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ケープルの面内非線形振動

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長崎大学工学部研究報告第16 昭和567

ケープルの面内非線形振動

Nonlinear Inplane Vibrations of Saged Cables 

高 橋 和 雄 * ・ 藤 本 一 人 * * 戸田和之***

By Kazuo Takahashi, Kazuto Fujimoto and Kazuyuki Toda 

In this paper, inplane nonlinear vibrations of saged cables are reported.The problem is  ana lyzed by Galerkin method and the harmOnic balance method: 

The convergence of the present solution is  examined at  first. Numerical results are prese nted for nonlinear free vibrations of cables with various  geometric  and material parameters. In  addition, nonlinear forced vibrations under inplane forcing are analyzed. 

1 . 緒 言

斜張橋や送電架線などに質量の大きな長大ケープル が単体として採用されている.引張材としての機能を 最大限に活用するケープルは剛性が小さく,本質的に 幾何学的非線形性を有するために,ケーブルの動特性 を把握するためには非線形振動特性の把握が不可欠で ある.ここ数年の聞にケープルの振動解析に関する論 文が数多く発表されており, Irvine1)Henghold 

ら汽山口ら3)等の研究によって微小振動の仮定のもと における線形自由振動特性はほぼ解明し尽されてい る。一方,ケープルの非線形振動に関する研究はAli4),  山口らめによって着手された段階にある.すなわち,

Aliはケープルの三次元非線形運動方程式を差分法を 用いて離散化のうえ,風荷重を受けるケープルの非線 形応答を取扱っている.また,山口らはケーブルの三 次元非線形運動方程式を多自由度系の運動方程式に変 換ののち,時間応答解析を行って,正弦外力を受ける ケープルの非線形応答を解明している.山口らの研究 によってケーブルの非線形応答の解明は大きく前進し たが,これらの研究はいすれも時間座標には数値解法 を採用している.数値解法は解析上のわずらわしさが

昭和56428日受理

  川田工業(掬

***  鉄道建設公団

なく,かつ非定常応答も明らかにするための有効な方 法であるが,一方非線形運動に及ぼすパラメーターの 影響などを見通しよく把握することが困難である.こ のために,ケープルの非線形自由振動に及ぼす振幅の 影響,非線形応答の振動数特性,非線形分岐応答など の評価はほとんどなされていない.ケープルの非線形 応答特性を明らかにするためには,非線形固有の現象 の評価,パラメーターの把握が容易であることおよび 計算時間の短縮などの点から非線形定常応答のみを求

める方が有利であることが予想される.

以上の観点から本論文は非線形運動方程式3)を著者 らがはりおよび薄板の非線形振動を対象に解の収束性 および安定性を確めた解法6)によって解析するもので ある.本解法の手順はケープjレの非線形運動方程式を 対応する線形振動の基準関数を座標関数として採用し Galerkin法を用いて基準座標に関する多自由度 系の運動方程式に変換の後,さらに調和バランス法に よって非線形連立代数方程式に変換し,これを数値解 析の対象とするものである.調和バランス法は時間に 関する基準座標を Fourier級数に展開した解析的取

(2)

扱いであるので,非線形時間応答特性の把握が容易で,

非線形振動の解明に適するものである.本論文では ケーブルの非線形振動解析の第一段階としてケーブル の面内非線形振動について,ケーブルの面内非線形自 由振動に及ぼす各種の形状・材料パラメーターの影響 および面内非線形応答特性を明らかにするものであ

る.

2.ケーブルの運動方程式

Fig.1に示すようにケーブルに座標系を導入すれ

9

麗,垂:初期形状の8・による常微分を示す.また,

Fig.1において,θ:支点間傾斜角, f:ケーブルサ グ(=@一κ。tanθ)max),尼:支点間水平距離

Fig.1 Geometry of cable

ば,完全可撹性,伸張性を仮定したケーブルの面内非 線形運動方程式は次のように与えられる3).

ム(醐一嵩一∂島{嚇+耀)農・…く1).

+・1鞠監}一・!∂乱〔(艦

    +垂舞}轟+壱{(轟ア+(匙ア}

    (     画κθ十    ∂8θ)〕一響9L・

ち(%,η)一募一∂島{(・1素+・1影)諭一…(2)

+絢磯}一・1∂乱〔(磯

+礁)農+告{(農)2+(舞)2}

    (財農)〕一二s9L・

 ここに,u,v:ケーブルの面内水平および鉛直変位,

t:時間,8・:ケーブルの初期形状に沿う曲線座標,

ら∀奮・ケーブルの搬伝播磯H・・ケーブルの 初期水平張力,ρ・;ケーブルの単位長さ当りの質量,

研一m票:ケーブルの撒伝播磯E・ヤング率

A:断面積,pエ,p :荷重強度,Ω:荷重の円振動数,

3.解 法,

(1)Galerkin法による時…間に関する非線形連立常微  分方程式の誘導 式(1)および(2)の解を直接求めるこ とは不可能であるから,これらをGalerkin法を用い て基準座標に関する多自由度系の運動方程式に変換す る解法を採用する6).

%=尼ΣPご(置)σげ(8θ)・……・…・…………・…・…・……(3)

  z見1

F君ΣPど(孟)yf(8、)

  ごニ 

  ここに,pi:未知の時間関数

1:::::1罫::灘購轡三

士:初期ケーブル長

式(3)を式(1)および(2)に代入して,Galerkin法を適用 すればP言に対する次の連立非線形常微分方程式群が えられる。

焔+鳩+蟻封卿・+裁量蕩象画

幅P2P窺=8γ*五cosωτ・…・……・…・…………・……(4)

 ここに,々=C1/CO:ケーブルの縦波一横波伝播速 度比,γ*=ρ。g♂/8猛:ケーブルの初期形状を放物線で 近似した場合のサグ比,9:重力の加速度,m、,k.,

k ゴ ,k㌦η,f、:Galerkin法による積分項で,初期形状 と面内固有振動形からなる定数

 上式において,時間関数瓦についてはケーブルの サグ比γ=ガ尼と同様にケーブルの支点問水平距離£

で無次元化されている.また,時間については傾斜し た弦(サグ比γ=0の場合) の1次の固有円振動数 ω・の逆数1/(πC。IV扁)で無次元化されていう また,ωは加組頭振動数Ωをω・で無次元化したもの である.

 なお,ケーブルの非線形振動を支配するパラメー ターは線形振動の場合と同じ形状パラメーターとして のサグ比γ,傾斜角θおよび材料パラメーターとして の縦波一横波伝播速度比kの3個である3).

 (2)調和バランス法による連立非線形常微分方程式の  解法6)

 連立非線形常微分方程式を解くにあたっては非線形 項が大きくなっても有効性を失わず,かつ収束の良好

(3)

ケーブルの面内非線形振動 な調和バランス法を適用する.式(4)の非線形項に2次

および3次の非線形項が含まれるために,Pnの解を

次のように仮定する6)の.

鳳=・Σα二cos況ωτ……・…………・…………・』……(5)

  悌=0.1

 ここに,嬬:未定々数

式(5)を式(4)に代入して係数比較(調和バランス法)を 行えば,鴫を求めるための連立非線形代数方程式が

えられる.

(κ。一轍。ε2初2)・7+傑畷+ヤ鱒1輔・

ニ8γBル(晃1・・・・… 一・・。・… 。・。… 。・・・・・・・・… 。。。・・・・・・・・・… (6)

ここに・岡LZ……X1;厩廊磁

などの関数

 本研究の解の決定方程式(6>は連立非線形偏微分方程 式(1)および(2)の定常解を空間には基準関数(式(3)),

時間にはFourier級数(式(5))を用いてFourierの 展開級数に関する連立非線形代数方程式としてえられ たものである。これを適当な初期値のもとにNew−

ton−Raphson法の繰り返し計算を用いて数値解析す れば,必要な実根を求めることができる.

 本研究では空間のみならず時間座標に対しても解析 的に取扱っているので,振動数についての情報の把握 が容易である利点をもつ.また,連立非線形代数方程 式を直接解いているので,同一の振動数に対して存在 する複数個の応答および自由度間の連成現象などの非 線形固有の現象を把握できる特徴がある.

 ケーブルの非線形応答を明らかにするためには,単 純応答( πα1)および2次の非線形項から生ずる静的応 答(α=ウ2倍の高調波応答(㌶)および3倍の高調波 応答(α1)が最低必要であるから,m=0,1,2,

3の4項が時間座標の離散化に入用である.現代の大 型計算機を用いても連立非線形代数方程式を解くこと は容易なことではなく,20元程度が実用的な限度であ る.したがって,時間関数P、にしては5自由度まで 採用可能である.山口らの論文3)でも明らかなように ケーブルの面内線形振動の固有振動形はサグ比によっ て著しく異なっており,換算外力の項蓋が最:低次の固 有振動形の場合に最大とは限らないことが予想される ので,荷重状態によっては自由度数の選択に注意が必 要であることが予想される.

 式(3)によってえられたケーブルの空間的・時間的変 動は座標の位置および時刻によって大きく異なってい

るが,本論文では面内振動の場合,ケーブルの変位が 最下点に達した時刻(τ=0)の中央点の無次元面 内変位(対称振動の場合)および7/10点の変位(逆 対称振動の場合)を振幅比Aとして採用した.

4.解の収束

本研究に用いた非線形振動の解法の収束および精度は すでにはりおよび薄板に対して確認されている6).し かし,ケーブルの面内振動にははりおよび薄板の場合 とは異なって2次の非線形項が含まれるために,解の 収束を確認する必要がある.Fi9.2は水平ケ「ブル(サ

1〕.叫

 、

D.〔m5

一・・剛・deg「eeof 「1℃edo「11直i』3

≡;騰;;;蒲:;駆 ノ・

       ノ/

      ノノ;

      〃      γ

   1.5      3.。     3.5 r,e。11,,、y,,4.P

Fig.2 Amplitude vs frequency of symmetric    vibration for・cables with γ=0.07,

   ん=30andθ=0。.Comparison between    1, 2, 3,and 4 degreesごof−freedom

   approaches

グ比γ=0.07,伝播速度比ん=30,傾斜角θ三〇。)

の面内対称1次振動の非線形自由振動の振動数比ωと 振幅比Aとの関係を自由度数(基準座標の数)をパラ メーターにプロットしたものである.振幅比が0.005 程度までは自由度数は1で十分であるが,振幅比が 0.005を越えると1および2自由度系ではケーブルの 非線形性を追従することは無理で,3自由度以上を必 要とする.しかし,3自由度ではほぼ十分である.以 下の面内振動の数値解析では3自由度まで採用する.

また,非線形性が小さい面外加振の場合には面内・面 外それぞれ2自由度を用いることにする.

5.面内非線形自由振動

本章ではケーブルの面内非線形自由振動特性をケー

(4)

ブルの振動を支配する各種の無次元パラメーター(サ グ比γ,傾斜角θ,伝播速度比々)のもとに明らかに

する.

 (1)サグ比の影響

 水平ケーブルの線形自由振動の固有振動形は対称と 逆対称の2つに分類される.逆対称振動についてはサ

【〕.1】】

,、

ll.帆〕5

11

グ比γの影響は小さいが,対称振動についてはあるサ グ比γの範囲で1段階高次の対称振動形に遷移しそれ につれて固有振動数も増加ずることが知られている3).

非線形自由振動についてもサグ比の影響が大きいこと が予想される.

Y50.1〕01 0.01 0.015 0.虻〕2   0.OZ60.03 0▼04      0.4       053      0.07

0.5

Y召0.05        〔〕.2 Y=0。1

Y:sag−to−Span ratio

i.O       I,5      Z.0       2.5      3.0      3.5 『requency  Y  4.O

   Fig.3 Amplitude vs frequency of symmetric       vibration for cables withん=30       andθ=0。

 Fig.3はみ=30の場合の対称1次振動について非線 形自由振動の振動数比ωと振幅比Aとの関係をサグ比 γをパラメーターにプロットしたものである.Fig.4

一〇.01

且1

τ=1,5T

lLl11

〔1;二。.5T ε 1.【)

〔,.

τ胃ll.25T

cable

1.【1

【}.〔〕1

 r1+V o

τ=O Z5

cahle

τ=0

c〕 Y冨1〕●026

0.5

τ=0.ST

ξ

Lo

0.工 η+V

e

able

(d) Y監0。1

恥やv

ll陰撃撃

(a}Sag−to−span ratiO Y胃〔⊃.IM,1

巳L【】1 Cahlc

o.5 冗=〔レ.5 1−

1■1】.2s 1

L【b

〔h⊃ Y=0◆【〕1

.o

はケーブルの初期形状〃・と自由振動の鉛直変位Vの 時間的変動を合成したものである.Fig.3に示すよう にサグ比γ・=0.001〜0.01の弦に近い場合には,弦と 同様に3次の非線形項が支配的な弱い硬化バネ特性を

       1=且,

1,.[}2

 n婿      【e〕 Y冒ll.【[I

Fig.4 Deformed shapes of non亜inear free    .vibrations for cables with K=30    。andθ=0。

示す.このサグ比の領域ではFig.4(a)のようにケー ブルは支点問距離をはさんでほぼ上下対称に振動して おり,ケーブルには振幅による変動引張力が生じてい

(5)

る.

 サグ比γ=0.0015〜0.04の範囲の振動形の遷移領域

(ケーブルの対称1次固有振動形が弦の場合の1次振 動形から3次振動形に遷移する)では2次の非線形項 が効いてくるために,振動数比と振幅比との関係は弱 い硬化バネ特性を示す.Fig.4(b),(c)に示すように,

ケーブルの非線形に伴う付加静的荷重による変位aま の影響が効いてくる.付加静的荷重による変位はケー ブルの初期水平張力をキャンセルする方向に作用して いるためにケーブルの全水平張力は振動中に減少して くる.したがって,このサグ比の範囲ではケーブルの 振動数比と振幅比との関係は軟化バネ特性を示すもの と考えられる。

 さらに,サグ比が増大して(γ>0.05),振動形が 一段階高次の弦の3次振動形に遷移した後にはサグ比 の増大とともに再び振動数比と振幅比との関係は硬化 バネ特性を示し,その割合はγ=0.1付近で最も大き く,サグ比がそれ以上増大すると逆に非線形性は減少 する.Fig.4(d)のように振動形が遷i移した後には付加 静的荷重の影響は小さくなり,振動はケーブルの初期 形状をはさんでほぼ上下対称に生ずる.

 以上のように水平ケーブルの対称非線形自由振動は 線形自由振動の場合と密接に関係して,サグ比の影響

藍[

れた.

 Fig.5は水平ケーブルの逆対称1次振動の非線形自 由振動数の振動数比ωと振幅比Aとの関係をサグ比γ をパラメーターにプロットしたものである.逆対称振 動の場合には,2次の非線形項の係数がゼロとなるた めに3次の非線形項のみが存在する.このために,い ずれのサグ比に対しても振動数比と振幅比との関係は 弦と同じ硬化バネ特性を示す.Fig.4(e)に示すように,

商量ではケーブルは初期形状をはさんで上下対称に振 動する。Fig.5から明らかなようにサグ比の増大とと もに非線形性は小さくなる.

 (2)材料パラメLターkの影響

 Fig.6はサグ比γ=o.1,傾斜角θ=o。の場合の 対称および逆対称1次振動の非線形自由振動に及ぼす 材料パラメーターである縦波一横波伝播速度比kの 影響をプロットしたものである.線形振動の場合には kは対称振動の振動形の遷移領域に影響を及ぼすが,

逆対称振動には全く影響を及ぼさないことがすでに指 摘されている3).一方,非線形振動の場合には非線形 項全体にk2が係数としてかかるために(式(4)参照),

対称・逆対称の区別なくkが大きくなるほど非線形性

。.OI

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11.【即5

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L脚㈹

Fig.5 Amplitude vs frequency of anti−sym−

   metric vibration for cables with    ん=30and θ=0。

を著しく受け,特定のサグ比において弦の振動とは根 本的に異なる弱い軟化バネ特性を有することが確認さ

1,Il I「【、闘11びnし・、・  1,「

Fig.6 Amplitude vs frequency of the first    mode for cables withγ=0.1alldθ=0。

が増大する.

 (3)傾斜角の影響

 Fig.7および8はk=30とした場合の傾斜ケーブル

(θ=30。および60。)の1次振動の非線形自由振動 の振動数比ωと振幅比Aとの関係をサグ比γをパラ メーターにプロットしたものである.なお,傾斜ケー ブルの場合の振幅は対応する傾斜した弦の軸に対して 直角方向の変位(水平ケーブルの鉛直方向vに対応)

を用いて定義した.線形振動の解析結果によると傾斜 ケーブルの場合には対称もしくは逆対称振動形に分離

(6)

A

1,曜Oi

0.0帖

o

Y・0,001   0.02  0・4 Y齢0・030・055

Ω.OL

.1 0,2

Y昌。.巳,58

1Jb L5 ユ.o   rroquonqy 切    3・5

1】。1】2

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贋鳳,905  ■巳,◆17

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Y犀【1.b    Y腿P,』 了叫」。こ

l ll 」.」伽ビ【−馬 しi11【1馳べ、 .

Fig.7 Amplitude vs frequency of the first   Fig.8,9Amplit亡de vs frequency of the first    mode for cables withん・=30 andθ=30。      mode for cables withκ=30 andθ=60。

することが不可能であることおよび振動形はサグ比が 小さい領域では対称に近く,振動形が遷移した後には 一段階高い逆対称になることが知られている3).この ために,サグ比による線形固有振動数の変動範囲は水 平ケーブルの場合よりも小さい.図のように,傾斜ケー ブルの非線形自由振動に及ぼす振幅比の影響(非線形 性の大きさ)は水平ケーブルの場合よりも小さい.傾 斜ケーブルの非線形自由振動はサグ比が小さく弦に近 い場合には水平ケーブルの対称振動に,振動形が遷移

した後には水平ケーブルの逆対称振動と同じ挙動を示 すことが予想される.本塁においても,振動形の遷移 領域では振動数比と振幅比との関係は軟化バネ特性を

示す.

 Fig.7,8の比較から明らかなように,傾斜角が増 大すると非線形性が小さくなる.

6.面内非線形強制振動

 ケーブルの面内非線形強制振動の定常応答を明らか にするために,サグ比γ=0.1および0.026の2ケース についてケーブルの中央点に鉛直方向に集中載荷され る対称昏昏(荷重強度P=0.025および0.072)の場合 の1次固有振動数近傍の応答曲線を求めれば,Fig.9 および10に示すとおりである.1次振動の非線形自由 振動特性に対して,サグ比γ=0.1が硬化バネ特性を

0。01  含  署  且  舞

0.005

      1

ω1離2。8027  −a当  a}

      

麗=舗1

     6

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                11ノ

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0 1.0 2.0 3.O frequency ω

Fig.9 Amplitude vs frequency for cables    withγ=・0.1,ん=30 andθ=Or under    symmetric hlplane forcing

(7)

ケーブルの面内非線形振動

0.01

A

§

0.005

al

 1 {a〜1−al     a呈1a墨      1

  ノーa㍗

  ノ

 1

/・巷

1

al  al,a董,a雪    1   〜    ㌔・1   。},諒

    、     il 、隻

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 曽a竃・a21、

    1 、     1  ・L−a斗\

    1 \     1 \

    t    、

\   \

 う ノーa2!

al

.1

a茎 1\

0 LO 2.O 3.O frequencyω

Fig.10 Amplitude vs frequency for cables    withγ=0.026,ん=30 alldθ=0。 under    symmetric inplane loading

      もつ場合で,γ=0.026が軟化バネ特性をもつ場合で

一〇.Ω1

      ある.図中において横軸は三振振動数比ωで,縦軸は  。      ・丁     口・   応答振幅比Aである.図中の実線は荷重の時間関数と       同位相の応答振幅に,点線は逆位相の応答振幅にそれ

{Llll

  v   〔a〕Si卯1e ha脚nlc「es onse〔凶 31:11e「iod    ・それ対応するものである.応答曲線に付した記号嶋

〔L〔u@       はn次振動のm倍の高調波成分が卓越することを示す       ものである.

 【}         T         2T        31

       線形応答の場合には各次の固有振動数ω・の近傍で

[L。 磨@  (、)、,。。nd一。,d。,,up,,h、_。i、 r。,,・…個・…    調和応答αマのみが生ずる.これに対して,2次およ

一・.・・       び3次の非線形項が存在する非線形応答の場合にはこ       の他に静的応答,αぎ2倍の高調波応答α登ならびに3倍  。      T       ㍊

      の高調波応答α;が生ずる.これらの応答は加壷由・/

・・。1D      m (m>1)付近の振動数の領域で生ずる.各種め高

      (c〕Th 「」一。nle「suPe「ha㎜oniド「esPonsい個 3111   調波共振の応答波形の例を示せばFig.11のとお・りで

o』1@       ある.また,.非線形振動系ではすべての自由度が連成       するために2つ以上の固有振動形を持った自由度簡の

 O       T      2T      ・ 1

      連成応答が生ずることが予想される.γ=0.1の場合

0 GI@   (、)1、。rC、。、,。n。,、。.       に各種の共振が生ずる振動数と連成の様子を示せば,

       Table 1のとおりである. Table 1において,..礁は荷 Fig.11Time histories at the center of cable 重の時間関数と同位相のn次振動形のm倍の高調波共    withγ=0.1,ん=30 andθ=0・under   振が単独に生ずることを意味し,(π πα加,α〆)はn次振    inplane forcing       動形のm倍の高調波共振とn 次振動形のm 倍の高       山面共振が連成することを意味する.また,一の符号

(8)

Table l Classification of nonlhlear response    for cables withγ=0ユ,κ=30 andθ=0。

   under 血plan6 forcing

mode No. 1 2 3

order of

・≠窒高盾獅奄

1 2 3 2 3 2 3

frequency  ω1Q.8027 P.4014ω1/3

ω、/3.

O.9342

ωノ2 Q.4123

ωノ3 P.6082

ω、/2

R.3390

.ω,/3.

Q.2260

hlplane

窒・唐垂盾獅唐

1(a{,al).(a},一a量)

aち al (al,aD a茎 (a塁,一aD

out−of−plane

@response

(一al,al)

i一al,一a毫)

一al 一al (一al,al) 一a§ (一a葛一aD 一a§

0.Ol

 A

§

0.005

 l    l  ・l    l  l    

    11

 1   a31−a蚤

alil 二        iドa5  1    1  1   1  j    l  l   l

    l  l   l

1

al

  !  ! 1

 グaL !、. ・・=1∴9111  !      ω2=3.9301

1       ω3留5.9368 レて三1,.a竃

       aも

a§ズ・舞    ,一…ρL・1

      ほ     ユ

/    ノ/一aga§

        //

      // 真       /  1二、

    .夕/一態\\

   ク        \

/     \妥一一一〜

0 1.0 2.0

Fig.12 Amplitude vs frequency for cables    withγ=0.1,ん=30 andθ=0。 under    anti−symmetric inplane forcing

3・Ofrequ。ncy。

は荷重の時間関数と逆位相の応答が生ずることを意味 する.Table 1に示すとおりに,各種の応答が生ずる 振動数が離れている場合には単一の昌昌形を持った応

答が生ずる.これに対して,振動数が接近し

ている場合には複数個の振動形を持った寸寸応答が生

ずる.

 Fig.10のγ.r・o.026の場合には1・次振動の非線形 由振動は弱い軟化バネ特性を示すが,2次および3次 振動は硬化バネ特性を示す.④=2.0付近では.ω・=.

1.7883,ω2/2=1.5435,ω2/.3=1.6910のように.

1次の主共振α1,2凍式の2倍の高調波共振α1およ び3次の3倍の高調波共振α1が生ずる振動数が接近

しているた.めに,これらの間に連判が生じてい.る.

Fig.10,11の比較より,ケーブルの面内対称非線形応

・答はサグ比の影響を著しく受けることがわかる.

 Fig.12はγ=o.1の場合について非対称等分布荷重 による加計(P=0.063)の応答曲線である.逆対称 応答の場合には5.の面内非線形自由振動の項で述べた

ように3次の非線形項のみが含まれるために,弦の応 答と同じように主共振♂の他に3倍の高調波共振霞 3,5倍の高調波共振環が生じている.以上のように,

非線形振動系では振幅によって固有振動数が変動し,

かつ高調波共振が生ずるために,共振が生ずる振動数 の領域は線形振動の場合よりもはるかに広い.また,

(9)

ケーブルの面内非線形振動 加振振動数と固有振動数との関係によって非線形応答

特性は大いに異なると言える.ただし,実際のケーブ ルでは減衰力が必ず存在することおよび下振振動数を 正確に設定することが困難であることを考慮すれば,

共振が生ずる振動数領域が狭い場合には実現しないも のと予想される.

7.結 語

 本論文はケーブルの非線形振動を多自由度系の非線 形振動に変換して調和バランス法を用いて解析したも のである.本解法は空間については基準関数,時間に ついてはFourier級数を用いた解析的な取扱いであ るために,効率よくケーブルの非線形振動に及ぼすパ ラメーターの影響を明らかにすることができた.えら れた結果を要約すると,

(1>ケーブルの面内対称非線形自由振動の振動数と振  幅との関係はケーブルのサグ比によって著しく異な  る.サグ比が小さく弦に近い場合や逆にサグ比が大  きくなって振動形が遷移した後にはケーブルの振動  数と振幅との関係は3次の非線形項が支配的な硬化  バネ特性を示す.振動形の遷移領域のサグ比では2 次の非線形項が支醐で・牡ブルの振動数と振幅  との関係は弱い軟化バネ特性を示す.

(2)水平ケーブルの面内逆対称振動はサグ比の大きさ  に無関係に3次の非線形項のみの影響を受け,ケー  ブルの非線形自由振動の振動数と振幅との関係は硬  化バネ特性を示す.サグ比の増大とともに非線形性  は弱くなる.

(3)材料パラメーターとしての縦波一横波伝播速度比  の影響はケーブルの非線形性を増大させる点にあ  る.線形振動の場合と異なって対称振動のみならず,

 逆対称振動も伝播速度比の影響を受ける.

(4)傾斜ケーブルの非線形自由振動は水平ケーブルの  場合と本質的に異なる.非線形自由振動特性はサグ  比が小さい領域では水平ケーブルの対称振動の場合  に対応し,振動形が遷移した後には水平ケーブルの  逆対称振動の場合に対応する.傾斜ケーブルの非線  形性は水平ケーブルの場合よりも小さく,傾斜角が  増大するほど減少する.

(5)水平ケーブルの面内対称非線形応答特性はサグ比  の影響を著しく受ける.3次の非線形項の他に2次  の非線形項が存在するので,主共振および3倍の高  調波共振の他に,2倍の高調波共振および静的応答  が生ずる.面内逆対称非線形応答特性は3次の非線  形項のみの影響を受け,弦の場合と本質的に同じ挙

動を示す.

 最後に本研究の数値計算には九州大学大型計算機セ ンターのFACOM M−200を使用したことを付記す

る.

参考文献

1)Irvine,H.M. and Caughey,T.K.:The Linear  Theory of Free Vibrations of Suspended Cable,

 Pro.RSoc.London,A341,1974,pp.299−314.

2)H・ngh・1d,W・H・・Russe11・J」・・nd M・・g・叫工環II・・、

 Vibrations of Cables in Three Dime録sions,Pro.『

 of ASCE,Vo1.103,No.ST5,1977,pp.1127−1136.

3)山口・伊藤:単一ケーブルの三次元線形自由振動,

 土木学会論文報告集,第286号,1979,pp.29〜36.

4>Ali,S.A.:Nonlinear Vibrations of Saged Cable−

 s,ph,D.Thesis of the University of Pennsylvania,

 1973.

5)山口・宮田・伊藤:幾何学的非線形性に基づく  ケーブルの面内・面外連管運動,第35回土木学会年  次学術講演会講演概要集,第1部,昭和55年,

 pp.347〜348.

6)高橋・河原・山辺:はりおよび薄板の非線形振動  のGalerkin法による解の収束性および安定性につ  いて,土木学会論文報告集,第293号,1980,pp.9〜

 22.

7)高橋:吊橋の鉛直非線形振動について,土木学会  論文報告集,第286号,1979,pp,151〜155.

Table l Classification of nonlhlear response    for cables withγ=0ユ,κ=30 andθ=0。    under 血plan6 forcing mode No. 1 2 3 order of ・≠窒高盾獅奄 1 2 3 2 3 2 3 frequency  ω1 Q.8027 P.4014ω1/3 ω、/3. O.9342 ωノ2 Q.4123 ωノ3 P.6082 ω、/2 R.3390 .ω,/3. Q.2260 hlplane 窒・唐垂

参照

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