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トンネル直上での床固工構築における覆工コンクリートへの影響監視

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Academic year: 2022

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キーワード 重力加速式変位計,小土被り,坑口,覆工,動態観測,近接施工

連絡先 〒519-0222 三重県亀山市両尾町土打 1759-1 大林・鴻池JV TEL0595-85-8601

トンネル直上での床固工構築における覆工コンクリートへの影響監視

中日本高速道路株式会社 正会員 伊原 泰之 株式会社大林組 名古屋支店新名神野登JV工事事務所 正会員○木野村 有亮 株式会社大林組 名古屋支店新名神野登JV工事事務所 正会員 榊原 泰造 株式会社大林組 名古屋支店新名神野登JV工事事務所 正会員 加藤 健治 1.はじめに

新名神高速道路野登トンネル西工事は,亀山西 JCTから四日 市JCT を鈴鹿山脈東麓に沿って結ぶ高速道路のうち,亀山側に 位置する工事である.本工事では,トンネル坑口の直上におい て,砂防構造物(以降、床固工)が設計されていた.しかし,

床固工の施工に先行して,トンネルの覆工コンクリート(以降、

覆工)が打設されていたため,床固工が覆工と近接・小土被り での施工により覆工へ影響を及ぼすことが懸念された.本報文 において,小土被りでの覆工直上における近接工事に関する課 題と動態観測結果を述べる.

2.工事における問題点と対応策

床固工は,図.1および図.2に示すように,トンネル直上に躯 体の構築を行うものである.覆工から,掘削床付け高さまでの 最小土被りが500mmと極小となっており,床固工構築による上 載荷重の変動(掘削に伴う除荷、構築および埋戻しによる再載 荷)が覆工へ損傷を与える可能性があった.そこで,床固工を (1) トンネル施工に先行して行う案,(2)覆工を先行して行う案が検 討された.その結果,(1)案では,覆工への影響はなく,施工時 の配慮は不要となるが,床固工の工程が全体工程に影響するこ とや,トンネル掘削時の地山変形が床固工躯体に及ぼす影響を 鑑み,設計段階で(2)案を採用した.

以上より,近接施工の影響により,覆工を損傷させないことを目的として,

図.3のように,床固工の施工以前より覆工の動態観測工を行った.

3.3次元変位計を用いた計測管理

施工中の覆工の挙動把握を目的として,重力加速度センサ(MEMS)を用いた3 次元変位計による動態観測工を採用した.これにより,ひずみゲージによる一 般的な計測では困難なトンネル断面変形を連続的に捉えることが可能である.

3.1.計測システム概要

図.1のように,最も荷重が大きくなるトンネル内空横断面に設置した.また,

図.4に3次元変位計の設置状況を示す.上半アーチの周長15m区間に500mm間隔で計測点を設けた.隣接す る測点との相対変位を連続的に計測し,覆工内面の変状を観測することができる.また,許容値を超えた場合 に,直ちに対応するため,図.5 のように警報システムを連動させることで,作業中の重機オペレータに瞬時 に情報が伝わり,すぐに作業を中断できる体制とした.

トンネル掘削工(NATM)

覆工コンクリート打設・養生

床固工掘削工

床固工構築工(型枠・打設)

床固工埋戻工

動態観測工開始

図.3 施工フロー

計測断面

覆工コンクリート 床固工躯体

500mm 2000mm

図.1 坑口部縦断図

覆工コンクリート 床固工躯体

2000mm

図.2 坑口部横断図 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑935‑

Ⅵ‑468

(2)

3.2.計測値管理方法

計測値の管理は,既設トンネル近接施工1)の観点から,

覆工の断面力の増分に着目し,3次元変位計の計測概念 および式(3)より,近似的な内縁側の増加応力Δσを求め て行った.なお,M を曲げモーメント,単位幅当りの 断面2次モーメントI=5.33×10-3m4,断面係数Z=2.67

×10-2m3,変位をU,区間長L=500mmとする.

ΔM=Δσ・Z …式(1) ΔM=E・I・(Ui-1-2・Ui+Ui+1)/L2 …式(2) Δσ=ΔM/Z=E・I・(Ui-1-2・Ui+Ui+1)/L2・Z…式(3)

これに,設計基準強度σck =30.0 N/mm2から許容値を σcp=-0.06σck =-1.8N/mm2(引張),σcc=0.3σck =9.0 N/mm2

(圧縮)として設定し,管理した.

4.結果・考察

計測結果を図.6 に示す.設置時の応力をゼロとし,

a)~c)の各施工ステップにおける応力の変化を監視した.

まず,a)の結果では,最大応力増分 が0.7 N/mm2~-0.8N/mm2となってお り,許容値を超えるような応力の変化 はなかった.また,左右の肩部の計測 箇所において,圧縮側の応力増加が見 られ,その下方である計測箇所におい て,引張側を示した.これは,覆工上 部における掘削によって,トンネル天 端部の上載荷重が除去されたことで,

覆工が上方に引っ張られるような変 形を示したものと推察される.

次に,b)の結果を,a)と比較した場 合,圧縮および引張側の傾向を示して いた計測箇所において,応力が減少し

ている.これは,コンクリートの打設によりトンネル上方の荷重が増加し,鉛直方向で上向きに引っ張られて いた覆工が,元に戻されるような変形を示している.

さらに,c)の結果をa)と比較した場合,引張・圧縮が逆転しており,掘削前よりも,床固工躯体の重量で上 載荷重が増加し,覆工が鉛直方向上側から押されるような傾向を示している.なお,左肩の計測箇所において,

最大応力増分が-1.7N/mm2とσcpに近い値を示したため目視による点検を行ったが,変状は見られなかった.

5.まとめ

・3次元変位計を用いたトンネル断面の動態観測により,覆工応力には床固工の近接施工に伴う変動が観測 されたものの,覆工ひび割れ発生に至るものは見られなかった.

・小土被り条件下において,覆工に及ぼす影響を監視しながら床固工の構築を行った結果,覆工に悪影響を 与えることなく,無事に施工を完了した.

参考文献

1) 設計要領第三集トンネル編,トンネル本体工保全編(近接施工)(平成187)

ガイド管 SAA

変形後 3次元変位計

Ui

Ui-1

Ui+

L=500mm

ガイド管 変形前 3次元変位計 3次元変位計

SL CL

図.4 計測システム設置状況および計測概念

データ表示 データ監視

トンネル坑内 トンネル坑口詰所

床固工作業場所

現場事務所 警報

データ表示 警報 データ監視

関係者各位 メールにて警報

図.5 警報システム概要

図.6 各施工ステップにおける計測結果

a) 構造物掘削完了後

b) コンクリート打設後(3ロット目)

c) コンクリート打設後(4ロット目)

圧縮

引張 圧縮 引張

引張 圧縮 圧縮 引張

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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参照

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