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日本輸血・細胞治療学会ニュースレター 第4号 2014-N0.3

今号では

学会ワークショップの

紹介、造血幹細胞移植推進法の

解説、臨床輸血看護師の活動、

I&A視察員の看護師の活動、

各地の「適正輸血への取組」、

会員施設の紹介、輸血副作用ガ

イド、会員交流

など、多くの記事 を掲載しました。

造血幹細胞移植推進法

について 加藤剛二先生にわかりやすく解説を していただきました。

I&A視察員の輸血看護師活動

は 全国に広がってほしい活動です。

各地の「適正輸血への取組」

は 各施設の奮闘ぶりが感じられる記事 ですので参考になると思います。

輸血副作用ガイド

の解説が今回か らシリーズで始まりました。

会員交流

は総会時にランニングで会 員間の親睦を深める催しを紹介して いただきました。

e-News第4号の内容紹介

本号の掲載記事

HPのリニューアル・e-Newsご意見 血小板・顆粒球型ワークショップ 造血幹細胞移植推進法の解説

臨床輸血看護師の活動

「適正輸血ヘの取り組み」

会員施設の紹介

輸血副作用ガイドの紹介

会員交流

学会ホームページのリニューアルについて

第62回総会で、「e-News」のPRのためポスター発表を行いました。発表後にご意見を自由にお寄せ下さるよう にお願いしましたところ、お二人から以下のご意見をいただきました。ありがとうございました。 会員への情報提供、一般向けの広報が情報出版委員会の業務とされていますので、学会ホームページの管理 運営も当委員会の担当業務です。学会ホームページについてはデザインが古いことや使い勝手の悪さなどに対し て会員から改善の要望が出されておりましたので、当委員会の担当チームがホームページのリニューアル作業を 進めることになりました。会員にとって役に立つだけでなく、一般の方々にも見ていただけるホームページとなるよう にしたいと思います。よろしくお願いいたします。 情報出版委員会 岩尾 憲明

e-Newsに寄せられたご意見 (第62回総会のポスター発表にて)

e-Newsを読んでいただくためにはメールアドレスの登録 が必要です。現在はパソコンのメールアドレスのみ登録 可能ですが、このご意見を踏まえて、携帯電話のメール アドレスも登録できるように検討することになりました。 5月1日号の山梨センターへの搬送を大変興味深く 思いました。都内であっても首都高・国道の寸断な ど多くの課題があるところです。 (血液センターの会員より) パソコンのアドレスだけではなく、携帯のアドレスでも 使えるようにしてほしい。 (看護師の会員より) 地域の情報を会員が共有できるのもニュースレターの いいところではないでしょうか。

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日本血小板・顆粒球型ワークショップ (JWHPGA)を今年も日本輸血・細胞治療 学会(輸血学会)総会時に開催した。 本ワークショップは、血小板抗原・抗体 が原因となる血小板輸血不応(PTR)、新 生児血小板減少症(NAIT)、顆粒球抗原・ 抗体が原因となる新生児顆粒球減少症 や輸血関連急性肺障害の各検査法の開 発・精度向上、そして、国内外施設間の 積極的交流と共同研究の実施・促進など を主目的としている。ワークショップ会議 では、輸血学会会員のみならず、産婦人 科 や 小 児 科 領 域 の 先 生 方 を 招 聘 し 、 NAIT等における妊婦・新生児の最新の情 報把握に努めている。 本邦では、柴田洋一先生の開発された MPHA法(後発のM-MPHA法を含む)が 血小板・顆粒球検査に広く用いられ、国 際的評価も定まってきた。ヨーロッパの施 設を中心とした国際血小板および顆粒球 ワークショップは、長い間、アジア圏から は日本のみが参加していた。そのため、 第31回ISBT総会(2010年:ドイツ)の国際 血小板ワークショップで、Dr..Santoso(ドイ ツ)と津野(東大)会長が、アジア地域にお ける血小板ワークショップの必要性を説 明し、アジア地域ワークショップの設立が 承認された。同年、初の血小板検査法に 関する研修会が開催(東大)され、アジア から5カ国の施設が参加した。2011年に は、第1回アジア領域の血小板型ワーク ショップがアジア地域ISBT(AISBT:台湾) に合わせて開催され、以後AISBTのつど 開催されるようになった。 顆粒球に関するアジア地域の研修会も同 様にDr.Lin Fung (国際顆粒球ワークショップ のChairman)と津野会長を中心に開催された (マレーシアのAISBT総会:2013年)。 今後はこれらの研修会を通じてアジア地域 における血小板および顆粒球の検査・研究 を発展させることが緊急課題となる。その中 でJWHPGAが果たす役割を考えていく必要 がある。本邦のPTRにおける対応は素晴らし く、諸外国に比して一線を越えている。しか し、NAITに関しては、発生頻度、診断アルゴ リズム、予防・治療法など、海外から多くの報 告を見るが、本邦ではまだ不十分と思える状 況である。 今後、JWHPGAの活動として、国内外での 協力体制強化、未発展地域への技術貢献、 また国内でのNAITの発症頻度をより正確に 把握し、脳内出血をも引き起こす本疾患を積 極的に予防・治療することが重要と考える。 国際的には、上記の国際血小板および顆粒 球ワークショップへの積極的参加、アジア地 域ワークショップへの貢献、国内では産婦人 科学会や小児科関連学会と共同で会合を開 催し、より多くの臨床医に本疾患について把 握願い、情報を共有して本邦におけるNAIT の発症を防止することが重要である。このよ うな背景を踏まえ、今年は国際ワークショッ プの活動、顆粒球ワークショップの結果報 告、NAITの臨床を医師と技師の立場から報 告いただいた。組織は役員数の増員、会則 の改正をして、今後の展望に備えた。自由参 加なので血小板、顆粒球に興味を持つ研究 者の参加を期待する。 (事務局長 永尾暢夫 記)

2014年度 日本血小板・顆粒球型ワークショップ

日本血小板・顆粒球型ワークショップ 役員名簿 (2014年~2015年度) 会 長 津野寛和 (東京大学) 事務局長 永尾暢夫 (神戸常盤大学・神戸学院大学) 会 計 小野寺利恵 (山陽女子短期大学) 谷口菊代 (山陽女子短期大学) 幹 事 大戸 斉 (福島県立医科大学) 岡崎 仁 (東京大学) 柏瀬貢一 (関東甲信越ブロック血液センター) 田所憲治 (日本赤十字社血液事業本部) 冨山佳昭 (大阪大学) 中島文明 (日本赤十字社中央血液研究所) 平山文也 (近畿ブロック血液センター) 松橋美佳 (東京大学) 宮崎 孔 (北海道ブロック血液センター) 森田庄治 (関東甲信越ブロック血液センター) 監 事 髙橋孝喜 (日本赤十字社血液事業本部) 牧野茂義 (虎の門病院) 名誉顧問 池田久實 (北海道ブロック血液センター) 倉田義之 (四天王寺大学) 坂本久浩 (医療法人茜会) 柴田洋一 十字猛夫 (日本赤十字社中央血液研究所) 敬称略 ワークショップの様子

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2014年国内の造血細胞移植領域に 静かなしかし大きな転機が訪れました。 それは造血細胞移植を推進する法律 「移植に用いる造血幹細胞の適切な提 供の推進に関する法律」の施行です。 これは2012年9月同法が挙党一致の議 員立法として成立して以来、関係各方 面の準備の後、本年1月の施行に至り ました。本法は年々増加傾向にある国 内の造血細胞移植を推進するために骨 髄バンクおよびさい帯血バンクに対す る法整備を財政基盤の充実も含めて実 施するものであり、今後造血細胞移植 のさらなる発展が期待されます。 全61条および附則で構成されるこの 法律には国としての造血細胞移植に関 する立場と責任が明確にされており、骨 髄バンクおよびさい帯血バンクが造血 幹細胞の斡旋および供給事業の実施 に際して厚生労働大臣の認可を得るこ と、および認可後は国から事業費用の 一部が補助されると規定されています。 さらに国が造血細胞移植を推進するた めに支援機関を1か所指定し(具体的に は日本赤十字社)、関係諸機関との連 携を深めます。さらに日本造血細胞移 植データセンターが日本造血細胞移植 学会から独立して設立され、造血細胞 移植成績の解析や公開が進められま す。 日本骨髄バンクは法の施行後も非血縁者 間の骨髄および末梢血幹細胞移植の供給 事業を継続しますが医療委員会、データ・試 料委員会がさい帯血移植関係者も含めて 再編成されると共に、新たに国際委員会が 設立され、骨髄およびさい帯血の国際的斡 旋および供給に対応します。またさい帯血 バンクは日本さい帯血バンクネットワークが 3月末で事業を終了し、本年4月日本赤十字 社のさい帯血バンク4か所(北海道、関東甲 信越、近畿、九州)、中部さい帯血バンク、 および兵庫さい帯血バンクの計6事業者が 認可を受け、さい帯血の供給事業を継続し ます。日本赤十字社は支援機関として骨髄 およびさい帯血バンクの連携を深めると共

造血幹細胞移植推進法の施行とそれに伴う関係諸機関の体制変化

にネット上に造血幹細胞移植情報サービ スを開設し、造血幹細胞の検索や情報公 開に努めています。また日本造血細胞移 植学会は造血細胞移植認定施設の選定 および移植適応疾患を定めます。さらに 厚生労働省は国内の非血縁者間造血細 胞移植を推進するために2013年度造血 幹細胞移植医療体制整備事業として3か 所の造血細胞移植拠点病院を指定し、今 年度さらに増加の予定です。以上のよう に国内の造血細胞移植は本法の施行に よって新たなstageに向かいつつありま す。今こそ造血細胞移植に関わる全ての 関係者が軌を一にして事業のさらなる発 展に向けて邁進すべきと思われます。 名古屋第一赤十字病院 小児医療センター 血液腫瘍科 部長 加藤 剛二 e-Newsでは今後、細胞治療について の記事も取り入れていきます。初回は、 今年度より大きく変わりました造血細胞 移植体制のお話です。骨髄バンク、造血 細胞移植学会、(元)日本さい帯血バン クネットワーク、造血細胞移植拠点病院 全て関わっておられる加藤剛二先生に 新体制について解説をお願いしました。

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昨年I&A視察員資格条件に学会認定・ 臨床輸血看護師が追加されました。当院 はI&A認証施設で、更新受審予定であった ことがきっかけで視察員に興味を持ちまし た。 I&A視察講習会では、事前に配付された 資料と当日の限られた時間内で、施設の 輸血医療体制についての正確な情報収集 の必要性を学び、責任の重さを実感しまし た。 講習会後のレポート審査に合格後、近隣 県で行われた実際のI&A視察に同行し現 場での視察体験をしました。血液製剤の受 領、輸血準備や施行、自己血採血など、看 護師が直接関与する部分を看護師ならで はの目線でチェックすることができました。 視察後の一次報告書審査に合格し、今年 3月正式に視察員として認定されました。 青森県立中央病院 学会認定・臨床輸血看護師 山崎 喜子

I&A視察員資格を取得して

3月下旬に当院のI&A更新受審があり、 今度は受審する施設側の立場となって関 わることができました。視察する側、される 側の両方の立場を体験できたことは貴重 な経験となりました。今後はこの経験を踏 まえ、安全に輸血療法が施行される体制 作りのため、視察員として活動していきた いと考えています。 現在I&A認証施設は全国で79ヶ所、看 護師の視察員は全国で2名のみです。今 後多くの施設がI&Aを受審し、また看護 師の視察員仲間が増えてくれることを期 待しています。 視察時の場面 当院のI&A視察員 I&A事業は各病院で安全な輸血が行われるよう啓蒙・指導す ることを目的とした日本輸血・細胞治療学会の事業です。輸血 を行っている施設はI&Aを受審していただき、自施設の輸血体 制が安全か否かを確認していただきたいと思っています。 I&A認定施設数は年々増加しています。右のグラフに示しま すように2013年度末には76施設が認定を受けています。しか し、この日本には輸血を行っている病院は沢山あり、認定を受 けている病院はごく一部です。 I&A委員会では、多くの病院が受審してみようと考えていただ けるよう認定基準の改定等に取り組んでいます。多くの病院が I&Aを受審していただけるよう今後も努力していきたいと思って おります。

I&A委員会委員長 倉田義之

I&A事業の現状

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適正使用対策はちょっと苦手と感じておられる技師の 皆さんへ。ほんの少し視点を変えればこの仕事に対す る意識は変わると思います。 適正使用対策は行政の仕事と同様、法律に基づいた 業務であり、それに従って淡々とコトを進めれば良いだ けのことなのです。何も特別な事を言う必要はなく、指 針の内容を唯々言えば良いのです。歳や経験の多寡 はさほど重要ではなく、その気概さえあれば十分です。 出来ない理由を探さないことです。ひとに理解しても らえるよう働きかけ、動いてもらえるような雰囲気を作っ ていくことこそ私達の仕事です。 コツは、即効性を期待しないこと、医師に直接伝えること、 でしょうか。反論されても、どうかその言葉尻を捉えないよう 願っています。表面的な言葉に惑わされると気持ちの向きを 誤ります。目指す目標を見定めていれば、目の前の些細な やり取りに気を奪われることもないでしょう。静かな湖面に投 じられた小石。その波紋のように、表面的にはどうあれ相手 の心には確実に響いていますから大丈夫。ただその際、自分 の心にトゲがあっては受け入れられることはないでしょう。相 手の立場をおもんぱかる。これが最大のエッセンスです。

会員エッセイ

適正輸血への現場の取り組み(1)

群馬県立心臓血管センター 技術部 小川公代 e-News第2号の小川公代技師(群馬県立心臓血管センター)のエッセイには様々な反響がありました。今回、小川技師から エッセイの続編を寄稿して頂いた機会に、各地で適正使用のために頑張っておられる輸血検査技師の方々にも寄稿をお願い しました。こんな形式も一種の会員間のコミュニケーションだと思います。是非、お読みください。 横浜の中規模病院である当院に輸血部が発足して から15年が経とうとしています。その中で私が最も感 じたことは、「正しい事を正しい」と言うだけでは相手に は何も伝わらないということ。適正輸血の実施に向け て真直ぐに突き進むことは、本当の意味で最短距離 ではありませんでした。 当院には輸血専任の医師はいないため、臨床医と のやりとりは技師が行います。技師の言葉を受け止 めてもらうためには医師との間に信頼関係を築く必要 があります。その為に、 1. 資格の取得や学会発表などにより技師の学術的 評価を上げる。 2. 検査技師は触手を伸して情報ゲット、通りがかりの 看護師からも吸い上げ輸血部へ送信します。輸血部 はこれをもとに臨床データーをチェック、主治医へ先 制攻撃(?)を日々欠かしません。 3. 各医師とのコミュニケーションをとる。中規模である なによりの利点、医師の数が少ないことから各医師の 性格を把握、個別の対応(適正輸血への誘導?)を続けま した。 「三歩進んで二歩下がる」を繰り返し、少しずつ山頂目指 して登っています。落石、滑落、突然の悪天候もなんのそ の、もちろん、心が折れそうになる日も多々ありますが、「煩 がられても、恐がられても?」耐えて進むのが輸血部。それ でも少しは評価して欲しいと思うのが人の性というもの。輸 血管理料や管理加算が認められたことは、頑張っているス タッフへの大きな励みになっています。今後、「感染防止対 策加算」のように輸血療法を実施する可能性ある症例に対 しても加算がとれるような仕組みができると、院内での注目 が高まるのではないかと期待しています。 神奈川県立汐見台病院 臨床検査科 鈴木美樹

(6)

部門より行い、輸血部門へ情報発信してもらっています。予 約輸血オーダの中には不必要な輸血と判断できる症例もあ り、臨床へ報告・相談しながら適正輸血を心掛けています。 みなさんの施設では既に行われていることかと思います が、「妥当な輸血だったか??」とCheck ⇒ Actionのシステ ム構築には至ってない現状です。輸血管理料取得条件ば かり気になりますが、真の適正輸血には評価が必要です。 我々の大きな課題です。 当院は第3次救急を担う562床の病院で、全身麻酔 手術は年間約2,500件。適正輸血の取り組みとして、 手術時の血液準備方法T&S、MSBOSを1999年に導 入しました。背景には県内公的病院の中で際だって高 い15.7%の返品率(返品が許された時代)を踏まえ導 入に至りました。導入翌年には7.8%、2003年の一元 管理後に2.5%、現在は1%未満となっています。また、 時代の変遷とともに準備方法や準備量の見直しを図 り、MSBOSからT&Sへ変更した術式も多くあります。 外科系医師・麻酔科医師と輸血療法委員会が協議し、 導入から4回再検討を行った結果が廃棄率減少へと繋 がったと考えます。現在も術中出血量と輸血量を記録 し、輸血療法委員会で妥当な準備量の検討が進行中 であります。 日々のルチンでは輸血部門と血液検査部門が独立し ているため、貧血や血小板減少の異常値報告は血液 当院は九州のほぼ中央に位置する32診療科550床の 救命救急センターを有する地域中核病院です。365日 24時間断らない医療をスローガンに職員一同がんばっ て い ま す 。 平 成25年 度 の 血 液 製 剤 使 用 量 は 、 RCC:13109単 位 、FFP:3010単 位 、PC:36410単 位 と RCC、PCの需要が多い施設です。 適正な輸血管理業務が行われるようになった転機は、 全自動輸血検査装置とT&Sおよびコンピュータクロス マッチの導入でした。それ以前(平成18年)の廃棄率は 1.22%と使用量にしては高く,そのほとんどが赤血球製 剤の期限切れや、病棟への余分な出庫によるものだっ たため、導入翌年には廃棄率0.02%と廃棄血を96%削 減することに成功しました。以後0.02~0.03%を今日ま で維持しています。また平成21年9月より輸血部門での アルブミン製剤の管理を開始し、平成23年度には輸血 管理料Ⅰを取得しました。 管理を始めた当初熊本県はアルブミンの使用量が全 国ワースト3位という汚名を着せられていました。勿論当 院も例外ではなく適正ではないと思われるべき使用があ りました。 しかし職員の危機意識が追い風となり、救命救急 科においては独自の基準(急性期では2.0g/dl未満で投与開 始 ) を 、 消 化 器 内 科 に お い て は 腹 水 濾 過 濃 縮 再 静 注 法 (CART)を導入するなど、積極的に削減に取り組み、約3年 間で同診療科での使用量を最大で11~14%削減することに 成功しました。これらを推進すべく後ろ盾となってくれたのが、 臨床とのコンセンサスを得る場となった輸血療法委員会で あったことは言うまでもありません。いいことばかりを紹介して きましたが、ここまで来るにはかなりの苦難もありました。しか し物事がうまく運ぶとそこには信頼関係が生まれるものです。 形にとらわれずこれからも様々な扉を開いていけたらと考え ています。

適正輸血への現場の取り組み(2)

国立病院機構熊本医療センター 臨床検査科 永田 雅博 厚生連高岡病院 臨床検査部 南部 重一

(7)

スタッフ紹介 藤田秀文 臨床検査科技師長(認定) 林崎久美子 主任検査技師(認定) 竹原純子 検査技師 仁村 隆 輸血療法委員会委員長 (副院長、血液内科) 前回のe-Newsで「輸血副作用対応ガイド (改訂版)」が輸血細胞治療学会より、発刊さ れることをお知らせいたしましたが、正式な書 名は「輸血副作用ガイド」となる予定です。今 回のe-Newsより「輸血副作用ガイド」の内容 について6回シリーズでご紹介させて頂くこと になりました。タスクホース委員の先生方に各 担当分野の内容について、解説を行って頂く 予定です。 当院は今年5月、病院名を仙北組合総合 病院から大曲厚生医療センターと改め、新 病院でスタートしました。大曲厚生医療セン ターは、秋田県の県南に位置する大仙市大 曲にあり、17診療科、437床の大仙・仙北地 域の中核病院として公的医療を担っていま す。 2013年の血液製剤使用量は、赤血球製剤 4,167単位、血漿製剤587単位、血小板製剤 4,735単位、アルブミン量10,475gでした。 2003年に臨床検査科で輸血用血液製剤管 理(一元化)が稼働し、2011年にI&A認証を 取得、 常に「安全 で適正 な輸 血」を心 がけ 日々取り組んでいます。 取り組みのひとつに輸血療法院内監査を実 施しています。臨床検査科が事務局となり、 輸血療法委員会の 委員である医師、看護 師、薬剤師と共に、各病棟・診療科を監査し ています。

委員会活動紹介

大曲厚生医療センター 臨床検査科 林崎久美子

シリーズ:「輸血副作用ガイド」

大曲厚生医療センターの全景 また、血液センター職員との合同の輸血 療法委員会、輸血前後感染症検査の実 施漏れを防止するためのシステムづくりな ども行っています。 当院では認定輸血検査技師資格を2名 取得しており、今後も、患者様のために安 全で適正な輸血医療を提供していきたい と考えています。 テーマ 担当委員

タスクホース紹介 藤井康彦(山口大) 第1回 国際輸血学会での報告に ついて 藤井康彦(山口大) 第2回 安全な輸血実施手順 下平滋隆(信州大) 第3回 ヘモビジランス 北澤淳一(黒石病院) 第4回 輸血用血液の安全対策 五十嵐滋(日本赤十字社 血液事業本部) 第5回 血小板輸血について 冨山佳昭(大阪大) 第6回 自己血輸血の安全対策に ついて 松﨑浩史(東京都赤十字 血液センター) タスクホース委員長 藤井康彦

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初回は、国内より一足はやく、6月にソ ウルで開催された国際輸血学会で、輸血 副作用ガイドの概要について報告いたし ましたので、国際的に注目された項目に ついて解説させていただきます。 本学会ではメイン会場で発表させてい ただき、各国の参加者から大きな反響が ありました。輸血後GVHDは各国のヘモ ビジランスの整備に伴い関心が高くなっ ています。また、本学会では輸血後肝炎 対策等について日本赤十字血液センター から複数の報告がなされています。 輸血前の血液型検査検体の採血 血液型検査は原則的に異なる時点の2 検体で 検査をすること(同一患者の2 重チェック)は欧米 では一般的でない。コスト的な問題もあるかもし れません。ただ、日本で一般的か?と質問された ら、Yesと答えていいのか迷うところです。 血液製剤の電子認証 日本の血液製剤ラベルにはバーコードが印刷 されているだけなので、認証に手間がかかりま す。しかし、欧米ではRFタグが添付されていて、 電磁波を用いて、RFタグのデータを非接触で読 み書きできるようになっています。

シリーズ 「輸血副作用ガイド」

国際輸血学会での輸血副作用ガイドの報告について

タスクホース委員長 藤井康彦 輸血後GVHD対策と高カリウム血症対策 各国のヘモビジランスの発展に伴い、発 生例が把握されるようになり、外国でもそ の対策に注目が集まっています。輸血後 GVHDの病態を説明したイラスト(輸血情 報を一部改変)はわかり易いと評判でし た。 色つきの輸血製剤ラベル 日本では当たり前ですが、外国の方は 輸血過誤防止のための先進的な取り組 みと感じるようで、熱心に質問されました。 ちなみに、外国の製剤ラベルは白地に黒 で血液型が印刷されているだけのものが 一般的なようです。日本のラベルは手間と 費用がかかっていることを再認識しまし た。

(9)

第62回日本輸血・細胞治療学会総会 の最終日の朝6時、奈良ホテルの正面玄 関前では、ランニングを愛好する仲間が ストレッチを始めていました。メンバーは、 愛知医科大学病院の高見昭良先生、岡 山大学病院の藤井伸治先生、神鋼病院 の松本真弓さん、埼玉県赤十字血液セン ターの西岡純子さんと小生の5名。昨年、 横浜で開催された第61回総会でのFun Runへの参加がきっかけで、ぜひ奈良で も走りましょうと意気投合したのでした。 ひんやりとした空気に優しく射し込む陽 光の下、ゆっくりと走り出した私たちは、 西岡さんの完璧なナビゲーションに導かれ、奈良 公園、春日大社、新公会堂、東大寺、猿沢池、興 福寺と、近隣の名所を巡り、新緑の奈良の素晴ら しさを満喫しました。 本学会に参加する醍醐味は、各セッションでの 討議や懇親会での歓談を通して、 医師、看護師、臨床検査技師等 の職種を越えた交流を深めること ではないかと考えますが、私たち は「Fun Run - 楽しく走る」という

会員交流

「新緑の奈良を走って」

大阪医科大学附属病院輸血室 河野武弘 スタイルで、大いに絆を深めることができま した。今後の学会開催地でも、機会があれ ばランニングを通して、たくさんの皆様との 親睦を深めたいと考えます。

(10)

一般社団法人日本輸血・細胞治療学会

情報出版委員会

情報出版委員会

委員長

岩尾憲明(順天堂大)

委 員

上村知恵(慶應大)

奥田 誠(東邦大大森病院)

加藤栄史(愛知医大)

岸野光司(自治医大)

佐川公矯(福岡血液センター)

長村登紀子(東京大医科研)

藤井康彦(山口大)

担当理事

室井一男(自治医大)

メールアドレス

enews@jstmct.or.jp

編集後記

梅雨明けはもう少し先のようですが、それでも晴れ間

がのぞくと日差しが夏の到来間近を感じさせます。さて、

e-News第4号をお届けします。今号も執筆者の皆様の

おかげでとても充実した内容になりました。

学会ワークショップや各委員会の活動の紹介に加えて

各病院の適正輸血への取り組みについての意見交換

や総会時の会員間の親睦を深めるイベントの紹介など

盛りだくさんです。会員間のコミュニケーションを図って

いただくためにも是非、e-Newsを活用してください。

記事の掲載希望や、

e-Newsへのご意見やご感想など

がありましたらお知らせください。引き続き皆様のご支援

をよろしくお願いいたします。

岩尾 憲明

ちょっと一息、季節の写真

梅雨の時期は紫陽花を楽しむことができる季節でもありますね。

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