階段状変断面ばり欄の自由振動
崎 山
毅*Free Vibration of Stepped Beams
by
Takeshi SAKIYAMA
(Structural Engineering)
The beams having steppedly varying cross section along the axis「are practically used as struct妓res and members of structures, and the behaviour of the continuously varying cross sectional beams can be known by analyzing the equivalent multistepped beams. From these viewpoints, the simple analysis for stepped beams must be established.
In this paper, the free vibration of stepped beams is analyzed on the usual assumption of the continuity of forces at the stepped sections. The differential equation of free vibration of stepped beam is expressed by using the unit step function, so that we can easily obtain the general differential equation of stepped beam regardless of the number of the steps. Moreover,
the frequency equations and mode equations of stepped beams are obtained generally regardless of the number of the steps and the boundary conditions, similarly to the uniforml beams.
1.序 文
断面積が長さ方向に階段的に変化する,いわゆる階 段状変断面ばりは構造物としてあるいは構造物の一部 材として使用される.また,長さ方向に連続的に任意 にその大ぎさが変化する断面を有するはりの力学的性 状は,適正に置換された階段状変断面ばりを解析する ことにより十分精密に把握することができる.このよ うな意味から,階段状変断面ばりの簡便な解法の確立 がのぞまれる.
階段耶麻断面ばりの自由振動に関しては,一個の断 面急変部を有するはりの最低次振動数を積分方程式を 用いて求めたTaleb, Suppiger1)の近似解法や静定 ばりの第1次振動数の下限を明らかにしたBuckens2)
のdecomposition methodなどカミある.また,・斉藤,
佐藤3)は一個の断面急変部を有する片持ばりの自由 振動性状を理論的および実験的に研究し,Bernoulli・
Eulerの初等曲げ理論から導かれる振動方程式により 十分正確に振動性状を解析しうることを明らかにして
いる.
本論文は,断面急変部において,力が連続するもの として,任意個の階段を有する変断面ばりの自由振動
*構造工学科
を解析したものである.本解法によれば断面急変部の 数の増大に伴う解析の繁雑さを軽減することができ,
最低次のみならず任意次数の固有振動数を算定するこ
、とが可能である.また,目次の振動モードは階段状変 断面ばりの全長にわたり一個の式で表わされる.さら に,本法は境界条件のいかんにかかわらず一般的に階 段状変断面ばりに適用できる振動解法である.
2.基礎微分方程式
直線ばりの基礎i微分方程式は周知の次式である.
{諜二龍誰:1:::
ただし,q(x), y(x),財(x),EI(x)はそれぞれはりの
荷重強度,たわみ,曲げモーメント,曲げ剛性である.図一1に示す階段状変断面ばりの断面二次モーメン ト1(x)は単位階段函数u(X−ai)を用いて,次の
ように表わされる.
1(x)=loΣンi U(x−ai) (2)
i=0
こごに,.Ioは階段状変断面ばりの左端一様部分の
断面二次モーメントであり,μiは左より第i番目の
断面急変部における断面二次モーメントの変化率であ螺]
αn司
αn階段状変断面ばりの自由振動
ω:固有角振動数
辺
Fig.1 Stepped bearn
る.また,nは断面急変部の数を表わす.なお,ア。=
1である.
式(1・a),(1・b)および(2)より,階段状
変断面ばりの曲げの基礎微分方程式として次の連立微 分方程式がえられる.藷一一・(・) (3・・)
驚一.噛_譲_
このとき,たわみ角∂(x)およびせん断力Q(x)は 次の旧式にて与えられる.
{1:=:1毒 :::::
3. 自由振動方程式
式(3・a),(3・b)より階段状変断面ばりの自
由振動方程式が導かれる.図一1のはりの単位長当り の質量ρ(x)は,左端の一様部分の単位長質量をρo,左より第i番目の断面積不連続部における単位長質量 の変化率をμiとすれば,次式にて与えられる.
ρ(x)=ρoΣμiU(x−ai) (4)
i=0
ただし,μo=1である.したがって,自由振動中の 階段状変断面ばりの単位長当りの慣性力q(x)は次式 で与えられる.
・(・)一一 aE(・一滴 (5)
ゆえに,階段状変断面ばりの自由振動方程式は,減 衰性,回転慣性を無視して次式となる.
三一轡・(・一品 ⑥の {_一尉u_二一
式(6・a),(6・b)に次の旧式
y(X,t)=y・(X)e五ωt1ωt 逗(x,t)=M*(x)e
を代入すれば,たわみおよび曲げモーメントの基準画 数y*(x)およびM*(x)に関する次の連立方程式が
えられる.
{総総講1=二1:㌶
このとき,たわみ角およびせん断力の基準函数θ*
(x)およびQ*(x)は次の各式にて与えられる.
θ・(・)一三 (7・c)
Q・(・)一d護 (7・d)
変数xを無次元変数η=珂」で置き換え,改めて
・(・)一品
z M*(η)
M(η)=一
EIo
と置けば,結局,無次元化されたたわみおよび曲げモ ーメントの基準函数y(η)およびM(η)に関する次 式が導かれる.
n
{1;嬰一・4i三計・(・一ξ・)・・一・
M、茎♂・(η一ξi)言;妥一・
ただし
λ4=ρ0ω214
EIo ai ξi=・一
」(8・a)
(8・b)
このとき,無次元化されたたわみ角およびせん断力 の基準函数θ(η)およびQ(η)は次の各式にて与えら
れる.
θ(・)一一 (8・c)
Q(η)一d
ソ (8・d)
4.微分:方程式の解
Laplace変換を用いて,連立微分方程式(8・a),
(8・b)より函数y(η),M(η)が求められ,また,
式(8・c),(8・d)より函数θ(η),Q(η)が求め られる.結果は次のと疑りである.
n 4
y(η) =Σ Σ {〔y(0)・alk皿十θ(0)・a2km十
k=(>m=1
M(0)・a3km+Q(0)・a4km〕士1km(η)u(η一ξk)}』
. (9・a)
n 4
θ「(η)=1Σ Σ{〔y(0)・alk皿十θ(0)・a2km十.
k=Om=1
。,叉M(0) a3k皿十Q(0) a4km〕f2km(η)u(η一ξk)}
(9・b)
n 4
M(η)=Σ Σ{〔y(0)・alkm.十θ(0)・a2km十
k=Om=1
M!O)・・$・m+Q(0)・a・・m〕f・・m(・)・(・一ξ・)}
(9・c).
n 4
Q(η)張三。鍋〔平(0) a・k皿+θ(0)●a・k皿+
M(0)・a3km+Q(0)・a4km〕f4km(η)u(η一ξk)}
(9・d)
ここに
y(0),θ(0),M(0)lQ(0);積分定数
面一妖)
P{ll;鋼
k−1 4
apkm=Σ Σfmij(ξk)・apij,
i=oj=1
ap・m=δp皿(クロネッカーのデルタ)
f・一(・)一{翻諺農窟紫1 2)
(m=3,4)
f、。m(η)=d
{ftkln(η)} .
dη
(S=・2,4;t=S−1;m=1,2,3,4)
f…(・)一 戟o21・(・i・hλ・一・i…)}
(p,m離1,2,3,4;S篇3・十p−m)
…ω=.
T{門門蜘
(m=1,零,3,4;S=4−m)
k 蘒p陛嚇)駄
i=0
なお,解の誘導の詳細は本文末のAppendikに示す.
5..振動数方程式および振動モード
階段状変断面ばりの振動数方程式および振動モード
は,式(9・a)〜(9・d)と境界条件とから,一様
断面ばりの場合と同様にして求められ,次の結果をえる.
(i) 単糸屯支i}寺をま1り
振動数方程式
n. 4 n 4
、Σ。調2k皿●f1 (1)、㍉轟毬・・皿●f・・m①
=O
n 4 n 4商調2km●f3k皿(1)、Σ。品至・・m f・・m(・)
振動モード
n 4
.y(η)=θ(0)・Σ Σ〔(a2km一α1・a4km)
k=Om=1
flkm(η)・u(η一ξk)〕
n 4
・ Σ
Σa2k皿・flkm(1)k=Om=・1
α1−n 4
ΣΣa4k皿・flk皿(1)
k=Om=1
(ii)両端固定ばり
振動数方程式
轟。誰磐幽(1)謙、
n 4 n 4
k㍉評m f・1㌍(1)、Σ。m−1
振動モード
n 4
y(η)=M(0)・Σ
k=σm=1
flkm(η).u(η一ξk)〕
n 4
ΣΣa3km・flk皿(1)
k=Om=・1
α2=:1
Σa4km。flkm(1)}
1
=:0Σa4k皿・f2km(1)
Σ〔(a3km一α2・a4km)
n 4
ΣΣa4km・flk皿(1)
k=Om=1
(iii)片持ばり(左端固定)
振動数方程式
階段状変断面ばりの自由振動
n 4 n 4
、㍉藷1k塒 flk加(1)k匙。三景・㎞・・呵・)I i
n 4 n 4 i 謬・評轟皿(1)認・藷細f (1)i
振動モード
n 4
y(η)=y(0)・Σ Σ〔(alkm一α3・a2km)
k=Om=1
flkm(η)・u(η一ξk)〕
n 4
Σ Σalkm・fikm(1)
k漏Om=1
α3=
n 4
Σ Σa2km・flkm(1)
k=Om=1
=0
その他の任意の境界条件を有する階段状変断面ばり に関しても全く同様にして,振動数方程式および振動 モードの一般式をえることができる.
〔づ
6.数値計算および考察
得られた階段状変断面ばりの振動数方程式を用いて,
断面急変部の数nニ2,4,6;8の4種の,図一2
に示すごとき対称型階毅品変断面ばりと,図一3に示 すごとき非対称型階段一変断面部材から成るはりとについて,自由振動の第1次と第2次の固有値を算定し
た.断面の変化を表わすパラメーターとしては,階段 状変断面ばりの左端から数えて第i番目の一様部分と第(i+1)番目の一様部分の断面の高さの差の絶対
値lhi−hi+1 iを左端の一様部分の高さhoで除した値Hを用いる.すなわち
定の階段置旧断面ばりについて行っ:た.一 (i)対称型階段状変断面ばり
図一4は両端単純支持された階段状変断面ばりの第
1次および第2次の固有値である.この変断面ばりに おいては,n=2,4,6,8いずれの場合にも,高
さの変化Hにほぼ比例して固有値λが増大する.すな わち,『中央部により大きな断面を有する両端単純支持 の対称型階段状変断面ばりの固有角振動数ωは,左端 の一様部分の断面をもつ等スパンの一様断面ばりの固 有角振動数よりも大である.
7。0
6.0
べ
①5.0 岳
墓
譜4.o
3.0
2.0
1.0
0 2π
π罵8
6
π
2nd vibration
窪
0
η=8
ズニニニニ
窪 1st vibrati。n O0.05
Height cllange H 0.10
Fig.4 Change of eigenvalueλ, of simple beam
H」h・一h・+・i
ho
Fig.2 Symmetric stepped beams
H
ナ
0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10
2 4,730 4,720 4,710 4,700 4,691 4,681 4 4,730 4,715 4,700 4,686 4,671 4,656 6
.4,7304,707 4,683 4,661 4,637 4,614 8
4,730.4,697 4,664 4,631 4,599 4,5β8
Table l First eigenvalue of fixed beam
Fig.3 Nonsymmetric stepped member 数値計算は,断面急変部の数n=2,4,6,8
いずれの場合とも,高さの差の絶対値lhi−hi+1}が一H
ナ
0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10
2 7,853 7,834 7,814 7,792 7,769 7,744 4 7,853 7,807 7,759 7,710 7,658 7,603 6 7,853 7,780 7,704 7,624 7,541 7,451 8 7,853 7,754 7,644 7,534 7,412 7,283
Table 2 Second eigenvalue of fixed beam
表一1および表一2はそれぞれ両端固定の対称型階 段天変断面ばりの第1次固有値および第2次固有値で ある.第2次振動の固有値の変化はnが大きい程顕著 であるが,第1次振動に関しては,n=2の場合の変 化が最も大きく,続いて8,4,6の順となる.また,
第1次および第2次いずれの場合にも,固有値は,左
端の一様部分の断面をもつ等断面ばりの値より小さくなる。
図一2の対称型階段状変断面ばりの固有値の変化率 を画一5に示す。実線が第1次振動を点線が第2次振
ωn一ω0
×100ω0
η=8
5.0
4.0
ぺ
皇3.o
豊
.蜀
10.0 %
0
一10.O
Fig.5
㌔c轡 6
も諺 //8
,1〆 4
!!1 , 一6 1! ,
メ ノ
ノ ノノ
!1 〆 __4
!/_ノー〆 〆一一一1 2
ノ ノ ノ コ ノら
ア ク ら
z− 秩℃O=三ヒ________一一一一一一一一2 黒、 0.05
H O。10
聴ミ§__ Fゐぐed もeaη】
\:こ、こ、、 η=6 \ 、 、、
へ ヘへ
\、、、、 、、、 2
、、 、、、 、、4 ヘ へ 『1・t・ib・ati・・ @ \\ 、6
一一一一
Qnd vibralion 、、82.0
1.0
0
2nd vibratiOn
1st vibration
0 2 4 6 π=8
π=8
2
&
Eigenvalue ratio of symmetric Stepped
bea止ns
Fig.6
0.05
Height cllange H
0.10
Change of eigedvalueλ, of nonsymmetric fixed−free beam
つ等断面ばりの固有値よりも大となる点が異なった傾
向である.
図一7および図一8にそれぞれ左端固定右端ヒンジ
および左右両端ヒンジの境界条件をもつ非対称型変断動を表わす.単純支持ばりにおいては,第2次振動g
固有値の変化率が第1次振動の固有値の変化率より小 である.両端固定ばりの固有値の変化率に関しては,n=2の場合,第2次固有値の変化はほとんど見られ ず,第1次固有値の変化が大であるが,n=4,6,
8に対しては,第2次固有値の変化がより大きくなる.
また,第1次固有値の変化率はn=2,4,6,8の
各場合とも,ほぼ同程度である.すなわち,ステップ 数が大きな影響を与えないことがわかる.高さの変化 Hが0.10より小さい場合,n≦:8なる対称型階段状変 断面ばりの固有値の変化率はほぼ土10%以内にある.(ii)非対称型階段曜変断面ばり
図一3に示す非対称型階段状変断面部材より成るは りの第1次および第2次固有値を,①固定一自由,②
固定一ヒンジ,③ヒソジーヒンジの3種の支持条件を 持つ場合について,算定した.図心6に左端固定右端自由の変断面ばりの固有値を
示す.Hが増加するにつれて,また, nが増えるにつ れて固有値の変化が大となることは他の場合と同様で あるが,第1次固有値が左端の一様部分と同断面をも7.0
6.0
ぺ
署5・o 毒 国4.0
3.0
2.0
1.0
0
2nd vibration
1st vibration
OI
2 4 6
η=8
一一ミミ≡ミ1
η=8
Fig.7
0.05 0.10
Height cllallge H
Change of eigenvalueλ, of nonsymmetric fixed−hinge beamKo
ed
2
>
e‑
o.9{)tu 7. 0
6. 0
5. 0
4. 0
3. 0
2.0
1. 0
o
2rr 2nd vibration
z lst vibration
o 2 4 6
n==8
o 2
・4
6
n=8
O.05 Height . 8 Change of eigenvalue N of hinge‑hinge beam
O.10
change H nonsymmetric
+10.0
%
o
‑10. 0
‑20.0
Fig
‑30. 0
Fig.
(]Z)l] ‑OO
"H
EI5o× 100
R .',‑ ‑‑ .. O.05
X Nx h. .. ..
N ts. Xx NXs
×sk X N
x tu Nx
XXN XX
× NN ‑..
XN
xx
xx
xx
x
x
x
x
I'Ieight Nxs
"N x N ×lst vibration ‑ 2na vibration x
x x x ×x
x xx
O.10cl)ange H
N xx x x
×x
's x xN x
×N
xN x
xx
.xN
xx x x x
xx
N. × x x xN
xn[=2 sN2
xN
x x4 ×4 x 6 x6
8・X8 20. 0 % 10.0 o
‑10.0‑20. 0
Fig.bln ‑Ch)o
(h)o× 100 lst vibration
n :7‑ 86 4 2 ""<Stt‑
x'xExEs"
sSr.‑'‑h ...‑' ..rlO L"‑ N‑OlIH‑e‑igii..t...‑ ' Nxx). XxxxNN'‑̀Nx NX xx
xx
xx
xx
xx
2nd vibration XN xx
Nx
lst vibration ‑‑‑ ‑ 2nd vibrationcl)ange H
‑.‑ ‑‑ .‑.x x
xx
Nx O.10 N.‑. 2 N
Nx
N x N4 N6 N xN n=8
9+ 10. 0 % 10 Eigenvalue ratio of
fixed‑hinge beamnonsymmetric o ‑10. 0 ‑20. 0 ‑30. 0
Fig.bll ‑CDo oo
X100O.05 tu ,,,. Height
sk t"' x ts.kt ",. "ts
sk tu skx "N "ts ts. 's sk tu estu ts ts ts xX x ts tsN Xx tsx Xx Nx tsN XN NN NN XN Nxx xx
lst vibration
‑‑‑‑‑‑‑ 2nd vibration x x
x x x
change H
x N
x
h..
N
x
x
xN.
N
x
x
N
x
×
x
s.x
N
x x
x
x O.10
XN
n=2
×
x
x
x
x
x
N8
Eigenvalue
fixed‑free
ratio of nonsymmetr‑icbeam
x
4.
N
6
11
Eigenvalue ratio ofhinge‑hinge beam nonsymmetric
面ばりの固有値の変化を示す.いずれの場合も,第1 次固有値および第2次固有値は,左端の一様部分と同
じ断面をもつ等断面ばりの固有値よりも大である.
図一9,10,11に上記3種の境界条件をもつ非対称 型変断面ばりの第1次と第2次の固有値の変化率を示 す.固定一自由ばりの第1次と第2次の固有値の変化
率は符号が互に逆で,絶対値は大略等しい.また,固 定一ヒンジばりに関しては,第2次固有値の変化率が 第1次固有値の変化率よりも大であるが,ヒンジーヒ ソジばりの場合は逆である.これは対称型変断面ばり の場合と同様の傾向である.7,結 語
断面がはりの長さ方向に階段的に変化する,いわゆ る階段状変断面ばりの自由振動解法を提示し,n個の 階段を有するはりの振動数方程式および振動モードの 一般式を得た.次いで,これを用いていくつかの階段 状変断面ばりの自由振動性状を解析した.
階段品変断面ばりにおいては,その曲げ剛性および 単位長質量が長さ方向に不連続的に変化するため,従 来,これを各一様部分に分割し,各部分における振動 方程式を境界条件と連続条件とにより解析する基礎的 な方法が行われてきた.この従来の方法によれば,階
段の数nに対して,決定されるべき積分定数の数が4
(n+1)であるために, nの増加とともに特に数値 計算が繁雑になる.階段状変断面ばりの振動解法の応 用として,連続的に任意に変化する断面をもつはりの 振動性状を rnultistepped beamに置換して解析す る上においても,nの増加に伴う数値計算の不安定化 は好ましくない.このような意味から,ここに提示し たような,曲げ剛性および単位長質量に関する不連続 性を含む階段品変断面ばりを一体として取り扱う解法 が必要となる.
本解法によれば,階段状変断面ばりを要素の不連続 点において分割することなく,一・体として取り扱い得 るため,階段数nのいかんにかかわらず,積分定数は 常に4個のみにとどまる.更に,4個の積分定数は,
はりの左端のたわみ,たわみ角,曲げモーメントおよ びせん断力であるゆえ,任意の境界条件に対して,一
般にその中の2個は常にゼロとなる.その結果,n個
の階段をもつ変断面ばりの振動数方程式は,本文中に示されるように,簡単な2次の行列式として求められ
ることになる.
なお,本文に述べた考え方に基づく解法は階段状変 断面ばりの静的問題や座屈問題にも適用できる.
数値計算は本学:FACOM 270−30によった.
〔参考文献〕
(1)N.J. Taleb and E. W. Suppiger;Vibration of Stepped Beams, Journal of the Aerospace Sciences, vo1.28, NO.5, Apri1,1961
(2)F.Buckens;Eigenfrequencies of Nonuni form Beams, AIAA Journal, vo1.1, No.1,
January, 1963
(3)斉藤秀雄,佐藤秀紀;急変断面を有する弾性はり の振動,日本機械学会論文集(第1部),34巻,
261号,昭和43年5月
【Appendix】
基準函数y(η)およびM(η)に関する連立微分方
程式(8・a),(8・b)は単位階段函数を含む特殊 な形式をもつ.微分方程式(8・a),(8・b)の解
はLaplace変換を用いて求められる.画数y(η)およびM(η)のLaplace変換をF(s)
およびG(s)とすれば の
F(・)一L〔・(・)〕一∫・(・)・一sηd・
㌦
G(・)一L〔M(・)〕一∫M(・)・一sηd・
0 であり
d2M
〕=s2G(s)一SM(0)一Q(0)
L〔
dη2
〔1・a〕
〔1・b〕
〔1・c〕
L逢♂繭)嘉〕』LB・F⑨一醐
一θ(・)〕嵩振∫1計豊…レd〕
L蔭剃跡咽玉…F∫諭
ydη 〔1・e〕
となる.ただし
け け ロ エ
α=Σμi,α=Σμi,γk=Σりi,γkニ=Σμi
i=O i=O i=k iニ=k
式〔1・d〕,〔1・e〕の右辺の定積分は次のごと く算定される.式(8・b)を用い,部分積分を2回
くり返してなな導助
一吋1卸M吻
一魚{匡童M]紙[ 一Sη≒,Q]訟∫1凱
ジ響d・} 〔2〕
階段状変断面ばりの自由振動
ただし,βk謡γkμk,μk=1/(α一γk)である.
式〔2〕の右辺の定積分は,式(8・a)を用い,
部分積分を2回行って
∫瓢ジ瓢一1三藷i∫:L昏
・一渇i{[ 一Sη≒,y]紮[畢
θ]1二、+∫焼魚;妥助}〔3〕
式〔2〕,〔3〕より
瀞∫:計1;戦評慨論{
β・S・ mM(ξk−1)ざξ卜1s−M(ξ・)げξkS]+
β・S・
mQ(ξM)6ξト・s−Q(ξ・)6ξkS]+・・…4s[・(ξM)6ξ同S一・(ξ・)6ξkS]+
γ…λ・ mθ(ξM)ざξMs一θ(ξ・)ゼξkS]}〔4〕
ただし k−L Σ μi
i=0
σk=:
k−1
Σ yii=0
次に,2回の部分積分により
盤辱[ 一Sηe y −S]評望θ]1㌫
ξ・e−sηd2y
+∫dη
ξk_1 s2 dη2
したがって
轟、∫臣sηy吻一註、伊一論
{・・[・(ξ同)ゼξMS一・(ξ・)ピξkS]
+・・S[M(ξk−1)ぽξMs−M(ξ・)6ξkS
+・・[Q(ξ同)ゼξMs−Q(ξ・)ゼξ・S]}〔5〕
以上により,連立微分方程式(8・a),(8・b)
の各項のLaplace変換が求められたので,次に,微
分方程式全体をLapIace変換し,像函数F(s),G(s)に関する連立方程式をえる.F(s), G(s)に関する連 立方程式を解ぎ,求められた像函数F(s),G(s)を逆 変換することにより,原函数y(η),M(η)がえられ,
また式(8・c),(8・d)より函数θ(η),Q(η)が えられ,次に示す結果となる.
y(η)=Σ{flk1(η)・y(ξk)+flk2(η)・θ(ξk)+
k=O
flk3(η)・M(ξk)+flk4(η)・Q(ξk)}u(η一ξk)
〔6・a〕
ロ
θ(η)・=Σ{f2k1(η)・y(ξk)十f2k2(η)・θ(ξk)十
k=O
f2k3(η)・M(ξk)十f2k4(η)・Q(ξk)}u(η一ξk)
〔6・b〕
n
M(η)=Σ{f3k1(η)・y(ξk)+f3k2(η)・θ(ξk)+
k=・O
f3k3(η)・M(ξk)+f3k4(η)・Q(ξk)}u(η一ξk)
〔6・c〕
Q(η)=Σ{f4k1(η)・y(ξk)+f4k2(η)・θ(ξk)+
k=・O
f4k3(η)・M(ξk)+f4k4(η)・Q(ξk)}u(η一ξk)
〔6・d〕
次に,式〔6・a〕〜〔6・d〕よりy(ξk),θ(ξk),
M(ξk)およびQ(ξk)(k=1,2,…,n)を求め,そ
れらを再び式〔6・a〕〜〔6・d〕に代入することに
より,積分定数y(0),θ(0),M(0)およびQ(0)の
みを含む,連立微分方程式(8・a),(8・b)の解
y(η)M(η)およびθ(η),Q(η)が式(9, a)〜(9, d)
のごとく求められる.
+S2