高齢期の住宅改善に関する研究 ―実住戸を用いた体験学習機会の構築を通じて―
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(2) 4.. 高齢者向け住宅改善のあり方. 4.1. 的な制作時間・かかった金額などもあわせて示し. 自宅で改善したいと思う箇所 表3. た。改善箇所の効果は実感してもらえたが、一方で. 自宅で改善したい箇所. 「実際に自宅でできそうか」という質問で回答に差 が出た。例えば、北側居室の畳下断熱材は費用もか からず制作時間も短いが、設置の難易度が高いと判. 1 2 ) 34. 断されたため、「自宅でできそうか」という問いに. (. はマイナスの評価が多い結果となった。 老朽化した団地という立地の特性上、共通して温 熱環境に改善の必要性を感じていることがわかる。 4.2. 断熱効果の実感度合い. 5.. 体験学習機会の構築による効果. 参加者の反応から、体験することで初めて理解が 深まり、住宅改善意欲が⾼まったことがわかった。 また、「効果的なものは知り合いにも教えたい」. 窓. (4.61). (13/14)、「自宅はもう改修済みだけど住まいの悩み を改善したいという人がいたら提案して手伝ってあ. 床 (4.77) (. 壁. ) 0%. 1. 図4. (4.79). 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2. 3. 4. 5. (平均点). 断熱効果の実感度合い(1.全く実感できない→5.とても実感できる). 窓・床・壁それぞれの断熱効果の実感度合いを点. げたい」という声もあり、住民同士の助け合いによ って住宅改善が普及していく可能性も示唆された。 6.. 結論. 今回の実験的取り組みからわかったことは以下の 通りである。. 数化し、平均点が最も高いのは壁であった。この結. ①⾼齢期には簡易な住宅改善ニーズがあるということ。. 果から、一般に断熱性を上げるというと窓の対策が. とがわかったこと。. 強調されるが、壁の断熱性が低い高経年の住宅につ. も⽰唆されたこと。. いては壁の断熱性を上げる工夫も重要であるという. 住まいをどうするかは、高齢期の自己決定に関わ. ②⾼経年の住宅ならではの課題が体験を通じて実感できるこ ③具体的な対策のあり⽅として住⺠同⼠の助け合いの可能性. 住民の気づきにつながったと考えられる。. る重要なテーマであるが、本研究を通じて住み継ぐ. 4.3. 人への配慮や自分が楽しみながら取り組むこともポ. 高齢者が望む改善レベル. 「なるべくお金はかけず自分でできる範囲で改善. イントであることがわかった。当初はあまり関心が. したい」(4/14)、「自分がいなくなった後そのまま. なくても、体験を通じてやってみたい、知人に教え. 若い人に住みつなげるように取り外しできるものが. たいという考えに変化する高齢者もいた。. いい」(1/14)、「趣味として DIY を楽しみながら改. 住民同士の助け合いの仕組みをどのように構築す. 善したい」(1/14)という声から、理由は様々だがリ. るか、建築や福祉の専門職がどのように関われるか. フォームなど大掛かりな住宅改修ではなく比較的簡. 等の検討が今後の課題である。. 易な住宅改善を望んでいることがわかった。 表5 , ( ). 改善箇所の概要. (-‑ ,. -‑. , ). -‑. , ( , (. (. -‑. ,. (. (. (. +. (. -‑ -‑. (. 今回の住宅改善では、それぞれの改善箇所に平均. [参考文献] ⅰ)藤岡泰寛,田中稲子:高齢化の進む長期経過団地における DIY ヒートショック対策技術の開発研究,日本福祉のまちづくり会, 2015.8 ⅱ)大野隆司:DIY による高齢化に対応する住宅改修作業-DIY によ る住宅改修作業の可能性に関する調査研究 その 3-,日本建築学会 計画系論文集,2002.5 [謝辞] 本研究実施に際して住⼾をご提供いただいたオーナーの⽅、参加 協⼒や制作協⼒をいただいた皆様に感謝申し上げます。 なお、本研究は科研費(課題番号 17K00781、18K04478)を受け て実施した。実施に際しては、「⻑期経過団地における実住⼾を ⽤いた温熱環境改善体験プログラムの構築」(株式会社翔設計との 共同研究)の⼀環としても取り組まれた。 ここに記して謝意を表します。.
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