重過失による保険事故招致と保険者免責の再検討︵一Y
播 阿 憲
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目 次
一 はじめに
二 商法・各種保険約款における重過失免責
1 商法六四一条および各種の損害保険約款にいう重過失の意義
2 災害関係特約および共済契約にいう重過失の意義
3 重過失による保険事故招致の効果︵以上︑本号︶
三 ドイッ法およびスイス法における重過失免責
四 重過失免責の再検討
゜ 五 終わりに
重過失による保険事故招致と保険者免責の再検討︵一︶ ︵都法四十七ー二︶ 八一
八二
一 はじめに
商法六四一条後段は︑損害保険契約一般について︑保険契約者または被保険者の悪意もしくは重大な過失によって
生じた損害は︑保険者がこれを填補する責任を負わないと定めて︑悪意︑すなわち故意のほか︑重過失による保険事
故招致の場合にも︑保険者が免責されることを明らかにしている︒また︑火災保険においては︑火災によって生じた
損害についてはその火災の原因を問わず保険者がこれを填補しなければならないといういわゆる危険普遍の原則が採
られているが︑保険契約者または被保険者の故意または重過失に基づいて生じた火災損害については︑保険者は填補 ユ 責任を負わないことが明文で定められている︵商法六六五条但書︶︒さらに︑航海に関する事故によって生ずべき損害
の填補を目的とする海上保険契約︵商法八一五条︶においても︑商法六四一条と同じく︑保険契約者または被保険者の
故意または重大な過失による損害は保険者の法定免責事由として掲げられている︵商法八二九条一号︶︒そして︑火災
保険約款などの損害保険の約款においても︑商法と同様の重過失免責規定が設けられることが多い︵例えば︑火災保険 ︵2︶ 普通保険約款︵一般物件用︶二条一項一号︑住宅総合保険普通保険約款二条一項一号など︶︒
他方︑生命保険契約においては︑それ自体については商法六四一条のような重過失免責の規定は置かれていないも
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