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知的障害児を対象とした感性教育に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)知的障害児を対象とした感性教育に関する研究 特別支援教育学専攻   心身障害コース.     ”07110E     成末世都 庁 章.  障害ある子どもたちを含め、子どもたちは、表現活.  今日、障害のある子どもが自己のもつ能力や可能性. 動を通じて、人と人とのつながりを深めるとともに、. を最大限1こ伸ばし、自立し、社会参加するために生き. 環境に働きかけ生活の場をひろげていく。すなわち、. るカを培うことが貢視されている。中教審(1996)はr生. 自然に子どもの絵が発達するのではなく、子どもの積. きるカ』について、3つの定義をし、中でも3つめの項. 極性が引き出されるのは、その基盤に、大人と子ども. 目では感性が重要であることを述べている。しかしこ. との信頼関係や共感関係があってこそである(加藤,. れまで知的障害教育では、「感性jに注目した実践記録. 1991)。自己表現は、他者との関係性を認めて、そこに. はあまりみられない。知的障害児1ことづて感性をのば. 主張を展開しようとしているといえる。よって、自己. していくことは有益なことが多く、重要である。. 表現と他者受容は連動しているといえるのではないか。.  そこで本研究では知的障害児を対象とし、自己表現. つまり、感性が育まれるためには子・どもとかかわる大. や、他者受容を日的とした教材研究をし、感性教育の. 人との相互関係によるものであるといえよう。. 意義を考察する。その際、学校教育の個々の授業での.  そのような子どもの思いやカを積極的に受けとめて. 子どもの感性を育てる方法として、片岡が提案した10. いく関係を大人たちが創り出していく必要があるので. 項目をもとに、知的障害児に即した感性育成のための. はないか(宮崎,1984)。. 教材開発を試み、実践を通じて有効性を検証する。. 第3章 感性教育の実践 算1章  感性教育の理論.  広島大学附属東雲小学校の教育研究活動を取りあげ.  片岡(1996)は、感性とはr価値あるものに気づく感. ると、平成5年度から7年度までは、「豊かな感性を育. 覚」と定義し、さらに「美的」なもの1二限らず、また. む」を研究テーマとし、子どもの豊かな気づきや感じ. r個性づくり」の原点となり得るものであり、情操と. 取りを育む支援に焦点を当てて、各教科・領域におけ. は違うものである。そして理性または知性と融合・統. る実践を重ねた。東雲小学校養護学級の感性教育の実. 一してゆく亘要性を指摘している。高橋(1997)によれ. 践は、このような具体的な自標、支援方法に基づき、. ば、「感性」と理性は相互関係にあり、連動していると. 教師なりの感性をもって、さまざまな教科学習に応用. 述べている。藤田(1999)はr感性教育」の目的は、生. し、行ったものである。そして、これらの取り組みの. 命への畏敬の念を育てることであるとし、また、感性. 成果をあげると、目指す子ども像の明確化、豊かな感. は理性の源泉であり、感性は諸感覚を秩序づけ、理性. 性を育む学習ステップの構築と支援の手立て、授業仮. に対しては問い直しをおこなう役割があるものとして. 説の設建、などである。. 捉えている。. 第4章 感性教育の検証. 第2章 感性の育成.  授業実践し、感性教育の有効性を考察する。.  絵の中に「思い」をこめることができず1こいた障害. 1.感性教育の実践 1. 児が、なぐり描きやぬたくりを楽しむことを通して描. (1〕対 象. 画活動が好きになり、遊びなどを通して形成されてき.  特別支援学級の児童3名。W児(自閉症12年生)、. たイメージの世界を絵の中1:も表わすようになってく. K児(知的障害:6年生)、N児(知的障害児12年生)。. ることは十分にあり得ることである。このことは、感.  期間  =2008年6月30日、7月14日. 性の自己表現活動をゆたかにすることになり、そうし. (2)検証方法. た表現活動を楽しむこと1こよって生活のかてとしてい.  授業案を特別支授学級担任に提出し、修正を加えて. くことを可能にし、人生の財産となり得る(加藤,1991)。. もらい、担任に行ってもらう口その際、筆者はボラン. ■226一.

(2) ディアとして授業に関わっている。実践はビデオに記. 姿勢がよく、制作の時間も長い。1,2と3を比べる と、教材の違いというのも大きいが、1,2よりも、. 録し、それをもとに考察する。. 一緒に歌を唄うなど、一緒に何か1こ打ち込むエピソー. (3)授業案  題材:「小麦粉粘土で遊ぼう」. ドも、3が最も多いため、要因として、授業者と子ど. 2.感性教育の実践 2. もとのかかわるカである支持的風土の要素の充実があ げられ、支持的風土が感性教育1こおいてとても大切で. (1)対 象.  X県Y小学校Yアフタースクール1こ在籍する児童1. あることが改めて検証された。. (3)実践3. 名。R児(ダウン症17歳)。.  この実践は、授業者が4名で行った毛のであり、し.  期間 2008年10月22日、29日、11月12日. かもT1以外の3名は普段から子どもとかかわってい. (2)検証方法  対象児Rに対し、感性育成を目的とした授業を行う。. るため、子どもの特性をつかみ、また授業者同士も連. 実践記録をもとに、エピソード(R児の行動や発言、授. 構しあっているので、支持的風土を子どもに与えやす. 業者とのかかわり)を抽出し、それについて考察して. いものであったといえる。その為、子どものつぷやき を聞き逃さない、などの項目は多く表出されることと. いく。. なり、子どもたちも、楽しみながら授業に臨むことが. (3)授業案.  題材11rひっかいて線を描こう」  題材21『たんぼで遊ぼう」. できたのではないか。. 3.感性教育の実践 3 1.対 象  X県知的障害特別支援学校小学部高学年クラスZ組. 終章  感性教育についての考察. に在籍する児童6名。^児(知的障害:6年生)、. から何かを学ぶことは、理性から学ぶよりも学びやす.  K児(自閉性障害14年生)、丁児(自閉性障害:4年生)、. いということがいえる。実際に授業実践を行った中で、. J児(ウィリアムス症候群:4年生)、. 知的障害児は、感性を活発に働かせることができると.  感性とは、知的障害児を含むすべての人が、対象と なると考えられる。特に、知的障害児にとって、r感性」. ㎜児(自閉性障害 5年生)、H児(自閉性障害 5年生). 検証できたのではないかと考えられる。また、知的障.  期間 2008年9月17日、11月5日、7日. 害児は、ゆっくりと感性を働かせながら授業に参加し、. 2.検証方法  対象である、小学部高学年クラスZ組1こ対し、感性. 実践を通して明らかとなった。その為、r感性」を育む. 育成を目的とした授業を行う。その際、クラス担任、. ということは、知的諌害児1二とって有効であるといえ. 副担任に授業案を提出し、指導を受け検討して毛らっ. る。実践記録の観察を行った際、子どものr自己表現」. た上で、授業の実践を行うものとする。. 活動が起こるときには必ず、かかわる人がいるという. 3.授業案. ことが明らかとなった。「感性教育」は、短期問で計画. 「自分なりの価値」を見出していく場合が多し、ことが.  題材1:「絵の具をつけて歩こう」. してなされるのではなく、教師同士の連携も含め、’‘あ.  題材21「たんぽでたたいて遊ぼう」. たたかい集団づくり”が必要となってくるのではない か。本研究では知的障害児を対象とし、片岡が提案し. 4.総合考察 (1)実践1. た10項目をもとに、知的障害児1こ即した感性育成のた.   ”児は色の三原色だけで色をつくるのは難しい、と. ことを目的としてきたが、その取り組みはすべて美術. 途中投げ出しそう1こなったが、授業者と一緒に色を作. 教育をもと1こしたものであった。そのため本研究では、. っているうちに、その描画方法を受け入れることがで. 教室の外に出て体験を通して感性を育むというような. きる。その後の生活科の授業の絵日記に描いたひまわ. ことを実現することが出来なかった。すなわち、教科. りには、黄色と緑を同時に塗るという混色技法が使わ. の概念を拭いきれていなかったのではないかと考えら. れていた。これは、今までの絵日記には見られず、“. れる。今後は、教科の枠にとらわれず、r感性教育」の. 児は授業を通してこの表現方法を自分のものにしたと. 授業開発の研究をすすめることによって、特別支授教. いえる。. 育の一助となれば幸いである。. めの教材開発を試み、実践を通じて有効性を検証する. (2)実践2.  授業実践1,2,3を比べると、3が一番取り組む.         主任指導教員  河相善雄教授         指導教員    河相春雄教授. 一227一.

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参照

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