拡張ターチンモデルにおける環境負荷の研究 1170246 福永 光宏 Study on environmental load in Extended Turchin model Mitsuhiro Fukunaga
人間の作る社会の発展のパターンを数学的に理解しようと、Ibn Khaldunの歴史理論をもとに、タ ーチンが2変数力学系理論をつくった。この理論では、国家の大きさと、国民の団結心を表す「アサ ビーヤ」という二つの変数が相関しつつ発展する。系は不安定な不動点を一つ持ち、相空間における 発展の軌跡は広がっていき螺旋をなす。
今回の論文では、 Turchinが作った2つの方程式に、全とポゴシアンが考案した信仰、科学など文 化力を数量化した量「メタアサビーヤ」という方程式を導入し、環境の影響・外部の影響などの値を 一定の値ずつ変化させていく。直感的には国が大きく、団結心などが高く、メタアサビーヤの値が大 きい国が発展も早く滅びにくいと考えるが一概にもそうであるとは限らないという結果が出た。具体 的にはメタアサビーヤの値は大きいほど国が長く栄えるのだが、国家の大きさと団結力が大きい国は 強い環境の影響・外部の影響に耐えることができ、逆にそれらの影響が小さいと、団結力が大きく国 家の大きさが小さいほど発展しやすいことがわかった。