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改 革開放下 の中国 におけ る婚 姻法 改正 に関す る一考 察

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改 革開放下 の中国 におけ る婚 姻法 改正 に関す る一考 察(高 橋)91

改 革 開放 下 の 中 国 に お け る 婚 姻 法 改 正 に 関す る一 考 察

高 橋 強

9QU45b7

は じめ に

婚姻 の無効 制度 の創設 離婚 訴訟 の法定 理 由の修正 夫婦 財産制 度 の整備

親権制 度 の確立

扶養制 度 の整備 と親属 の範 囲 むす び にかえ て

1は じめ に

現行婚 姻法 は1980年 に制 定 され たが 、50年 婚 姻法 を改正 した ものであ る。

現行 法 は文 化大 革 命 とい う10年 間 の 災難後 に改正 され た もの で 内容 上 の局 限性 と、改 革開放 とい う社会変 化 とのギ ャ ップ という、2つ の大 き な欠 陥が 顕 著で あ ると言わ れ る。 前者 は制定 時 にす で に存在 してお り、調整 の範 囲が 狭 く条項 が簡 潔過 ぎ、内容 が システ ム的で な く具体 的制度 に欠け ると指摘 さ れ ていた。後 者 は制定後 、長 く改正 や補 充 を しなか った ことに起 因す る。80

年 婚 姻 法 の起 草 委員 の一 人巫 昌禎 教授 は次 の よ うに述 べ て い る。即 ち 「改 正 作業 は11期 三 中全 会 の前 で 、如 何 に乱 世 を治 め正 しい世 に も どす か の問 題 に対 し多 く思慮 し、社 会発展 の趨 勢 に対 しては考慮 が 少 なか った。 当時 変 化 した社 会条 件 を把 握 しないで 、立 法 の重点 を婚姻 家庭 の改 革か ら婚 姻家 庭

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関係 の安定 や、 家庭 の保 障 と発展建 設 に移 行 したので 、 同法 は展望性 を欠 い

{1}

た もの にな った。」 と。改 革 開放 以後 、中 国社会 は世界 の現代 文 明 と 出会 い 且っ融 合す る中で顕著 な変化 を発生 させ 、婚 姻家庭 関係 も未 曾有 の多様性 と 複 雑 性 を露 呈す るに至 った。 そ の よ う な背景 の 中第8回 全 人 大第1期 会 議

(93年)以 降 、現 行婚 姻 法 の改正 が提 起 され て きた 。そ の結 果95年9月 全人大 内務 司法委員会 は2っ の法律 執行検 査組 を組織 し、新彊 、陳西 、江 西、

海 南 の各 省 で調 査 を実 施 し、96年5月 、 同委 員 会 は 民政部 が 中心 と な り関 係 部 門 と 「婚姻 法 」 改正 作業 をす るよ う提案 した。 同年11月5日 、 民政 部 は民政部 副部 長 を組長 と し、全 国婦 女連 副 主席 と最 高 人 民法 院 民事 法廷 法廷 長 を副組長 お よびそ の他 各 方面 の責任者 で 「婚姻 法」 改正指 導小組 を組織 し 改 正作業 に着 手 した 。 そ して第8回 全 人 大常 務 委員 会 第16回 会議 にて 、現

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行婚姻 法 の改正 が決定 され た。

今 日立法 上 の空 白等 か ら次 の ような婚 姻 家庭法制 定 の必要 性が論 議 され て い る。即 ち、① 婚 姻制 度 にお いて。 婚 姻条 件 や 婚姻 過 程 の規 定 が あ るのみ で、婚姻 の無効 を確認す る規範体 系 に欠 け る。法 の厳粛 性や権威 性 を擁護 し、

各種違 法婚姻 を防止 し、違 法婚姻 におけ る被 害者 の権益 を保 護す る為 に、無 効婚姻 の確認 と宣言機構 及 び婚姻 関係 無効 の法律 的効果(子 女 の教 育 と扶養 及 び財産 処 理 等)の 規 定 が必 要 で あ る。 ② 家 庭 財 産 関係 にお い て。 法定 夫 婦財産 制度 に対す る規 定が簡 略過 ぎ、特 に約定夫 婦財 産制度 の シス テ ム的 な 規 定 に欠 け、社 会主義 市場 経済 下 の家庭 の経 済機能 に適 応 してい ない。③ 離 婚 問題 におい て。離婚 の法 定理 由に対 し原 則的 かっ概括 的 な規定 が あ るのみ で、列挙 的 な具体 的規 定が ない。 改革 開放 後、離 婚紛争 の原 因や類 型 は複雑 化 し、都市 で の1'率 上昇 は顕著 で 、離婚 の 自由を保 障 し軽 率離 婚 を防止す る為 に、離 婚 法規 の具 体化 が必 要 で あ る。④ 親 属制 度 につ いて(中 国で は

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親 族 は父系親 属 に のみ使 用 され るので原文 通 り親 属 を使 用す る。)。婚姻 双方 と若干 の家庭 主体 の調 整 をす るのみ で、親 属制度 の一般 的通 則 的規 定 に欠 け

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改革 開放下 の中 国 にお け る婚姻法 改正 に関す る一考 察(高 橋)93

る。例 え ば親 属 範 囲 、親 等 の計 算基 準 、親属 関係 の 一般 効 力等 。 ⑤ 親 権 制 度 にっ いて。親権 や監 護等 の規 範 に欠 け るので、親権 、扶 養 、監護 等 の制 度 を規 定 し家庭 の責任 を強 化す べ きで あ る。⑥ 生育 制 度 の為 の独 立 した一 章 が 必要 で あ る等 。 なお現 行婚 姻 法 は5章37条 のみ で欠 陥 も比較 的多 く、調 整範 囲 も婚 姻双 方 と若干 の家庭 主体 に限 られ 、条項 も婚姻 関係 が主 で あ る。

新 しい婚 姻 家庭 法 は 、「総 則」 「親 属」 「婚姻 の成 立 」「婚 姻 の効 力」 「婚姻 の 終 止 」 「生 育 」 「父母 子 女 」 「扶 養 」 「監 護 」 「渉 外 」 「港 懊 台婚 姻 家 庭 関 係 」

「法律 責任 」等 の10余 章140条 か ら構 成 され る可能 性 が 大 で あ ると言わ れ る。 本稿 は現行婚 姻法 の改正 論議 を整理 し、そ してそれ を改 革 開放 時代 とい う大 き な社 会 変動 の中で考 察 し、 同時代 におけ る婚 姻 法 の果 たす べ く機 能 に つ いて検 討 を試 み よ うとす るもので あ る。

2婚 姻 の無効制 度 の創設

婚 姻 の無効 とは婚姻 の成 立要件 を欠 いた違 法婚 姻 の こ とで婚姻 を具 足 しな い法律 効 力 の こ と(無 効 と取 消 とは区別 して い ない)。 結 婚 は婚 姻 関係 を借 りて成立 し、夫婦 間の権 利 義務 はそれ に依 って発 生す る とい う重 要 な法的 意 義 を具足 す る行 為 で、違 法婚 姻 には婚 姻 の無効 とい う効果 が伴 う。

違 法婚姻 は婚姻 の性質 か ら見 る と結 婚要 件 に符 合 しない婚姻 、存在 方式 か ら見 る と事実婚 姻 、法律 効果 か ら見 ると婚 姻 の無効 とい うこ とにな る。現 行 婚姻 法 にお け る違 法婚姻 とは、① 請 負婚 や売 買婚(第3条)、 ② 重婚(第3 条)、 ③ 法 定 婚 姻 年 齢(男 は22歳 、 女 は20歳)以 下 の早 婚(第5条)、

④ 直 系血 縁 や 三代 以 内の傍 系 血 縁 間 の婚姻 や 医学 上結 婚 が 適 当で ない疾 病 の者 の婚 姻(第6条)、 ⑤ 結婚 登 記機 関 で登記 して い ない婚姻(第7条)で あ る。

しか し違法 婚姻処 理 の統一 的で 明確 で完 備 された規 定 が存在 しない。 今 日

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次 の2っ の処理 の仕 方 が大 勢 で ある。1っ は離婚 の手段 で違 法婚 姻紛争 を処 理す る。違 法婚 姻 は事実 上夫婦 家庭 関係 を形 成 し夫婦 間 の権 利義務 関係 を発 生 させ てい るので 、離 婚案件 で対 応 しなけれ ば 、婚 姻や 子 女や財産 等 の処理 問題 は法 的根拠 を失 う。従 って一種 の特 殊情 況 と して対 応 して い る。 しか し 離 婚 とは配偶 者 が生存 してい る期 間 に婚 姻関係 を解 除す る法 律手段 で 、婚 姻

の解 除 には前提 と して婚姻 の存在 が必要 と なる。 男女双 方 の結 合 が違法 で あ るな らば、或 は法律 が承 認 した婚姻 で なけれ ば、根本 的 に離 婚 問題 で はな く、

も し離 婚手続 きに従 い処 理す る な らば、違 法婚 姻 を黙認 し婚姻 の効 力 を具 足 させ る こと にな るとい う批判 もあ る。 もう1っ は婚姻 紛争 と して違 法婚姻 を 処理 す る。離婚 手段 で違 法婚姻 を処理 す る ことは違 法婚姻 の合 法的地位 を黙 認 し、違 法婚 姻 と合 法婚 姻 の限界 を混 同 させ るので 、幾 っか の法院 は婚 姻 紛 争 と して立案 し、 まず婚姻 の無 効 を宣言 しそ の次 に合 法婚 姻 に照 ら し合わせ

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て子女 や財 産 問題 を処理 してい る。

かか る違 法婚姻 問題 は、第1回 全 国婚姻 家庭学術 討論会以来論 争の焦点 で、

1984年 中 国婚 姻 法学 研 究 会設 立 大会 及 び学 術 討論 会 、87年 同研究 会 年会 を 通 して次 の3つ の観 点が主張 され てい る。 その1は 違 法婚姻 論」 で 、婚 姻 の実質 要件 と形 式要件 に違反 した違法行 為 を形成す る一種 の不 正 常 な婚 姻現 象 と見 なす 。 その2は 「事実 婚姻 論」 で あ る。社会 生活 上 また 司法 の実践 上 あ る程度 認 め られ た婚姻 関係 で 、 内的特 徴 は男女双 方が共 同生 活 を具す る こ

とを 目的 とす る こと。外 的特 徴 は男女双 方が夫 婦 の名義 を具 し公 開で 同居 生 活 を し、大衆 も夫婦 と して認 め るが結婚 登記 を して いない とい う基 本的構 成 要件 を欠 き、同時 に実質要 件 も欠 く。そ の3は 「婚姻 無効 論」 で 、婚 姻 の無 効制 度 は設置 され て い ないが 、結婚 の実 質要件 や形式 要件 は規 定 され てい る ので、要 件 に符 合 しない男女 の結合 は違 法婚姻 と して無効 を宣言す べ きであ

ると主張 す る。違法 婚姻 問題 は、理 論面 で も司法 の実 務上 で も異 な った 意見 が 多 く存在 し、又人 民法 院 の離 婚案 件審理 にお いて も しば しば違 法婚 姻 問題

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改 革 開放 下 の中 国にお け る婚姻 法改正 に関す る一 考察(高 橋)95

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が存す る。違 法婚姻 は事 実上 の婚姻 家庭 関係 を形成 し、 い くっ かの地 区で は 一・定 の普遍性 を有 してい る。 法的 に違法 で法 的保 護 を受け るべ く婚 姻 関係 で は な いが 、 次 の2っ の条 件 に符合 す れ ば 人民 法 院 は違 法 婚 姻 を受理 す る。

① 婚 姻 紛争 が発 生 して い る、即 ち婚 姻 登 記=機関 の行 政 関与 と異 な り人 民 法 院 は 自発 的 に審i判を遂 行 で き な いの で あ る。② 一方 或 は双 方 当事 者 が解 消 或 は離婚 請 求 を し、 民事 訴訟 法(試 行)の 規 定 に従 い人民法 院 に起 訴 した場 合 で あ る。 人 民法 院 は違 法婚 姻 を処 理す る際 に、そ の婚姻 の違法 性 と現実 性 を結合 して考慮 し、婚姻 法 の精神 や婦 女児 童 の合 法的権 益 を保 護す る原則 に 基 づ き、現 実か ら出発 し、具 体 的 に分析 し慎 重 に対応 し、適切 に解決 しなけ

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れ ば な らない。

他方 、違 法婚姻 問題 に対 しては婚姻管 理機 構 によ る行政 関与 も行わ れ て き た。 今 日の婚 姻 登 記管 理 は 、86年3月 に民政 部 に よ り発 布 され た婚 姻 登 記 弁 法 を改廃 し94年2月 に施行 され た 「婚 姻 登 記管 理条 例 」 によ り実施 され てい る。違 法婚姻 に対 す る管 理 ・処理 が新 た に加 え られ て い る。例 え ば同第 24条 は 「法 定結 婚年齢 に達 して い ない公 民 が夫婦 名義 で 同居 してい る場 合 、 或 は結婚 条件 に符合 してい る当事者 が結婚 登 記 を しないで夫婦 名義 で 同居 し

てい る場合 は、 その婚 姻 は無 効 で法律 の保 護 を受 け ない。」 と、 また 同第25 条 は 「婚姻 登 記 を申請 した 当事 者 が虚 偽 で騙 して婚姻 登 記 を した場 合 、婚 姻 登 記管理機 関は婚姻 登 記を取 り消す べ きで 、結 婚や 復婚 の当事 者 に対 しそ の 婚姻 関係 の無 効 を宣言 し結婚 証 を回収 し、 …当事者 に対 し200元 以 下 の罰 金 に処 す る。」 と、更 に 同第26条 は 「配偶 者 がい る当事 者が 重婚 を し、 その配 偶 者が告 訴 しない場 合 には 、婚姻 登記管理 機構 は検 察機 関 に告 発す べ きで あ る。」 と各 々早婚 や婚 姻 不 登 記の場 合 、虚 偽 の婚 姻 登 記 の場合 、重 婚 の場 合

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等 の処理 が規 定 され てい る。

以上 の現状 を踏 まえ次 の よ うな提案 が なされ て いる。 即 ち、婚姻 の無効 は 本質 的 には法律 が承認 した婚 姻 関係 で は ないが 、 も し当事 者 間や そ の他 の者

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或 は単位 の間 に婚 姻 の効 力有 る無 しにっ いて問題 が生 じた場合 には、一 定 の 法 的手続 きを通 し処理 す る。そ の1っ は婚姻 登記管 理機 関 に よ り行 政手続 き に従 い処 理 し、 もう1っ は人民法 院 に よ り訴訟 手続 きに従 い処 理す る。 次 に 婚姻 の無効 の異 な った 原 因に基づ き、婚 姻 の無効 を主張 で き る権利 者 の範 囲 を確 定 し、婚 姻 の無効 の請 求権 を確 認 し、婚姻 当事 者や利 害 関係者 や単位 は 法 に従 い行使 す る。請 求権 のあ る公 民や 単位 は、婚 姻 の無効 に対 し異議 を唱 え、婚姻 管理 機関 に婚姻 無効 を確認 す る申請 を提 出 し、或 は人 民法 院 に婚 姻 無効 を確 認す る訴訟 を提 出す る ことが で きる。 婚姻 の無効 を確 認す る際 の制 裁 問題 にっ いて は、次 の よ うな提案 も なされ て い る。即 ち、婚姻 の無効 の発 生 には 、あ る ものは 当事 者双 方 の違 法行為 に よる もの、 あ る もの は一 方或 は 第三者 の違 法行 為 に よ るもの等 が あ り、法 律 の厳 粛性 を擁 護iする為 に、制 裁

{g)

措 置 を設 け違法 者 には情 況 に応 じて制 裁 を加 え なけれ ば ば らない と。

なお具 体 的 に は次 の よ うな草案 も論議 され てい る。即 ち、① 請 負 婚 、 売 買婚 に対す る制裁。 成婚 よ り2年 未=満で告発 の場合 は婚姻 の無 効 を宣 言す る。

2年 後 の告 発 の場 合 は離婚 と して処理 し、売買婚 の第 三者 には行 政処 分或 は 500元 以 下 の 罰金 。 ② 一夫 一 婦制 度 違 反 行 為 に対 す る処 罰。 不 倫 や 同棲 の 行 為 に対 して は 「治安 管理 処罰条 例」 の関連 規定 に依 り行政 責任 を追究 し、

妾 を囲 う場 合 に は重 婚 罪 で刑 事 責任 を追 究す る。 ③ 早 婚 に対 す る制裁 。 早 婚 に対 しては別 居 させ る以 外 に 、双 方 或 は親 に1000元 以下 の罰 金 を課 し、

批 判 教 育 を経 て も違 法婚 姻 関係 を解 除 しない場 合 は 司法 手 段 で拘 留す る。

④ 結 婚禁 止 に違反 した近 親 関係 或 は疾 病 関 係 の結 婚 の場 合 に は、婚 姻 の無 効 を宣 言 し婚 姻 当事者 或 は監 護 人 に対 し1000元 以下 の罰 金 を課 す 。⑤ 結 婚 登 記 を しない場 合 に対す る制裁 。結 婚条 件 に符 合 した 男女が結 婚登 記 を しな いで結婚 した場合 、結婚 登記手続 き の補足 を命 ず る以外 に双 方 に500元 以下

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の罰金 を課 す等 で あ る。

以上 の よ うな改正動 向 に対 してあ る法学者 は社 会主義法制 を強化す る為 に、

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改 革 開放 下 の中 国 にお け る婚 姻法 改正 に関す る一考 察(高 橋)97

婚姻 立法 は周 到で 完備 で あ る ことが要 求 され るべ きで、違 法で 且つ刑 法 に触 れ ない婚 姻 に対 しては、婚姻 にお け る違法行 為 と して処罰 し、婚 姻 の厳 粛性 を擁 護す る為 に無 効婚姻 と見 なす べ きで あ ると考 え て い る。 も う一方 の法学 者 は無効 婚姻 制度 の創設 は婚 姻紛 争 を増 加 させ 、且っ 今 日の婚姻 の発展 動 向

{10)

に符 合 しない ので 、創設 しないほ うが 好 い と考 え てい る。

50年 婚 姻 法 を立 案 した 当時 、 中 国 の婚 姻情 況 の複雑 性 を考慮 して、婚 姻 法 は違 法婚姻 の処 理 に対 し明確 な規定 を設 け なか った。 そ して この方 面 の問 題 に直面 した際 には関 連 の政 策 や実 際 の情 況 に基 づ き処理 を して きた。即 ち 旧社 会 で は政 府 に登 記 しない 「私 婚」 「事 実婚 」 現象 が普 遍 して いた ことを

(1ユ 

鑑 み 、人 民政 府 は結婚証 の補 足手 続 き とい う方 式 を採 用 した。 この点 にっ い て は一般 的 には 評価 され てい る。 例 えば 「50年婚 姻 法 は 、婚 姻 の形 式 を登 記 と社 会 的事 実 との二 元的 立場 にお い て認 め てい た。 この ことは強制 婚姻 、 重婚(登 記婚 と事 実婚 との重複 も複 数の事実婚 も重 婚 とな る)そ の他、封 建 主義 的 旧婚 姻 に対 す る国家 の関与 を登記 の場 ばか りで な く、それ 以外 の場 に お いて浸透 させ る ことがで き、 また 女性 とそ の子 に対す る法律 上 の保 護 を可 能 にす る点 が利 点で あ り、現 実 に即 した措 置 とい え るで あ ろ う。私 は50年 婚姻 法 にお け る二元 的立場 は、現在 の具 体情 況 に即 応 した一 つの歴 史的段 階

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を示す もの と考 えた い。」等 。

か か る事実婚 現 象 の存在 は、 旧社 会 風俗 の影響 で、婚 礼 の儀 式 を挙行 すれ ばそ の結 婚 は社 会 の承 認 を得 られ るので、今 日で も結婚 登 記手続 きを軽 視す る傾 向に あ る。50〜60年 代 に改 め られ っ っ あ ったが 改革 開放 時代 に な りま た 台頭 して きた。現在 、特 に農 村 で は結 婚 に 当た って登 記手続 きを履行 しな い現 象が依 然存 続 し、 少 なか らぬ事 実婚 姻 を生 じさせ一 つ の大 き な社会 問題 とな ってい る。 い くっ かの農村 では 、法 定婚 姻年齢 に達 して い ない とか近親 結婚 とか或 は一方 が厳 重 な疾病 を患 ってい る等 の理 由 によ り正式 な結婚 と し

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て認 め られ ないので 、未婚 の ま ま同居 して い る情 況 も存在す る。 更 に改革 開

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放 時代 の人 口抑制 政策 との関連 で、 自 らの望 み通 りに結 婚 し子供 を生 む には 婚 姻登 記 を しない ことで あ り、 そ こで違 法婚姻 の一般 的現象形 態 は未 登記婚 姻 とな り内容 的 には早婚 となる とい う人 口政策 を無視す るた めの未登記婚姻 ・

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早 婚現象 も惹起 してい る。 この ような現象 は 国家 に婚姻 の成立 を掌握 ・指 導 ・ 監 督 させ る ことに大 き な支 障 を齎 してい るので あ る。請 負 ・売 買婚 と くに早 婚 、重婚 事件 の発 生 を助 長 し優 生優 育 に影響 を及 ぼ し人 口の資質 を低下 させ て い る。一 旦家庭 紛争 が発生す ると、 しば しば婦 女 と子女 の合法 的 な権 益 を 保 護す るこ とに と って不 利 な影 響 を与 えかね ないので あ る。

違 法婚 姻現 象 の原 因 は多方面 に渡 り、経 済文 化方 面 の原 因や伝統 習慣 方面 の原因等 が あげ られ る。即 ち長 き に渡 った封建 社会 、封 建 思想 や封 建婚 姻制 度 及 び 旧慣 習勢 力 の影 響 が根 深 く、又近 年 で は10年 間 の動 乱 は法 制建 設 を 破壊 しその結果 と して婚姻 法普 及 の宣伝 が不徹 底 の ままで 、改革 開放 以後 も 一 部辺鄙 な山間部 や経済 的文化 的 に遅れ た地域 で は、異 な った程度 で違 法婚 姻 現象 が存在 してい るので あ る。従 って違 法婚 姻 問題 は一 刀両断 的 には解 決 で きないので 、そ の予 防に重点 が置 かれ るべ きで あ ると言われ てい る。例 え ば婦 女連 や共 青 団や工 会 や・基層 大衆 組織 と共 同で推 進す る とか、 又違法婚 姻

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の禁 止 を郷 規 民約や居 民守 則 に明記す るとか であ る。

この度 の婚姻 法改 正 は、従来違 法婚 姻 を婚姻 管理機 構や 人 民法院 の 司法過 程 を通 して処理 して きた経 験 を制度化 しよう とす るもので あろ う。 そ の背景 には人 民法院 の司法過 程 で の処理 に限界 が あ るので あ ろ うか。 即 ち従来 は 当 地 の風俗 習慣 に従 い故意 な く違 法婚姻 状態 にあ った とか 、 また双 方 が完全 に 自 ら望 んで違 法 婚姻状 態 にあ った とか等 の事情 で あ った のが 、今 日、悪 意 の 違法婚 姻 が増 加 して きてい るので あ る。 又角度 を変 え て見 る な らば同制度 を 導入 で き る情 況 に達 した とも言 い う るの では なか ろ うか。 勿論 、中 国 の特 色 あ る しか も国情 に符合 した婚姻 の無 効制度 の創 設が 必要 とされ ると ころで あ る。

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改革 開放下 の 中国 におけ る婚 姻法 改正 に関す る一考 察(高 橋)99

3離 婚 訴訟 の法定理 由の修 正

法定 離婚理 由 とは 当事者 が離 婚 を提 起す る法 定条件 で あ り、人 民法 院が 離 婚 案件 を審 理 して離婚 を認 め るか否 か の根 拠 で もあ る。 現行婚姻 法 の離婚 理 由は原 則 的で 、具体 的 な列 挙 が な く、法律 の執 行が 困難 で不便 で あ ると言わ れ る。 婚姻 法 第25条 は 「感 情 が既 に破綻 してい る」条 件 を唯一 の法定 離 婚

理 由 と して規 定 して い る。

改 革 開放 以後 、離 婚理 由の中で 「感情破 綻 の原則 」 は、 司法 実践 にお い て 積 極 的作用 を果 た して きたが 、理論 的 な局限性 や実 践 中の欠 陥 も顕著 とな っ て きた。 一方90年 代 諸外 国 で は離 婚 理 由にお け る修 正 が な され て、種 々の タイ プの破綻 原則 が確立 され てきた。例 え ば婚 姻 関係 が元 に戻 らない程度 ま で破綻 してい る とか 、或 は一 定期 間 の別 居 を婚 姻 関係破 綻 の元 に戻 らない程 度 の証 明 とす る とか等。

今 日、「感 情 破綻 の原 則 」 か ら 「婚 姻 関係 の破 綻 」 を離 婚 を認 め る実質 条 件 と して確 立すべ きで あ る とい う論議 が な され てい る。そ の理 由は主 と して 以下 の諸点 で あ る。 その1は 婚姻 の前 提」 か らで 、結 婚条 件 と して規 定 さ れ て い るのは男 女双 方 の完全 な る 自由願 望 で あ って、感 情 を基礎 とす べ きで あ る とい って い る訳 では ない。 男女 間 の感情 は婚 姻 の倫 理 的要求 とな るべ き で、社 会 発展 の現段 階 、配偶 者 選 択 、各 種社 会 的制 約(住 居 、戸籍 等)、 経 済 的思 惑 も完 全 に排 除で き ないので 、現実生 活 での婚姻 は全 て感 情 を も って 基礎 と してい る訳で は ない。 また現実 的 には真 の感情 が成 立 して い ない夫婦 も少 な くない。婚姻 法が要求 して いるものは男女双 方の完全 なる 自由願 望で 、 この種 の 自由願望 は法 律で も って して も成 立 しない。感 情破 綻 は婚姻 当事 者 が感情 を成 立 させ ていた とい う前 提 が必要 で離婚 の際 に"感 情破 綻"は 不 必 要 で あ る。

そ の2は 婚 姻関係 の内容」 か らで 、婚姻 は双 方 の物質 生活 や精神 生活 や

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性生 活 の共 同体 と して存在 してお り、感情 は精 神生 活 の一部 分 にす ぎ ないの で あ る。 又現実 的 には感情 破綻 が婚姻 解体 の唯 一 の原 因で は な く、非感 情 的 要素 が婚姻 解体 を齎す とい うのは枚挙 にい とまが ないと ころで あ る。 その3 は 「婚 姻 の法律 の特 徴」 か らで 、配偶 者や 子女 や老 人及 び家庭 に対す る社 会 的義務 と法 的義 務 は、 この責任感 や義 務感 の 中か ら生 まれ る もの であ り、感 情 の有 無や 深浅 で転移 させ られ ないので あ る。 家庭 は社会 機能 の 多 くを負担

して お り、 感情 要 素 は家庭 や社 会 の多面 を考慮 す る必 要 が あ る。 そ の4は

法律 の調 整す る対 象」 か らで 、感情 は意 識形 態 の範 疇 に属 し不確 定性 と易 変 性 を具 え るもので 、法 律 が感 情 の評価 をす るのは 困難で あ る。感情 問題 は 離 婚 に至 った主観 的原 因 を反 映 し、客観 的原 因 を反映 しない ほ うが 多 い。 そ の5は 「司法 実践 」 か らで 、「感 情 が確 か に破 綻」 して い るとの認 定 に は司 法 官 の主観 的随意性 が大 き くな らざ るを え な く、又 あ る時 は因果 が倒 置す る 事 もあ る。即 ち離婚 を認 め ない判決 を下 す 際 にその夫 婦 の感 情 の い まだ完 全

に破綻 してい ない程 度 を説 明す るこ とにも なる。

従 来 の司法実 践 にお い て前述 の諸 問題 に対応 す る為 に、幾 っ かの通達 に従 い処理 を してい る。 そ の主 た るもの に最 高人 民法 院 『人民法 院が離 婚案 件 を 審理す る際、夫 婦感情 が確 か に破綻 したか を如 何 に認定す るか に関す る若干 の具 体 的 意 見』(1989.11.21発 布)が あ る。 同意 見 は全 部 で 以下 の14箇 条 か らな る。即 ち、① 一 方 が法 定結 婚 禁 止 の疾 病 を患 って い る、② 軽 率結 婚 で結 婚 後 夫婦 の感 情が 成 立 して な く共 同生 活 が 困難 、③ 一方 が不 治 の精 神 病 を患 った 、④ 詐欺 結婚 、⑤ 結 婚登 記後 共 同生活 せず 和合 の可能性 が ない、

⑥ 請 負婚 や売 買婚 、⑦ 感 情不 和 で別 居=満3年 で 確 か に和 合 の 可能 性 な し、

或 は人 民法 院が離 婚不許 可 の判決 を して後 別居満1年 で かっ夫婦 間の義務 の 不 履 行 、⑧ 不 倫 ・違 法 な同居 で教 育 を経 て も改 心 の表 現 な し、 ⑨ 重 婚 、

⑩ 働 かず 賭 博等 の悪 習で 家 庭 の義 務 を果 た さ ない 、⑪ 長 期 の懲 役 で夫 婦 の 感 情 を著 し く害 した 、⑫ 失踪満2年 、⑬ 虐 待 ・遺 棄 、⑭ 感 情 破綻 を引 き起

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改革 開放下 の 中国 におけ る婚姻 法 改正 に関す る一考 察(高 橋)101

こ した そ の他 の原 因 とい う以 上14箇 条 であ る。 これ ら大部 分 は感 情 問題 に 属 して い ない し、 又内5箇 条 は違 法婚 姻 の情 況 に属 し、 内4箇 条 は一方 の錯 誤或 は違法 犯罪 に属 し、 その他 の5箇 条 は軽 率結 婚 し登記 後 同居 せず 、別居 してあ る期 間 が過 ぎ、一 方が行 方不 明 に な り満2年 が経 った等 で あ る。 これ らは司法解 釈 で一般 に は知 られ に くい し恒 久的解決 には な らない(最 高人 民 法 院の本意 見 が発布 され る以前 に既 にそ の よ うな見解 が示 され て いた。即 ち 最 高人民法 院 「0方 当事者 が行方 不 明2年 未満 の離婚 案件 を受理 す るか否 か の 問題 に関 す る回答」(1989.8.22)に 受理 す べ きで あ る とい う見 解 が発 布

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され て い る。)。

今 日、婚 姻 関係 の破綻 を も って従来 の感 情破綻 とい う離 婚理 由に代 替 させ る ことは、理論 的根拠 も合理 的で あ りまた 国情へ も適合 してお り、 人民法 院 の正確 な法 律運用 等 にお い て有益 で あ る とい う論 議 が趨勢 に な りつ っ あ る。

そ の中で次 の よ うな提 案 が なされ てい る。即 ち、 まず 人 民法院 が離婚 案件 を 審理す る際、調停 をす べ きで あ る。次 に も し婚姻 関係 が確 か に破綻 してい て 元 に戻 らない場合 には離婚 を認 め るべ きで あ る。そ して次 の情 況 の一っ が存 す る場 合 、婚姻 関係 の確 か な破綻 と認 定 し、一 方が堅 く離 婚 を要求す る場 合 は調 停 を経 て効果 が 無 い場 合 、離婚 を認 め る(前 述 の 司法提 案14箇 条 を参 考 に した もの と な ってい る)。 ① 感 情不 和 で別居 し3年 が経 った場 合 、② 人 民法 院が離 婚 を認 め ない判決 を下 して後別居 満1年 が経 ち、確 か に元 に戻 る 可能 性 が ない場 合 、③ 一 方 が他 人 と姦 通 を し、違 法 に 同居 或 は重 婚 した 場 合 、④ 相 手 か ら虐 待 や 遺棄 を受 け た或 は相 手 親 属 か ら虐 待 を受 け て情 状 が 悪劣 な場合 、⑤0方 が 有 罪判 決 を受 けた 或 は そ の他違 法犯 罪 行為 が厳 重 で 夫 婦 感 情 を傷 っ けた場 合 、⑥ 一 方 に悪 習 が有 り家庭 で の義 務 を履 行 せ ず 、 教 育 して も改 め ない場 合 、⑦ 一 方 が精 神 病 を患 い快 復 の希 望 が ない場 合 、

⑧0方 が 故有 って性 行為 を発生 させ られ な く治癒 し難 い場 合 、⑨ 一 方 が 行 き先不 明で満2年 が経 ち、広 告 や 調 査 を経 て も音 信 が な い場 合 、⑩ そ の他

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の原 因で婚 姻 関係が 破綻 し共 同生活 がで きない場合 の10項 目で あ る。

文 化大 革命 時代 の後遺症 は法 制建 設 を混乱 させ て、離婚 処理 の領域 にお い て も離婚 法 の主 旨を歪 曲 させ た。即 ち 「一方 が あ くまで も離婚 を要 求す る場 合 、調停 して も効 果 が ない場 合 に、(正 当 な原 因 が あ って夫 婦 関係 を継 続 で き ない場 合 、 を50年 婚 姻 法 に新 た に追 加 して)離 婚 許 可 の判 決 を下 さ なけ れ ば な らない」 と した ので 当事 者 の満 足 を得 られ る もので なか った。 従 って

「正 当 な原 因が あ って夫婦 関係 を継続 で き ない場 合」 に替 え て80年 婚 姻 法 の 「感情 が既 に破綻 してい る場 合」 は大 変積極 的 な役 割 を果 た した と言え る。

過 去 にお いて人 民法 院が離 婚 につ いて厳 格 す ぎた こ とを物 語 って い るのであ ろ う、「感 情破綻 」条 項導 入後 、離婚 率 が急激 に上昇 して い る。

しか し改 革開放 時代 も17年 を経過 し、「感情 が既 に破綻 して い る」条 項 は その主 た る役 割 を果 た し終 えっ っあ ると思 われ る。 また軽率 結婚 、軽 率離婚 には対応 で きな くな って い る。今 日主観 的 随意性 よ り客 観 的原因 を求 め る傾 向 にあ り、法 律へ の正 しい観 念が形 成 され っっ あ る側面 も うかが え る。

なお婚 姻関係 の破 綻 を も って従来 の感情 破綻 とい う離 婚理 由に代 替 させ る とい う点 か ら、「夫婦 中心 」 か ら 「家 庭 中心」 とい うも のを想起 す る。 草案 には3年 の別居 とか離婚 を認め ない判 決 を下 して後1年 の別居 等 か ら、家庭 の安 定 を考慮 した ものに な って い る。

後 述す るが改 革 開放時代 の最 大 の婚 姻紛 争 は離 婚 問題 で、 その紛争 処理 の 経験 か ら夫 婦財 産制度 、親権 制度 、扶 養制度 等 の整備 や創 設等 が促 され て い

る。

4夫 婦 財 産制 度 の整 備

夫婦財 産制 度 は、夫婦 財産 の帰 属 ・管 理 ・使用 ・収益 ・処 分 お よび これ ら と密接 な関係 あ る財 産 責任 の制 度 の ことで あ る。現 行婚 姻 法 はそ の第13条

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改革 開放下 の中 国におけ る婚姻 法改正 に関す る一 考察(高 橋)103

で 「夫婦 が婚 姻関係 存続 期 間 に得 た財産 は、夫 婦 の共有 に属す る。双 方 のあ いだで 別 に合 意 が あ るが場合 は この限 りで な い。」 と規 定 して い るが 極 め て 概括 的 であ る。 同条 か ら共 同財 産制 を主 と し、約定 財産制 を補 助 的 な もの と

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す る夫婦財 産制 度 を採 用 してい る ことが判 る。 共 同財産制 は法 定財 産制 で 、 約 定財産制 は選 択性 の もので あ る。 これ まで最 高 人民法 院 は数 十条 の補 充規 定 をっ くり、夫婦財 産制 度整 備 の必要性 と逼 迫性 に対処 しよう と して きた 。 夫婦 財 産制 度 を規 定 した婚 姻 法第13条 は夫 婦共 同財 産 の概 念 を規 定 した もので あ るが 、具体 的範 囲 は何 を包括す るのか 、夫 婦共 同財 産 と婚 姻前 の個 人財 産 との 限界が 不 明であ る、又 如何 に認定す るのか等 の問題 が あ り、 これ らの解決 が夫 婦財産 制度 整備 の 中心課題 で あ る。従 来現 行婚姻 法 で は、夫婦 が結 婚前 に所 有 して いた財産 は、 明文規 定 は ないが 当然 各 自の個 人財 産 に な

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ると解釈 され て きた。 改革 開放以 後 の生活水 準 の 向上 、家庭 財産 の価 格高 級 化 ・品種 の多様化 、所有 権 関係 の複雑化 は、不 明瞭 な部 分 の 明確 化要 求 を齎 し同制度 の整 備 を進展 させ た。離 婚紛争 の財 産分割 の際 には必須 の指標 とな る。

法政 策や 司法過程 で の経験 を整理 してみ ると、 まず最 高 人民法 院 「民法通 則 の執行 を貫 徹す る上で の若干 の問題 に関す る意 見」(1988.1.26)の 第43

が あげ られ る。即 ち夫婦 関係 が存 続 してい る期 間 に一 方 が個 人経 営 あ るい は 請 負経営 に従 事 した場合 、 そ の収 入 は夫婦 の共 同財産 と な り、債 務 もまた夫 婦 共 同財 産 で も って精 算 しなけれ ば な らない と してい る。 また 「婦 女権 益保 障法」(1992.4.3)は 、 同第29条 で 「婚姻 ・家庭 の共 同財産 関係 にあ る時 、 婦 女 の法 に依 る権 益 を侵 害 す るこ とは で き ない。」 と、同第30条 で 「農 村 で 責 任 田や 口糧 田等 を区 分す る際 、及び住 宅地 を批准 す る際 、婦 女 は男子 と平 等 の権 利 を有 し、婦 女 の合 法 的権利 を侵害 す る こ とはで き ない。」 と規 定 し 都 市だ けで な く農村 で の整備 にも配慮 してい る。 更 に整 備 が進展 した段 階 と

しては最高 人民法 院 『人民法 院 の離婚 案件 で の財 産 分割 処理 問題 に関す る若

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干 の具 体 的意 見』(1993。11.3)が あげ られ る。 同意見 で は夫婦 共 同財 産 の 範 囲が 明確 に され て い る。 即 ち、① 一方 或 は双 方 の労働 に よ る収 入 と購 入 に よ る財産 、② 一 方或 は双 方 の相 続 や 贈 呈 に よ る財 産 、③0方 或 は双 方 の 特許 権 に よ る経 済 利 益 、④ 一方 或 は双 方 の請 負や 貸 借等 の生 産 ・経 営 活 動 に よ る収益 、⑤ 一 方或 は双 方 の所 得 した債 権 、 ⑥ 一方 或 は双 方 の そ の他合 法的所 得 であ る。但 し第2点 目は所 有権理 論 に よる と、相続 され た者 や贈与 され た者 は 自己の財 産 を処 理す る権 利 を有す るので改 訂 され るべ きであ ると 提 議 され て い る。 その他 、今 日的現 象 と しての福 利房 や集 資建房 等 の所 有権

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の認 定問題 は その 明確 化 が望 まれ る。

婚姻 法第13条 は共 同財 産制 と当事者 の約 定財産 制 も認 め てい る。 「約 定」

の規定 は簡 単過 ぎそ の充実 化 ・健 全化 が必要 で あ る と言われ る。 今 日次 のよ うな提案 が なされ て い る。① 合 法 で 自 らの願 望 が原 則(現 行 法 に違反 しな いで且 っ夫 婦双 方 の真 の 意志表 示 が必要 で違 反 す ると無 効 で あ る)、 ② 一定 の手続 きの履 行 が必要(約 定財産 制 は夫 婦 間の権利 ・義 務 関係 で あ るので一 定 の形 式 を具 え るべ きで あ る。 例 え ば公証 の為 の書面 形 式等)、 ③ 約 定 に は 時 間 の上で の制 限は必要 な く結婚 前 で も結婚後 で もよい等で あ る。

前述 の共 同財産制 度 や約定財 産制 度 の他 に、今 日夫婦特 有財 産制度 も論議 され てい る。 特定財 産 とは夫 あ るい は妻 の単独所 有 の財産 の ことを指 す 。夫 婦 の結 婚 前所 有 の財 産 は、50年 婚 姻 法 の下 で は 「共 同財産 」 と見 な され 、 夫婦 が各h所 有権 と処 分権 を有 して いたが 、現 行婚姻 法 で は明文 の規 定 は な

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いが 、 当然各 自の個 人財産 と なる と解 釈 され て きた 。 この度 の論 議 は、個 人 財産 と共 同財産 の限界 を 明文化 しよ う とす る もの であ る。 本来個 人財 産 に属 す るもの は、① 結 婚 前個 人所 有 の財 産 、② 結婚 後 個 人 の専用 財産 、③ 双方 約 定 の個 人所 有 の財産 の3っ があ るが 、 ここで の論 議 は ① と ② の こ とで あ る。 現行 法 には規 定 が ないが 、 司法解 釈上 あ る種 の財 産 は結婚後 の所得 で も 個 人 財 産 と見 な してい る。 即 ち、① 専 ら個 人使 用 に供 す る衣 服(貴 重 な も

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改革 開放下 の中国 にお け る婚姻 法改正 に関す る一考 察(高 橋)105

の は除外)、 ② 結婚 前 の所 得 で結 婚後 まで続 い てい る もの 、③ 一方 が従事 す る職 業 で必需 の工 具 や機 器 等 、④ 復 員 軍人 の補 助 費 お よび結 婚10年 未満 の 復 員 費 ・職 業 費 で 、 これ らは ② に関す る特 定財 産 制度 の十 分基 礎 と な り う

ると思われ る。

従来 の 司法過程 で は、最 高人 民法 院 「民事政 策 の法 律 の執行 を貫徹 す る上 で の若 干 の問題 に関す る意 見 」(1984.8.30)の 結 婚 前 の個 人財 産 に属 し て いて も、長 年結 婚 し双方 が長 期 に共 同で使用 し経営 し管 理 して きた場 合 、 夫 婦共 同財 産 と見 なす ことが 出来 る」(最 高人 民法 院1993.11.3の 意 見 も こ の立場 を踏襲)と し婦 女 の合法 的 民事権益 を保 護 しよう と して きたが 、約 定 財 産制 度や特 定財 産制 度 の論議 は一 体何 を物 語 るので あ ろうか。婦 女 の財 産

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面 で の向上 なので あ ろ うか。 司法実践 にお いては結婚 前財 産公 証書 、購入 物 の領収 書や第 三者 の証 言 は法院 を経 て、結 婚前個 人財 産 と して処 理す る証 拠

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とす る ことが可能 の ようであ る。今 日結婚 登 記 の際 に同時 に結 婚前 の財産 に っ い ての登 記制度 を実施 して は どうか とい う提議 も なされ てい る。(25)

改 革開 放 以前 は 「集 団化 」 「共 同化」 の傾 向 の強 い社 会 シ ステ ムで 、夫 婦 財産 関係 もそ の中 に組 み込 まれ て いた。 この点 にっ いては次 の よ うに概観 さ れ て い るが至 言で あ る。即 ち 「計画 的生産 と共 同労働 とい う ことは、一家 の 枠 を越 え て社 会的 な集 団体制 の中 に発 展 させ られ つっ あ る。 この ことは夫 婦 財産 ない し家庭 財産 の在 り方 に も大 きな影響 を与 えず にはおか ない。 ……土 地 は個別 的所 有体制 を越 えて集 団的所 有 に移 り、 しか も同時 に労 働 力 も社 会 化せ られ て、家族 労働 か ら集 団労働 に移 り、土地 の所 有 と経 営 お よび労働 の 仕組 と生 産 の分配 の諸部 門 で の0貫 した合理 性が 、古 い血縁 主義 、古 い団体

主義 を よび起す 最後 の手 がか りを失わ しめ るに至 る。」 と。

改 革 開放 以 後 、農 村 にお いて も又 都 市 に お い て も所 有 制 の改 革 の 中 で 、

「集 団化」 「共 同化」 か ら各家庭 へ と変 化 し従 来 の夫婦 財産 関 係 も変 化せ ざ るを え な くな った 。改革 の進展 と と もに市場 経済 システ ムが浸透 し、様 々な

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職種 に就職 の機会 が増大 してい った 。特 に女性 にと っては顕 著 な ものが ある。

そ ん な中で家庭 財産 の価値 は増 大 し、 又個 人財 産 も金 額 が大 き くな ってい っ た。 以前 、結婚 前個 人財 産 は金額 が あま り大 き くな く、離 婚 に際 して も矛盾

を引 き起 こす ことは比較 的少 なか った。 しか し改革 開放後 、 それ は金 額数 量 とも に増加 し又結婚 後す ぐ離婚 とい う案件 が増 え、個 人 の結婚前 財産 の 引 き 起 こす紛争 も次第 に増加 した。 あ る夫婦 は協 議離 婚 をす ることに して いたが 、 個人 の結婚 前財 産処理 に矛 盾 が発生 した ので法 律 に訴 え る しか な くな った。

今 日、各大 都市 で はい くらか の青 年 男女 はか か る紛争 の発 生 を防 ぐ為 に、結 婚証 を受領 す る前 に公証機 関で結 婚前 個 人財産公 証 の手続 きをす る現 象 が現

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われ て い る。 なお 「約 定財 産制 の健全 化」 論議 は正 に夫婦双 方 の経済 活動 の 多様化 、特 に女 性 の権利 意識 の 向上 を物語 るので は なか ろ うか 。改革 開放 時 代 は女性 に種 々の職種 に進 出を可能 に した ので あ る。 また 一定手 続 きの導入 は離婚 の際 の財 産分割 に有利 で 、特 に 「夫婦 特有 財産 制度 の増設 」 はそ の感 を強 くさせ る。

5親 権 制度 の確立

親権 とは、父母 の未成年 子 女 の身 体上 と財 産上 の扶養 ・教 育(家 庭 教 育 と 学 校 教育)心 身 の健康 的 な発 育 の為 一 お よ び管教(躾 や 戒 め)・ 保 護

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(管教 と保 護 とを合 わせ て 「監 護」 と称 して い る。)一 心 身 を安 全 で安 定 した状 態 に置 く為 一 に対 す る権 利 義務 制 度 を指す 。 現行 婚 姻 法 第15条 と 17条 は、 父母 の子 女 に対 す る扶 養 ・教 育及 び管教 ・保 護 に 関す る内容 を規 定 してい るが 、比較 的抽象 的 で原則 的 でそ の上親権 とい う名 称 も具体 的規 定 もな い。

改 革 の深 化 と経済 の急激 な発 展 は家庭 関係 を大 き く振 動 させ 、未成 年 子女 の扶養 、教 育 、管 教 、保護 に対 す る、 またそ の財産 管理 に対す る問題 は 日増

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改革 開放下 の中 国 にお け る婚 姻法 改正 に関す る一考 察(高 橋)107

しに大 き くな り、特 に離 婚 問題 にお い ては更 に顕 著 で あ る。 あ る父母 は子 女 に対す る直接 扶養 権 を争 った り、又子 女 の扶 養 ・教育 責任 を互 い に回避 した り、 あ る家 長 は虐 待や遺 棄 まで してい る(特 に女児 に対 してはそ のケー スが 多 い)。 これ ら問題 に対 して現行 婚姻 法 は効 果 的 な機 能 を果 た してい な い。

む しろ無 力で あ ると も言わ れ てい る。 従 って、親 権制 度 を設 け、法律 形式 で も って父母 の未成 年 子女 に対す る扶養 、教 育 、管 教 、保 護 に関す る具 体 的権 利義務 を明確 に規 定 し、未 成年者 に対 す る家庭保 護 を完備 し、未成年 者 の健 康 的 な成長 を促進 す る ことは大 変重要 で あ る。未成年 者 に対す る保 護 に関 し

ては独 立 した単独法が制定 され てい る。即 ち 「未成年者保 護法」(1992.1.1) で あ る。 同第8条 は 「父母 或 はそ の他 監 護人 は法 に基 づ き未成年 者 に対す る 監 護 の責任 と扶養 義 務 を履 行す べ きで 、 …」 と、 また 同第52条 は 「未 成 年 者 の人身 の権 利 あ るいはその他 合法的権 利 を侵 犯 し、犯 罪を構成す る場合 は、

法 に基 づ き刑事 責任 を追究 す る。 …未成年 者 に対 し扶 養義 務 を負 い なが ら扶 養 を拒 絶 し、情 況 が悪劣 な場 合 、刑法 第183条 の規 定 に照 ら し刑事 責任 を追 究す る。」 と規 定 した。 また婦 女権 益保 障法 で は、 同第45条 で 「父母 双方 は 未成 年 子 女 に対 し平等 の監護 権 を享 受す る。」 と規 定 し父 母双 方 か らの保 護 を明文化 してい る。

親 権 制 度確 立 に関 しては次 の よ う な提 案 が なされ て い る。即 ち 、① 親 権 の主体 と客体 の 明確 な規 定 、② 親 権 の 主要 内容 の 明確 な規 定 、1)扶 養 、 管 教 、 身 分 代 理 等 の権 利 義 務 を含 む 子 女 に対 す る照 護(世 話 す る)権 II)子 女 の財産 に対 す る照護権 、 主 と して父母 は子女 の法 定代 理 人で 、父母 の子 女 の財 産管 理 等 の権 利 義 務 の こ と、③ 親 権 の 消滅 ・停 止 や剥 …奪等 を規 定 、特 に 明確 に規 定すべ きなの は、父母 が親 権 を濫用 した場 合(子 女 に対す るゆ き過 ぎた懲 罰 、子 女虐 待 、子 女 の身 体 の安全 危害 を及 ぼす危 険 あ るいは 品行 悪 劣 、子 女 の心 身 の健康 に厳 重 に危害 が あ る等)、 訴 訟過 程 を経 て父母

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双 方或 は0方 の親権 を剥 奪す る とす る内容 で あ る。

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未成年 者 の保 護 に関 しては婚姻法 ばか りで な く、「民法通 則」(1987.1.1) に も監護 の責任 が規 定 され て い る。監 護 とは法律規 定 によ り特定 自然 人 の人 身権 と財 産権 に対 し、監 督 と保 護 をす る民事 法律制 度 の ことで あ る。所 謂特 定 の 自然 人 とは 、 まだ 父母親権 の照護 の下 にない未成年 者 あ るいは 民事 行為 能 力 の ない者 、 あ るいは精神病 患者 等 の如 くの行為 能 力制 限者 を指す 。 これ らの者 は社 会 人 と して家 庭 の中 で生 活 してお り、監護i制度 は婚姻 家庭 法 の重 要 な制度 で もあ る。 今 日、流 浪人 口の中で その一部 分 は 、親 権照 護 の下 に な

い或 は父母が 失業 中 の未 成年 者 あ るいは精 神病 患 者等 で あ る。 民政部 門 は毎 年 これ らの者 を送 り帰す 為 に、大量 の人力 と物 力を費 や さね ば な らないと同 時 に、流 浪 の未成年 者 は社 会 の不 良な風紀 に影 響 を受 けやす く、社 会 治安や 社会 の安 定 に極 め て不利 で あ る。従 って監護制 度 の確 立 も急 務で あ る。 民法 通 則第16条 は 「未成 年 者 の父母 は未 成年 者 の監 護人 で あ る。 なお父 母 が監 護 人 とな る ことが で きない場合 は、祖 父母 ・外 祖 父母 ・兄 弟そ の他 の関係が 緊密 な近親 者が監 護人 とな る。」(親 属 の範 囲の よう なものが規 定 され てい る) と規 定 して い る。 そ して監 護 人 は監 護 の職 責 を履行 し、被監 護人 の人身 や財 産及 び合 法的権 益 を保 護す る責 務 を負 うが 、責務 を果 た さ ない或 は被監 護人 の合 法的権 益 を侵害 した場 合 、人 民法院 や 関係 者 あ るい は関係 の単位 の 申請

に よ り監 護人 の資格 を取 り消 す こ とが で きる こ とも 明文 化 してい る(第18 条)。

民法通則 で規 定 された 「監護 の職 責」 は 司法 実践 を経 なが ら具体 的 にな っ てい った。 最 高人 民法院 「民法通 則 の若干 の問題 の執行 を貫徹 す る ことに関 す る意見」(1988.1.26)の その第10は 、監 護人 の監 護 の職 責 を次 の よ うに 説 明 してい る。 即 ち被 監護 人 の身体 の健康 を保 護 し、被 監護 人 の生 活 を照護 し、被 監護 人 の財産 を管理 ・保 護 し、被監 護 人が 民事活 動す る代理 を し、被 監護 人 に対 し管 教 ・教 育 を行 い、被監 護 人 の合 法 的権 益 が侵 害 され た り或 は

他人 との間 に争 議が起 きた場合 には、 その訴訟 の代理 をす ると。

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改革 開放下 の 中国 にお け る婚姻 法改 正 に関す る一考 察(高 橋)109

更 に未成年 者保 護法 は その 内容 を具体 化 してい る。監 護 人は学 齢 の未成年 者 を規 定 に照 らして義務 教育 を受 け させ 、義 務教 育 を受け てい る在 学 中 の未 成 年者 を中途退学 させ ては な らない(第9条)と 、監 護人 は健 全 な思想 ・品 行 と適 切 な方法 を以 て未成年 者 を教 育 し、 未成年者 の喫煙 ・乱酒 ・放 浪及 び 賭博 ・麻 薬 の吸 引 ・売春 を予 防 と抑 止 す るべ きで あ る(第10条)と 、監 護 人 は未成年 者 の結 婚 を許 し或 は結婚 を強制 しては な らず、 未成年 者 に代わ っ て婚 約 を しては な らない(第11条)と 、そ して監 護 人 が監 護 責任 を履 行 せ ず或 は未成 年者 の合法 的権益 を侵害 した場合 は 、法 に依 り責任 を追究 し、教 育 を経 て も改 め ない場合 は、 その監護 人 の資格 を取 り消す ことがで き る(第 12条)と 各 々規 定 してい る。

現行 民 法通 則 の監 護 制 度 に関 しては次 の よ う な批 判 もあ る。 即 ち、① 親 権 と監 護(本 来 は民事 行 為 の法 定代 理 人)の 区分 が な され て い な い、② 監 護 人 の確 定 方式 お よび手 続 きが監 護 の執 行 に不 利 で あ る、③ 監 護 機 関 と監 護 内容 に関す る規 定 が あ ま り全面 的 で ない等 。 しか しなが ら前述 の司法実 践 や法 政策 を経 なが らか な り具 体化 して きてい るように思 え る。

なお新婚 姻 家庭 法 の 中には監 護 に関す る一章 が新 た に設 け られ 、 以下 の 内 容が規 定 され るで あ ろ うと言われ て い る。即 ち、① 監護 設定 の原 因(条 件)、

② 監 護人 、監 護 監 督人 、監 護 行政 機 関お よび法 院 を含 む監 護機 関 、③ 監 護

職責 の 内容、④ 監 護 の停 止等 の 内容 で あ る。

社 会主 義 中国 の婚姻 法 に は親権 とい う言葉が使 用 され て い ないが 、 その主 た る理 由は次 の理 由で あ る。即 ち資 本主義 国家 の親権 には、親権 と家長権 と の区別 が付か ない ものや 、親 権 が主 と して父権 を表わ して いた り等封 建 的残

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余 が 残 って い る の で親 権 と い う言 葉 は 使 用 しなか った よ うだ 。 従 って 用 語 と して は 「父 母 子 女 間 の 権 利 義 務 」 を統 一・的 に使 用 して い る。 改 革 開 放 政 策 の も う0方 の メ ル クマ ー クは 人 口抑 制 政 策 、 具 体 的 に は 一 人 っ子 政 策 で あ る。

一 人 っ子 政 策 の 下 で は 資 質 の 高 い後 継 者 を と い う風 潮 を生 み、 ま た 「望 子 成

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龍」 か ら来 る親 の子供 に対 す る過 剰 な期待 も生 じさせ 、 そ こか ら様 々な社 会 問題 を惹起 させ るに至 って い る。改 革 の深化 と経 済 の急激 な発展 は親 達 に対 して も大 き な影 響 を与 えて い る。特 に離婚 問題 にお い ては親 達 は子供 との関 係 にお いて大 き な挑戦 を受 け てい る ように思 え る。 また親権 の消滅や停 止 や 剥 奪制 度 の導入 は、 未成年者 保護 法 の影 響 を受 けた もので あ るが、子供 の人

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権 保護 の傾 向を想 起 させ る。 なお親権使 用 にっ い ては特 にそ の説 明は見 当た らないが 、子供 の人権保 護 が確立 され ていれ ば 問題 は ないよ うに思われ る。

6扶 養制度 の整 備 と親属 の範 囲

1)扶 養 制度 の整備

現行婚 姻 法 は、父母 子 女問 の扶 養 義務(第15条)、 夫婦 間 の扶養 義務(第 13条)、 一 定条 件下 で の祖 父母 と孫 、外 祖 父母 と外 孫 間 と兄弟姉 妹 間 の扶 養 義務(第22条 、第23条)を 規 定 してい る。舅姑 と嫁 、妻 の父母 とむ ご間 の 扶養 義務 は基 本 的に は当事者 の 自由意志 に任せ 、 明確 な規 定 は ない(相 続 法 第12条 で はその規 定 があ る)。 そ の 内容 は世 界 で も先進 的 で あ る。 しか し扶 養 に関す る規 定 は不 統一・で、体 系 も不完 全で い くっ か基 本的制 度 を欠 いて い る。 今 日い くらか の離婚 当事者 は子 女へ の扶養 義務 を尽 く して いない。 また 子 女が老 人 を扶 養扶 助せず 、老 人 の虐 待 ・遺棄 現象 まで しば しば発 生 して い る。 中国 も老齢社会 に入 ろ うと してい るが、今 日の経済発展 状況 か らす ると、

家庭 内扶養 は依 然 と して重 要 な地 位 を 占め る。 司法実 践 にお い てもその傾 向 が見 られ る。即 ち、最高 人民法 院 は 「老齢 者や 子女 のい ない者 に対 し婚姻 法 第23条 を類 推 して 、負担 能 力有 る兄 弟姉 妹 に扶養 義 務 を負担 す る よう判 決 す る こ とが 出来 るか否 か につ いて の回答 」(1981.9.1)に お い て、類 推 と

いう考 え方 は不適 当で あ るが基 本的 に同意す る と してい る。今 日扶養制 度 の{34)

整 備が 急 がれ てお り、婚姻 法改 正 の際 には一つ の章 を設 け以下 の 内容が規 定

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改 革開放 下 の中 国にお け る婚姻 法改正 に関す る一 考察(高 橋)111

され るべ き で あ る と言 わ れ て い る。 具 体 的 に は次 の 諸 点 で あ る。 即 ち 、

① 直 系姻 属 を扶養 体 系 に入れ た扶 養範 囲 を 明確 に規 定 す る。 生 活 を共 にす る直系 姻 属 間 に は相 互扶 養 義 務 が存 す るので あ る。② 扶 養 の順 序 を明確 に 規定 。扶 養権利 人 が数人 或 は同一順 序扶 養権利 人 が数 人で 、扶 養義 務者 の経 済能 力 がそ の全 体 を扶養す るに充 分で ない場合 、 また扶養 義務 者 が数 人で或 は 同一 扶 養 義務 者 が 数 人 の場 合 、各 々扶養 順 序 の問題 が発 生す る。 ③ 扶 養 程度 、扶養 方式 お よび扶養 の変更等 の 問題 に対す る明確 な規 定。家 庭構 成員 間、親属 問 の扶 養法 体系 を整備 し、養老 育幼 や安定 した家庭 を得 る必要 が あ

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る等 で あ る。扶 養制 度 の整備要 求 の背景 には主 と して老 人扶養 問題 の解 決 と い う課題 が存す る。改革 開放 時代 は 「孝 」 の観 念 が弱体 希薄 にな った とい う 見解 もあ るが 、 同時代 は社会保 障制 度 の改革 を齎 した情 況 もあ り、老 人の家 庭 内扶養 は重要 な地 位 を 占め るに至 って い る。即 ち積 立方式 を採用 し国家 と 集 団 と個 人が養 老 を分担 し、国家 は従来 の ように全 て面 倒 を見 るこ とを しな い ので あ る。80年 婚 姻 法 の基 本原 則 の 中 に付 加 され た のは老 人 の権 益保 護 で あ った が 、今 日の改正 論議 は 同原則 を具体 化 させ よ うと した もの と考 え ら れ る。「老 人権益保 障法」(1996.8,29)第2章 「家庭 の扶養扶 助 」 はそれ に

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弾 み を付 けた と も言 え る。 なお諸提 案 の中 の 「直 系姻 属 を扶養 体 系 に」か ら 家庭 集 団更 には親属 集 団へ の力点 の移動 を感 ず る。即 ち家庭構 成員 間更 には 親属 間 の扶養 法体 系 の完 備 を 目指 してい る ように思 え る。 これ は一人 っ子政 策 の下 、老 人の扶養 扶助 方面 におい ては一 人 っ子 が双 方両親4人 の老 人 を扶 養扶 助す る負担 を軽減す る為 に、「老 人家庭 託 児所 」「老人 の家」 「老 年大 学」

等 の需要 が 高 ま って い るが 、家庭 の扶養 扶助 能 力は減 退傾 向にあ るので 、や は り親属 間 にまで拡大す る必要 が 出て きた ので あ ろ うか。

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2)親 属 の範囲

封建 社会 で は父系 血縁 関係 を宗親 と呼び 、母系 血縁 関係 を外親 と呼び宗親 だけ を承認 した。宗 親 は上4代 と下4代 以 内を近親 と しそれ 以外 を遠親 と し、

親 属 を宗 親(4親 等)、 外 親(3親 等)、 妻 親 の三種 類 に分 け て いた。1911 年 の辛 亥革 命 は これ に改革 を加 え 、血 縁 、姻 親 と配偶 の3種 類 に分 けたが範

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囲 にっ い ては具体 的 な規 定 を設 け なか った。新 中 国は父系 も母系 も直 系血 縁 と した が 、従来婚 姻法 は(現 行法 も同様 に)親 属 の種類 や範 囲 に対 し明文 の 規 定が なか った(総 括 的 限定法 で は な く個別 的 限定法 を採用 してい るか らで

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あ る との説 明 もあ る。)し か し婚 姻 法 、相続 法 、 民事 訴訟 法 、刑法 、刑事 訴 訟法等 の幾 っか の規 定 は親属 の範 囲 問題 に関連 して い る。婚 姻法第6条 は直 系血 縁 と三代 以 内の傍 系 血縁 間の結 婚 禁 止 を、相 続 法 第10条 は配偶 者 、子 女 、父母 、 兄弟姉妹 、祖 父母 、外祖 父母 は法 定相続 人 の範 囲 に属す ると、相 続 法 第12条 は夫 を亡 く した後舅 ・姑 の主 た る扶 養扶 助 の義務 を尽 く した嫁 、 妻 を亡 くした後 義理 の両親 に主た る扶養扶 助 の義務 を尽 く したむ ごを第1順 位 相 続 人 にす る こ とを、刑 事 訴訟 法 第58条 は近 親 に夫 婦 、 父母 、 子女 、 兄

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弟姉妹 を包 括す ると各 々規 定 した。 そ して以上 の範 囲 の親 属 間 には権 利義務 が発生す るので あ る。(40)

この度 の婚 姻法 改 正論議 の 中で 、親 属 の種類 や範 囲の 明確化等 の提 案 もな され て いる ようで あ るが 、前述 の老 人扶養 を確 立 させ る為 に大変 有利 で あ る

との理 由か らで あ ろうか 。50年 婚姻 法 は家族 で な く家庭 の用 語 を使 用 し、

夫婦 とそ の未成年 の子 か らなる単位 を前提 に婚姻 関係 を規 定 し封建 的家族 関 係や親属関係 をで きる限 り除去 しようと した。親属 という用語 を使用 しなか っ た の も同様 の理 由か らで あ ると考 え られ る。 しか し何 故 に今 日、使 用 され よ う と して い るので あ ろ うか。 改革 開放前 の社 会主義 化 の時代 は 、親 属組織 の 組織 と しての結 合 を弱 め る方 向に働 いた のであ る。 同以後 は逆 にそれ を復 活 させ る方 向に働 いた。 人民公社 か ら各農 家 に生 産単位 が移 行 し、且 っ親属 グ

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