学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日
2013
年10
月23
日(水)報告番号: 乙 第
2060 号
氏名:原田 明日香論文審査
担当者 主査 教授 長尾俊孝 印
副査 教授 土田明彦 印
副査 教授 勝村俊仁 印
審査論文の題目:
Clinical impact of endoscopic devices for colorectal endoscopic submucosal dissection
(大腸
ESD
におけるバイポーラ、モノポーラデバイス別の治療成績の比較検討)著 者:
Asuka Harada, Takuji Gotoda, Masakatsu Fukuzawa, Fuminori Moriyasu
掲載誌:Digestion 88(2): 72-78 (2013).
論文要旨:
【背景】内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は大腸の腫瘍性病変に対し広く応用されつつあるが、近年様々 な治療機器の開発や手技的な工夫が行われている。安全性を確保し治療成績を向上させるためには至適 な治療デバイスを選択することが重要である。
【目的】屍体ブタ大腸を用い、ex vivoによりバイポーラデバイスとモノポーラデバイスの凝固深度の組 織学的検討を行った。また、臨床的に大腸
ESD
における両デバイスによる治療成績を比較検討した。【対象と方法】屍体ブタ大腸における検討では、バイポーラ、モノポーラ各群
4
例を用いた。また、臨 床的には、2008年8
月〜2011 年9
月に当院において同一術者により大腸ESD
を施行した大腸腫瘍125
例を対象とした。前半45
例をバイポーラ群、後半の80
例をモノポーラ群とした。バイポーラデバイス はB-knife
®を、モノポーラデバイスはDual Knife
®を使用した。各々の対象病変において、年齢、性別、肉眼型、腫瘍径、切除径、占居部位、術時間、偶発症、一括切除率、単一デバイス完遂率を検討した。
【結果】屍体ブタ大腸の病理組織学的検討では、モノポーラ群では全層性に変性が見られ、全例
3
秒以 内の通電で穿孔を認めた。一方、バイポーラ群では3
秒以内で穿孔を認めたものは1
例のみであった。臨床的検討では、バイポーラ、モノポーラ各群で年齢、性別、肉眼型、占居部位、切除径に差はなかっ た。単一デバイス完遂率は、バイポーラ群
55.6%、モノポーラ群 91.3%で、後者が有意に高かった。術時
間の平均値は、バイポーラ群106
分、モノポーラ群78
分であり、後者が有意に短かった。また、術時間 が2
時間を超える症例が31
例あったが、これに占める割合はモノポーラ群の方が有意に少なかった。偶 発症としての穿孔は、モノポーラ群が2
例、バイポーラ群が1
例であり、両群間に有意な差はなかった。【結論】モノポーラデバイスではバイポーラデバイスに比べて、大腸
ESD
における術時間の短縮と単一 デバイス完遂率の向上が得られた。審査過程:
1.
大腸腫瘍性病変に対するESD
の適応についての質問に的確な回答が得られた。2.
モノポーラデバイスを使用するにあたっての他臓器に及ぼす影響について、適切な説明がなされた。3.
対象症例の選択についての質問に的確に解説がなされた。4. 2
種類のデバイスにおける病理検体に与える影響の違いについての質問に適切な回答がなされた。価値判定:
本研究では、大腸