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都市山岳工法トンネルの二次覆工挙動に関する一考察

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Academic year: 2022

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都市山岳工法トンネルの二次覆工挙動に関する一考察

中央復建コンサルタンツ㈱ 正会員 栗山廣志 川野貴志 福岡市交通局 正会員 清松和麻 猪口光行

1.はじめに

都市山岳工法(NATM)における二次覆工コンクリートは、鉄筋コンクリート構造を標準としているが、

想定される荷重や一次支保との荷重分担に対して様々な考え方があり、設計基準の統一が不十分な状況にあ る。これは、二次覆工打設後の一次支保

の状況や、トンネル竣工後の二次覆工コ ンクリートの挙動が把握されていないほ か、作用する外力が特定できていないこ とに原因があり、将来に向けた設計の合 理化を図るためには、計測による実挙動 の把握と、理論の裏付けが重要と考えら れる。

今回、福岡市高速鉄道(地下鉄)3 号 線工事において、トンネル竣工後の二次 覆工コンクリートおよび一次支保の応力 を計測する機会を得たため、計測結果に ついて報告するとともに考察を行った。

2.設計条件および計測内容

今回計測を行った「薬院西工区」は、平成12年12月に二次覆工を 含む工事が無事竣工した。

本トンネルは供用時の維持管理と周辺環境に対する配慮から、完全 防水型トンネルを採用している。このため、鉄筋組立に際し、

鉄筋組支保工(H-125)を使用し、防水シートに貫通箇所を設 けない構造とした。

設計では二次覆工コンクリートが土圧、水圧の全てを分担す ると仮定しており、一次支保は仮設として取り扱っている。設 計条件を表-1に示す。

設計は、外力(土水圧等)が作用したときのトンネル断面力 を骨組み構造解析より求め、最大断面力発生位置での断面計算 を、許容応力度法を用いて行った。

このような設計に対し、妥当性を検証するため、現場計測に よる、実挙動の把握をおこなった。

計測は掘削時に設置した計測 B(ロックボルト軸力、吹付コ

ンクリート応力、鋼アーチ支保工応力)と内空変位、二次覆工コンクリート鉄筋応力およびコンクリート内 部応力(クリープ)を、1回/日の頻度で測定した(図-2参照)。

表‑1 設計条件 

項目 条件

土圧 全土被り、ゆるみ土圧の大きい方。

水圧 考慮する。

一次支保 応力分担を考慮しない。

設計方法 慣用計算法+許容応力度法

Keywords:都市山岳工法、二次覆工、一次支保、水圧

大阪市東淀川区東中島4-11-10 中央復建コンサルタンツ㈱ TEL 06-6160-2132  FAX 06-6160-1232 図‑2 計測器配置図 図‑1 平面図および地質縦断図

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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3.計測結果 3.1 一次支保 

掘削完了後の計測Bによるトンネル一次支 保の応力計測では、二次覆工コンクリート打 設時および復水時に計測値の変動が見られる。

これらの変動は、コンクリートの硬化熱、

地下水による温度低下が原因であり、地山の 安定性は確保されている。支保の応力は、長 期的に掘削完了時と同等の値か小さくなる傾 向にあり、水圧の作用による応力増加は、発 生していないと考えられる。

3.2 二次覆工コンクリート  二次覆工コンクリートの計測結 果についても、一次支保と同様に、

コンクリート打設時および復水過 程での計測値の変動が認められる。

コンクリート打設時には、コン クリート硬化に伴うコンクリート の内部応力が発生していると考え られる。

復水過程での計測値変動は、地 下水位の変動によるものであり、

相関性が確認できる。また、計測 値から断面力を逆算した場合、発 生曲げモーメントはアーチ部で小

さく、インバートとアーチの継ぎ目部分で大きくなってい る。これらの傾向は、水圧を主体とした荷重が作用した場 合の断面力と類似しており、水圧だけが二次覆工に作用し ていると推定できる。

4.考察

計測結果からは、トンネル二次覆工に作用する外力は地 下水圧であり、土圧は一次支保が分担していると考えられる。

今回の計測結果を設計に反映した場合、アーチ部の断面力は小さく、現在の設計(福岡市)よりも、鉄筋 間隔の拡大、鉄筋のサイズダウン、コンクリート断面のスリム化などが可能であり、経済性の向上が期待で きる。この考えを適用するには、一次支保の耐久性と地山の長期的な安定性を把握する必要があり、今回の 1 年程度の計測期間は短期であり、結論としては尚早と考えられる。しかし、今後の設計においては、コス ト縮減が大きな課題の一つであり、ライフサイクルコストを視野においたトンネル設計を行うべきといえ、

実挙動の把握に向けた長期的なサイクルでの計測の実施と、設計・施工への反映に心掛けたいと考える。

参考文献

緒方隆哉、栗山廣志他:都市NATMにおける二次覆工コンクリート計測結果、トンネル工学研究論文・報告集第11 図‑3.2 計測結果(2) 

図‑3.3 計測結果(3)  図‑3.1 計測結果(1) 

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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参照

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