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放牧泌乳牛の定置放牧下における夏季と秋季のコーンサイレージ補給量

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2019年27

放牧泌乳牛の定置放牧下における夏季と秋季のコーンサイレージ補給量

配分が食草量と乳生産に及ぼす影響

生物資源科学専攻 家畜生産生物学講座 畜牧体系学 渡邊桃子

1. 緒言

放牧草は季節の推移によって再生量が変化するため,放牧飼養下において安定した牧草生産を確 保することが高泌乳牛の乳生産において重要である。また,放牧草のみでは乳牛のエネルギー要求 量を満たすことはできないため,コーンサイレージ(CS)給与が有用である。福島ら(2018)は全 放牧期で

CS

を一定量に給与するよりも夏に多給し秋に少量給与する季節ごとの給与量調節が生産 性を高めることを報告した。本試験では夏期と秋期で総補給量を同量とすることで,夏に補給量を 少なくし秋に高める逆の配分が牧草生産,食草量,乳生産に及ぼす影響を検討した。

2.方法

夏期(6/30~8/24)に

CS

を日量原物

30kg(夏期多給区)もしくは15kg

(秋期多給区)を給与す る

2

区にホルスタイン種泌乳牛各

6

頭ずつ配置した。秋期(

8/25~10/19)のCS

給与量は,夏期多 給区および秋期多給区それぞれ日量

15kg

および

30kg

とした。各区それぞれ

2ha

のペレニアルライ グラス主体草地に定置放牧した。試験を通して,2 週おきに草地構造を測定し,食草量および乳量 を

1

週おきに測定した。食草量はダブルインジケーター法を用いて測定した。

3.結果と考察

草量(tDM/ha)は,夏期と秋期ともに夏期多給区が秋期多給区に比べ高かった(夏期:3.2 vs.

2.8;秋期:2.0 vs. 1.8)

。イネ科牧草草高(

cm)は,夏期多給区は,夏期で秋期多給区に比べ高

く,秋期の

2

週目まで高く推移した(夏期:12.6 vs. 9.6;秋期:8.1 vs. 7.4) 。分げつ密度(千 本/㎡)は,秋期多給区は,夏期秋期を通して分げつ数の変動が大きかったが,夏期多給区はいずれ の季節においても高い値でほぼ一定に推移した(夏期:6.5 vs. 5.4;秋期:6.0 vs. 4.4) 。食草量

(kgDM/頭

/日)は,夏期多給区は秋期多給区に比べ夏期で低く(8.0 vs. 10.2)

,秋期においては高 く,その差は大きくなった(12.4 vs. 7.6) 。総乾物摂取量(kgDM/頭

/日)および代謝エネルギー

(MJ/頭/日)は夏期と秋期ともに夏期多給区が秋期多給区より高かった(夏期:

16.4 vs. 14.4;秋

期:16.6 vs. 15.9) , (夏期:143.5 vs. 120.1;秋期:151.3 vs. 137.2) 。乳量(kg/頭/日)は,

夏期多給区が秋期多給区よりも夏期中盤から秋期中盤で高く推移した(夏期:25.6 vs. 21.1;秋 期:22.3 vs. 18.9) 。

4.まとめ

定置放牧下の泌乳牛に対し

CS

の総補給量が同量で,夏と秋とで補給する際その補給量が夏期に

少ない配分は,夏期の牧草生長量を抑制したことで草量が低下した。延いては夏期の食草量の増加

を制限する要因となり,全試験期間の放牧草由来乳量の向上につながらなかった。秋期に配分を高

めても,秋期の牧草生長量が高まることはなく分げつ密度を高めることはできなかった。よって配

分を秋期ではなく夏期に高めることで夏期の牧草再生長を促し,秋期の牧草利用量を高めたことが

全期間の乳生産の向上につながった。

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