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充填硬化材の加圧注入圧を利用した既設トンネルの補強技術の開発

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Academic year: 2022

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充填硬化材の加圧注入圧を利用した既設トンネルの補強技術の開発

~2次元フレーム解析による3次元FEM解析の再現性について~

大成建設株式会社 正会員○高倉 克彦 正会員 森田 泰司 大成建設株式会社 正会員 斎賀 雄 正会員 猪口 泰彦 一般財団法人エンジニアリング協会 正会員 竹束 正孝

1.はじめに

既設トンネルの内面にゴムチューブを貼付け,その内側に補強リングを配置し,ゴムチューブ内にセメント ミルクを加圧注入してゴムに圧縮応力を生じさせて,既設トンネルを外側(地盤側)へ押す圧力を作用させる 既設トンネルの補強技術の開発を行っている1)が,このような補強技術の適用検討にあたっては3次元FEM 解析2)を用いることが望ましい.しかし,3次元FEM解析の実施については,解析プログラムの導入・維持・

管理も一般的ではなく,パーソナルコンピューターの処理能力が格段に向上しているとはいえ,データ作成な どにはかなりの労力を傾注する必要がある.そこで,普及している2次元フレーム解析プログラムによる3次 元FEM解析結果の再現を試みた.以下のその概要を述べる.

2.2次元フレーム解析による解析方法

3次元FEM解析プログラムとして「ABAQUS」を,2次元フレーム解析プログラムとして「UC-1」を念頭に おき,以後,それぞれを「3D-FEM」,「2D-フレーム」と呼ぶ.2D-フレームの制約としては,①3次 元構造をモデル化できない,②ばね部材の非線形性を自動計算できない,③構造系の変化・荷重の変化に対す る逐次計算ができないといった点が挙げられる.今回の2D-フレームによる解析においては,検討ステップ に応じて表-1 に示す対処を行うこととした.

キーワード 老朽化,トンネル,補強,充填硬化材,加圧注入

連絡先 245-0051 横浜市戸塚区名瀬町344-1 大成建設株式会社 技術センター土木技術開発部 TEL 045-814-7229

0.設計荷重時 1.充填材加圧注入時 2.硬化後残存圧力作用時

3次元 FEM 解析

・既設トンネル(3リング) ・既設トンネル(3リング)  +補強リング(1リング)

・既設トンネル(3リング)  +補強リング(3リング)

2次元 フレーム 解析

・既設トンネル(1リング)

・地盤ばね:繰返し計算

・回転ばね:感度分析に よって,3次元FEM解析結果 の再現する値を採用.

検討ステップ

・既設トンネル(1リング)+補強リング(1リング)

・設計荷重時からの増分.

・地盤ばね:設計荷重時+各ステップまでの荷重を載荷したときの有効範囲に設定(繰返し計算).

・回転ばね:既設トンネル→設計荷重時の値,補強リング→初期値に固定.

・既設トンネルと補強リング間の部材:充填材加圧注入時→圧縮側_∞・引張側_0,硬化後残存圧力作用 時→圧縮側_ゴム+硬化材の直列ばね・引張側_0(繰返し計算).

・荷重:充填材加圧注入時→既設トンネルへの影響に着目するために1/2分を載荷.

・リング間継手の検討:弾性床上の梁として別途フレーム解析.

解析 ツール

逐次解析,地盤ばね・回転ばねの非線形性考慮

地盤ばね

既設トンネル軸線

既設トンネル

回転ばね 圧力 既設トンネル

補強部セグメント

隣接するセグメント 隣接するセグメント リング間継手

軸線

地盤ばね せん断ばね (半径方向)

リング間継手への影響検討モデル 補強リング軸線

地盤ばね

既設トンネル軸線 既設トンネル回転ばね

変位制御ばね部材 ,硬化材ばね部材

(設計荷重時の値)

(全体荷重時の有効範囲に設置) (回転初期ばね値) 補強リング回転ばね

表-1 2 次元フレーム解析による解析方法 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑655‑

Ⅵ‑328

(2)

3.比較結果

2D-フレームによって,

既設トンネル径を 4.3m,8.3m,

土被りを 15m,30m の4種類 の配置とし,充填材の加圧注 入範囲を全周加圧と上下加

圧{文献 2)参照}の2種類とした解析を行った.なお,検討ステ ップは表-1 に示したとおりである.

表-2 に設計荷重時においてセグメント間継手の回転ばねを変 化させた場合の曲げモーメントの状況を示す.3D-FEMをよ く表す回転ばね値は,回転ばね設定値の最大値(初期値)と考え られることから,以降の検討ステップにおいてもこの値を用いる こととした.

表-3 に既設トンネルに関する3D-FEMと2D-フレームの 変位および断面力の分布形状についての比較結果例を示す.この 結果からすると,2D-フレームは3D-FEMを概ね再現してい ると考えられる.

次に,設計荷重時に許容応力度の 85%が費やされているものと して,その後の付加荷重時の応力の設計荷重時からの増分応力が 許容応力度の 15%以内か否かに着目した応力照査結果の比較を 表-4 に示す.表中の着色部は,充填材加圧注入圧を 300kN/m2に 設定すると,各部の応力が許容値を超え

る場合を示している.全周加圧の場合に は,2D-フレームは3D-FEMよりも 安全側の値を示しており,上下加圧の場 合には,一部を除いて逆の状況となって いる.この結果からすると,全周加圧の

場合には,2D-フレームを設計ツールとして適用できる可能性は高いと考えられる.

4.まとめ

2D-フレームによる3D-FEMの再現を試みたが,断面力等の分布形の再現性は高いが,応力照査結果を 比べると,両者の差は小さいとはいえない.今後,ケーススタディや円筒形試験体に対する載荷実験等を行っ て2D-フレームの適用性も検討していく予定である.本研究は,公益財団法人JKAから機械工業振興補助 事業の補助(26-72)を受けて,一般財団法人エンジニアリング協会 地下開発利用研究センターが,「平成

26

年度老朽化トンネル補強技術の研究」として検討を進め,その成果をとりまとめたものであり,大成建設株式 会社は地下開発利用研究センターから検討の一部を受託して行ったものです.なお,本研究を進めるにあたっ ては,調査研究委員会(委員長 公立大学法人 前橋工科大学 辻幸和学長)が編成され,貴重なご意見を頂 きました.関係各位に心から謝意を表します.

参考文献

1

) 斎賀ほか,「充填硬化材の加圧注入圧を利用した既設トンネルの補強技術の開発~補強技術の概要~」土木学会 第 69 回年次学術講演会,Ⅵ-109,2014.9

2) 猪口ほか,

「充填硬化材の加圧注入圧を利用した既設トンネルの補強技術の開発~3次元FEM解析による補強

成立性の検討~」土木学会第 70 回年次学術講演会 ,2015.9

表-4 応力度照査結果の比較

15 30 15 30 15 30 15 30

3D-FEM 0.46 1.14 0.65 1.36 0.51 1.86 0.43 0.99 2D-フレーム 0.34 1.01 0.64 1.25 0.64 2.16 0.67 1.51 3D-FEM 0.35 2.04 2.10 2.59 0.32 1.97 1.18 1.85 2D-フレーム 0.22 1.33 0.42 1.22 0.77 3.39 0.43 1.28 注1) 表中の数値は,許容応力度残存分/増分応力の値を示す。

既設 トンネル

セグメント セグメント 継手

4.3 8.3 4.3 8.3

既設トンネル径(m) 土被り(m)

加圧注入範囲 全周加圧 上下加圧

解析ツール 3D-FEM 回転ばね

(kN・m/rad) 非線形自動計算 55000 (最大値)

10000 (中間値)

3500 (最小値)

曲げ モーメント (kN・m)

最大:28.2,最小:-31.8 最大:26..5,最小:-28.7 最大:21.6,最小:-24.6 最大:17.2,最小:-19.9 2D-フレーム

表-2 セグメント間継手回転ばねの設定例(φ4.3m,土被り 15m)

指標 設計荷重時 充填材 加圧注入時

硬化後残存 圧力作用時

変位

曲げ モーメント

軸力

せん断

注)青線:3D-FEM,赤線:2D-フレーム

表-3 解析結果(既設トンネル)の比較例 (φ4.3m,土被り 15m,全周加圧) 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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参照

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