博 士 ( 工 学 ) 原 田 篤
学 位 論 文 題 名
モ バ イ ル 通 信 に お け る 適 応 無 線 ア ク セ ス 技 術 に 関 す る 研 究
(A Study on Wireless Access Technologies with Adaptabilities frMobile CommumCationS )
学位論文内容の要旨
近 年 モバイル 通信においてモバ イルインターネッ トを支える技術の進 展・サービスの普 及をらび に多 様 化により 通信トラヒックが 爆発的に増加して おり,限られた周波 数資源のさらをる 有効利用 が課題とをっ ている.さらには ,災害によって生じ る通信サ―ピスエリア喪失のりスクを防ぐ手段の 提供 と いっ たシ ス テム の可 用 性を 向上 さ せる ため の モバイル通信シス テムの高度化も期 待されて いる,
本 論 文は「モ バイル通信におけ る適応無線アクセ ス技術に関する研究 」と題し。急速に 進展し続 ける モ バイル通 信を含む通信ネッ トワークの大きを 構造変化,をらびに 通信事業者に対し てより一 層求 め られる社 会的責務を背景に 顕在化するさまざ まを課題を解決する ことを目指し,通 信環境の 変化 に 対して適 応的に伝送パラメ ータを制御できる 無線伝送技術に着目 し,その課題の解 決に取り 組んだもので ある.論文の構成 は「序論」を含めて6章から をる,
第1章は「序論」で, 本研究の背景を明 らかにした上で,研究の目的と意義についてまとめている.
第2章は 「 広帯 域モ バ イル 通信 における適応無線 アクセス制御技術の 応用」と題し,本 研究で取 り組 ん だ個々の 課題の具体化と解 決のアプローチに ついて述ベ,研究の 成果についての概 要を述べ ている.
第3章 はFW‑CDMA下ル リ ンク 適応 ア ンテ ナア レ イ送 信ダ イ バー シチ 技 術」 と題 し ,広 帯域 セ ル ラー シ ステ ムに お ける 下ル リ ンク容量増大 を目的としている .具体的に,周波 数多重複信(FDD)を 用 いる 広帯 域 符号 分割 多 元接 続(W‑CDMA)にお け る適 応ア ン テナ アレ イ 送信 ビー ム フオ ーミ ン グ によるマルチ プルアクセス干渉 抑圧技術を提案して いる.提案構成は上ルリンクベース′ヾンド信号 処理 部 で生成さ れた受信アンテナ ウエイトを送信ア ンテナウエイトとし て利用することを 特徴とし てい る .機 能の 実 現に 必要 と 顔るRF回 路 キャ リブ レ ーションとキャリ ア周波数キャリブ レーショ ンの う ち,より 重要度の高いRF回 路キャリブレーシ ョンに着目し,実証 試験用基地局装置 を用いた 室内をらびに 屋外伝送実験によ りその機能を検証し ている.また,マルチユーザ環境下における,高 速 伝 送 レ ー ト ユ ー ザ か ら の マ ル チ パ ス 干 渉 の 抑 圧 効 果 を 明 ら か に し て い る . 第4章 は 「 下 ル リ ン ク プ ロ ー ド バ ン ドOFDCMに お け るQoSを 考 慮 し た 適 応 無 線 パ ラ メ ー タ 制御 」 と題し, 広帯域パケット無 線アクセスシステ ムにおける様々をサ ービス品質要求を 有したパ ケットトラヒ ックの効率的伝送 を目的としている. 具体的に,サーピス品質のうち伝送遅延とパケッ ト誤り率に対 する要求条件を考 慮した適応無線パラ メータ制御方法を提案している.提案方式は.パ ケ ッ ト 合 成 型 の ハ イ プ リッ ドARQ(HARQ)技術 と 適応 変調 ・ 誤り 訂正 符 号化 技術 と をサ ーピ ス 品 質に 対 する要求 条件に応じて適切 に組み合わせるこ とを特徴としている .提案する制御方 式につい ‑ 659―
て , 直 交 周 波数 符 号 分 割 多重(OFDCM)を用い る通信 方式 への適 用を想 定して ,様 々を遅 延分散 を 持 つ広帯 域マ ルチパ スチャ ネルを 想定し たシ ミュレ ーショ ンによルサーピス品質要求条件を考慮し た 最 適 無 線 パ ラ メ ー タ セ ッ ト(HARQ再送 回 数 , 変 調方 式 , 符 号 化率 ) を 明 ら かに し て い る , 第5章は 「OFDMシ ン ボ ル 対 を利 用 し た シ ンポ ル 間 干 渉 耐性 を 有 す る 無線 フ レ ーム構 成およ び 適 応制御 」と 題し, 放送サ ービス に匹敵 する カバレ ッジェ リアの広さを含む,様々セル半径を想定 し たネッ トワ ーク展 開シナ リオに 対して ,単 一の無 線イン タフェースでの効率的をサーピス提供を 実 現 す る こ とを 目 的 と し てい る .具 体的 に,直 交周波 数分害u多 重(OFDM)技 術を 応用し ,OFDMシ ン ポ ル 対 を利用 する ことで 等価的 ガード インタ ーバ ル拡張 を実現 する無 線パ ケット フレー ム構成 (Paired Symbol OFDM: PS‑OFDM),お よ ぴ 伝 搬 環境 に 応じ て2種類の 無線 パケッ トフレ ーム構 成 を 使 い 分 け る方 式 を 提 案 して い る ,1つは 従 来 のOFDMと等 価的を フレ ーム構 成であ り,も う1つ は 等価的 ガー ドイン ターパ ル拡張 を利用 する フレー ム構成 である.フレ―ム構成の使い分けにより 周 波数利 用効 率の低 下を抑えることを特徴としている.提案技術について.シミュレーションによル シ ンポル 間干 渉に対 する耐性を確認するとともに,有用毅適用領域を明らかにしている.災害発生時 の 緊 急 的 を通信 エリ ア確保 やりピ ータに よる増 幅中 継伝送 におけ る品質 向上 等への 応用が 期待さ れ る.
第6章 は「結 論」 で,本 研究の 総括を 行う と共に ,将来 展望お よび今 後の 研究課 題ついて述ぺて い る.
最 後に ,本論 文は,モバイル通信システムの高度化に向けた適応無線アクセス制御技術を多様を観 点 から提 案・ 評価し ており ,本研 究にお いて 開発さ れた適 応無線アクセス技術が周波数資源のさら を る有効 利用 に寄与 する技術であること,又,災害時における通信エリアの確保といったモバイル通 信 シ ス テ ム の さ ら を る 高 度 化 に 貢 献 す る 技 術 で あ る こ と を 明 ら か に し た .
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学位論文審査の要旨 主査 副査
副査 副査
客員教授 教授 教授 准 教 授
須 田 博 人 野 島 俊 雄 小 川 恭 孝 山 本 学
学 位 論 文 題 名
モ バ イ ル 通 信 に お け る 適 応 無 線 ア ク セ ス 技 術 に 関 す る 研 究
( A Study on Wireless Access Technologies with Adaptabilities for Mobile CommunlCationS )
モ バイル通信におい て通信トラヒックが 爆発的に増加して おり,限られた周 波数資源のさらをる 有効 利用が課題とをっ ている.加えて,災 害等により生じる通信サーピスエリア喪失のりスクを防ぐ 手段 の提供等.システ ムの可用性向上のた めのモバイル通信 システム高度化の ための技術開発が求 めら れている,
本 論文は,モバイル 通信を含む通信ネッ トワークの構造変 化をらびに通信事 業者に求められる社 会的 責務を背景に顕在 化する課題に対し, 通信環境の変化に 適応して伝送パラ メータを制御可能を 無線 伝送技術に着目し ,課題の解決に取り 組んだものである .
第1章は「序 論」で,本研究の 背景を明らかにした上で,研究の目的と意義についてまとめている.
第2章は「広 帯域モ′ヾイル通 信における適応無 線アクセス制御技術 の応用」と題し,本研究で取 り 組 ん だ 個 々 の 課 題 の 具 体 化 と 解 決の ア プロ ―チ に つい て述 ベ ,研 究の 概 要を 述べ て いる , 第3章 は 「W‑CDMA下ル リン ク 適応 アン テ ナア レイ 送 信ダ イバ ー シチ 技術 」 と題 し. 広 帯域 セ ル ラ ーシ ステ ム におけ る下ルリンク容量 増大を目的として いる.周波数多重複 信(FDD)を用いる広 帯 域 符号 分割 多 元接 続(W‑CDMA)にお け る適 応ア ン テナ アレ イ 送信 ピー ム フオ ーミ ン グによるマ ルチ プルアクセス干渉 抑圧技術を提案して いる.提案構成は 上ルリンクベース バンド信号処理部で 生成 された受信アンテ ナウエイトを送信ア ンテナウエイトと して利用すること を特徴としている.
機 能 の実 現に 必 要と をるRF回路 キャ リ ブレ ーシ ョ ンと キャ リ ア周 波数 キ ャリ プレ ー ションのう ち, より重要度の高いRF回路キャリプレー ションに着目し, 実証試験用基地局 装置を用いた室内を らび に屋外伝送実験に よりその機能を検証 している.また,マルチユーザ環境下における,高速伝送 レー トユーザからのマ ルチパス干渉の抑圧 効果を明らかにし ている.
第4章 は 「 下 ル リ ン ク プ ロ ー ド バ ン ドOFDCMに お け るQoSを 考 慮 し た 適 応 無 線 パ ラ メ ー タ 制御 」と題し,広帯域 パケット無線アクセ スシステムにおけ る様々教サービス 品質要求を有したパ ケッ トトラヒックの効 率的伝送を目的とし ている.サーピス 品質のうち伝送遅 延とパケット誤り率 に対 する要求条件を考 慮した適応無線パラ メータ制御方法を提案している.提案方式は,パケット合 成 型 の ハ イ プ リッ ドARQ(HARQ)技術 と適 応 変調 ・誤 り 訂正 符号 化 技術 とを サ ーピ ス品 質 に対 す る要 求条件に応じて適 切に組み合わせるこ とを特徴としている.提案する制御方式について.直交周 波 数 符号 分割 多 重(OFDCM)を用 い る通 信方 式 への 適用 を 想定 して, 様々顔遅延分散を 持つ広帯域 マル チパスチャネルを 想定したシミュレー ションによルサー ピス品質要求条件 を考慮した最適無線
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パ ラ メ ー タ セ ッ ト(HARQ再 送 回 数 , 変 調 方 式 , 符 号 化 率 ) を 明 ら か に し て い る . 第5章 は 「OFDMシ ン ポ ル対 を 利 用 し た シン ポ ル 間 干 渉耐 性 を 有 する無 線フレ ーム構 成およ び 適 応制御 」と題 し,放 送サー ビス に匹敵 するカ バレッジェリアの広さを含む,様々セル半径を想定 し たネッ トワー ク展開 シナリ オに 対して ,単一 の無線インタフェースでの効率的をサ―ビス提供を 実 現 す る ため の 技 術 に つい て 検 討 し てい る .直交 周波数 分割 多重(OFDM)技術を 応用し ,OFDMシ ン ポル対 を利用 するこ とで等 価的 ガード インタ ーバル 拡張 を実現 する無 線パケ ットフ レー ム構成 (Paired Symbol OFDM: PS−OFDM), および 伝搬環 境に 応じて2種 類の無 線パケ ットフ レーム 構成 を 使 い 分 ける 方 式 を 提 案し て い る .1つ は 従来 のOFDMと 等価的 をフレ ーム構 成であ り. もう1つ は 等価的 ガード インタ ーバル 拡張 を利用 するフ レーム構成である.フレーム構成の使い分けにより 周 波数利 用効率の低下を抑えることを特徴としている.提案技術について,シミュレーションによル シ ンポル 間干渉 に対す る耐性 を確 認する ととも に,有用を適用領域を明らかにしている.提案技術 は ,災害 発生時 の緊急 的を通 信エ リア確 保やり ピータによる増幅中継伝送における品質向上等への 応 用が期 待され る.
第6章 は 「 結 論 」 で あ り , 本 研 究 の 結 論 と 得 ら れ た 成 果 を ま と め て い る , こ れを要するに,著者は,モバイル通信システムにおける適応無線アクセス技術を検討し,周波数 資 源の有 効利用 および システ ム高 度化に 貢献す る制御 技術 に関し て有益 を新知 見を得 たも のであ り ,無線 通信工 学分野 の発展 に貢 献する ところ 大をるものがある.よって著者は,北海道大学博士
( 工学) の学位 を授与 される 資格 あるも のと認 める.
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