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学 位 の 種 類 博士(日本語教育学)

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Academic year: 2021

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全文

(1)

氏 名 全

じょん

よん

じゅ

学 位 の 種 類 博士(日本語教育学)

学 位 記 番 号 人博 第

147

号 学位授与の日付 平成

31

年3月

20

日 課程・論文の別 学位規則第4条第2項該当

学 位 論 文 題 名 韓国人日本語学習者の日本語によるプレゼンテーションに対する評 価の観点について

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 西郡 仁朗 委員 教 授 長谷川 守寿 委員 准教授 山際 勇一郎

【論文の内容の要旨】

1. 研究背景

日本の社会がグローバル化し、日本の企業や組織の中で韓国出身者も活躍している。報 道などではグローバル企業の中で英語が公用語になっているところもあるなど取り上げら れているが、こうした報道は逆の観点から見れば、日本の企業・組織では日本語が今でも 中心的なコミュニケーション手段であることを示している。

韓国人学習者の中には、高度な日本語を用いて企業での活動を行なう者が多くなってい るが、自分たちの発する日本語の音韻・言語行動・非言語やパラ言語行動に何らかの問題 がないか、以前より意識するようになってきている。日本語と韓国・朝鮮語は他の言語よ りも類縁性があるゆえに、商取引などプレゼンテーションを含む複雑な交渉において、韓 国人の言語特徴により、マイナスの印象を日本人が抱かないか、韓国人学習者は気にして いる。例えば、母語の影響で破擦音がうまく発音できない場合や、語尾のモーラが長くな ってしまう点が、日本人には幼稚に聞こえたりはしないか、韓国・朝鮮語の談話において はオーバーラップが日本語よりも多いため、これが日本語にも持ち込まれ、攻撃的な印象 を与えてはいないかなどといった点が気になる。プレゼンテーションは、その内容だけで 評価されるものでなく、これまでの評価研究では、非言語を含む様々な要素も影響を及ぼ している。

私たちは日々誰かと話す時、相手が話す内容だけでなく、外見や声のように目から見え る姿や耳から聞こえる音等からの情報を収集した上で、総合的に相手を判断し、評価する。

以上の評価は時間が経つことや他の要素によって変動することもある。はじめには目か

ら見える要素であった外見や容貌からの情報により判断をしていたことが、話し始めると

声やジェスチャー等の要素から影響を受けることもあり得る。また、場面によって変わる

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こともある。例えばビジネス場面などでプレゼンテーションをするような公的な場面での 評価と、友達同士の会話などの私的な場面での評価には違いがあるだろう。

これまでの日本語教育分野では学習者の言語運用に関する評価研究は多くなされてきた

(小池1998、渡辺2005、野原2008等)。しかし、言語運用能力だけに焦点を当てた研究だ けでは、全体の評価についてみることができず、偏った評価になってしまう。よって、設 定された場面からの評価の観点を、さまざまな要素を含めた全体的な観点から研究する必 要がある。

黒野(2006)の報告によると、留学生が日本の大学生活において「授業で発表をする」

ことに、もっとも日本語力の不足や問題を感じているという。誰かの前で話すことは、母 語であっても緊張する可能性が高いことが一般的であろうが、留学生は母語でもない第二 言語で母語話者および非母語話者の前で話さなければならない。このような状況が留学生 には大きい負担になると考える。

それでは、日本語学習者が日本語によるプレゼンテーションを行なう際に、聞き手側は、

プレゼンターの外見や容貌、声のトーンや発音、ジェスチャー等の情報をどのように判断 し、総合的な評価をするだろうか。

日本語非母語話者を対象に、日本語母語話者の日本語教師および日本語母語話者の非日 本語教師を比較した評価研究はいくつかある(西郡1997、石崎1999、河野・松崎1998、小 池1998、崔2007、2009a、2009b、等)。しかし、それ以外の属性を持つ母語話者および非 母語話者同士の評価の観点についての研究は無に等しい。また、一つ一つの要素について 研究したものもあるものの、総合的な観点からの研究はみられない。

以上を踏まえた上で本論文では、韓国人日本語学習者に焦点を当て、韓国人日本語学習 者が日本語によるプレゼンテーションを行なう際、聞き手側の評価の観点を総合的な観点 からみる。また、聞き手側は、日本人日本語教師(以下、日本語教師)と韓国人日本語学 習者(以下、韓国人学習者)の2つのグループに分ける。従来の研究は母語話者からの評価 のものがほとんどであったが、近年JF日本語教育スタンダードを利用した学習者の自己評 価や学習者同士の評価にも注目されてきたことから、学習者同士の評価という観点も入れ、

日本語母語話者である日本人日本語教師の結果とも比較を行なう。

2. 調査概要

本研究では、韓国人学習者の日本語によるプレゼンテーション場面を刺激ビデオとし、

聞き手側の評価の観点を明らかにすることを目的とした。まず、韓国人学習者の刺激ビデ

オの作成は2013年8月に東京にある日本語学校に在籍している韓国人学習者6名に協力を得

て収録した。これらのデータを刺激ビデオとし、日本語母語話者の日本語教師40名(男性9

名、女性31名)、韓国人学習者40名(男性11名、女性29名)、計80名による評価の観点を

調査した。調査は、2013年10月から2014年7月まで行なった。調査を行なった場所は、首都

大学東京および桜美林大学四ツ谷キャンパス、(財)言語文化研究所東京日本語学校の教

(3)

室であり、プロジェクターを利用して刺激ビデオを視聴しながらアンケート項目にチェッ クをする方法をとった。アンケートは、日本語学習者に対する日本語母語話者の印象形成 について研究を行なった崔(2009)を参考に作成したものであり、言語に関する評価項目、

発音に関する評価項目、プレゼンテーション内容に関する評価項目、印象に関する評価項 目の4つの観点から回答を求めた。アンケートは3枚、全51項目である。アンケートの方法 は、例えば、項目の【正しい文法を使っている。】というものに対して「とても正しくな い」と1点とし、順に「やや正しくない」2点「ふつう」3点「やや正しい」4点「とても正 しい」5点とする5点法で回答する。調査は主に、調査者(筆者)と調査協力者の2名で行な ったが、2名以上最大10名同時に行なった調査もあった。調査にかかる時間は2時間程度で あった。調査の手順は、1)調査同意書を読み、自筆による署名、2)調査の流れを説明、3) アンケート項目を確認、4)調査、5)6名の中でもっともよかったと考える順位を決める、6) 調査協力者の背景に関するアンケート作成であった。なお、刺激ビデオのランダムな順で 提示された。

3. 本論文の構成および内容

本論文の構成は以下のように11章からなる。以下の章ごとの内容を簡略に説明する。

第1章では、本研究の研究背景について述べた上で、研究課題を設定する。また、本研究 で使われる重要な用語について整理をする。

第2 章では、先行研究を、プレゼンテーションに関する研究と評価に関するものをまと める。また、評価に関する研究は、日本語学習者全体を対象としたものと、韓国人日本語 学習者を対象としたものを分ける。さらに、先行研究から本研究を位置づける。

第3章では、本研究での調査概要について述べた上で、調査の結果の信頼性を検討するべ く、検証的因子分析および確認的因子分析を用いてはかる。

第4章では、韓国人日本語学習者が、日本語によるプレゼンテーションを行なう際の評価 項目のうち、「プレゼンテーション」に焦点を当て分析を行なう。分析には、日本語教師 と韓国人学習者の2つのグループに分けて行なう。

第5章では、「言語・パラ言語および非言語的特徴」に関する評価の結果を分析し、因子 分析を用いて評価の観点を明らかにする。

第6章では、「対人印象」に関する評価の結果を分析し、因子分析を用いて評価の観点を 明らかにする。

第7章では、第5章および第6章で明らかになった「言語・パラ言語および非言語的特徴」

に関する評価の結果と「対人印象」に関する評価の結果が、プレゼンテーションに対する 評価である「発表の良さ」「興味」「わかりやすさ」「慣れ」「資料」の5つの要素にどの ような影響を与えるかについて分析・考察する。

第8章では、「言語・パラ言語および非言語的特徴」に関する評価の結果が「対人印象」

に与える影響について分析・考察する。

(4)

第9章では、「発音」の評価がプレゼンテーションに対する評価である「発表の良さ」「興 味」「わかりやすさ」「慣れ」「資料」の5つの要素にどのような影響を与えるかについて 分析・考察する。

第10章では、「発音」の評価が「対人印象」に与える影響について分析・考察する。

第11章では、本研究をまとめた上で、まとめから日本語教育への提言を行なう。また、

今後の課題について述べる。以下に、目次の抜粋を示す。

第1章序章 第2章先行研究 第3章調査概要

第4章プレゼンテーションに対する評価の違い-日本語教師と韓国人学習者-

第5章「言語・パラ言語および非言語的特徴」に関する評価の観点 第6章「対人印象」に関する評価の観点

第7章言語・パラ言語および非言語的特徴と対人印象に関する評価の影響 第8章言語・パラ言語および非言語的特徴の評価と対人印象評価との関係 第9章発音の評価がプレゼンテーション評価に及ぼす影響

第10章発音の評価が対人印象に及ぼす影響 第11章結章

参考文献 謝辞 末巻資料

続いて、本論文の内容を以下にまとめる。

本研究では、韓国人学習者の日本語によるプレゼンテーションに対して、言語と印象、

プレゼンテーションに関する評価の観点を明らかにすることができた。さらに、これらの 結果から、日本語母語話者である日本語教師と、学習者同士である韓国人学習者の2つのグ ループのそれぞれの結果をまとめ、両グループの比較研究も行なった。これまでの評価研 究では、母語話者(日本語教師と非日本語教師)による評価が主であったが、本研究では 学習者の評価を入れることで、これまでとは異なる研究であったと考える。

本研究における質問紙は大いに崔(2009)を参考に作成したが、崔は、初対面会話の研 究であったこと、また、「言語・パラ言語および非言語的特徴」に関する評価と「対人印 象」に関する評価のみであったことが本研究の独自のものである。

また、崔(2009)の質問紙の他に、プレゼンテーションに関する評価項目と発音に関す る評価項目を新たに追加した。さらに、発音評価が印象評価およびプレゼンテーション評 価に及ぼす影響と言語評価が印象評価に及ぼす影響について探ったことも、これまでの研 究とは異なる。

本研究の軸となる評価観点は3つである。まず1つ目は、「プレゼンテーション評価」で

あり、これは、プレゼンテーションそのものがいいかどうかといった評価である。次に2つ

(5)

目は、「言語・パラ言語および非言語評価」であり、耳から聞こえてくるプレゼンターの 発する言語や目から見える非言語に関する情報を含むものである。最後3つ目には、「対人 印象評価」であり、外見から感じる印象など、プレゼンターの全体から感じる雰囲気から 感じられるものである。これらの3つの軸に加え、「発音評価」がある。これは、これまで 発音が印象や評価に与える可能性について論じた先行研究はあるが、はっきりとした知見 が得られていないため、本研究では独立した評価とし、発音評価が前述の3つの評価にどの ような影響を与えているかを明らかにすることを目的とした。

概して、本研究では、日本語教師と韓国人学習者が、韓国人学習者のプレゼンテーショ ンに対する評価の観点を第4章でまとめた。まずは、プレゼンテーションに関する評価項目 である「いい発表だと思う。」「内容に興味がある。」「内容がわかりやすい。」「発表 に慣れている。」「資料が適切である。」の5つについての日本語教師と韓国人学習者との 評価結果を比較した。その結果、「資料が適切である。」項目以外の「いい発表だと思う。」

「内容に興味がある。」「内容がわかりやすい。」「発表に慣れている。」4つの項目から 有意差が見られた。

このことから、同じプレゼンテーションを見ていても、評価には大きい違いがあるとい うことがわかった。よって、本研究では、この違いが何を意味しているのかをより深く探 るべきであると考えた。しかし、その前に、「言語・パラ言語および非言語評価」と「対 人印象評価」の結果をまとめた上で、それぞれの関係を探ることにした。

まず、第5章でまとめているように、日本語教師の「言語・パラ言語および非言語評価」

の結果からは、【正確さおよび流暢さ】【非言語およびパラ言語能力】【プレゼンテーシ ョン向きの話し方】【会話ストラテジー】という4つの観点があることがわかった。一方、

韓国人学習者の「言語・パラ言語および非言語評価」の結果からは、【正確さおよび流暢 さ】【非言語およびパラ言語能力】【会話ストラテジー】という3つの観点があることがわ かった。

このことから、日本語教師は、韓国人学習者が持っていない【プレゼンテーション向き の話し方】という評価観点を持っていることが明らかになった。つまり、日本語教師は、

プレゼンテーションを見ているときには、プレゼンテーションとしての話し方が相応しい か否かを見ているということになる。しかし、この観点が韓国人学習者からは見られなか った。

続いて第6章でまとめているように、「対人印象評価」の結果からは、日本語教師と韓国 人学習者のどちらのグループからも、【社会的望ましさ】【活動性】【個人的親しみやす さ】という3つの観点があることがわかった。この結果は、対人印象に関する研究である林

(1978)、西郡(1997)、崔(2007、2009a、2009b、2012、2013)の結果と一致した。本 研究の結果を先行研究に照らし合わせた結果、相手に対して抱く印象を形成する際には、

同じ母語話者同士であっても、異なる母語話者であっても、場面が行なっても、ほとんど

同じような構造が潜在的に働いていることが示唆された。

(6)

「対人印象評価」は、Thomas(1983)がいうように、学習者の文法的な能力が充分でも 談話能力が不充分な場合は、言語運用能力が高くても対人印象が悪くなる恐れがあるため、

重要な研究であるとされる。また、対人印象は独立的な要素では、なく、「言語・パラ言 語・非言語・発音評価」「プレゼンテーション評価」からの影響も受けている可能性があ ることが伺える。よって、以上の3つの評価と、発音評価がそれぞれどのように影響を与え ているかを明らかにした。これらは、第7章から第9章までの内容である。

まず、「プレゼンテーション評価」に与える要因を探るべく、第7章では「言語・パラ言 語・非言語評価」と「対人印象評価」に焦点を当て、これらの結果が「プレゼンテーショ ン評価」に与える要因を探った。

その結果、まず、日本語教師は、「内容に興味がある」「内容がわかりやすい」「資料 が適切である」の3つの項目において、【社会的望ましさ】がもっとも影響を与えていた。

つまり、日本語教師は、プレゼンターがまじめな人であり、信頼ができそうであれば、プ レゼンテーション評価にも高い評価を与えていることが伺えた。

一方、韓国人学習者は、「いい発表だと思う」「内容に興味がある」「内容がわかりや すい」「資料が適切である」の4つの項目において【個人的親しみやすさ】がもっとも影響 を与えていた。つまり、韓国人学習者は、話しやすそうな人であり、魅力を感じるプレゼ ンターであるほど、プレゼンテーションへの評価を高くするということが伺えた。

以上のことから、日本語教師は、個人的な魅力などのような主観性ではなく、社会的に 望まれるかのような客観性という観点が評価の基準となるのではないかと考えられる。こ れに反して、韓国人学習者は、個人的な印象を大事にしている傾向が見られた。

しかし、「発表に慣れている」の項目においては、日本語教師と韓国人学習者が同様、

【非言語およびパラ言語能力】からの影響がもっとも高かった。言い換えると、プレゼン ターの表情が豊かであり、身振り手振りで適切であるほど、発表に慣れている印象を与え る可能性が高くなることになる。また、このことにおいては、日本語教師も韓国人学習者 も同じように感じることが示唆された。

最後に、日本語教師のみにみられた傾向として、「いい発表だと思う」の項目において は、【プレゼンテーション向きの話し方】の観点からの影響がもっとも高かった。これは、

プレゼンターが話す際に、スピードや間の取り方を適切に駆使し話すことにより、いい発 表であると思わせることになる。

以上のように、第7章の結果をまとめると、日本語教師は、プレゼンテーションを評価す る際に、社会性を重視するのに比べ、韓国人学習者は、個人的な印象を重視することがわ かった。韓国人は、自分自身の感情を隠さず素直に表現することが特徴と言われているが、

このような背景が反映されたのではないかと考える。実際、韓国人の性格について研究を

行った한덕웅(2003)は、「남에게자기인상을실제와달리좋게보이려는성향(筆者日本語

訳:他人に、自分の印象を実際より、よく思われようとする性向)」と述べているが、こ

れが本研究でも表れたのではないかと考える。

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次に、「発音評価」が、「プレゼンテーション評価」に与える要因を探った第9章をまと める。

日本語教師の結果では、「プロミネンス」への評価が、「プレゼンテーション評価」の5 つの全ての項目に影響を与えていた。これは、日本語教師はプレゼンターの発音のうち、

プロミネンスを適切に使用しているということが、プレゼンテーションを評価するにあた りもっとも重要な要素であるだろうと考える。これに比べ、韓国人学習者の結果では、「ア クセント」の評価が4つの項目に、影響を与えていた。日本語教師のようにプロミネンスの 評価が影響を与えている項目は一つにすぎなかった。

このことから、日本語教師は、プレゼンターの話しから際立ちが適切かという要素がプ レゼンテーションを評価する要素となり、韓国人学習者は、韓国語とは異なる日本語のア クセントが正しいか否かが重要な要素になるのではないかと考える。

続いて、日本語教師は、プロミネンスの他に、長音の評価も4つの項目に影響を与えてお り、韓国人学習者は、摩擦音の評価が3つの項目に影響を与えていた。韓国語母語話者は摩 擦音を苦手とすることがすでに知られている。それゆえ、日本語学習者同士で評価をする 際にもこれが重要視されるのではないかと考える。

次は、「対人印象」に与える要因を探るべく、第8章では「言語・パラ言語・非言語評価」

が与える影響を、第10章では「発音評価」が与える影響を探った。

まず、第8章で「言語・パラ言語・非言語評価」が「対人印象評価」与える影響を探った。

その結果、日本語教師が【社会的望ましさ】を評価する際には、「プレゼンテーション向 きの話し方」への評価がもっとも影響力を持っており、【活動性】と【個人的親しみやす さ】を評価する際には、「非言語およびパラ言語能力」への評価がもっとも高い影響を与 えていることがわかった。このことから、日本語教師が韓国人学習者の印象について評価 をする際には、話し方のスピードや間の取り方、表情が豊かであり、身振り手振りが適切 であることが重要な要素であることが示唆された。

一方、韓国人学習者の対人印象の観点である【個人的親しみやすさ】と【社会的望まし さ】、【活動性】の3つの全てにおいて、「非言語およびパラ言語能力」への評価がもっと も影響を与えていた。このことから、韓国人学習者が韓国人学習者の印象について評価を する際には、表情が豊かであり、身振り手振りが適切であることが重要な要素であること が示唆された。

しかし、以上の結果は、本研究の対象はプレゼンテーションと、設定された場面である ためだと考えられる。

次に、第10章では、「発音評価」が「対人印象評価」に与える影響を探った。日本語教

師が【社会的望ましさ】を評価する際には、「イントネーション」への評価が影響を与え

ており、【活動性】と【個人的親しみやすさ】を評価する際には、「プロミネンス」への

評価が影響を与えていることがわかった。このことから、日本語教師が韓国人学習者の印

象について評価をする際には、「プロミネンス」の影響がもっとも大きいことが示唆され

(8)

た。

これに比べ、韓国人学習者が【個人的親しみやすさ】を評価する際には、 「摩擦音」への

評価がもっとも高い影響を与えており、【社会的望ましさ】を評価する際には、「長音」へ

の評価が、【活動性】を評価する際には、「アクセント」への評価がもっとも高い影響を与

えていることがわかった。このことから、韓国人学習者が韓国人学習者の印象について評

価をする際には、 「摩擦音」「長音」 「アクセント」の影響がもっとも大きいことが示唆され

た。

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