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環境汚染物 質(重金属 など)の生体膜 に対す る作用

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Academic year: 2022

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(1)環境汚染物 質(重金属 など)の生体膜 に対す る作用 第3報 カ ド ミ ウ ム と ル テ ニ ウ ム レ ッ ドの 相 互 作 用, 特 に ミ トコ ン ド リア の 酸 化 的 リン酸 化 反 応 に 対 して 岡山大学医学部公衆衛生学教室 長谷川. 亨 ・野 上. 裕 作 ・緒 方. 〔昭和52年6月7日. 正名. 受稿〕. 使 用 し た 試 薬 は 全 て 特 級 を 用 い,使 目. 的 し た 濃 度 に な る よ う 調 整 し た.. カ ド ミ ウ ム は 産 業 中 毒 の な か の 原 因 物 質 と して,. 3,. あ る い は 環 境 汚 染 に よ る イ タ イ ・イ タ イ病 の 原 因 物. 酸 化 的 リン酸 化 反 応 0,15M. KCI,. 10mM. 質 と し て 注 目 さ れ て い る 。 カ ド ミウ ム の 慢 性 中 毒 は,. の 反 応 液3,5ml中. 肺 気 腫,腎. 基 質 と してNa‑Succinate. 障 害,低. 慢 性 暴 露 で は,特. 用時 に図 に示. 分 子 蛋 白 尿 を 主 徴 と す る1)。ま た. 有 の 骨 粗 鬆 症 を 起 し,い. タ イ ・イ タ イ病 」は 骨 軟 化 症,高Ca尿. わ ゆ る 「イ. Tris‑HCl. 5mM,リ. し てNa‑ADP(0,3mM)を. て い る2).. な お 不 明 の 点 が 多 く,カ. に 細 胞 に 対 す る生 物 学 的 作 用 に つ. ン酸 化 基 質 と. 加 え,経. を 用 い て 測 定 し た.呼. この カ ド ミウ ム毒性 の発 現 の背 景 に あ る メカ ニ ズ ム に つ い て は,今. 吸. 時 的 に,反. 応液中. の 溶 存 酸 素 消 費 量 を ガ ル バ ニ ー 酸 素 電 極(給 水 化 学). を主症 状 と し. の 生 体 内 作 用,特. buffer(pH7,5). に ミ ト コ ン ド リ ア を 添 加 後,呼. ance,. Williamら. 吸 調 節 能,. ADP/0比. はCh. の 方 法4)に よ っ て 計 算 し た.. ド ミウム 実験 結 果. い て は 多 くの 検 討 が 必 要 と 思 わ れ る. 我 々 は, Piscator. and. Larsson3)の. カ ル シ ウ ム 食 及 び 正 常 食 で,. 報 告,即. 0〜10μg/gの. で カ ド ミ ウ ム を 飲 料 水 に 加 え, る と,カ. ミ ト コ ン ド リ ア の 機 能 障 害 を 検 討 す る場 合 の 指 標. 1年. と し て,し. ち低. 濃 度範 囲. 用 い ら れ る.そ た 場 合,そ. 間 ラ ッ トに 与 え. に 約2倍. の 呼 吸 調 節 能 とADP/O比. れ ら は,コ. 1, 8の. の 値 は 低 下 し て く る.今,. の カ ド ミウ ム を 保 有 す. が. ハ ク酸 を呼 吸 基質 に 用 い. れ ぞ れ5〜6,. 値 を示 す4).ミ トコ. ン ド リ ア が な ん ら か の 機 能 障 害 を お こ す と,こ. ル シ ウ ム欠 乏 の 動 物 は 正 常 カ ル シ ウ ム食 の. ラ ッ トよ り も肝,腎. ば し ば,そ. Cd2+を. れ ら. ミ トコ ン ド リ ア 懸. 濁 液 に 添 加 す る と,図1に. み ら れ る よ う に,呼. ル ギ ー転 換 反 応 一 酸 化 的 リン酸 化 反応 一 を指 標 と し. 節 能(RCI)がCd2+. 近 か ら顕 著 に 低 下 し て く. て,カ. る の に 反 し, ADP/O比. る と い う報 告 に 興 味 を 持 ち,ミ. トコ ン ドリアの エ ネ. ル シ ウ ム結 合 部 位 修 飾 剤 で あ るル テ ニ ウ ム レ. 2μM付. ッ ド4)と カ ド ミウ ム と の 相 互 作 用 につ い て 検 討 を 加 え. っ て,ミ. た.そ. み る 指 標 と し て は,呼. の 結 果,ル. テ ニ ウ ム レ ッ ドが カ ド ミウ ム と 強. い 拮 抗 作 用 を 有 す る事 が 認 め られ た の で 報 告 す る. geboon,. Schneiderの. のCd2+に. よ る呼 吸 調. 結 果 か ら明 らか な 如 くstate. の 呼 吸 活 性 の 増 大 に 起 因 し,こ. れ はCd2+の. 脱. 共 役 作 用 を 示 し て い る.. ミ トコ ン ドリア の分 離 ド ン リ ュ ウ系 ラ ッ ト(体 重 約250g)の. 2,. 4時. 障害 作 用 を. 吸 調 節 能 の変 化 を利 用 す る事. が 有 効 で あ る と 思 わ れ る.こ. 材 料 及 び 方 法. 1,. の 低 下 は 判 然 と し な い.従. ト コ ン ド リ ア に 対 す るCd2+の. 節 能 の 低 下 は,図2の. 吸調. 2),ル. 肝 臓 か らHo. テ ニ ウ ム レ ッ ドの 抑 制 作 用. ル テ ニ ウ ム レ ッ ドがCd2+に. 変 法 恥 に よ り分 画 し た.. よ るK+遊. し く抑 制 す る と い う事 に 着 目 し,上. 試 薬,. 1501. 出 作 用 を著. に述 べ た 呼 吸 調.

(2) 1502. 長 谷川 亨 ・野 上 裕 作 ・緒 方 正 名. CdCl2 (μM) 図1. ラ ッ ト ミ ト コ ン ド リ ア の 酸 化 的 リ ン酸 化 反 応 に 対 す るCd2+の 反 応 系: Rat. 0.15MKCI,. liver. Tris‑HCI(pH7.5).. mitochondria(2mg. 反 応 容 量:. 図2. 10mM. 3.5ml反. 作用. Pi2.5mM.. Protein/ml). 応 温 度25℃.. 酸 化 的 リン酸 化 反応 に対 す るCd2+とRRと 反 応 系:図1と. 同 じ,但. し, CdCl2. 10μM.. 相互 作 用. RR5μM.

(3) 環 境汚 染物(重 金 属 な ど)の生 体膜 に対 す る作 用. 1503. 節 能 の カ ド ミウ ムに よ る低 下 現 象 に如 何 な る作 用 を. 能 の変 化 を調 べ た の が 図3で あ る.そ の 結 果, Cd2+. ル テニ ウムレ ッ ドが示 す か を 検討 して み た(図2).. に よ る障害 作 用 は, 8μMま で ほ とん ど抑 制 され る事. 10μMのCd2+を. が認 め られ た.更 に, 10μMのCd2+存. 作 用 させ る と, State 4の 呼 吸 活 性. 在 下 で,ル テ. は対 照 に比 較 して著 し く大 き く(即 ち脱 共 役 状 態 を. ニ ウム レ ッ ドの 濃 度 を変 化 させ て み る と,図4の. 示 す)こ れ に対 し,ル テニウ ムレ ッ ドを先 に 添 加 し し. くに な り,ル テ ニ ウ ム レ ッ ド5μM以. て お く と,こ の様 なCd2+の. ド ミウ ム に対 す る抑 制 が 生 ず る事 が認 め られ た.こ. 脱 共 役 作 用 はほ ぼ 完 全. 上で完 全にカ. に抑 制 され る。 そ こで,ル テニウム レッ ドとCd2+の. の様 な 事 象 は,ル テ ニ ウ ム レ ッ ドとCd2+の. 濃 度 依 存 性 を み るた め に, 10μM濃 度 の ル テニ ウム. 位 が何 らか の形 で競 合 す る事 を示 唆 して い る.. レ ッ ド存 在 下 で, Cd2+の 濃 度 を変 化 させ,呼 吸 調節. CdCl2(NM) 図3. 呼 吸調 節 能 に対 す るCd2+とRRの. 相互作用. 反応 系 図1と 同 じ,但 し, RR10μM. RR(μM) 図4. 呼吸 調節 能 に対 す るCd2+とRRの. 相互作用. 反応 系 図1と. 10μM. 同 じ,但 しCdCl2. 如. 作用部.

(4) 1504. 長 谷川 亨 ・野 上 裕 作 ・緒 方 正 名. 考. 部位 修 飾 剤 で あ るル テニ ウ ム レ ッ ドが ほ ぼ完 全 に抑. 察. 制 す る とい う事 実 は 極 め て興 味 深 い.ま た,ル テ ニ カ ド ミウ ム毒 性 の 発 現 の背 景 に あ る メ カ ニ ズ ム に つ い て は,今 な お 不 明 の 点 が 多 い が,カ. ウ ム レ ッ ドが 添 加 され て い る と,カ ド ミウ ム の ミ. ドミウ ム毒. トコン ドリア膜 へ の 取込 み が抑 制 され る とい う事象8). 性 の 種 々の 症 例,肝 機 能 障害 を併 な う特 有 の 骨 粗鬆. と併 せ て 考 え る と,カ. 症,い わ ゆ る「イタイ ・イタ イ病 」の 骨軟 化 症,高Ca. テニ ウ ム レ ッ ドが 占有 す る事 が予 想 され,こ の 競 合. ド ミウム の傷 害 作 用 部 位 を ル. 尿2)等か ら,カ ドミウム が生 体 の カルシウ ム代 謝 と何. 部位 が カ ル シ ウム結 合 部 位 で あ る可 能 性 が十 分 考 え. らか のか か わ りを持 つ 事 が推 察 され る3).また,カ. られ る.. ド. ミウム投 与 ラッ トに45Caを 経 口投 与 す る と血 中45Ca 濃 度 が対 照 群 に比 較 して 低 い 事 か ら, CdとCaの. 結. 拮. 論. カ ド ミウ ム とルテニ ウム レッ ドの 相互 作 用 に 関 し,. 抗 作 用 がin vivoに お い て も証 明 され て い る6). カ ド ミウム は, in vitroで 肝 ミ トコ ン ドリアの酸. ラ ッ ト肝 ミ トコ ン ドリア の エ ネル ギ ー転 換 反応 を指. 化 的 リン酸 化反 応 及 び それ に関 連 した機 能 に阻害 的. 標 に して検 討 した.そ の 結 果 カ ド ミウ ムに誘 導 され. に作 用す る.即 ち脱 共 役 的 作 用 を示 す2).この 脱 共 役. る酸 化 的 リン酸 化 反 応 の 脱 共 役 作 用 をル テニ ウム レ. 作 用 の機 序 は ミ トコ ン ド リア膜 に カ ドミウ ム は何 ら. ッ ドが抑 制 した.こ の 事 は,カ. か の傷 害 を与 え, K+等 の遊 出 を誘 引 す る事7)に よ り. 部 位 を ル テ ニ ウ ム レ ッ ドが 占 有 す る事 が示 唆 され,. この作 用 部 位 が カル シ ウ ム結 合 部位 で あ る可能 性 が. 脱 共 役 を示 す もの と考 え る. この様 な カ ド ミウ ムの 傷害 作 用 を カ ル シ ウ ム結 合. 十 分 に考 え られ る.. 文 1). 三 浦 豊 彦,斉. 藤 一,狩. pp 787‑789,. 1974.. 2) Thienes,. 野 広 之,藤. 本 武,多. 献. 田 治 編,「. C. H. and Haley, T. L."Clinical. 新 労 働 衛 生 ハ ン ド ブ ッ ク」 労 働 科 学 研 究 所,東. Toxicology". Lea. & Febiger,. Philadelphia,. -188, 1972 3) Larsson, 4). S, E.. Utsumi, K. Acta.. 5) Chance,. ド ミウ ムの 毒性 作 用. and Piscator,. M., Isr, J. Med. Sci.. Med. Okayama,. B. and Williams,. 6). 菅 原 直 毅,菅. 原 千 枝 子,三. 7). 長 谷 川 亨,岡. 山 医 学 会 雑 誌,印. 8). 野 上 裕 作,長. 谷 川 亨,緒. G. R., Adv. in Enzymol.,. 宅 浩 次,産. 業 医 学,. 18, 474‑475,. 刷 中.. 方 正 名,産. , 7 , 495-498,. 1971. 17, 259-271, 1963.. 衛 講 演 集,. pp 433,. 1977.. 17, 65-134 1956 1976. 京,. pp187.

(5) 環 境 汚 染 物 質(重 金 属 な ど)の 生 体 膜 に対 す る作 用. The on Tohoru. mutual. rat. liver. effects. mitochondrial. HASEGAWA,. Department. of Cd2+. Yusaku. and. energy. transfer. NOGAMI. of Public Health, Okayama. ruthenium. and. 1505. red reaction. Masana. OGATA. University Medical School. The mutual effects of Cd2+ and ruthenium red on rat liver mitochondrial energy transfer reaction are described. In results, ruthenium red recovered the depression of the oxidative phosphorylation induced by Cd2+. Ruthenium red suppressed the K+ release induced by Cd2+. As the binding site of the Cd2+ have other than the binding site of ruthenium red, the site of ruthenium red is greatly related with the inhibitory effect of Cd2+ and this site is similar to the binding site of Ca 2+..

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