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(論文博士)(様式 4)

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Academic year: 2021

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(論文博士)(様式 4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

横 山 洋 子 印 主 論 文

Inhibitory regulation of skin fibrosis in systemic sclerosis by apelin/APJ signaling

(全身性強皮症の皮膚線維化におけるアペリン/APJシグナルの抑制的調節)

副 論 文

A rapid and efficient newly established method to detect COL1A1-PDGFB gene fusion in dermatofibrosarcoma protuberans

(隆起性皮膚線維肉腫のCOL1A1-PDGFB遺伝子融合の検出のために、迅速かつ効率的に 確立された新しい方法)

主論文の要旨

アペリンは主に脂肪組織から産生されるサイトカイン(アディポカイン)の一つであり、血管内皮 細胞や線維芽細胞からも産生される。受容体であるAPJに結合して下流にシグナルを伝え、主に血管 新生、心臓機能、脂肪細胞機能などを制御している。また、アペリン/APJシグナルは心臓および動脈 の線維化を抑制するとの報告や、肺高血圧症の病態にアペリン発現の低下が関与することも報告され ている。一方で皮膚および内臓臓器の線維化が特徴の一つである全身性強皮症においては、アペリン の関与は明らかになっていない。そこで本研究では、全身性強皮症の皮膚線維化におけるアペリンの 役割を解明することを目的とした。

まず、健常人および全身性強皮症患者由来の培養線維芽細胞を用い、アペリンのmRNAおよびタン パクの発現を比較したところ、強皮症線維芽細胞では、健常人線維芽細胞に比べてアペリンの発現が 有意に低下していた。また、強皮症患者の血清中アペリン濃度と皮膚硬化の程度は負に相関していた。

さらに、TGF-β刺激によって線維芽細胞でのアペリンの発現が抑制されることも明らかにした。これ

らのことから、強皮症における活性化したTGF-βシグナルが、強皮症線維芽細胞のアペリン発現を減 少させているのではないかと考えられた。

siRNAを用いてアペリン発現を抑制させたところ、健常人線維芽細胞において線維化が有意に亢進 した。一方、アペリンを添加したところ、TGF-β刺激による線維化が有意に抑制された。これらのこ とから、in vitroにおいて、アペリンは線維芽細胞の線維化に対して、抑制的に働いている可能性が示 唆された。

さらに、in vivoでのアペリンの線維化抑制効果を検討するために、全身性強皮症のモデルマウスで あるブレオマイシン誘導皮膚線維化モデルマウスを用いた。ブレオマイシンによるマウスの皮膚線維 化はアペリンの腹腔内投与によって有意に抑制された。

これらのことより、アペリン/APJシグナルが皮膚線維化に対して抑制的に働き、強皮症の病態に 関与することが示唆された。さらに、アペリン/APJシグナルを活性化させることが強皮症の皮膚線維 化の治療につながる可能性も示唆された。

そこで、APJのバイアス型アゴニストとして機能するアペリン類似物質(MM07)を用いて線維化 抑制効果を検討した。その結果、培養線維芽細胞における線維化とマウスにおけるブレオマイシン誘 導皮膚線維化に対して、APJバイアス型アゴニスト(MM07)は、アペリンよりも強い線維化抑制効 果を示した。MM07は既にヒトへの投与による末梢血流増大効果が報告されており、安全性も示され

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ていることから、今後、強皮症の線維化抑制の治療に応用できる可能性が示唆された。

副論文の要旨

隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)の病因はCOL1A1遺伝子とPDGFB遺伝子の融合によるものと考えら れており、RT-PCR法を用いてCOL1A1-PDGFBの融合を検出することが、診断の一助となっている。

しかし、COL1A1遺伝子のほとんどのエクソンを網羅するためには、16程度のプライマーセットによ るPCRが必要となり、技術的に煩雑である。

そこで本研究では、一つのプライマーセットだけを使用することでCOL1A1-PDGFBの融合を検出 できる効率的な方法を検討し、確立した。また、この方法によってCOL1A1遺伝子のエクソン5に新 しい融合ポイントを見つけた。本手法を用いることによって、DFSPの融合遺伝子を迅速かつ簡便に解 析することができ、有用な方法と考えられた。

参照

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