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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 )    鈴 木 祐 介

学 位 論 文 題 名

Spectroscopic Study on Photochemical Reaction     IVIechanisms of Synthetic Pyrethroids    (ピレスロイド系農薬の光反応機構に関する分光学的研究)

学位論文内容の要旨

  農 作 物を 害虫 や 雑草 から 保 護し 、食 糧 生産 性の向上を目 的に使用される農 薬は、対象作物の 栽培圃 場へ の 散布 と同 時 に開 放さ れ た自 然生 態 系に も分布するこ とから、農薬原体 のみならず環境中 で生成 する 代 謝分 解物 を 含め た動 態 評価 が、 使 用農 薬の安全性を 考える上で重要と なる。環境中へ放 出され た農 薬 の主 要消 失 要因 のー っ が太 陽光 に よる 光分解である ことから、太陽光 或いはそれに類す る人工 光照 射下での分解挙動 に関する研究成果 が多く蓄積されてき た。しかし、従来 研究の多くは被験 農薬の 消失 速 度、 微量 分 解物 の構 造 解析 やそ れ に基 づく 分 解経 路の 予 測に 重点 が 置か れて お り、農 薬の光 励起 状 態や 短寿 命 反応 活性 種 の解 析等 、 詳細 な光 分 解機 構に 関 する 知見 は 少な ぃ。 本 研究で は代表 的な 殺 虫活 性成 分 であ る合 成 ピレ スロ イ ドの 光反応機構に 着目し、反応過程 に関与する活性種 を明確 化することで 、光分解機構をより精緻に解明することを目的とした。特に、fenvalerateに代表されるQ−シ アノ―3―フェノキシベンジルエステル骨格を有するtype−IIピレスロイドの直接光分解過程では、ラジカル 開 裂 を 経 由 す る 脱 炭酸 反応 が 進行

することが知られている(図)。光励 起 後 に 過 渡 的 に 生 成す る反 応 活性 種 を高 感度・選択 的、且つ簡便に検 出できる手法として、ラジカノレトラッ プ 法 と 蛍 光 誘 導 化 反応 を利 用 した 新 規な ラジカル検 出法を確立し、そ の 有 用 性 を 検 証 す る と と も に 、 type―IIピレスロイドの時間分解過渡 吸 収ス ペク卜ルを 解析することで光 脱 炭 酸 反 応 機 構 に 関わ る体 系 的知 見 を 取 得 す る こ と を目 的と し た。

本論文は6章から構成される 。

  第1章 では 農薬 の 光分 解性 を 含む 環境 中 動態 研究 の 意義 およ びピレ スロイドの光分解に 関する既存 知 見を その 開 発経 緯と と もに 述べ 、 本研 究の特徴で あるラジカル捕捉 ―螢光検出法の原理 、並びにレ ー ザー 分光 法 の農 薬へ の 適用 にっ い て概 説し た 。

  第2章 で は、fenvalerate (SMD)の 水 系で の光 反 応経 路の 明 確化 を目 的 に、 その 主 活性 成分である 2Sa S体(esfenvalerate:  SMA)の水 中 光分 解挙 動 をま とめ た 。SMAをpH5緩衝 液中 に 添加 し、太陽光 に 類 似の キセ ノ ン光 を照 射 した 結果 、 自然 光下 で の換 算半 減 期7 ‑10日で速やかに消失し 、エステル 結 合開裂ととも に脱炭酸反応が主要 に進行することを 確認した。脱炭酸 生成物(Dec―fen)は ジァステレ

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オ マ ー 比1.5〜  2.1:1で 生 成 す る こ と が わ か り 、SMAは 光 励 起 に よ る ラ ジ カ ル 開 裂 の 後 、 脱 炭 酸 を 経 て solvent―cage内 で ラ ジ カ ル 対 が 再 結 合 す る こ と を 明 ら か に し た 。

  第3章 で は 、phenothrin (SUM)の 土 壌 表 面 光 分 解 挙 動 を ま と め た 。 主 活 性 体 で あ る1R‑tranr SUMを 土 壌 を 用 い て 作 成 し た 薄 層 上 に 均 一 に 処 理 し て 光 照 射 し た 結 果 、 暗 所 コ ン ト ロ ー ル 区 と 比 較 し てSUM の 分 解 は 有 意 に 促 進 さ れ 、 そ の 消 失 半 減 期 は 約8.5日 と 算 出 し 、 主 分 解 経 路 は 菊 酸 側 二 重 結 合 部 位 の 酸 化 、 並 び に エ ス テ ル 結 合 の 開 裂 で あ り 、 最 終 的 にC02ま で 無 機 化 さ れ た こ と か ら 、SUMは 環 境 中 で 長 期 に 残 留 す る こ と な く 速 や か に 消 失 す る こ と が 示 さ れ た 。 ま た 、 土 壌 中 に 分 布 す る 有 機 物 の 光 増 感 作 用 に よ り 発 生 し た 一 重 項 酸 素(102)がSUMの 光 分 解 機 構 に 関 与 す る こ と を 明 ら か に し た 。

  第4章 で は 、2章 で 論 じ たSMDの 光 脱 炭 酸 反 応 を 利 用 し た ラ ジ カ ル 捕 捉 ― 螢 光 検 出 法 の 構 築 に つ い て ま と め た 。 即 ち 、 前 頁 ス キ ー ム に 示 す 通 り 、 光 励 起 後 の 結 合 開 裂 に よ り 生 成 し た2種 の ベ ン ジ ル ラ ジ カ ルを スピ ンラベ ル(3―ammo−2,2,5,5一tetramethyl―1−pyrrolidinyloxy free radicalニ3―AP)で捕捉後、1級ア ミ ン の 選 択 的 螢 光 誘 導 試 薬(fluorescamine)と 反 応 さ せLC― 螢 光 検 出 器 で 検 出 ・ 定 量 可 能 な 螢 光 誘 導 体 へ 変 換 し 、 さ ら にLC−MSで そ の 構 造 を 同 定 す る こ と に 成 功し た 。 生 成 し た 也ー シ ア ノ フ ェ ノ キ シベ ン ジ ル ラ ジ カ ル は 酸 素 存 在 下 で も3‑APに 捕 捉 さ れ 、 そ の 捕 捉 効 率 は 溶 媒 粘 性 が 低 下 す る ほ ど 上 昇 す る こ と を 示 し た 。 ま た 、 い ず れ の ラ ジ カ ル 捕 捉 体 も 螢 光 誘 導 化 反 応 は ほ ぼ 定 量 的 に 進 行 し 、 そ の 検 出 限 界 は 螢 光 誘 導 体 量 と し て0.02‑‑ 0.03 nmolで あ っ た 。 以 上 の 結 果 、SMDの 光 脱 炭 酸 反 応 過 程 で 生 成 す る ベ ン ジ ル ラ ジ カ ル を 高 感 度 ・ 選 択 的 、 且 つ 簡 便 に 検 出 ・ 定 量 で き る ラ ジ カ ル 捕 捉 一 螢 光 法 を 確 立 で き 、 本 手 法 によ りベ ンジル 位炭 素―酸 素結 合開裂 の進 行を明 らか とした 。

  第5章 で は 、 前 章 で 確 立 し た ラ ジ カ ル 捕 捉 ― 螢 光 検 出 法 を3種 のtypeーIIピ レ ス ロ イ ド(fenpropathrin:

DTL,cyphenothrin: GKL,cypermehtrin: AGT)へ 適 用 し た 結 果 を ま と め た 。3一APを 含 む 各 ピレ ス ロ イ ド 溶 液 を 光 照 射 し た 結 果 、 い ず れ も ベ ン ジ ル 位 炭 素 一 酸 素 結 合 開 裂 の 進 行 に 伴 うa一 シ ア ノ フ ェ ノ キ シ ベ ン ジ ル ラ ジ カ ル 由 来 の 螢 光 誘 導 体 が 認 め ら れ 、 そ の 生 成 量 はLC― 螢 光 定 量 分 析 か らSMD〉 〉DTL〉 GKL〉AGTで あ っ た 。 次 に 、3‑APのESR信 号 強 度 を 光 照 射 下 で 経 時 的 に 測 定 し た 結 果 、 ラ ジ カ ル 捕 捉 に よ る3‑APの 消 費 率 はSMD〉AGT〉DTL〉GKLで あ り 、AGT以 外 で は 螢 光 強 度 と 良 い 一 致 が 示 さ れ た 。 ま た 、各 ピ レ ス ロ イ ド の 時間 分 解 過 渡 吸 収 スペ ク ト ル を 測 定 した 結 果 、 ば ーシア ノフ ェノキ シベ ンジ ル ラ ジ カ ル に 由 来 す る 吸 収 帯 が 観 測 さ れ 、 脱 気 条 件 下 で い ず れ も 時 定 数4〜 10マ イ ク ロ 秒 で 減 衰 す る こ と が 確 認 さ れ た 。 酸 素 存 在 下 で の ス ペ ク ト ル 挙 動 と 比 較 し た 結 果 、 こ の 減 衰 は 脱 炭 酸 反 応 過 程 に お け る ラ ジ カ ル 再 結 合 に よ る も の と 結 論 づ け 、 い ず れ の ピ レ ス ロ イ ド も 再 結 合反 応 速 度 が ほ ぼ 等 しい こ と が 明 ら か と な っ た 。Type―IIピ レ ス ロ イ ド の 分 光 学 的 知 見 か ら 、光 脱 炭 酸 反 応 収 率 は生 成 す る ラ ジ カ ル量 、 即 ち ラ ジ カ ル 捕 捉 一 螢 光 検 出 法 で 得 ら れ た 螢 光 強 度 を 指 標 に 定 量 す る こ と が 可 能 で あ り 、 構 築 し た ラ ジ カ ル 捕 捉 ― 螢 光 法 の 有 用 性 を 示 す と と も に 、 ピ レ ス 口 イ ド の 光 反 応 機 構 を 体 系 的 に 考 察 す る 知 見 が 得 ら れ た 。

第6章 は 総 括 で あ り 、 本 研 究 で 得 ら れ た 知 見 をま と め 、 今 後 の 展 望を 記 し た 。

‑ 1351一

(3)

学位論文審査の要旨 主査 副査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 教授 准教授

谷野 喜多村 長谷川 及川 坪井

学 位 論 文 題 名

圭持      昇 靖哉 英秋 泰之

Spectroscopic Study on Photochemical Reaction     rvIechanisms of Synthetic Pyrethroids    (ピレスロイド系農薬の光反応機構に関する分光学的研究)

  農 作 物 を害 虫 や 雑 草 から 保 護 し 、 食 糧生 産 性 の 向 上を 目 的 に 使 用さ れ る 農 薬 は、 対 象 作 物 の栽培 圃 場 へ の 散 布 と 同時 に 開 放 さ れた 自 然 生 態 系に も 分 布 す るこ と か ら 、 農 薬原 体 の み を らず 環 境 中で 生成 す る 代 謝 分 解 物を 含 め た 動 態評 価 が 、 使 用農 薬 の 安 全 性を 考 え る 上 で 重要 と を る 。 環境 中 へ 放出 され た 農 薬 の 主 要 消失 要 因 の ー っが 太 陽 光 に よる 光 分 解 で ある こ と か ら 、 太陽 光 或 い は それ に 類 する 人工 光 照 射 下 で の 分解 挙 動 に 関 する 研 究 成 果 が多 く 蓄 積 さ れて き た 。 し か し、 従 来 研 究 の多 く は 被験 農薬 の 消 失 速 度 、 微量 分 解 物 の 構造 解 析 や そ れに 基 づ く 分 解経 路 の 予 測 に 重点 が 置 か れ てお り 、 農薬 の光 励 起 状 態 や 短 寿命 反 応 活 性 種の 解 析 等 、 詳細 を 光 分 解 機構 に 関 す る 知 見は 少 を い 。 本研 究 で は代 表的 を 殺 虫 活 性 成 分で あ る 合 成 ピレ ス ロ イ ド の光 反 応 機 構 に着 目 し 、 反 応 過程 に 関 与 す る活 性 種 を明 確化 す る こ と で 、 光分 解 機 構 を より 精 緻 に 解 明す る こ とを目 的と した。 特に、fenvalerateに代 表され るa― シ ア ノ −3―フ ェ ノ キ シ ベ ンジ ル ェ ス テ ル骨 格 を 有す るtype‑IIピレ スロイ ドの直 接光 分解過 程では 、ラ ジ カ ル 開 裂 を 経由 す る 脱 炭 酸反 応 が 進 行 する こ と が 知 られ て い る 。 本 論文 で は 、 光 励起 後 に 過渡 的に 生 成 す る 反 応 活性 種 を 高 感 度・ 選 択 的 、 且つ 簡 便 に 検 出で き る 手 法 と して 、 ラ ジ カ ルト ラ ッ プ法 と螢 光 誘 導 化 反 応 を利 用 し た 新 規を ラ ジ カ ル 検出 法 を 確 立 し、 そ の 有 用 性 を検証 する ととも に、type‑IIピ レ ス ロ イ ド の 時間 分 解 過 渡 吸収 ス ベ ク ト ルを 解 析 す る こと で 光 脱 炭 酸 反応 機 構 に 関 わる 体 系 的知 見を 取 得 す る こ と を目 的 と し た 。

  第1章 で は 農 薬 の 光 分 解 性 を 含 む 環 境 中 動 態 研 究 の 意 義 お よ び ピ レス ロ イ ド の 光分 解 に 関 す る 既 存 知 見 を そ の 開発 経 緯 と と もに 述 ベ 、 本 研究 の 特 徴 で ある ラ ジ カ ル 捕 捉― 螢 光 検 出 法の 原 理 、並 びに レ ー ザ ー 分 光 法の 農 薬 へ の 適用 に つ い て 概説 し て い る 。

  第2章 で は 、fenvalerate (SMD)の 水 系で の 光 反 応 経路 の 明 確 化 する こ と を 目 的と し 、 そ の 主 活性 成 分 で あ る2SaS体(esfenvalerate: SMA)の 水 中 光 分 解 挙 動 を ま と め て い る 。SMAをpH5緩 衝 液 中 に 添 加 し 、 太陽 光 に 類 似 のキ セ ノ ン 光 を照 射 し た 結 果 、自 然 光 下 で の換 算 半 減 期7〜10日 で 速 や か に 消 失 し 、エ ス テ ル 結 合開 裂 と と も に脱 炭 酸 反 応 が主 要 に 進 行 す るこ と を 確 認 して い る 。ま た、

脱 炭 酸 生 成 物(Dec―fen)は ジ ア ス テ レ オ マ ー 比1.5〜2.1:1で 生 成 す る こ と を 明 ら か に し た 。   第3章 で は 、phenothrin (SUM)の 土 壌 表 面 光 分 解 挙 動 を ま と め て い る 。 主 活 性 体 で あ る1R‑

trans‑SUMを 、 土 壌 を 用 い て 作 成 し た 薄 層 上 に 均 一 に 処 理 し て 光 照 射 し た結 果 、 暗 所 コン ト ロ ー ル と 比 較 し てSUMの 分 解 は 有 意 に 促 進 さ れ 、 そ の 消 失 半 減 期 は 約8.5日 で あ る こ と を 示 し た 。主 分 解 経 路 は 菊 酸 側 二 重 結 合 部 位 の 酸 化 、 並 び に エ ス テ ル 結 合 の 開 裂 で あ り 、 最終 的 にC02ま で 無 機 化 さ れ る 。 こ れ ら の こ とか ら 、SUMは 環 境 中 で 長期 に 残 留 す るこ と を く 速 やか に 消 失 す るこ と を 示 し た 。 ま た 、 土 壌 中 に 分 布 す る 有 機 物 の 光 増 感 作 用 に よ り 発 生 し た 一 重 項 酸 素(102)がSUMの 光 分 解 機 構 に 関 与 す る こと を 明 ら か にし て い る 。

  第4章 で は 、2章 で 論 じ たSMDの 光 脱 炭 酸 反 応 を 利 用 し た ラ ジ カ ル 捕 捉 一 螢 光 検 出 法 の 構 築 に つ い て ま と め て い る 。即 ち 、 光 励 起後 の 結 合 開 裂に よ り 生 成 す る2種 の べ ン ジル ラ ジ カ ル をス ピ ン ラ ベ

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ル (3―amino‑2,2,5,5―tetramethyl‑l‑ pyrrolidinyloxy free radical:3一AP)で捕 捉後、1級アミンの 選 択 的 螢 光 誘 導 試 薬(fiuorescamine)と 反 応 さ せLC一 螢 光 検 出 器 で検 出 ・定 量可 能 を螢 光誘 導 体へ 変 換 し 、 さ ら にLC−MSで そ の 構 造 を 同 定 す る こ と に 成 功 し て い る 。 生成 したa−シ ア ノフ ウノ キ シベ ン ジ ル ラ ジ カ ル は 酸 素 存 在 下 で も3−APに 捕 捉 さ れ 、 そ の 捕 捉 効 率 は溶 媒 粘性 が低 下 する ほど 上 昇す る こ と を 示 し た 。 ま た 、 い ず れ の ラ ジ カ ル 捕 捉体 も 螢光 誘導 化 反応 はほ ば 定量 的に 進 行し 、そ の 検出 限 界 は 螢 光 誘 導 体 量 と し て0.02〜0.03 nmolで あ っ た 。 以 上 の 結 果 、SMDの 光 脱 炭 酸 反 応 過 程 で 生 成 す る べ ン ジ ル ラ ジ カ ル を 高 感 度 ・ 選 択 的 、 且つ 簡 便に 検出 ・ 定量 でき る ラジ カル 捕 捉― 螢光 法 を確 立 し 、 本 手 法 に よ ル ベ ン ジ ル 位 炭 素 ― 酸 素 結 合 開 裂 反 応 が 進 行 す る こ と を 明 ら か に し て い る 。   第5章 で は 、 前 章 で 確 立 し た ラ ジ カ ル 捕 捉 ― 螢 光 検 出 法 を3種 のtype−IIピ レ ス ロ イ ド(fen・ propathrn:DTL.cyphenothrin:GKL,cypermehtrin:AGT) へ 適 用 し た 結 果 を ま と め て い る 。 31APを 含 む 各 ピ レ ス ロ イ ド 溶 液 を 光 照 射 し た 結 果 、 い ず れ も べ ン ジ ル 位 炭 素 一 酸 素 結 合開 裂 の進 行 に 伴 うa― シ ア ノ フウ ノキ シ ベン ジル ラ ジカ ル由 来 の螢 光誘 導 体が 認め ら れ、 その 生 成量 はLC― 螢光 定 量 分 析 か らSMD〉 〉 DTL冫GKL冫AGTで あ っ た 。 次 に 、3−APのESR信 号 強 度 を 光 照 射 下 で 経 時 的 に 測 定 し た 結 果 、 ラ ジ カ ル 捕 捉 に よ る3―APの 消 費 率 はSMD冫AGT冫DTL冫GKLで あ り 、 AGT以 外 で は 螢 光 強 度 と 良 い 一 致 を 示 し た 。 ま た 、 各 ピ レ ス ロ イ ド の 時 間 分 解 過 渡 吸 収 ス ベ ク ト ル を 測 定 し た 結 果 、a― シア ノ フウ ノキ シ ベン ジル ラ ジカ ルに 由 来す る吸 収 帯が 観測 さ れ、 脱気 条 件下 で い ず れ も 時 定 数4〜10マ イ ク 口 秒 で 減 衰 す る こ と を 確 認 し て い る 。酸 素 存在 下で の スベ クト ル 挙動 と 比 較 し た 結 果 、 こ の 減 衰 は 脱 炭 酸 反 応 過 程 にお け るラ ジカ ル 再結 合に よ るも のと 結 論づ け、 い ずれ の ピ レ ス ロ イ ド も 再 結 合 反 応 速 度 が ほ ば 等 し いこ と が明 らか に した 。Type―IIピレ ス ロイ ドの 分 光学 的 知 見 か ら 、 光 脱 炭 酸 反 応 収 率 は 生 成 す る ラ ジカ ル 量、 即ち ラ ジカ ル捕 捉 ―螢 光検 出 法で 得ら れ た螢 光 強 度 を 指 標 に 定 量 す る こ と が 可 能 で あ り 、 構築 し たラ ジカ ル 捕捉 ―螢 光 法の 有用 性 を示 すと と もに 、 ピ レス ロイ ド の光 反応 機 構を 体系 的 に考 察す る こと に成 功 して いる 。

  第6章 は 総 括 で あ り 、 本 研 究 で 得 ら れ た 知 見 を ま と め 、 今 後 の 展 望 を 記 し て い る 。   以 上 を 要 約 す る に 、 本 論 文 で は ピレ ス ロイ ド系 農 薬の 光分 解 反応 の解 析 法を 確立 す ると とも に 、そ の 動 力 学 的 情 報 を 含 め て 反 応 機 構 を解 明 した 。こ の よう 顔研 究 はピ レス ロ イド 系農 薬 の光 反応 の みを ら ず 、 ラ ジ カ ル 中 間 体 を 含 む 化 学 反応 一 般の 解明 に 対し ても 重 要を 知見 を 含ん でお り 、申 請者 は 博士

( 理 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る に 資 格 あ る も の と 認 め る 。

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