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書 評
彌永史郎著『ポルトガル語動詞用法辞典』全 3 巻(西東舎刊)
京都外国語大学 名誉教授 川崎桃太
ラテン語を祖語とするロマンス語のひとつであるポルトガル語を履修する者はこの言語の複雑な動 詞の仕組みに辟易させられるに違いない。しかし言語の心臓部としての働きを担う動詞の構造をマス ターすることなしには、言語を学んだことにはならない。ポルトガル語の動詞は極めて多義的であり、
その使い方によって文の構造が左右されているのがわかる。したがって文章を正確に理解するために は、使われている動詞の構造を見誤らずに把握しその意味を見極める必要がある。
この度、彌永教授*により公にされた『ポルトガル語動詞用法辞典』は文章ごとに変化する動詞の動 きを察知して、その意味を的確に捉えることのできる貴重な辞典である。全約1,100ページのこの辞典 に収録されている3,400語の動詞はリスボン大学言語研究所で編集された2万6千語の現代ポルトガル語 の重要語彙から選び出されたものである。
本書では文の構造をわかりやすい記号と表示方法に従って示している。記号表示に慣れるまでは戸 惑いもあり時間を要するかもしれぬが、斬新な訳文を通じて範例文の的確な意味を理解する上で貴重 な辞典であることは言うまでもない。この種の辞典が出版されたのは我が国では初めてのことであり、
日本におけるポルトガル語学習者、研究者にとってまたとない朗報であることは間違いない。
*いやなが しろう (教授 ポルトガル語学・文学)
かわさき ももた (ポルトガル語学)
書 評