスミドを作製した。挿入 した転写因子はマウス(蜘5jmu5σUヱしZS)の50x9, GAm4, Ad4BP/5F一ユやその遺伝子 の一部である(図2)。. ・PG班9−S(鷹9の作製. 基礎生物学研究所より供与を受けたpGBT9−Sox9をテンプレートとし作製した。ベイ トプラスミド作製にあたって,表3に示したオリゴヌクレオチドプライマーを作製し塩基 配列の確認を行った。使用したプライマーはSox FO,F1,F2,F3,F4,F5(図5)とGA:』4. 3’BDである。一ユ(Sox9全長)(図2)はpGBT9−Soxgを使用した。. 一(HMGボックスを含むS。x9前半)(図2)はSOxg fullを制限酵 素EσoR I,働∂1で切断し取り出し, pGBT9のMC Sの亙σoR I,働∂1に挿入し作製. した。一(TAを含むSoxg後半)(図2)はSoxg fu11を制限酵素働∂ 1,Ba囲1で切断し, pGBT9のMC Sの働a I,.Ba雁{1に挿入し作製した。これらベイ トブラスミドへのインサートの確認はGAL45’BDシーケンスシングブライマーを用いた DNAシーケンシングにより行った。. ●pGBT9一㎝瓜匹4の作製 基礎生物学研究所より供与を受けたpBluescript−GATA4をテンプレートとし作製し た。ベイトプラスミド作製にあたっては,表3に示したオリゴヌクレオチドプライマーを. 作製し塩基配列の確認をおこなった。使用したプライマーはGATA F1,F2,F4,F5,R1,R2,R3,R5(図6)である。一ユ(GATA4全長)(図2) はテンプレートをLA Taqポリメラーゼ(TAKARA)を用い, LA Taq用PCRサイクル(表 4)でpCRを行った。 pCRプライマーはGATA F1,GATA R1(図6)を使用した。 pCRプ ロダクトを制限酵素EσoR I,Ba囲1で切断し、 pGBT9のMC SのEσoR I,Ba囲1サ. イトに挿入し作製した。一(GATA4前半部)(図2)はプライマーを GATA F 1,GATA R2(図6), BT−A田4 一 (GATAのN端を159a.a.削ったも. の(図2>はプライマーをF6とR1(図6>, BT−AA4 一. (Znフィンガーを. 1っ完全に含んだGA田A4後半部〉(図2)はプライマーをGATA F2,GATA R1(図6)を用. い,pGBT9−GATA4 fullと同様に作製した。 BT−ATA4 一 (GATA4 C一しe]㎜の C端を72a.a.削ったもの)(図2)はpGBT9−GATA4 C−termを制限酵素EcoR I,働∂. 1で切断しpGBT9のMCSに挿入し作製した。一(Znブインガーを2つ 完全に含んだGATA4後半部)(図2)はプライマーGATA F8,GATA R5(図6)を用い,. pGBTg−GATA4 fullと同様に作製した。これらベイトプラスミドへのインサートの確認 はGA:L45’BDシーケンシングプライマーを用いたDNAシーケンシングにより行った。 4.

(10) ・pGBT9−Ad4BP テンプレートであるAd4BP/SF−1は当研究室においてDNAシーケンシングにより塩基 配列を確認したものを使用した(図7)。 BT−A 4BP AF2一(全長からC端のAF2領域. を削ったもの)(図2)は基礎生物学研究所で作製されたものをそのまま使用した。 BT−A 4BP r(プロリンリッチ領域をもつもの)(図2)は,基礎生物学研究所より 供与を受けたpGBT9−Ad4BP/SF−1をテンプレートとしてプライマーAd4 F 5とAd4 R3 (図8)を用いpGBT9−GATA4 fullと同様に当研究室で作製されたものを使用した。. (2)酵母の形質転換およびスクリーニングの方法 本研究におけるYeasしTwO−hybrid systemを用いた形質転換やスクリーニング実. 験に関する方法及び試薬,培地,溶液などは,MATC㎜ER伽○一Hybrid System(Clontech MATCHM:AKER Two−Hybrid System 2,1996)のプロトコー ルに従った。. (3)融合蛋白質の転写活性能の検出と選択培地調整実験 GA:L4のDNA結合ドメイン(GAL4BD)に蛋白質X(ベイト蛋白質)を融合させたものと転 写活性化ドメイン(GA:L4A:D)に蛋白質Y(ライブラリー中の新規蛋白質〉を融合させたもの. が酵母体内で結合すると,レポーター遺伝H■33が活性化されSD/一His培地での酵母の 生育を可能とする。しかし,遺伝子X(pGBT9−X)によってはXとGA:L4BDの融合蛋白質 が転写の活性化を起こすことがある(表5C)。また,スクリーニングによって得られた遺 伝子Y(pG肛}424−Y)であっても, YとGA:L4ADの融合蛋白質が転写の活性化を起こすこ ともある(表5D)。このため,各融合遺伝子がなにも挿入していないベクターと組み合わ せたときに転写活性がないことを確認しなければならない。選択培地に加える3AT(3− amino−1,2,4−triazOle)は,酵母のレポーター遺伝Hエ53の低いレベルの発現を押さ. えることができるので,3AT各濃度での活性を調べ,適切な3AT濃度でcDNAライブラ リーのスクリーニングを行うことで,偽陽性のクローンの出現を押さえ,真に陽性のクロ ーンだけを選択することができる。作成したすべてのべイトプラスミド(pGBT9−X)につ いて上記の実験を行い3AT選択培地の濃度を決定した。. (4)スクリーニングで得られたクローンの同定 スクリーニングで得られた酵母コロニーから,酵母のプラスミドのコロニーダイレクト. PCRを行いプレイプラスミド(pGAD434−Y)の蛋白質Yの遺伝子Yを増幅させた。コロニ ーダイレクトPCRにはGA:L45’A:Dと3’ADシーケンシングプライマー(表3(4))を用 いた。実験方法等は酵母のプラスミドのコロニーダイレクトPCR法(真木,1999)に従 った。次に,そのPCR産物のDNAシーケンシングを行い塩基配列を決定した。シーケン シングにはGAL45’AD 32merのシーケンシングプライマーを用いた。酵母からプレイ プラスミドを回収したものは,GAL45’皿17mer(表3(4))もしくはGA:L45’AD 32mer のシーケンシングプライマーを用いたシーケンシングによりその塩基配列を決定した。シ. ーケンシングのためのPCRはDye Terminator用PCRサイクル(表4)にて行った。以 上のようにして得られたプレイプラスミド(pGAD424−Y)中のcDNA(遺伝子Y)の塩基配 5.

(11) 列をBLASTNを利用して,得られた遺伝子Yの塩基配列とホモロジーが高いものを検索 し同定した。使用したデータベースはGenBank, EST, GSS, HTG, STS, EMBLである。. (5)スクリーニングで得られたクローンの蛋白一蛋白相互作用の再確認 H2(3)で述べたとおり,スクリーニングによって得られたクローンであっても,遺伝 子YとG袖4ADの融合蛋白質が転写の活性化を起こすことがある(表5−D)。そのため, 表5一皿の組合せであるpGBT9と得られたプレイプラスミド(pGAD424−Y)と表5−IVの 組合せであるベイトプラスミド(pGBT9−X)と得られたプラスミド(pG肛}424−Y)で蛋白一. 蛋白相互作用を調べ,後者の活性が前者の活性より高いことを確認したものを真に陽性の クローンとした。. (6)ホールマウント1ns1加ハイブリダイゼーションによる発現様式の解析 蛋白一蛋白相互作用が再確認されたクローンの中で,生体内で有効な相互作用をするの ではないかと考えられるクローンについて,基礎生物学研究所(細胞分化研究部門)にホ. ールマウントエns1加ハイブリダイゼーションを依頼した。本研究での加5北uハイ ブリダイゼーション法(野地,1997)は遺伝子の発現を血RNAレベルで見るため,その遺 伝子のmRNAにハイブリダイズする標識(ジゴキシゲニン)のついたプローブを作りハイ ブリダイズさせ,アルカリフォスファターゼ(AP)を結合した一次抗体を用いて検出し, 発色はBCエP(5−BrOmO−4−Chloro−3一一エndolyl Phosphate)により行うものである。. ホールマウントゴηsエ加ハイブリダイゼーションとは小さな胚全体に対し行う⊥η富加 ハイブリダイゼーションである。この方法を用いて胚発生のどの時期の性腺のどの組織で その遺伝子が発現しているか,発現に雌雄差があるかなどを調べた。. 6.

(12) 皿 結果 1.Sox9と蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定 (1)Sox9のアミノ酸配列の確認 ベイトプラスミド作製に先立ちDNAシーケンシングにより得たアミノ酸配列を KoOpman(Koopman、1999)のアミノ酸配列と比較確認したところ,5箇所異なってい た(図9)。そのため基礎生物学研究所より㎞smusσuエusのcDNAライブラリーよりと られたSox9の供与を受けシーケンシングしたところ本研究で使用したSox9と同一のア ミノ酸配列であったため,実験に使用するSoxgには問題はないと考えた。. (2)G阯4−Sox9融合蛋白質の転写活性 各Sox9とGA:L4BDの融合蛋白の転写活性を調べた実験結果を表6に示す。 Soxg N一 ヒemを導入した酵母は生育せず, S。xg N−te]mはスクリーニングの実験に用いること ができなかった。同プラスミドを導入した大腸菌でも増殖は極端に遅く,導入されること によって合成された蛋白質が酵母の生育に対し阻動的に働いているのではないかと予想さ れる。実験はSOxg fullとSoxg C−termを用いて行った。また, SD/一His/一Leu/一. Trp/3AT選択培地の3AT濃度をどちらも50mMとした。 (3)s(鷹9fu11と蛋白一蛋白相互作用をする因子 Soxg fullをベイトに用いたライブラリースクリーニングでは形質転換効率6.8×104 cfu/μgで273万個月コロニーをスクリーニングした。 SD/一His/一Leu/一Trp/50mM. 3ATの選択培地に特異的に現れたコロニー47個を得た。そのうち,2クローンは,酵母 が増殖せず,7クローンはライブラリープラスミドの回収ができなかった。残り38クロ ーンについてライブラリープラスミドを回収した。それらのうち塩基配列が確定できた32. クローンの解析結果を表7に示す。この実験で得られたクローンの中で,蛋白一蛋白相互 作用を再確認したものは,SWエ/SNF, UBC 9, Ribosomal RNA, Vo l tage,dependent. anion cha㎜e12, H2−K region e)qpressed gene 6,β一actin, Puしative. potassium−chloride cotranspOrter−4, PrOt二ein synthesis elongaヒion fact。r Tuと6個のun㎞ownのクローンである。 UnKn。wn(No.46)は基礎生物学研 究所(細胞分化研究部門)にホールマウント加s1加ハイブリダイゼーションを依頼した。. (4)So翌9 C−temと蛋白一蛋白相互作用をする因子 Soxg C−temをベイトに用いたライブラリースクリーニングでは形質転換効率4.2× 104cfu/μgで169万個のコロニーをスクリーニングした。 SD/一His/一Leu/一Trp/. 50皿13ATの選択培地に特異的に現れたコロニー87個を得た。そのうち,37クローン は,50mM 3 ATマスタープレートで酵母が増殖しなかったため陽性のクローンでないと. 判断した。残り50クローンをダイレクトPCRしシーケンシングした結果28クローンに ついてシーケンスデータを得たが,塩基配列を確定し判読できるクローンは16クローン 7.

(13) のみであった。それらの解析結果を表8に示す。この実験で得られたクローンの中で, 蛋白一蛋白相互作用を再確認したものは,translation initiation factor,}髄G17. と3個のun㎞ownのクローンである。田G17(NO.81)とun㎞ownの3クローン (No.33)(NO.65)(NO.87)は基礎生物学研究所にホールマウント1n 51馬脚イブリダ イゼーションを依頼した。. 2.G配覧4と蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定. (1)GM匹4のアミノ酸配列の確認 ベイトプラスミド作製に先立ち膿Aシーケンシングにより得た塩基配列をデータベー ス上の塩基配列(pubMed Accession No.A:F17924.1 GenBank Gエ:5882285)と比. 較確認したところ,アミノ酸1箇所異なる(図10)が,Gly→Ser非極性と極性という違 いはあるもののDNAの立体構造を作る各種結合には関与しないので,実験に大きな影響 を及ぼさないと考えそのまま実験に用いた。. (2)G』4副)一(捌㎜4融合蛋白質の転写活性. 各GATA4とGAL4BDの融合蛋白質の転写活性を調た実、験結果(表6)から, GATA4 full,GATA4 N−tem,GATA4 N−SCとGAI 4BDの融合蛋白質は転写活性が高く,スク リーニングの実」験に用いることができず,GATA4 C−term,GATA4 C−SC,GATA4 Znを. 用いて実験を行った。また,SD/一His/一Leu/一Trp/3AT選択培地の3AT濃度をそれぞ れ,5mM,50mM,5丁目とした。. (3)㎝田町4c一七emと蛋白一蛋白相互作用をする因子 GATA4 C−te■mをベイトに用いたライブラリースクリーニングでは形質転換効率3.8 ×104cfu/μgで150万個のコロニーをスクリーニングした。 SD/一His/一Leu/一丁の. /5剛3ATの選択培地に特異的に現れたコロニー50個を得た。そのうち,4クローンは, 酵母が増殖せず,3クローンはライブラリープラスミドを導入した大腸菌が増殖せずプラ スミドの回収ができなかった。43クローンについてライブラリープラスミドの回収を行 いシーケンシングにより塩基配列を確定した。16種類25クローンの解析ができ,それ らの解析結果を表9に示す。解析できたクローンの中で,蛋白一蛋白相互作用を再確認し たものは,UBC9,Centrosmin B, Chromatin assenbly factor−1, Diphthamide. biosynesis protein 2−like, MISと3個のun㎞ownのクローンである。. (4)㎝mA4 c−scと蛋白一蛋白相互作用をする因子 GATA4 C−SCをベイトに用いたライブラリースクリーニングでは形質転換効率2.4× 104cfu/μgで94万個のコロニーをスクリーニングした。 SD/一His/一Leu/一Trp/50mM. 3ATの選択培地に特異的に現れたコロニー96個を得た。このうち26クローンはダイレ クトPCRでインサートを複製できず,3クローンはプラスミドの回収できたが塩基配列 を確定できなかった。ダイレクトPCR産物のシーケンシングの結果20クローンは塩基 配列を確定できなかった。塩基配列が確定できた残り47クローンについての解析結果を 8.

(14) 表10に示す。この実」験で得られたクローンの中で,蛋白一蛋白相互作用を再確認したも. のは,U:BC9, RibosO皿al proteinと8個のun㎞Ownのクローンである。 un㎞Own 4クローン(No.22とNO.62)(NO.65)(No.80)(NO.g5)は基礎生物学研究所にホー. ルマウントゴηs1加ハイブリダイゼーションを依頼した。. (5)GM鰻Znと蛋白一蛋白相互作用をする因子 GATA4 Znをベイトに用いたライブラリースクリーニングでは形質転換効率3.1×104 cfu/μgで124万個のコロニーをスクリーニングした。 SD/一且is/一Leu/一Trp/5mM. 3ATの選択培地に特異的に現れたコロニー56個を得た。ダイレクトPCRで増幅したも のは25クローンであった。その中で12クローンはシーケンスでベクター部しか読めず 解析できなかった。ダイレクトPCRで増幅しなかったものについて,プラスミドを回収 しようと試みたが,回収不能であった。塩基配列が確定でき解析できた13クローンにつ いての結果を表11に示す。この実験で得られたクローンの中で,蛋白一蛋白相互作用を 再確認したものは,UBC9のみであった。. 3.記4BP!SF一■と蛋白一蛋白相互作用をする因子の同定 (1)記4BP!SF−1のアミノ酸配列の確認 ベイトプラスミドの作製に先立ちD甑シーケンシングにより得たアミノ酸配列を基礎 生物学研究所から報告があったアミノ酸配列(水崎,私信)と比較確認したところ,5箇 所異っていた(図8)。データベース上に公開された最新のAd4BP/SF−1のアミノ酸配列 (GenBank:NMO O 8050)と比較したところアミノ酸の異なった部分に関して相同であっ. た。ことから本研究で用いたAd4BP/SF−1を実験に使用することに問題はないと考えた。 (2)G紬4副)一為d4BP!SF−1融合蛋白質の転写活性. 各Ad4BP/SF一覧とG凡4BDの融合蛋白の転写活性を調べた実験結果(表6)から, SD/一His/一Leu/一Trp/3AT選択培地の3AT濃度をAd4BP AF2−15mM, Ad4BP pro 10血Mとした。. (3)為d4BPハF2一と蛋白一蛋白相互作用をする因子 Ad4BP AF2一をベイトに用いたライブラリースクリーニングでは形質転換効率16.5 ×104cfu/μgで660万個のコロニーをスクリーニングした。 SD/一His/一Leu/一Trp /15nM 3 ATの選択培地に特異的に現れたコロニー76個を得たが,8クローンはプラス ミドの回収ができなかった。残り68クローンについてプラスミドを回収し,そのうち塩 基配列が確定できた52クローンについて解析結果を表13に示す。この実験で得られた クローンの中で,蛋白一蛋白相互作用を再確認したものは,UBC 9,Arx,pエAS3とun㎞。wn のクローンが2種類4クローンである。Arx(NO.13), pエAS 3(No.36), un㎞Ownの2. クローン(No.15)(No.45)は基礎生物学研究所にホールマウント1ηsゴ加ハイブリダ イゼーションを依頼した。. 9.

(15) (4)記4BP proと蛋白一蛋白相互作用をする因子 Ad4BP proをベイトに用いたライブラリースクリーニングでは形質転換効率5.5×104 cfu/μgで221万個のコロニーをスクリーニングした。 SD/一His/一Leu/一Trp/10血M 3ATの選択培地に特異的に現れたコロニー108個を得た。そのうち, No.1∼41は,ダ. イレクトPCRを行わずプラスミドを抽出した。3クローンはプラスミドを回収できなつ かたが,残り38クローンよりプラスミドを回収し,シーケンシングを行い19クローン の塩基配列を確定した。No.42∼108はダイレクトPCRを行いシーケンシングした結果 17クローンについての塩基配列を確定した。それらの解析結果を表!2に示す。この実 験で得られたクローンの中で,蛋白一蛋白相互作用を再確認したものは,Catenin beta,. c−abl,㎜, Zinc finger protein 198, Ad4BP/SF−1である。これらの中で相 互作用の強いβ一亜目ニン(NO.11), c−abl(No.14)は基礎生物学研究所にホールマウ. ント1n 51加ハイブリダイゼーションを依頼した。. 4.各転写因子と蛋白一蛋白相互作用をする因子の発現様式 (1)S眺9と蛋白一蛋白相互作用をする因子の発現様式 Sox9およびSox9と蛋白一蛋白相互作用をする因子の性腺におけるホールマウント加 5北uハイブリダイゼーションの結果を図11に示す。Soxgは性腺の形態に雌雄差が明 確に現れていない11.5日胚においても雄特異的に発現する。12.5,14.5日胚におい ては特に精細管で強く発現している。SOx9は性腺分化に先立ち雄の性腺で発現がみられ, 精巣の精細管壁のセルトリ細胞に強く発現する(Kent e亡aユ.,1996)という報告と同 様の発現様式が見られた。un㎞own SOxg full NO.46(un㎞Own GATA4 C−SC NO.95. と同一クローン)は12.5日胚の結果しかないが雌雄とも組織全体に発現がみられ,精細 管が他の組織に比べ発現力粗い。un㎞Own SOxg c−term No.33は雌雄共に発現がみ. られたが,卵巣に比べ12.514.5日胚の精巣の精細管で強く発現していた。un㎞Own Soxg C−teun No.65, un㎞Own S。xg C−tem No.87は他の組織にくらべ雌雄の 性腺に発現しており,雄にわずかに強い発現が見られる。. (2)G柵A4と蛋白畷白相互作用をする因子の発現様式 GATA4およびGATA4と蛋白一蛋白相互作用をする因子の生殖腺のホールマウント1η sゴ加ハイブリダイ今一ションにより得られた結果を図12に示す。GATA4は12.5,14.5 日胚の雌雄の性腺に発現がみられるが,14.5日胚の雄の精巣の精細管で他の組織に比べ 強く発現している。GATA4が弱化に関係し,雌雄差がでると精巣の精細管壁のセルトリ 細胞に強く発現する(viger e亡∂エ.,1998)という報告と同様の発現様式が見られた。. tm㎞own GATA4 C−SC N。.22,N。.62は12.5日胚の結果しかないが,雌雄とも性腺. には弱い発現しかみられなかった。un㎞。wn GATA4 C−SC No.65は,14.5日胚では 雌に比べの雄の精巣の精細管で特に強く発現していた。un㎞Own GATA4 C−SC No.80 は12.5日頃の結果しかないが,組織全体で発現がみられた。. (3)祖4BP!SF−1と蛋白一蛋白相互作用をする因子の発現様式 10.

(16) Ad4BP/SF−1およびAd4BP/SF−1と蛋白一蛋白相互作用をする因子の生殖腺における. ホールマウント加s1加ハイブリダイゼーションの結果を図!3に示す。 Ad4BP/SF−1 は1!.5,12.5日胚では雌雄とも性腺に発現が見られる。14.5日胚においても両性に 発現しているが精巣全体に強く発現が見られた。このことは,生殖腺原基においては雌雄 差なく発現がみられ,性分化期において雄で高くなるという報告(Haしano e亡∂エ.,1994). と一致する。pIAS3 Ad4Bp AF2−NO.36,No.42,No.61は雌雄共に発現がみられ,性. 腺以外の組織にも強くシグナルがでており,性腺特異的な発現は見られなかった。Ad4BP 鯉2一で得られたArx, un㎞ownの2クローン, Ad4BP prOで得られたβ一カテニン,. c−ab1,㎜,Zinc finger protein198のホールマウント1n sゴ亡uハイブリダイ ゼーションの解析は進んでおらず,今後解析を行う予定である。. 11.

(17) IV 考察 1.有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の選別について 本研究では酵母のTwo−hybridスクリーニングで,各転写因子に対し数多くの蛋白一 蛋白相互作用が確認されたクローンが得られた。しかし,これらがすべて生体内で転写因 子と共にシグナル伝達を担っているとは考えられない。本研究で対象とした3つの転写因 子の特徴はDNA結合因子で標的遺伝子の上流に結合すること,発生の特定の時期に特定 の細胞群で発現し,細胞の増殖や分化に関与し細胞に雌雄差という特異性を与えることで ある。これらのことを考慮し,得られた因子も核への移行があるか,生体内での細胞の増 殖や分化に関与する可能性があるかなどという観点と,その遺伝子の醐泉での発現様式の 結果もふまえ,有効な相互作用をするのではないかと考えられるクローンを選別し考察し た。. 2.各転写因子と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の選別 (1)So麗9と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の選別 SOxg fullで数多くとれたSWエ/SNF complexは転写因子の一つ,クロマチンリモ デリング因子である。これによりDNAのヌクレオソームが変化し転写制御因子GA:L4や 基本転写因子TBp(TATA−bainding prOtein)が結合できるようになる(田村,1999)。. この因子はS。x9と生体内で有効な相互作用をすると考えられるが,性腺,分化時期に 特異的に発現しているとは考えにくい。un㎞own Soxg full No.46はun㎞Own GATA4 C−SC No.95と同一クローンで, Sox9にも, GATA4にも相互作用が確認されたクロー ンである。クローンの塩基配列の中にはGCリッチな領域を含み,モチーフ検索の結果 冊r/rep.5/WWP dOma inをもち,剛doma inはプロリンに富む配列(Xpp】召配列)に 結合することで蛋白一蛋白相互作用に関与する(福岡,2000)。Sox9とGATA4はMI Sの. プロモーター領域にAd4BP/SF−1をはさんで結合することが知られている(図 14(1))(Nelson e亡∂エ.,1999;諸橋,1999)。 MエSのプロモーター領域ではこの2. つの転写因子が近接して存在する可能性もあり,Sox9とGATA4両転写因子と相互作用 し(図14(2)),さらにAd4Bp/SF−1がプロリンに富むprOline rich regionを持 ち冊1d。mainの結合ドメインを含むをことから, Ad4BP/SF−1とも相互作用する可能 性を残す(図14(3))。これら3っの蛋白質と相互作用する可能性を持つことから興味深. いクローンである。また短い領域であるが転写因子ValentinOの一部と相同な部分がみ られた。このクローンのエns茸uハイブリダイゼーションの結果は,精巣の精細管に若 干強く発現してはいるものの組織全体に発現がみられることから,性腺の分化に直接関与 する因子であるか疑わしいが,相互作用により転写の活性化に関与する因子であると思わ. れる。SOxg fullでとれた他のun㎞ownのクローンとしてはN。.38がC.eエegaロs のhypOthetical protein}こ似たものであり,種を越えて保存の良いものであるり,. No.39もヒトのhypOthetical proteinに類似したものである。この両クローンに 12.

(18) は塩基配列が判明した範囲では,特定のモチーフも発見できていない。No.3とNO.9は 蛋白一蛋白のホモロジー検索(BULSTX)においてもホモロジーのあるものは見つからず,. 塩基配列が判明した範囲では,特定のモチーフも発見できていない。以上のun㎞Ownの クローンはその発現様式もっかめていないため有効な相互作用をするかどうか判断できな い。. Soxg C−te:mとれたHMG17は活性クロマチン(クロマチンの凝集が緩んでいるとこ ろ)に結合することから転写と深い関係があると考えられるが発現様式がまだ確認できて. いない。S。x9 C−term NO.33は切domainを持つun㎞ownのクローンであるが, モチーフ検索の結果Trp−Aspの繰り返しを含む肛)40 repeatsと類似することが確認 できた。レの40repeatsをもつもののなかには転写因子と結合するもの(伍r∂)が知ら れており,このクローンも転写因子と結合する可能性を残す。また,1ηs北uハイブリ ダイゼーションの結果,SOx9の発現と同様な発現様式はみられないが,発生初期から精 細管に強く発現しており,セルトリ細胞でSox9と有効な相互作用を行う可能性がある。 他のun㎞。wnのクローンNo.65, NO.87は類似する塩基配列や蛋白質は同定できてい ないが,1η5北uハイブリダイゼーションの結果,性腺での特異的な発現は見られるも のの,その雌雄差がないことから性分化に直接関係する因子の可能性は低いと考えられる。. (2)GM鰻と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の選別 GATA4でスクリーニングされたもので既知のものの中には生体内で有効な相互作用を するのではないかと考えられるものは発見できなつかたが,データーベースで同定できな いクローンがいくつか得られている。. GATA4 C−termではNo.7, No.18, NQ.48の2つのun㎞Ownのクローンがとられ たがNo.7はモチーフ検索でも有効なモチーフは見つからなかった。 N。.18はcarrier. proteinと類似するクローンでcarrier proteinの機能は物質の運搬に関与するも のであることから転写因子との相互作用は考えにくい。un㎞own No.48はEGF類似 dOmainをもつもので, EGFは上皮成長因子で主にシグナル伝達に関与し受容体を活性化 し,受容体から核ヘシグナルを伝達して上皮細胞の増殖を活性化する働きがある。その因 子自体の核内への移行は報告されておらず転写因子と相互作用するかは判断できない。 GATA4 C−SCではNo.11, No.22(No 62と同一), No.23, NO.36, No.65, No.80,. N。.95のun㎞Ownのクローンが取られた。 un㎞own N。.22,N。.62は複数個とれて きたことからGATA4と何らかの関係があると考えられ, iηsエ加ハイブリダイゼーシ. ョンの結果から性腺にシグナルは弱いがでており,性腺でGATA4と相互作用する可能性. を残す。モチーフ検索によりun㎞own No.65はDNA結合dOmainであるロイシンジ ッパー(novel b−zip)を持ち,, Histon macro H2A.1と類似が一部みられた。 H2A. の中には,細胞増殖に関係するものもあり,⊥ηs九uハイブリダイゼーションの結果か. らも雄の精細管に強く発現するというGATA4の発現様式と同様の発現がみられGATA4 と共に蛋白一蛋白相互作用をし,雄の性分化に関係している可能性を示唆する。un㎞own No.80はヒトの遺伝子と高いホモロジーが確認されているが,1η5エ加ハイブリダイゼ. ーションの結果から精巣や性腺特異的な発現は見られずGATA4と蛋白同士の相互作用は あるかもしれないが性腺の分化を作用するものではないと考えられる。tm㎞own N。.95 13.

(19) はS。革9でとられたクローンと相同のものである。その他のun㎞ownのクローンには類 似するものや特定のモチーフは発見できず発現様式もつかめていないため有効な相互作用 するか判断できない。. (3)超4BP!SF−1と有効な蛋白一蛋白相互作用をする因子の選別 Ad4BP AF2一でとれたA:rxはショウジョウバエのAristalessに相関のある遺伝 子で,Aristaとは触覚の周辺に存在する細かな感覚毛でA:ristalessにはAristaは ない。マウスでは頭部と生殖腺に発現が確認され,ノックアウトマウスも作製されている (三菱生命研)。形態上の変化として14.5日胚の精巣の発達に遅れが見られ,新生児の. 精細管に異常が見られる。このArxはホメオボックス遺伝子で,このホメオボックスは HTH(ヘリックスーターンーヘリックス)構造を持つ転写制御因子であり,発生に関わる。. ホメオボックス蛋白質は弱い特異性で遺伝子上流に結合し,転写を特異的に制御すること. から,Ad4Bp/SF−1と相互作用する可能性が高い。 pIAS3は遺伝子の誘導的発現に関与. する転写因子STAT3(Signal transducer and activatOr of transcriPtion family)と物理的に相互作用する活性STAT3蛋白質阻害因子で(田村,1999)。 S田AT3 が核内へ移行する転写因子であることからAd4BP/SF−1との相互作用も考えられたが,. 加51加ハイブリダイゼーションの結果はAd4BP/SF−1と類似する生腺特異的な発現 は見られず,性分化に関係する因子とは考えにくい。Ad4Bp鯉2一でとれたun㎞own No.15(No.33,46と同じもの), No.45は両者とも強い相互作用を示す。 un㎞Own. No.15はモチーフ検索でも有力な情報は得られていない。 N。.45はpH(pleckstrin 相同領域)domainを持つ蛋白質である。 pH domainはシグナル伝達に関与する多様な 蛋白質に見られる因子でシグナル伝達での蛋白一蛋白相互作用に関係するが,得られたク ローンが核内で転写因子と相互作用するかは疑問である。. Ad4BP proではとれたクローンのβ一カテニン(NO.11, NO.82)は Wnt(wingless+int−1)のシグナル伝達構成因子でリンパ球活性化因子/丁細胞因子 (LEF/TCF=limphoid enhancer facしor/T−cell factor)との複合体を作り転写 を活性化することで細胞の増殖や分化,細胞の癌化などの発生の様々な過程を制御してい るという報告(田村,1999;石谷eむ∂エ.,2000)がある。Wnt4によるシグナルはその 標的遺伝子を活性化すると考えられていたが,Wnt4 mutant mouseの研究から, Wnt4 のシグナルは抑制型の転写因子であるDaxユ(DSS−AHC−critical region on the X chromosome 1)の転写を活性化し,その結果として卵巣における雄特異的な遺伝子発現 (MエSの強発現など)を抑制しているのではないかという報告もあり(河辺 私信),Daxユ. 遺伝子の転写活性に対するWntシグナル分子であるβ一カテニンの影響が検討されている。 β一望テニンはWntのシグナルを受け核内に移行しLEF/圧℃Fと結合する。 D∂xユ遺伝子. のプロモーター領域にはLEF/r℃Fの結合サイトが4カ所あり,β一カテニンとLEF/q℃F の複合体がそこに結合することで,Daxユの転写を活性化していると考えられている(図 15(1))。また,Daxユ遺伝子のプロモーター領域にはAd4BP/SF−1の結合サイトも4カ. 所あり,Ad4BP/SF1でDax1の転写が活性化することがわかっている(河辺私信)。 Ad4BP/SF−1とβ一カ年ニンが蛋白一蛋白相互作用することが本研究で明らかになったこ とでβ一カテニンを介したAd4BP/A:F−1とLEF/ワ℃Fの相互作用が予想される(図15(2))。. 14.

(20) Daxユ遺伝子のプロモーターのLEF/冗Fの結合サイトを4カ所すべてミューテーション したものでも培養細胞においてAd4BP/SF−1,β一案テニンを加えることでDaκユの転写 が活性化されることが実験で確認されており(水崎私信),D∂xユの転写活性はプロモ ーター領域にβ一カテニンとLEF/ワ℃Fの複合体が結合することによって調整されている のではなく,プロモーター上に結合したAd4BP/SF−1とβ一義テニン, LEF/1℃Fの複合 体が相互作用することで調整iされているのではないかと考えられる(図15(3))。また,. Wnt4とDax1は性腺分化において雌の性腺の雄化を阻害する因子でり(図1), Ad4BP/SF−1が雄ばかりでなく雌の生殖腺でも弱いが発現していることから興味深い仮. 説であるように思う。c−abヱはガン遺伝子∂bユの原ガン遺伝子でabl蛋白質は核に存 在し,Src類似制御領域SH2とSH3,チロシンキナーゼドメインとC末端には細胞周期 に依存してDNAに結合する領域を持つ。σ一abヱはSH2, SH3を介したシグナル伝達を 行うと考えられている。ベイトとして用いたAd4BP proにSH3ドメインの結合配列で あるPXXPをコアとしたアミノ酸配列(福岡,2000)の存在も確認している。得られたク ローンは精巣特異的。−abヱであり, Ad4BP/SF−!の発現が精巣で強いことから有力な因. 子と考えられる。σづuηは、刀Nの原ガン遺伝子で,遺伝子産物皿脳は核に存在しDNA. 結合領域ロイシンジッパーと転写活性化ドメインを持つ(田村,1999)。すでに Ad4Bp/SF−1と相互作用することがpull downアッセイにより確認されており, p450 遺伝子の一つであるC四ユエAの転写調節に関与することが報告されている(諸橋2000)。 N。.31はDNA結合することのできるZnフィンガーを持つ蛋白質あることから可能性の ある因子である考えられる。Ad4Bp/SF−1相互作用が見られたが, Ad4Bp/SF4が二量 体を作る報告はないことから有効な相互作用であるかは疑わしい。. 3.各転写因子と有効な蛋白一蛋白相互作用をする新規因子と今後の課題 本研究より性腺の形態形成に関与する転写因子,Sox9, GATA4, Ad4BP/SF−1と蛋 白一蛋白相互作用をすると考えられる因子のいくつかが判明した。SOx9とGA田A4では,そ. れぞれWD domainを持つクローンとHiston皿acrO H2A.1に類似するクローンが, その発現様式からもSox9, GATA4と関係し性腺の形態形成(雄化)に関与している可能 性が高いと考えられる。また両遺伝子と相互作用する欄domainをもつクローンもMエS プロモーター領域で相互作用する可能性を残す。Ad4Bp/SF−1においては, Arx,β一カ テニン,σ一∂bユがすでに判明している機能から,細胞の増殖分化に関わりを持ち,性腺. の形態形成に関与している可能性が高いと考えられる。これら因子の発現様式はまだ確認 されていないが,今後,発現様式を解析することで,その因子の動態を把握することがで きるだろう。. 本研究では,酵母という1nvエvoの系の中での相互作用を見てきたが,蛋白質どうし の結合(相互作用〉を精製した蛋白質を使い,1ηv九roの条件のもとで確認していく必 要がある。また,蛋白質と蛋白質がどのような領域で相互作用しあっているか,まだ判明 していないものも多く,結合領域の決定も課題である。機能面においては,その相互作用 の結果どのような反応(転写の活性化など)が起こるか,などの機能解析は手つかずのま まである。今後,これらの課題が克服され,対象とした転写因子とそれらと相互作用する 因子の機能面での解析が進み,性分化というメカニズムの一端が解明されるものと考える。 15.

(21) V 謝辞 本研究は兵庫教育大学自然系生物研究室で行ったものである。終始有益なご指導と励 ましを賜った吉岡秀文助教授,笠原恵博士,本研究全般にわたり,適切なご指導と助言を 賜った基礎生物学研究所諸橋憲一郎教授に心から御礼申し上げます。 また,有吉悦子氏,榊田容子氏をはじめ吉岡研究室のみなさま,cDNAライブラリー やフォールマウント1ηs北uハイブリダイゼーション等にご協力いただいた基礎生物学 研究所 細胞分化研究部門の水崎博文,松山誠の両氏,並びに細胞分化研究部門研究室の 方々に深く御礼申し上げます。. 16.

(22) V【引用文献 Ausbel FM,Brent二R,Kingst二〇n R:E,MOOre DD,Seidman JG,Smith JA, Struhl. K,1987.Current二prot:ocOls irl molecular biolOgy. Greenpublishig Associates and Wiley一工nterscience,N.Y.. Clontech MATCHMAIくER Two−Hyb:rid System 2 (PT1030−1)Catalog#K1604− 1:1996.CLONTECH Laboratories,lnc. Foster JW, Dominguez−Steglich MA, Guioli S, Kowk G, Weller PA,. St:evanovic M, Weissenbach J, MansOur S, Young工D, GOOdfellow PN,. 1994.Campomelic dysplasia and aut二〇somal sex reversal caused by ㎜tations in an SRY−related gene. Nature 372:525−530.. 福岡麻衣子 2000.SR3ドメインと剛ドメインによるポリプロリン認識機序.実1験医 学Vo l 8 No.1:37−41羊三社. Gubbay J,Collignon J,Koopman P,Cape l B,EconOmOu A,Musterbae:ごg A,Vivioa N,GOOdfellow P,Lovell−Badge R,:L990.Agene mapping to t二he sex determininq region of the mouse Y chromosOme is a menber of novel. family of 磁)ryonically expressed genes. Nature 346:245−250. Haしano O, Takayama K, 工mai T, Wat二erman MR, Takakusu A, Omura T,MOrohashi K,1994..Sex−dependent expression Of a transcription factOr,Ad4BP, regulat二ing ste:roidogenic P−450 genes in the gonads du:ring prenatal a:nd post二natal rat develOpment. Development 120:2787−2797. 広川佳史 1999.性分化を特徴づける転写因子たち.実、験医学 Vo l.17 NO.3(増 刊):!39−145 羊土社.. 石谷太,久本直毅,陣立,松本邦弘2000.㎞tシグナル伝達系と幽Pキナーゼカ スケードのクロストーク.実験医学Vo l.18 No.10:エ362−1366 砕土社.. Jeffery DM, Qing工」, St二ephen AD, Eric NO, 1997. Re(狽irement of the. tra:rユscripしion fact:or GATA4 fOr heart t二ube formation and ventral mO:4)hogenesis. Genes&De▽elopment 11::L O 61−1072.. 17.

(23) Kent二J, Wheatley SC, Andrews JE, Sinclair AH, KoOpman P, :L996.. Amale−specific:rOle for SOXg in vertebrate sex determinat二ion. Deve lopment 122:2813−28!5.. KOopman P,1999. S脚d SOx9:㎜alian testis−detemining genes. Cel:L Mol.LIife Sc土.55:839−856.. 真木寿治 1999.改訂正℃RTips細胞工学別冊:104−108秀潤社. 三宅剛司,正井久雄 1994.two−hybrid syst㎝を用いた蛋白質相互作用の研究(酵 母による遺伝子実験法)羊土社.. Morohashi K, Honda S, InOmata Y,且anda H, Qmura T,1992. A co㎜on. しrans−acting factOr Ad4−binding proしein to the prQmoters of steroidogenic P−450s.」.Biol.Chem.267:17913−17919. 諸橋憲一郎 1995.性分化とAd4BP.生北学Vo l.76醤。.10:1195−12Q9. 諸橋憲一・郎 ユ999.生殖腺の分化と転写因子.HORMONE FRQMエERエN G孤ECOLO(打. 6:211−217.. 諸橋憲一郎 2000.生殖腺の分化を支える転写因子群と細胞増殖因子.蛋白質・核酸・ 酵素▽01.45No.9:1624−1632.. 武藤照子 !998.哺乳類における性決定遺伝子と生殖巣の分化.蛋白質・核酸・酵素 ▽bl.43 No.4:478−483.. 野地平筆 1997.ホールマウント血誼uハイブリダイゼーション法の実際(免疫染色・1n 誼Uハイブリダイゼーション)羊土社. Parker K工」, 1998. The roles of sしerOidoqenic 】Eactor l in endocrine. development and functiQn. Mol. Cell Endocrinol. 25:59−63.. Philipゴ,JOhn H, Erizabeth AC,1996. Genomic libraries and a host st二rain designed fo:r highly efficient t二wo−hybrid selectiOn in yeast.. Geneしics 144:1425−!436. Sambrook J, Frit二sch EF, Maniatis T, :L989. Molecular cloning. Co:Ld. Spring Harbor Laboratory Press.. 18.

(24) Sanしa−Barbara P, Bomeaud N, Boizet B, Desclozeaux M, MoniOt B, Su(丑)eck. P, Sche:rer G, Poulat F, Berta P, 1998. Direct interaction of. SRY−related proteirl SOX9 a:nd steroidOgenic factor 1 :regulates transcription of the h㎜an anti一㎜llerian hormone gene. MOl. Cell Biol. 18:6653−6665. ShinOda Iく, Lei H, YOshii H, NO㎜ra M, NaganO M, Shiba H, Sasaki H,. Osawa Y, Ninomiya Y, Niwa O, 1995. Developmental defecしs of the ventromedial hypothalalnic nucleus and pituitary gonadotroph in the Ftz−FI disrupted mice. De▽. pyn.204:22−29.. Shen WH, Moore CC, Ikeda Y, Parker KL, Ingraham HA,1995. Nuclear. recepしor steroidogenic facしor l regulat二es the mullerian inhibiting substance gene: a lir日く:to the sex determinat二ion cascade. Cell. 77:65ユー一656.. Sinclair AH, Bert二a P, Palmer MS, Howkins JR, Griffiths BI.,Smiしh MJ,. Fost二er JW,Frischauf AM,工、Ovell−Badge R,GOodfellow PN,1990. A gerle. frome the human Sex−det二ermining region encodes a protein wit:h homology to a conserved DNA binding mot:if. Nature 346:240−224.. 田村隆明,山本雅之,安田邦夫編 1999.転写因子第2版羊土社 ▽iger RS, Mertineit C, Trasle:r JM,1998. Transcript二ion factor GATA4. is a sexually dimorphic pattern during mOuse gonadal development. εmd is potent activator of the㎜llerian inhibiting substance pro皿oter. Development 125:2665−2675. Whiしe RA, Dowler L工., Paszしor LM, Gatson LL, Adkison LR, Angeloni S▽,. Wilson DB,1995.Assig㎜ent o:E the t二ranscription factOr GATA4 gene to human chromOsome 8 and mouse chromosome 14:Gata4 is a candidate. gene for Ds(disorganization).Genomics 1:20−26. Wagner T, Wirth J, Meyer J, Zabel B, Held M, Zi㎜er J, Pasantes J, Bricarelli FD, K:eutel J, Hustert E,1994. Aut二〇somal sex reversal and. c岬omelic dysplasia are caused by㎜tations in and around the SRY−relaしed gene SOX9. Cell 79:1111一:L120.. 19.

(25) 表1 本研究で使用した酵母 Genotype. Stl函n. PJ69−4A. M4距〃・ψ!−901. 1θ〃2β,112. z〃α3−52. 1z♂53−200. gα14△. go〃80△. 」L∬2∴(夷4五1「硲3 G4ゐ2r/1DE2〃2θ’2r’(男4五7−ZocZ. (Philip e亡 aエ., 1996). 表2 本研究で使用した大腸菌 Stra㎞. DH5α. Genotype F一 CΦ80dZαcZ△M15,△(Zα(:ZX4一α㎎戸)U169,. DθoR, rθc41,θ翻1,. 加6ガ∼17( 一 十巧、mk),、ρ乃α4,5笏ワ1ヲ44,λ一,劾’一1,gソ疏496,紹乙41. HB 101. 5梶ρE44,1編∫20(rgmB冒),κc祖3,αzα一14,μ042, Zαcy1,go底2, ηワ51乙20,剛1−5,〃πみ1,Zα孟B6,疏1−1. (SambroOk e亡 ∂ユ.,1989).

(26) 表3 実験に用いたオリゴヌクレオチドプライマー アンダーラインは制限酵素の部位を示す. (1)SOx9. Sox SOx Sox Sox SOx Sox. FO F:L. F2 F3 F4 F5. 5LATGAATCTCCTGGACCC−3’ 5LTGAAGGGCTACGACTGG−3’ 5LCGGTGAAGAACGGACAA−3’. 17mer 17mer. Tm=63.5℃. 17me:r. τm=57.8℃. 5’一GGCAGTTACGGCATCAG−3’ 5’一CCACACGTCAAGCGAC−3’. 17me:r. Tm=57.8℃. 16mer 17mer. Tm=64.9℃. 5’一GTGAAGAACGGACAAGC−3’. Tm=57.2℃. Tm=63.5℃. (2)GATA4. Tm=72.3℃. 5’一AAAG△ムェェ⊆CCCTACCCAGCCTACAT−3’. 29mer 25mer 26mer 26mer 26mer. 5’一CCG遡AAAGGCAGAGAGTGTGTCA−3’. 28皿er. Tm=64.5℃. 28mer 29mer 28mer 26mer. Tm=69.7℃. GATA Fl GATA F2 GATA F4. 5’一CCGG△△皿⊆GCGATG「:PACCAAAGCCTGGC−3’. GA「rA F5. 5’一AAAΩ鯉エ⊆GTGTCCCCGCGCT「rCTC−3’. GATA F6 GATA F8 GATA R!. 5’一GACG⊆皿ACGCGGTGATTATGTCCCC−3’. GATA R2 GATA R3 GATA R5. 5’一GACG⊆理⊆:⊆:ATGGCCCCACAA「皿コGACACA−3’. 5’一CCG遡ΩATGTCCACCCCACTCT−3’ 5’一州Ω△皿CTGGGCCTGTCCTACCT−3’. 5’一GACΩ⊆込エ⊆⊆ACCTGCTGGCGワコCTTAGAT−3’. 5LGACΩ⊆躍Ω⊆GGCGCATCTC「:PTCACTG−3’. Tm=65.9℃ Tm=68.3℃ Tm=70.7℃ Tm=69.1℃. Tmニ68.2℃ Tm=67.6℃ Tm=69.1℃. (3)Ad4 BP. Ad4 F 5 5’一週AG△△皿⊆CAGCAGAAGAAA㏄ACAGATCC−3’31mer Tm=69.5℃. Ad4 R3 5’一ATA鯉⊆⊆TGAAGGGCGCTGGCTG−3’. 25mer Tm=70.7℃. (4)シーケンシングプライマー. 5’一GAGAAGCAACCTGACCTA−3’ 5’一TACCACTACAATGGATG−3’. 17mer Tm=65.3℃. 5’一CTATTCGATGATGAAGATACCCCACCAAACCC−3’. 32mer Tmニ79.6℃. GAL4 3’AD 5LGTGAACTTGCGGGGTTTTTCAGTATCTACGAT−3’. 32mer Tm=78.3℃. GA工」4. 5’BD. GAL4 3’BD GA工.4. 5’AD. 16mer Tm=58.6℃.

(27) 表4 各種PCR実験のサイクル (1)LA Taq用PCRサイクル. 94℃. 1分. 98℃ 10秒. 63℃ 3分. ]×3。サイクル. (2)Dye Terminator用PCRサイクル 96℃ 30秒 ]×25サイクル 50℃ 15秒. 60℃ 4分. 表5揃○一hybrid systemのプラスミドの組合せ. baiしplasmid prey plasmid. IpGBTg HpGBT9−X 皿pGBTg r》pGBT9−X. レポーター遺伝子Hエ53の活性 C B A. pGAD424 pGAD424 pGAD424−Y pGAD424−Y. D. 十 十 十. 十. A:XとYが相互作用する蛋白質である。 B:XとYが相互作用する蛋白質であるとはいえない。 C:baitのみで活性があるため,伽。−hybrid systemではこの融合蛋白 (pGBT9−XよりできるGA:』4BDと蛋白質Xの融合蛋白質〉は使えない。. D:preyのみで活性があるため,蹄。−hybrid sysし㎝ではこの融合蛋白 (pGAD424−YよりできるGAL4ADと蛋白質Yの融合蛋白質)は使えない。. 十.

(28) 表7Sox9 fu11でとれたclone シーケンシン. No,. clone name. Oの方法. SWI/SNF complex 60kDa(a.a.1∼). P17. insert. ib). inter−. function. ≠モ狽奄盾. 奄獅?盾窒高≠狽奄盾. 十一. あり. クロマチンリモデリングに関係. ±±. ±『. なし. sumo1化に関係する蛋白質. 3AT濃度(上段Sox9とprey下段pGBT9とre). 10mM 20mM 50mM 100mM. 2mM. 5mM. 十二. 十一. 十『. 十一. 十一. 十十. 十十. 十十. ±±. 1 ッ一clone4{固No.1, 13, 27, 44. UBC9(a.a.22∼). B2. unknown. P17. 十±. 十±. 十一. 十一. 十}. 十一. あり. SWI/SNF complex 60kDa(a.a.2∼). P17. 十±. 十一. 十}. 十一. 十一. ±一. あり. 2500. 2. 唐浮高盾Pを結合させ核内移行に関係する. 類似するものや特定のモチーフ見つからず. 3. 4 ッ一clone4個No.4,5,11,36. 132. 1500. 132. 1300. 十寸. 十一. 十一. ±一. unknown. B2. 500. 十±. 十一. 十一. ±一. ±一. SWI/SNF complex 60kDa(a.a.12∼). P17. UBC9(a.a.13∼). 132. 2800. 十±. 十一. 十一. 十一. 十一. 28S ribosomal RNA. P17. 十±. 十一. 十一. 十一. 十一. ±}. Voltage dependent anion channel 2. 132. 1500. 十一. 十一. 十一. 十一 一一,. =. Pro−a【pha−2. 132. 1800. Glyceraldehyde−3−phosphate 7. Glyceraldehyde−3−phosphate 8. (plasmid回収できず). р??凾р窒?enase. =. =. なし. 脱水素酵素. =. 弱い. 類似するものや特定のモチーフ見つからず. =. あり. р??凾р窒?enase. 9. 10 12. あり. リボソームRNA. 弱い. 輸送仲介蛋白質. 14 18 collagen. i細胞膜上に存在する) コラーゲン (構造蛋白質). 19 H2−K region expressed gene 6. P17. Cytoskeletal mRNA for beta−actin. 132. unkuown. 132. unknown. P17. 弱い. ステロイドデヒドロゲナーゼ. あり. アクチン調節蛋白質. =. 弱い. ヒトのリボソームRNAと類似. =. なし. 十二. 十一. 十一. 十一. ±一. 1500. 十十. 十十. 十±. 十・. 土一. ±}. 650. 十二. 十一. 十一. 十}. =. 十十. 十十. ±±. ±±. =. 20. =. }. 22 29 31. 次ページに続く.

(29) シーケンシン. No.. 35. insert. 3AT濃度(上段Sox9とprey下段pGBT9とprey). 2mM. 5mM. 10mM 20mM 50mM 100mM. done name. Oの方法. Mitochondrial 3−hydroxy−3−methl. 132. 1500. 132. 2800. 十手. 十一. 十一. 十一. 132. 3000. 十±. 十一. 十一. 十一. ±}. 132. 2000. ÷±. 十一. 十一. 十一. ±一. 1700. 十±. 十一. 十一. 十一. (b). inte卜 ≠モ狽奄盾. function 奄獅?盾窒高≠狽奄盾. (plasmid回収できず). 撃浮狽≠窒凾?coenzyme alpha−synthase ene. Putative potassium−chloride. 37 @ cotrans orter−4(KCC−4) unknown 38 unknown 39. =. =. 弱い. (HB101をdirect PCRしsequencing). =. 弱い. Celegaη5のhypothetica[proteinと類似 ュきや機能はわかっていない. =. 弱い. ヒトのhypothetical proteinK IAAOO26と類似 ュきや機能はわかっていない ORF逆向き 終止コドンでる. =. 弱い. 蛋白質合成時のペプチド鎖延長因子. Tuberin(TSC2). P17. Protein synthesis elongation factor Tu. P17. ieEF−Tu eEF−1alpha). P32. Phosphatidic acid phosphatase type2c. P17. ボスファチジン酸フォスファターゼ. Alpha−tubulin. P17. 細胞内微少管構成蛋白質. unknown. P17. 40 43. =. 44 45. 46. 十±. 十一. 十一. 十一. ±一. =. 弱い. unknown. Orosoρh”∂のValentinoに一部類似する. vW/re.5/WWP domainを持つ. iGATA4 C−SC No.95と同一クローン). P17. 十÷. 十十. ±±. ±±. 十. ±. 47 十 十 bait plasmid pGBTg Soxg fullとpray lasmid pGAD424 clone nameの(aa.∼)内の数字は蛋白質の何番目のアミノ酸からのcloneか示す. P謡prey plasmid pGAD424を回収しシーケンシング 』yeastのdirect PCRで増やしたinsertをシーケンシング. =. =. 一. 一. なし. 17=17mer sequencing primer 32=32mer PCR primer.

参照

関連したドキュメント

婚・子育て世代が将来にわたる展望を描ける 環境をつくる」、「多様化する子育て家庭の

線遷移をおこすだけでなく、中性子を一つ放出する場合がある。この中性子が遅発中性子で ある。励起状態の Kr-87

※1・2 アクティブラーナー制度など により、場の有⽤性を活⽤し なくても学びを管理できる学

心嚢ドレーン管理関連 皮膚損傷に係る薬剤投与関連 透析管理関連 循環器関連 胸腔ドレーン管理関連 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

と言っても、事例ごとに意味がかなり異なるのは、子どもの性格が異なることと同じである。その

管の穴(bore)として不可欠な部分を形成しないもの(例えば、壁の管を単に固定し又は支持す

Hoekstra, Hyams and Becker (1997) はこの現象を Number 素性の未指定の結果と 捉えている。彼らの分析によると (12a) のように時制辞などの T