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わたしの好きな昔話( 14 )
(ちりめん本)
松岡 咲
きっと誰もが毎日目にするもの。お風呂場、
洗面所、玄関などあらゆる場所で。女性の方な ら、持ち歩いている方も多くいるもの。そんな 現代では一般化してありふれた「鏡」を題材と した昔話があります。落語の演目の一つでもあ り、くすりと笑えるこのお話、『松山鏡』。皆さ んはご存知でしょうか?以下くすりと笑えるあ らすじを載せます。
《むかしあるところに、毎日必ず死んだ両親 の墓参りに行く男がいた。この男、親孝行で あることを褒められ、褒美をもらうこととなっ た。褒美として貰ったものは「鏡」。この男の 住む松山村では、まだ鏡というものを知る人は 少なかった。当然男も鏡を見るのは初めて。男 は鏡を覗いて感激!なんとそこには死んだ父親 が映っているではないか!実は死んだ父親の顔 は男にそっくりで、男は鏡に映った自分の顔を 父親だと勘違いしたのだ。それから毎日、男は 朝夕鏡を覗いては父親に挨拶をしていた。だが、
そんな男の行動を男の妻は怪しく思った。ある 日、男の留守中に妻はこっそり鏡を取り出した。
そして驚く。「なんだこの女!」妻も「鏡」を 見たことがなかったので、鏡に映った自分の姿
を男の愛人だと勘違い。男が帰ってくると、妻 は男と大喧嘩。喧嘩をしていると、偶然通りか かった尼さんが仲裁してくれた。そして男とそ の妻から話を聞いた尼さん。じゃあ自分が見て みよう、と尼さんが鏡の中を見て一言。「お二 人さん、あんたたちが大喧嘩してるもんだから、
愛人の女、申し訳なく思ったみたいで、尼になっ て詫びているよ。」》
落語は日本が世界に誇る文化の一つです。わ たしは以前、英語を使って外国の方に日本の落 語を「英語落語」として伝えている方の講演を 聴いたことがあります。そこで、驚いたのが落 語に対する外国の方の反応です。落語を聴き終 えた人々の、割れんばかりの拍手。いつまでも 鳴り止まない歓声。この英語落語の例のように、
普段わたしたちが当たり前だと思っているもの が、他の国の方から見ると大変ユーモラスで心 掴まれるものである、という場合が多くありま す。日本の文化・歴史で溢れる町で外国語を学ぶ わたしたちなら、外国の方の心を掴む機会をたく さん得ることが出来るのではないでしょうか。
まつおか さき(英米語学科3年次生)
学生と図書館