我 が 国 少 年 法 制 に お け る 非 刑 罰 的 措 置 に つ い て
廣 瀬 健 二
は じ め に 一 日本 の少 年法 制の 特徴 二 少年 事件 の捜 査・ 送致 手続 三 児童 福祉 法上 の措 置 四 簡 易 送 致 五 家庭 裁判 所に おけ る非 刑罰 的措 置 六 刑事 手続 から の移 送︵ 五五 条移 送︶ 七 犯罪 少年 以外 の者 に対 する 措置 お わ り に は
じ め に 本稿 は、 平成 一九 年五 月、 大韓 民国 ソウ ル市 にお いて 行わ れた 国際 学術 セミ ナー
︵同 国警 察庁 主催
・英
、米
、日
、
韓参 加︶ にお いて
、同 国の 少年 法関 係の 改正 を検 討す る﹁ 少年 犯善 導﹂ とい うテ ーマ に関 して
、私 が我 が国 の少 年 法制 を概 括的 に紹 介し たう え、 この 点に 関す る実 情を 報告 した もの に若 干加 筆し
、そ の後 の改 正等 を補 正し たも の であ る。 この 報告 内容 は、 我が 国に おい ても
、重 要な テー マと なり 得る もの であ るの で、 これ をま とめ て発 表し て おく こと にも 意義 があ ると 思わ れる
。 犯罪 者に 対す る刑 罰以 外の 措置 によ る対 応︵ 非刑 罰的 な措 置︶ につ いて は、 欧米 先進 諸国 を中 心に ダイ バー ジョ ン等 とし て、 近時 注目 を集 めて いる とこ ろで ある
。少 年事 件に おい ては
、ま ず保 護教 育的 な観 点か ら、 問題 の少 な い少 年は 早期 に手 続か ら解 放し
、自 力に よる 立ち 直り を期 する こと が本 人の 改善
・更 生の ため に有 効と 考え られ る。 また
、家 庭裁 判所 の組 織・ 人員 は限 られ てい るが その 扱う べき 少年 事件 は膨 大な 数に のぼ るた め、 その うち
、 問題 点が 多い 少年
、早 急な 対応 が必 要と され る少 年な ど、 重点 的な 対応 が必 要な 事件 に対 する 適切 な対 応を 確保 す るた め、 軽微 な事 件や 問題 の少 ない 事件 につ いて はそ の問 題性 に即 した 弾力 的な 処理 を行 うと いう 側面 もあ る。 この よう な措 置に つい ては
、大 韓民 国を 始め
、検 察官 先議 制が 採ら れて いる 諸国 にお いて は、 警察
・検 察等 にお ける 対応 が重 要な 問題 とな り得 る。 しか し、 我が 国の 少年 法制 にお いて は、 後述 する とお り、 全件 送致 主義 の下
、 家庭 裁判 所が 事件
・手 続の 選別
・処 分決 定に おい て中 心的 役割 を果 たし てい るた め、 この 点に 関す る警 察・ 検察 等 の捜 査機 関の 裁量 的な 権限 行使 は、 非常 に限 定さ れて おり
、諸 外国 とは 相当 に事 情が 異な って いる こと に留 意す べ きで ある
。そ こで まず
、我 が国 の少 年法 制の 概要 を簡 潔に 紹介 した うえ
、関 連す る点 を中 心に 概説 して おく こと と する
。
一 日本 の少 年法 制の 特徴
ઃ
保護 教育 主義 可塑 性に 富み、教 育可 能性 の高 い少 年に 対し ては
、刑 罰・ 制裁 より も、 その 犯罪 を犯 した 原因
・問 題性 に最 も相 応し い処 分を 行う こと によ って その 立ち 直り を図 る方 が有 効で ある こと が、 諸外 国の 刑罰 制度 の歴 史︵ 厳罰 政策 失 敗の 歴史
︶か ら実 証さ れ、 刑事 法研 究者 の間 では 共通 理解 とな って いる
。こ のよ うな 観点 から
、少 年に 対す る保 護 教育 的な 処分
・対 応を 刑罰 より も重 視す る立 場が 保護 教育 主義 であ り、 近代 国家 の少 年法 制に おい ては
、程 度の 差 こそ あれ
、そ の基 本原 則の 一つ とさ れて いる
。こ の点
、我 が国 にお いて は、 少年 法一 条の 目的 規定 によ って
﹁少 年 の健 全な 育成 を期
﹂す こと が宣 言さ れて いる うえ
、実 務の 運用 にお いて も、 後述 する よう に、 この 原則 が相 当に 重 視さ れて いる
。
少年 に対 する 手続 犯罪 や問 題行 動の ある 少年 に対 する 手続 とし て、 我が 国で は刑 事訴 訟法 によ る刑 事裁 判手 続、 少年 法に よる 少年 保護 手続 のほ か、 児童 福祉 法に よる 児童 福祉 手続 が設 けら れて いる。そ して
、こ の三 者は それ ぞれ 独立 の手 続と し て鼎 立的 に設 けら れて おり
、一 四歳 未満 の少 年に つい ては 児童 福祉 手続 が優 先さ れる ほか は、 どの 手続 で扱 うか の 手続 選択 を含 め、 家庭 裁判 所が
、全 般に わた って 中心 的な 役割 を果 たし てい る。 なお
、一 四歳 未満 の者 でも 殺人 等 の重 大な 触法 行為 を行 った 者に つい ては
、児 童相 談所 から 家庭 裁判 所へ の送 致を 原則 とす るこ と︵ 少年 法六 条の 六、 同条 の七
。以 下、 少年 法は 条数 のみ で表 記す る。
︶に 平成 一九 年の 法改 正︵ 平成 一九 年改 正。 以下 同様 に﹁
○○ 年改 正﹂ と略 記︶ が行 われ たが
、児 童福 祉機 関に よる 調査 及び その 調査 結果 によ り児 童福 祉機 関で の処 理も 認め られ てい る
ので
、原 則自 体は 維持 され
( )( )
てい る。
અ
家庭 裁判 所 少年 事件 と家 事事 件だ けを 専門 的に 扱う 独立 した 裁判 所と して 家庭 裁判 所が 設け られ てい る︵ 平成 一六 年以 降人 事訴 訟事 件も 担当。︶ 家庭 裁判 所は
、民 事・ 刑事 の訴 訟事 件を 扱う 地方 裁判 所と 同数 設置 され
︵そ のう ち、 半数 以上 が 独立 した 専用 庁舎 を持 ち、 地方 裁判 所等 との 合同 庁舎 の場 合で も専 用部 分を 持っ てお り、 法廷
、審 判廷 等も 専用 のも のを 使 用し てい る。
、︶ 民事
・刑 事事 件を 扱う のと 同じ 資格 の裁 判官
・裁 判所 書記 官︵ 以下
、書 記官 と略 称︶
・裁 判所 事務 官 等の 専任 の職 員を 擁し てい る。 また
、保 護教 育主 義の 実現 のた めに
、家 庭裁 判所 には 家庭 裁判 所調 査官
︵以 下、 調 査官 と略 称︶ が配 置さ れて いる
。調 査官 は、 大学
、大 学院 等で 心理 学、 教育 学、 社会 福祉 学等 を専 門的 に学 んだ う え、 高度 な国 家試 験に 合格 した 後、 最高 裁判 所の 職員 総合 研修 所で 二年 間専 門的 な研 修を 経た 臨床 実務 家で あり
、 非行 のメ カニ ズム
、親 子関 係や 少年 の隠 され た問 題点 等を 解明 し、 人間 関係 を調 整す るこ とな どに おい てそ の専 門 性を 発揮 して いる
。前 述の よう に、 少年 事件 の処 理に おい て、 家庭 裁判 所は 中心 的な 役割 を果 たし
、事 件を 扱う 手 続の 選別 を通 じて
、少 年に 対す る刑 罰と それ 以外 の処 分の 選別 も行 って いる
。そ して
、家 庭裁 判所 の役 割を 実効 的 に保 障す るた め、 少年 事件 を捜 査し た捜 査機 関︵ 警察
、検 察官 等︶ は、 その 犯罪 事実 の嫌 疑が 認め られ る限 り、 家 庭裁 判所 への 事件 送致 が義 務付 けら れて いる
︵全 件送 致主 義、 家庭 裁判 所先 議主 義︶
。こ の結 果、 少年 犯罪 者の 更生 を図 るた めの 非刑 罰的 措置 につ いて も、 その ほと んど が家 庭裁 判所 にお いて 行わ れる こと にな る。 もっ とも
、例 外 的な 運用 も認 めら れて おり
、警 察に おい ては
、事 件捜 査の 前段 階に おい て犯 罪予 防活 動︵ 少年 補導
︶も 行っ てい る ので
、こ れら につ いて も後 に触 れる こと とす る。 以下
、手 続の 流れ に即 して
、捜 査、 調査
、審 判、 処遇 選択 等の 順 で概 説す る。
( ) 平成 一九 年改 正に つい ては
、廣 瀬健 二﹁ 改正 少年 法成 立の 意義 と課 題﹂ 刑事 法ジ ャー ナル 一〇 号︵ 平成 二〇
︶二 頁以 下、 田宮 裕
=廣 瀬健 二
﹃注 釈少 年法
︵第 版
︶﹄ 二三 頁、 一〇 二頁 以下 参照
。 ( ) 児童 福祉 手続
、刑 事手 続い ずれ とも 少年 保護 手続 は相 互の 事件 送致 によ って つな がっ てい る形 にな って いる が、 いず れも 送致 の率 が極 めて 低い ため 実質 的に は事 件の 処理 上の 有機 的な 連携 がな され てい ると はい い難 い。
二 少年 事件 の捜 査・ 送致 手続 捜査 に関 して は、 少年 事件 につ いて も、 刑事 訴訟 法に 基づ いて 成人 の刑 事事 件の 場合 と同 様な 権限 が捜 査機 関
︵警 察、 検察
︶に 認め られ てお り︵ 四一 条に よる 刑事 訴訟 法の 準用
︶、 少年 の場 合、 その 身柄 の拘 束が 規定
・運 用上
、 制限 され るこ と︵ 四三 条三 項・ 四八 条︶
、成 人と の取 扱い の分 離が 要求 され てい るこ と︵ 四九 条︶ のほ かに は、 捜査 手続 上、 成人 と少 年で 大き な違 いは なく
、年 少者 につ いて は、 捜査 機関 によ る取 調の 際に
、保 護者 等を 立ち 会わ せ るな どの 配慮 が運 用上 なさ れて いる だけ であ った
。な お、 触法 少年 につ いて は、 刑事 未成 年︵ 刑法 四一 条︶ であ る ため 犯罪 行為 とな らな いこ とか ら、 刑事 訴訟 法上 の捜 査権 限が 認め られ てお らず
、警 察に よる 任意 の調 査の みが 行 われ
、証 拠収 集や 真相 解明 上の 支障 も指 摘さ れて いた
。こ の点 につ いて
、平 成一 九年 改正 によ って
、触 法少 年に 対 する 警察 の強 制処 分も 含む 調査 権限 が付 与さ れる とと もに
、そ の調 査の 際、 少年 の情 操保 護へ の配 慮、 心理 学等 の 専門 性の ある 職員 の関 与、 弁護 士付 添人 の選 任権 等の 規定 が創 設さ れ、 調査 の目 的が 事案 の真 相解 明に よっ て少 年 の健 全な 育成 のた めの 措置 に資 する こと であ るこ とが 明記 され た︵ 六条 の二 ない
( )
し五
。︶ 被疑 者が 成人 であ る場 合に は、 検察 官が 起訴 の権 限を 独占 し︵ 国家 訴追 主義
・刑 事訴 訟法 二四 七条
︶、 しか も、 情 状も 含め て考 慮し て、 起訴
・不 起訴 を決 定す る権 限が 認め られ てお り︵ 起訴 便宜 主義
・刑 事訴 訟法 二四 八条
︶、 現に 軽微 な犯 罪や 証拠 上問 題の ある もの など は起 訴猶 予処 分と して 起訴 事実 を重 要な 事件 に絞 り込 むこ とが 多い
︵起 訴
猶予 率五 八・ 三%
、平 成一 九年
︶。 この ため
、警 察︵ 司法 警察 員︶ にお いて 犯罪 事件 の捜 査を 遂げ
、そ の嫌 疑が 認め ら れた 場合
、原 則と して 検察 官に 事件 を送 致す るこ とが 義務 付け られ てい る︵ 刑事 訴訟 法二 四六 条本 文︶
。た だし
、一 定の 軽微 な事 件に つい ては
、警 察限 りで 事件 を終 局す る微 罪処 分が 認め られ てい る︵ 同条 但書
︶。 これ に対 し、 被疑 者が 少年 の場 合に は、 前述 のよ うに
、手 続の 選別 も含 めて 処分 決定 を家 庭裁 判所 が一 手に 行う ので
、警 察が 捜査 を遂 げて 犯罪 の嫌 疑が 認め られ る場 合、 罰金 以下 の軽 微な 事件 につ いて は直 接、 それ 以外 の事 件 は検 察官 を経 由し て、 家庭 裁判 所に すべ ての 事件 が送 致さ れる こと とな って いる
︵四 一条
、四 二条
。全 件送 致主 義、 家裁 先議 主義
。︶ この よう に、 全件 送致 主義 は、 少年 には 可塑 性が ある
︵教 育可 能性 が高 い︶ ので
、年 齢・ 罪名 等に 関わ りな く、 全事 件を まず 専門 性の ある 家庭 裁判 所に 取り 扱わ せ、 少年 の問 題点 の早 期発 見・ 適切 な対 応の 確保 を 図ろ うと する もの であ る。 この よう に、 この 制度 によ って 少年 に対 する 保護 優先 的な 運用 が担 保さ れて おり
、我 が 国少 年法 制の 要を なす もの とい うべ きで ある
。も っと も、 少年 事件 につ いて も、 例外 的な 措置 とし て、 簡易 送致 が 認め られ てい る。 この 点に つい ては
、今 回の テー マと 関連 する と思 われ るの で四 節で 詳し く説 明す るこ とと する
。
( ) 詳細 につ いて は、 廣瀬
・前 掲注
︵
︶三 頁。 田宮
=廣 瀬・ 前掲 注︵ ︶ 九二 頁以 下参 照。
三 児童 福祉 法上 の措 置 前述 のよ うに
、一 四歳 未満 の少 年に つい ては 児童 福祉 機関 が、 一四 歳以 上の 少年 につ いて は家 庭裁 判所 が、 それ ぞれ 手続 の選 択を 第一 次的 に行 って いる
。し かし
、家 庭裁 判所 で受 理し た犯 罪少 年の 事件 につ いて も、 その 調査
・ 審判 の結 果、 非行 性が 進ん でお らず 保護 環境 の問 題が 大き い場 合な ど、 福祉 的な 措置 が相 当と 判断 され た場 合に
は、 児童 相談 所長 に事 件を 送致 し、 福祉 的な 措置 で対 応す るこ とも 認め られ てい る︵ 一八 条︶
。 四 簡 易 送 致 軽微 な事 件に つい ての 事件 送致 の運 用上 の特 例で ある
。少 年の 要保 護性 が乏 しい 事件 につ いて は、 少年 自身 の自 覚、 家庭
・学 校等 の保 護に よる 立ち 直り が期 待で きる 場合 が多 いこ と、 要保 護性 が低 く再 犯の おそ れが 少な い少 年 は早 期に 手続 的負 担か ら解 放し てよ いこ と、 極め て軽 微な 事件 につ いて まで 厳格 な方 式に 従っ た送 致を 要求 する こ とは 警察 官の 事件 送致 意欲 を低 下さ せる おそ れが ある こと
、家 庭裁 判所 にお いて も問 題の 多い 事件 に労 力を 集中 的 に投 入で きる よう にす る重 点的 な事 件処 理の 必要 性な どが この よう な運 用を 認め る論 拠と され て
( )
いる
。こ れは 法律 の規 定に はな いが
、家 庭裁 判所
︵最 高裁 判所 家庭 局︶
、検 察庁
︵最 高検 察庁
、︶ 警察
︵国 家地 方警 察本 部、 昭和 四四 年以 降は 警察 庁︶ の協 議を 経て 昭和 二五 年か ら通 達に 依拠 して 実施 され てい る︵ 昭和 四四 年、 平成 一七 年各 改正
︶。 簡易 送致 の概 要は
、警 察が 捜査 した 少年 事件 につ いて その 事実 が極 めて 軽微 であ り、 犯罪 の原 因及 び動 機、 当該 少年 の性 格、 行状
、家 庭の 状況 及び 環境 等か らみ て再 犯の おそ れが なく
、刑 事処 分又 は保 護処 分を 必要 とし ない と 明ら かに 認め られ る事 件に つい て、 警察 官が 少年 や関 係人 に訓 戒・ 注意 等を 加え たう え、 被疑 少年 ごと に犯 罪事 実、 発覚 の端 緒、 犯罪 の動 機、 事後 の状 況、 警察 のと った 措置 等を 記載 した 少年 事件 簡易 送致 書で 検察 官又 は家 庭 裁判 所に 毎月 一括 して 送致 され る︵ 平成 一七 年の 運用 改正 で身 上調 査書 のほ か、 捜査 の状 況に 応じ
、少 年の 供述 調書
、そ の他 の捜 査関 係書 類が 添付 され る︶
。家 庭裁 判所 は、 必要 に応 じて
、検 察官 又は 司法 警察 員に 関係 書類 の追 送や 補充 捜査 を求 める こと がで きる ので
、全 件送 致主 義自 体は 維持 され てい ると い
( )
える
。 簡易 送致 の基 準と して は、
①罪 種と して 窃盗
、詐 欺、 横領
、盗 品等 に関 する 罪、 その 他長 期三 年以 下の 懲役
・禁 錮、 罰金
、拘 留、 科料 に当 たる 罪、
②被 害等 の程 度が おお むね 一万 円以 下の もの
、そ の他 法益 侵害 の程 度が 極め て
軽微 なも のが 挙げ られ
、除 外さ れる もの とし て、 凶器 使用 事件
、被 疑事 実が 二つ 以上 ある もの
、家 庭裁 判所 への 過 去二 年以 内の 送致
・通 告歴 があ るも の、 否認 事件
、告 訴・ 告発 され た事 件、 権利 者に 返還 でき ない 証拠 物が ある も のが 挙げ られ て
( )
いる
。平 成一 七年 の通 達改 正に より 除外 され る罪 種か ら恐 喝、 傷害 が外 され
、被 害金 額が 引き 上げ られ
︵五
〇〇
〇円 から 一万 円︶ てお り、 人身 被害 をよ り重 視す る運 用と なっ てい る︵ 改正 前は 全治 一〇 日以 内は 簡易 送 致可
。︶ 微罪 処分 が検 察官 への 事後 報告 だけ で事 件送 致し ない のに 対し て、 簡易 送致 は全 件家 庭裁 判所 に送 致さ れる 点が 異な って いる
。家 庭裁 判所 にお いて は、 書記 官が 簡易 送致 の要 件に 該当 する か否 かを 確認 し、 裁判 官が 記録 の内 容 を検 討す るの が通 例で あり
、特 に問 題が 認め られ なけ れば 一括 して 審判 不開 始決 定で 事件 はそ のま ま終 局す る。 し たが って
、軽 微な 事案 で少 年本 人や 保護 環境 など に特 に問 題が 認め られ ない 事件 では
、簡 易送 致は 警察 によ る働 き かけ で少 年を 手続 から 解放 する とい う実 質的 な機 能を 有し てい ると いっ てよ い。 そこ で、 微罪 処分 では 被害 者や 社 会に 対す る関 係で 犯行 の軽 微性 が重 視さ れる のに 対し
、簡 易送 致は 少年 の要 保護 性に 問題 のな い場 合に 許容 され る べき もの とさ れ、 簡易 送致 では 非行 の態 様だ けで なく
、動 機、 経緯
、少 年の 性格 など が重 要と され て
( )
いる
。前 記の 簡易 送致 の書 式で も動 機や 事後 の状 況︵ 本人 の自 白・ 反省
、保 護者 の善 導約 束︶
、警 察の とっ た措 置︵ 少年 への 訓戒
・ 指導
、関 係者 への 働き かけ 等︶ が記 載事 項と され てい る。 さら に、 問題 のあ る少 年に 対し 適機 に最 適な 処遇 をし てそ の立 ち直 りを 図る とい う全 件送 致主 義の 趣旨 を没 却し ない よう に、 簡易 送致 事件 につ いて も、 家庭 裁判 所は
、非 行 事実 の表 面に 顕れ ない 非行 性を 検討 する 運用 を心 がけ るべ きで ある こと が指 摘さ れて
( )
いる
。 なお
、簡 易送 致さ れる 事件 は、 一般 事件
︵交 通関 係事 件を 除い たも の︶ の三 九・ 七%
︵平 成一 九年
︶と なっ てお り、 少年 事件 処理 のう えで 重要 な機 能を 果た して いる
。
( ) 田宮
=廣 瀬・ 前掲 注︵ ︶ 二〇
〇頁
、四 一九 頁。 ( ) 田宮
=廣 瀬・ 前掲 注︵ ︶ 四一 九頁
、二
〇一 頁。 ( ) 詳細 につ いて は、 最高 裁家 庭局
﹁簡 易送 致事 件の 処理 につ いて
﹂家 裁月 報五 七巻 一〇 号︵ 平成 一七 年︶ 一五 五頁 以下 参照
。 ( ) 虞犯 は対 象外 とさ れ、 窃盗 でも 犯行 態様 の悪 質な もの
︵侵 入盗
、ひ った くり
、す り︶
、自 動車 窃盗 など も運 用上 原則 とし て除 外さ れ、 性的 動機 によ るも のや バイ ク盗
、中 学生 の深 夜の 非行
、非 行歴 が悪 質で ある もの など につ いて は除 外が 検討 され るこ とと なっ てい る。 最高 裁家 庭 局・ 前掲 注︵ ︶ 一六 四頁 参照
。 ( ) 最高 裁家 庭局
・前 掲注
︵
︶一 五八 頁、 一六 八頁 参照
。
五 家庭 裁判 所に おけ る非 刑罰 的措 置
ઃ
家庭 裁判 所受 理後 の少 年事 件に 対す る手 続の 概要 家庭 裁判 所で 受理 され た少 年事 件は、調 査を 経て 審判 が行 われ るこ とが 予定 され てい る︵ 八条
・二 一条
・二 二 条︶
。調 査に は法 的調 査と 社会 調査 があ る。 法的 調査 につ いて は、 少年 事件 の場 合、 犯罪 事実 等を 認め てい る自 白 事件 が多 いた め、 大半 の事 件で は、 裁判 官は
、送 致さ れた 事件 の記 録を 検討 する だけ で相 当な 嫌疑 を認 める こと が でき る。 そこ で、 その 段階 で調 査官 に社 会調 査を 命じ る︵ 七条
︶。 この 際、 身柄 が拘 束さ れて いな い少 年︵ 在宅 事 件︶ につ いて は、 少年 鑑別 所へ 収容 して
︵身 柄事 件・ 一七 条一 項二 号︶ 調査
・審 判す るか どう かに つい ても 検討 され る。
調査 段階 にお ける 保護 的措 置⑴ 社 会 調 査 社会 調査 は、 調査 官が 担当 する
︵七 条・ 九条
。︶ 調査 の方 法・ 内容 には
、簡 易な もの から 濃密 なも のま で相 当に 幅
があ る。 これ は、 膨大 な少 年事 件︵ 年間 受理 一九 万四 六五
〇件
・平 成一 九年
。同 年の 地裁 受理 の刑 事事 件九 万七 八二 八件 の約 二倍 の︶ うち 問題 の多 いも のに 力を 注げ るよ うに
、事 件の 軽重
・少 年の 問題 性に 応じ て対 処し てい るた めで あ る。 具体 的に は、 安価 な商 品の 万引 など
、軽 微で 一過 性の 非行 とし て、 調査 官の 面接 も省 略さ れる もの から
、重 大 事件
、問 題が 窺え る事 件な どで 少年 を少 年鑑 別所 に相 当期 間収 容し て精 密な 心身 鑑別 を行 うと とも に、 複数 の調 査 官が 関与 して 多角 的に 調査 を行 い、 協議 しな がら 慎重 に検 討す る︵ 共同 調査 も︶ のま でが ある
。少 年に よっ ては
、 行っ た犯 罪自 体は 軽微 でも その 問題 性が 大き い場 合も あり 得る ので
、少 年に 表面 に顕 れて いな い問 題点 がな いの か 見極 める こと が重 要と なる
。こ のた め、 多く の家 庭裁 判所 では
、実 務経 験の 豊富 な調 査官 が事 件の 受理 段階 で事 件 の選 別︵ 受理 選別
・イ ンテ ーク
︶を 行い
、そ の選 別に した がっ て調 査を 実行 し、 その 過程 で問 題点 が発 見さ れれ ば、 さら に、 掘り 下げ た調 査が 行わ れる とい う運 用が なさ れて いる
。 調査 官は
、前 述の よう に、 調査 命令 を受 ける と、 必要 に応 じて 裁判 官と 打合 せを しな がら 調査 を行 い、 その 結果 をま とめ たう えで 分析 検討 し、 少年 の処 分に つい ての 意見
︵処 遇意 見︶ を付 した 調査 報告 書︵ 少年 調査 票︶ を作 成し 裁判 官に 提出 する
。具 体的 な調 査方 法と して は、 事件 記録 を検 討し て事 件の 経緯
、内 容の 概要 を把 握し たう え、 被 害者 等の 関係 者・ 関係 機関 への 書面 照会
︵場 合に より 面接
︶、 保護 者・ 少年 との 面接
、関 係者 の事 情聴 取・ 家庭 訪問 等の 出張 調査
、保 護者 以外 の監 督者
︵学 校、 雇い 主、 親戚 等︶ との 面接
、少 年に 対す る心 理テ スト など も必 要に 応 じて 行う のが 通例 であ る。 身柄 事件 では
、さ らに 少年 鑑別 所が 行っ た少 年の 心理 テス ト・ 行動 観察 の結 果及 びそ の 総合 的な 分析 等が 鑑別 結果 通知 書と して 提出 され るの で、 これ らも 併せ て分 析し 判断 を加 える
。こ のう ち調 査活 動 の中 心と なる もの は、 少年
・保 護者 たち との 面接 調査 で少 年ら と信 頼関 係を 創り なが ら少 年や 保護 者︵ 父母 等︶ の 性格
、親 子関 係、 交遊 関係 等を 把握
・検 討し
、そ の何 処に どの 様な 問題 があ るか を究 明す る。 裁判 官は 事件 の記 録 と調 査報 告書 を検 討し 必要 に応 じて 調査 官と 打合 せ︵ ケー ス・ カン ファ レン ス︶ を行 って 少年 の問 題点 等を 把握 して
審判 を開 くか 否か
、開 く場 合は その 方針 を定 める が、 さら に、 必要 とす る調 査を 命じ る場 合も ある
。
⑵ 審判 不開 始決 定 可塑 性の ある 少年 は、 自ら 非行 の意 味や 自分 の問 題点 に気 付い たり
、保 護者 や学 校な どの 指導 を受 けて
、自 力で 立ち 直る こと がで きる 場合 も多 い。 また
、調 査官 の面 接調 査等 の過 程で 少年 や保 護者 らが その 問題 点に 気付 いて 立 ち直 る見 通し が立 つ場 合も ある
。こ のよ うな 場合
、審 判を 開く 必要 がな けれ ば審 判不 開始 決定 をし て事 件を 終局 さ せ、 少年 は手 続か ら解 放さ れる
︵一 九条 一項
︶。 審判 不開 始と され るも のに は、 事案 が軽 微な もの
、要 保護 性に 問題 がな いも のな どが ある
。実 際に は、 審判 不開 始と なる 少年 が終 局処 理人 員全 体の 大き な部 分を 占め てい る︵ 一般 事件 で四 七・ 九%
、平 成一 九年
。そ のう ち率 が高 い 罪は
、遺 失物 横領
、軽 犯罪 法違 反、 失火
、盗 品譲 受け
、住 居侵 入等 であ る。
。︶ その 大半 の事 件で は、 調査 官が 少年 や保 護者 等に 面接 をし て問 題点 を指 摘し
、少 年や 保護 者か ら誓 約書 をと った り、 反省 文を 書か せる など の保 護的 な措 置 が行 われ てお り︵ 八六
・五
%・ 平成 一九 年︶
、少 年を 放置 する もの では ない
。
⑶ 審判 不開 始以 外の 調査 段階 の終 局 調査 の結 果、 処分 の必 要性 はあ るが
、保 護処 分よ りも 児童 福祉 的な 措置 が適 切だ と思 われ る少 年に は、 前述 の児 童相 談所 長等 送致
︵一 八条
、︶ 刑事 処分 の方 が相 当だ と思 われ る少 年に は検 察官 送致
︵二
〇条 が︶ なさ れる こと もあ る。 検察 官送 致に つい ては
、後 述す る。
અ
審判 段階 にお ける 保護 的措 置
⑴ 審判 手続 の概 要 調査 の結 果、 審判 を開 く必 要が 認め られ ると
、裁 判官 が審 判で 少年
、保 護者 等か ら直 接事 情を 聴い たう えで 処分
を決 定す る︵ 二一 条以 下︶
。 まず
、少 年審 判手 続の 概略 を説 明す る。 審判 は、 家庭 裁判 所内 の審 判廷 とい う専 用の 部屋
︵法 廷と 異な る小 さな 部屋 で法 壇の 段差 もな い場 合が 多い
︶で 行わ れる
。刑 事事 件と 異な り、 場合 によ って は少 年院
、少 年鑑 別所
、少 年を 預け てい る補 導委 託先 など での 出張 審判 もで きる が、 これ は例 外で 合理 的な 理由 がな けれ ば少 年鑑 別所 等で 行う の は適 正な 審判 の観 点か ら好 まし くな いと され てい る。 犯罪 事実 が一 応認 めら れて 審判 を開 く場 合に は、 裁判 官が 審判 期日 を指 定し
、少 年・ 保護 者等 の関 係者 を審 判廷 に呼 び出 す︵ 二一 条、 少年 審判 規則
︵以 下﹁ 規則
﹂と 略記
︶二 五条
。︶ 審判 には
、裁 判所 側か ら裁 判官
、書 記官
、調 査 官が 出席 する こと が原 則と され てい るが
︵規 則二 八条 一項
・二 項︶
、調 査官 は非 常に 多数 の事 件を 担当 して いる た め、 在宅 事件 では 特に 必要 性が ある 事件 にし か出 席で きな いの が現 状で ある
。少 年本 人に は出 頭義 務が あり
、出 頭 しな けれ ば審 判を 行う こと がで きな い︵ 規則 二八 条三 項︶
。保 護者 及び 付添 人に は出 頭す る権 利は ある が、 不出 頭で も審 判を 開く こと はで きる
︵規 則二 八条 四項
。︶ 裁判 所が 適切 と認 めた 場合
、親 族、 教員
、雇 主、 保護 司、 保護 観察 官、 児童 福祉 司等 の出 席を 許す こと がで きる
︵規 則二 九条
。︶ この 規定 は、 監護 の担 当者
、少 年の こと を良 く知 って いる 者に
、そ れま での 状況 を尋 ね、 ある いは
、今 後の 監督 意欲
・監 護の 状況 等を 確認 する ため のも ので ある
。 審判 の概 略的 な流 れは
、裁 判官 が、 少年 の氏 名・ 年齢
・住 居等 を確 認︵ 人定 質問 し︶ たう えで 犯罪 事実 の審 理を 行う
。そ の審 理は
、先 ずそ の犯 罪事 実を 少年 に告 知し て、 認否 を聴 き、 争い があ れば
、証 人の 尋問 など 必要 な証 拠 調べ を行 う。 裁判 官は
、証 拠上
、犯 罪事 実を 認め るこ とが でき る場 合、 引き 続い て要 保護 性の 審理 を行 う。 審判 の 過程 では
、少 年、 保護 者、 関係 者な どに 質問 し、 ある いは
、そ の意 見を 述べ させ
、最 後に 調査 官の 意見 を聴 いて 最 終の 決定 を告 知す ると いう もの であ る。
⑵ 審判 の運 営原 則
審判 の運 営全 般に 保護
・教 育的 な配 慮が 要請 され てい る。
﹁審 判は
、懇 切を 旨と し和 やか に行 わな けれ ばな らな い﹂ との 規定 に、 平成 一二 年改 正で
﹁非 行の ある 少年 に対 し自 己の 非行 につ いて 内省 を促 すも の﹂ とす るこ とが 付 加さ れた が︵ 二二 条一 項︶
、従 前も 少年 に対 して は、 愛情 を持 った 厳し さで 対処 し、 その 年齢 や理 解力 に応 じて 分か り易 くで きる だけ 発言 し易 いよ うに 手続 を進 め、 教育 的な 効果 をあ げて いく
、少 年・ 保護 者に 対し 非行 の反 社会 性・ 反道 徳性
・事 件の 重大 性等 につ いて 十分 に説 明し
、そ の生 活態 度・ 考え 方・ 性格
・行 動傾 向の 問題 点な どを 的 確に 指摘 して 反省 を求 めそ の責 任の 自覚
・更 生の 意欲 を喚 起す ると いっ た運 用が なさ れて いる ので
、運 用上 大き な 変化 は生 じて いな いと 思わ れる
。 審判 は非 公開 とさ れて いる
︵非 公開 の原 則。 二二 条二 項︶
。こ れは
、少 年の 情操 を保 護し 健全 な育 成を 図る ため
、 少年 を公 衆の 晒し 者に せず
、で きる だけ 烙印 を押 さな い様 に配 慮し
、立 ち直 りの 障害 とな るこ とを 防ぐ とと もに
、 親子 関係 や家 庭内 の問 題な ど人 前で は述 べに くい 事情 を話 し易 くし て真 実を 発見 する とい う趣 旨に よる もの であ る。 前述 のよ うに
、審 判に 裁量 的に 関係 者を 立ち 会わ せる 場合 でも
、少 年が 話し にく い時 には その 者を 退席 させ る こと がで きる
。親 子で も必 要が あれ ば父 母・ 少年 それ ぞれ 別々 に席 を外 させ るこ とも ある
︵規 則三 一条 一項
。︶ 個別 審理 が原 則と され てい るが
、特 に、 要保 護性 の審 理は
、少 年の 個人 的な 事柄 が多 く出 てく るの で共 犯少 年で あっ ても 併合 審理 はほ とん ど行 われ てい ない
。
⑶ 不処 分決 定 比較 的軽 微な 事件 では
、審 判の 教育 的な 効果 も考 えあ わせ ると
、少 年や 保護 者が 自覚 を深 め、 学校 等の 監督 の下 で自 力で 立ち 直れ る見 通し が立 ち、 保護 処分 に付 すま での 必要 性が 認め られ ない 場合 も多 い。 この よう な場 合に は、 不処 分決 定が なさ れ、 少年 は手 続か ら解 放さ れる
︵二 三条 二項
。一 般事 件の 不処 分の 比率 は二
〇・ 三%
・平 成一 九 年。 その うち 率が 高い 罪は
、毒 物及 び劇 物取 締法 違反
︵シ ンナ ー吸 引︶
、暴 力行 為等 処罰 に関 する 法律 違反
、風 営法 違反
、
暴行
、傷 害、 公務 執行 妨害 等で ある
。︶
。不 処分 決定 がな され る場 合、 審判 にお いて は、 裁判 官に よる 少年
・保 護者 へ の訓 戒・ 説諭
、誓 約書 聴取 など の保 護的 措置 が行 われ てい る︵ 保護 的措 置実 施率 八六
・六
%・ 平成 一九 年︶
。さ らに 不 処分 決定 で終 局す る事 件の 中に は、 後述 する 試験 観察 を経 てい るも のも ある
。少 年に 対し て処 分の 必要 が認 めら れ る場 合に は、 犯罪 の内 容・ 性質 や少 年の 問題 性の 程度
︵要 保護 性︶ に応 じて
、後 述す る処 遇決 定が なさ れる
。 なお
、犯 罪事 実が 認め られ ない 場合 には
、刑 事裁 判の 無罪 に相 当す る審 判不 開始 決定
、不 処分 決定 が行 われ る が、 その 比率 は非 常に 低い
︵非 行な しを 理由 とす る審 判不 開始
・不 処分 は、 審判 不開 始・ 不処 分の 一% に満 たな い。 平成 一九 年︶
。
⑷ 試 験 観 察 調査
・審 判を 行っ ても
、少 年の 処分 を最 終的 に決 める ため の資 料が 不足 して いる 場合 には
、あ る程 度の 期間
、調 査官 に少 年の 様子 を見 極め させ て結 論を 出す ため
、少 年を その 試験 観察 に付 すこ とが でき る︵ 二五 条一 項︶
。試 験観 察に おい て、 調査 官は
、少 年や 保護 者の 行動 を観 察す るだ けで はな く、 遵守 事項 を定 めて その 履行 を命 じる こと
、 条件 を付 けて 保護 者に 引き 渡す こと
︵二 五条 二項 一号
・二 号︶ のほ か、 少年 や保 護者 に指 示、 助言 等を 与え て立 ち 直ら せる 場合 もあ る。 さら に試 験観 察と 併せ て篤 志家 個人 や適 切な 団体 に少 年を 預け てそ の更 生を 図る 補導 委託 も 行う こと がで きる
︵二 五条 二項 三号
。︶ この 場合 には
、調 査官 が委 託先 と連 携し て少 年・ 保護 者に 指導
・助 言な どを 行う
。こ のよ うに 試験 観察 は、 終局 処分 決定 のた めの もの であ るが
、補 導委 託と も相 俟っ て、 実質 的に はケ ース ワ ーク 的な 処遇 とし て相 当な 成果 を上 げて いる 場合 も少 なく ない
。も っと も、 一般 事件 にお いて 試験 観察 に付 され る のは 数パ ーセ ント であ る︵ 三・ 一%
・平 成一 九年
︶。 また
、一 般事 件の 試験 観察 の期 間は 平均 五・ 一月
︵平 成一 九 年︶
、身 柄付 き補 導委 託の 期間 は平 均五
・六 月︵ 平成 一九 年︶ であ る。
આ
処遇 の選 択 審判 によ って、犯 罪事 実が 認定 され
、少 年に 対し て処 分を 行う 必要 が認 めら れる 場合 には
、そ の要 保護 性の 程度 に応 じて 最も 相応 しい 処分 が決 定さ れる
。要 保護 性は
、再 非行 の可 能性
・危 険性
︵累 非行 性︶ を中 核と し、 矯正 可 能性
、保 護処 分で 対応 する こと の適 切さ
︵保 護処 分相 当性 が︶ その 内容 とさ れて
( )
いる
。こ の評 価に は犯 罪事 実の ほ か、 調査 官の 調査 報告 書︵ 身柄 事件 では 少年 鑑別 所の 鑑別 結果 通知 書も が︶ 重要 な資 料に なる
。 要保 護性 の主 要な 要素 には
、① 犯罪 事実 に関 する もの とし て、 犯罪 の動 機・ 経緯
、そ の目 的、 共謀 した 状況
、犯 行に おけ る役 割・ 行為 の内 容、 犯行 の結 果、 犯行 後の 行動 状況
、被 害の 状況 等が ある
。少 年に よる 謝罪 や弁 償は
、 本人 の反 省状 況を 知る うえ から 非常 に重 要で ある
。調 査官 の被 害者 への 調査 につ いて は、 従前
、心 理学 系の 調査 が 主流 で、 少年 本人 との 信頼 関係 を築 き、 その 性格 や行 動傾 向の 問題 点を 分析 して 非行 の原 因を 解明 する こと に重 点 が置 かれ てい たこ とな どか ら消 極的 な面 もあ った
。し かし
、平 成一 二年 改正 によ って
、被 害者 に対 する 意見 聴取
︵九 条の 二︶
、被 害者 によ る記 録の 閲覧
︵五 条の 二︶
、被 害者 への 審判 結果 通知
︵三 一条 の二 制︶ 度が 創設 され たこ と
︵前 二者 は平 成二
〇年 改正 によ り拡 充︶ もあ り、 被害 者に 対す る調 査も より 積極 的に なさ れる よう にな って いる
。被 害者 から の情 報に よっ て被 害者 の心 情も 含め
、犯 罪の 結果
・影 響な どの 実情 がよ り正 確に 把握 され るよ うに なっ て いく と思 われ る。 この よう な被 害者 から の情 報は
、少 年の 犯罪 や問 題行 動に 対す る理 解を 深め るこ とに 役立 つと と もに
、少 年が 自己 の行 為の 結果 を、 より 正確 に認 識し
、そ の内 省を 深め
、改 善・ 更生 に努 力し てい くこ とに も役 立 つと 思わ れる
。こ のよ うに
、処 遇の 適正 な選 択の ため にも
、犯 罪事 実や 問題 行動 の正 確な 認定
・把 握が 必要 とな る。
②少 年本 人に 関す る事 項と して
、性 格・ 行動 傾向
、生 活態 度や 平素 の行 状︵ 特に 就学 状況
・就 労状 況︶
、非 行・ 問題 行動 歴、 余罪 の有 無・ 内容
、反 省状 況、 更生 の意 欲・ 程度
、③ 保護 環境 に関 する もの とし て、 家庭 の状 況︵ 保 護者 の性 格・ 犯罪 歴・ 経歴
・知 能・ 生活 力・ 遵法 精神
・常 識・ 少年 への 監護 意欲
、家 庭の 経済 状態
、親 子関 係等
、︶ 少年 の
生活 環境
︵特 に交 友関 係・ 学校 の先 生と の関 係等
︶、 保護 者以 外の 監督 者・ 協力 者の 有無 など が挙 げら れて いる
。要 保護 性の 判断 に当 たっ ては
、事 件や 少年 の性 質に 応じ て、 これ らの 要素 が総 合的 に考 慮さ れる
。処 遇決 定の 選択 肢 とし ては
、次 項で 述べ る保 護処 分が 中心 的な もの とな るが
、前 述の よう に刑 事処 分︵ 二〇 条︶
、児 童福 祉措 置︵ 一八 条︶ もあ る。
ઇ
保 護処 分
⑴ 保護 処分 の意 義 保護 処分 には
、保 護観 察、 児童 自立 支援 施設
︵旧 教護 院︶
・児 童養 護施 設送 致、 少年 院送 致が あり
︵二 四条
︶、 保 護処 分に 付さ れる こと によ って
、少 年は 刑事 訴追 や再 度の 少年 審判 は受 けな いこ とに なる
︵四 六条
。︶ この 結果
、 保護 処分 は、 少年 に対 する 刑罰 に代 替す る処 分と して 位置 付け られ てお り、 重要 な機 能を 果た して いる
。
⑵ 保 護 観 察 保護 観察
︵二 四条 一項 一号 は︶
、少 年を 施設 に収 容せ ず、 家庭 や職 場等 にお いた まま 社会 の中 で自 力で の立 ち直 りを 目指 す処 分で ある
。保 護観 察に おい ては
、少 年に 対し て、 定住
、健 全な 生活 態度 保持
、保 護観 察官 等と の面 接、 生活 実態 事実 の申 告等 の法 定の 一般 遵守 事項 のほ かに
、本 人の 問題 に即 した 特別 遵守 事項
、生 活行 動指 針を も 定め てい る。 そし て、 少年 に対 して
、こ れら を守 るよ うに
、接 触を 保っ てそ の行 状を 把握 し、 必要 な指 示を 与え
、 犯罪 的傾 向改 善の 専門 的処 遇等 の指 導監 督を 行う とと もに
、少 年の 医療
・療 養・ 宿所
・就 職等 の援 助、 職業 の補 導、 環境 の改 善・ 調整
、必 要な 生活 指導 等の 補導 援護 を加 えて
、そ の立 ち直 りを 図っ てい く、 社会 内処 遇の 主要 な もの であ る︵ 更生 保護 法︵ 以下
﹁更 生法
﹂と 略記
︶四 九条
~五
( )
八条
︶。
10
保護 観察 は、 保護 観察 所の 保護 観察 官、 保護 司が 担当 する
︵更 生法 二九
・三 一・ 三二
・四 八条
。︶ 保護 観察 には
、
通達 によ って
、① 一般 保護 観察
、② 一般 短期 保護 観察
、③ 交通 保護 観察
、④ 交通 短期 保護 観察 の種 別が 運用 上設 け られ てい る。
①一 般保 護観 察で は、 少年 が保 護司 を月 二回 程度 訪問 して 近況 報告 をし て助 言指 導を 受け るも のが 多 い。 保護 観察 の期 間は
、少 年が 二〇 歳に なる まで が原 則と され るが
、そ れが 二年 に満 たな いと きは 二年 間と され る
︵更 生法 六六 条︶
。成 績良 好等 によ る一 時解 除・ 解除 が認 めら れて いる
︵更 生法 六九
・七
〇条
。︶ 一般 保護 観察
︵②
③④ 以外 の者 を対 象︶ のほ か、 その 解除 基準 を類 型化 して
、② 一般 短期 保護 観察
、③ 交通 保護 観察
、④ 交通 短期 保護 観 察が 行わ れて いる
。②
④は 家庭 裁判 所の 処遇 勧告 を受 けた 者を 対象 にす るが
、② は反 社会 集団 に加 入し てお らず
、 非行 性・ 資質
・環 境の 問題 点が 大き くな い者 を予 定し 実施 期間 はお おむ ね六
~七 月、
④は 一般 非行 性が 乏し く集 団 処遇 に参 加で きる 者等 を予 定し 実施 期間 は三
~四 月と され てお り、 保護 観察 官の 直接 指導 で行 われ る。
③は
、④ 以 外の 交通 事件 の少 年を 対象 とし て交 通関 係の 指導 に重 点を 置く もの で、 六月 経過 以降 は解 除も 検討 され る。
①に つ いて も、 処遇 困難 者に 対す る保 護観 察官 の積 極的 な関 与、 暴走 族、 シン ナー 乱用 者、 低年 齢者 等の 類型 別の 分類 処 遇が 図ら れて おり
、一 年経 過以 降は 解除 も検 討さ れる
。非 行の 多様 化、 処遇 困難 な少 年に 対応 すべ く、 保護 観察 の 実施 につ いて の努 力が 積み 重ね られ てき てい
( )
るが
、保 護処 分の 大半 を担 う最 も主 要な 社会 内処 遇で あり
、そ の実 効
11
性を 高め るた めに は、 保護 観察 を担 当す る保 護観 察官 等の 大幅 な増 員、 オリ エン テー ショ ン施 設、 中間 施設 など の 保護 観察 の実 施上 活用 でき る各 種施 設の 確保
・整 備を 図る こと
、社 会奉 仕的 な活 動な どの 新た な処 遇に 対応 でき る 専門 家の 養成 など
、そ のさ らな る多 様化 及び 人的
・物 的な 充実 が急 務で ある と思 われ る。 なお
、平 成一 九年 に後 述 のよ うに 指導 監督 を強 化す る改 正が 行わ れて いる
。
⑶ 児童 自立 支援 施設 等送 致 児童 自立 支援 施設
︵旧 教護 院︶
・児 童養 護施 設送 致︵ 二四 条一 項二 号︶ は、 本来
、児 童福 祉施 設︵ 児童 福祉 法四 一・ 四四 条︶ にお ける 処遇 を保 護処 分と して 利用 する もの であ る。 その ため の限 界も ある が、 年少 少年 や福 祉的 な対 応
が必 要な 少年 には 有効 な処 分で
( )
ある
。も っと も、 少年 院収 容者 の年 齢の 下限 が一 四歳 とさ れて いた こと から
、最 近
12
相次 いで 起き た長 崎市 の一 二歳 少年 によ る男 児誘 拐殺 人事 件︵ 平成 一五 年︶
、佐 世保 市の 一一 歳少 女に よる 同級 生殺 人事 件︵ 平成 一六 年︶ など のよ うに
、一 三歳 以下 で凶 悪事 件を 行っ た者 など
、収 容保 護が 必要 な者 に対 して はこ の 処分 で対 応す るほ かは なく
、強 制的 な施 設収 容が 必要 であ れば
、家 庭裁 判所 にお いて
、児 童自 立支 援施 設送 致と 併 せて 強制 措置 の許 可を する こと が必 要で あっ た︵ 改正 前六 条三 項︶
。こ の問 題解 決の ため
、平 成一 九年 に初 等少 年院 及び 医療 少年 院の 下限 をお おむ ね一 二歳 とす ると とも に、 決定 の時 に一 四歳 に満 たな い少 年の 少年 院送 致は 特に 必 要と 認め る場 合に 限定 する 改正 がな され てい る︵ 二四 条一 項但 書、 少年 院法 二条
。︶
⑷ 少年 院送 致 少年 院送 致︵ 二四 条一 項三 号︶ は、 保護 処分 の中 で最 も強 力な もの であ り、 その 年齢
、心 身の 発達 の程 度を 考慮 し、 その 特性 に応 じて
、生 活訓 練、 教科 教育
、職 業補 導な どを 通じ て少 年に 内省 を深 めさ せ、 社会 復帰 に役 立て る ため の矯 正教 育を 行っ てい る︵ 少年 院法 一条
・一 条の 二︶
。① 初等 少年 院、
②中 等少 年院
、③ 特別 少年 院、
④医 療少 年院 の種 別が あり
、男 女は 別の 施設 とさ れて いる
︵少 年院 法二 条︶
。① は、 おお むね 一二 歳以 上、 おお むね 一六 歳未 満の 者、
②は おお むね 一六 歳以 上二
〇歳 未満 の者
、③ は犯 罪的 傾向 の進 んだ 一六 歳以 上二 三歳 未満 の者
、④ は、 心 身に 著し い故 障の ある おお むね 一二 歳以 上二 六歳 未満 の者 をそ れぞ れ収 容す る。 教科 教育 とし ては
、① では 小学 校、 中学 校の もの
、②
③で は、 それ に加 え必 要に 応じ て高 校、 大学
、高 等専 門学 校に 準ず るも の、
④で は養 護学 校 その 他特 殊教 育の 学校 のも のを 行っ てい る。
①② につ いて は、 さら に運 用上
、長 期処 遇と 短期 処遇
︵一 般短 期・ 特 修短 期︶ に分 類さ れる
。家 庭裁 判所 が、 この
①~
④の 種別 の決 定を 行う
。短 期処 遇は
、家 庭裁 判所 の処 遇勧 告を 受 けた 者︵ 非行 の常 習化
、収 容保 護歴
、反 社会 集団 への 加入 など の事 情が なく 性格 の問 題点 も少 ない 者を 予定 して いる
。特 修 短期 では 開放 処遇 に適 する こと 等も 前提 条件 とな る。 を︶ 対象 とし
、一 般短 期処 遇は
、六 月以 内︵ 収容 期間
・仮 退院 時
期︶ で、 半開 放・ 開放 処遇 も組 み合 わせ て行 われ る。 特修 短期 処遇 は、 四月 以内 で、 開放 処遇 を積 極的 に行 う。 長 期処 遇は
、短 期処 遇以 外の 者を 対象 とし
、収 容期 間は
、成 績に 応じ て不 定期 とな るが
、原 則、 二年 以内 とさ れ、 お おむ ね一 年程 度を 目処 にし た処 遇計 画が 立て られ てい る。 家庭 裁判 所か ら比 較的 短期
︵例 えば 一〇 月等
︶の 処遇 勧 告が なさ れれ ば、 少年 院で も尊 重さ れる
。ま た、 非行 の重 大性 等に よっ て問 題性 が極 めて 複雑 深刻 であ るた め特 別 の処 遇を 要す る者 には
、神 戸の 連続 児童 殺傷 事件
︵平 成九 年︶ 等を 契機 に、 二年 を超 える 収容 期間 も定 める こと が でき るよ うに なっ た︵ 特別 処遇 課程
︶。 長期 処遇 には
、 生活 訓練 課程
、 職業 能力 開発 課程
、 教科 教育 課程
、 ア)
イ)
ウ)
エ) 特殊 教育 課程
、 医療 措置 課程 があ り、
は医 療少 年院 で、
は初 等・ 中等 少年 院、
は医 療少 年院 を中 心に
、そ オ)
オ)
ウ)
エ) れぞ れ行 われ てい る。
は特 別処 遇課 程を 含む 処遇 困難 者を 対象 とし て基 本的 な生 活訓 練を 行う
。 は電 気工 事 ア)
イ) 士、 介護 アテ ンダ ント サー ビス 士な ど相 当高 度な 資格 取得 も含 め多 様な 訓練 が行 われ てお り、 就労 によ る自 立の み なら ず、 少年 の自 信・ 自尊 感情 の回 復に 有効 とさ れて
( )
いる
。収 容者 に対 する 処遇
、教 育内 容の 水準 は高 く評 価さ れ
13
てい る。 しか し、 少年 院送 致の 増加 に伴 う最 近の 長期 処遇 の過 剰収 容化 を改 善す るこ と、 仮退 院以 降の 社会 内処 遇 との 連携 など の点 では
、さ らな る充 実が 望ま れて いる
。
ઈ
保護 処分 の選 択状 況 一般 事件 の統 計︵ 平成 一九 年︶ をみ ると
、保 護処 分が 選択 され てい るの は一 般事 件全 体の 三〇
・一 パー セン トで ある が、 その うち 保護 観察 が二 三・ 五パ ーセ ント
︵保 護処 分に 付さ れた もの の七 八%
、︶ 児童 自立 支援 施設 等送 致が
〇・ 四パ ーセ ント
︵同 一・ 三%
︶、 少年 院送 致が 六・ 二パ ーセ ント
︵同 約二
〇・ 六%
︶と なっ てお り、 特に 施設 への 収容 処分 につ いて
、保 護処 分の 不利 益性 を前 提と した 謙抑 的な 運用 が貫 かれ てい ると いえ る。 また
、こ の数 字か ら も保 護観 察の 強化
・充 実こ そが
、少 年に 対す る処 遇の 改善 のた めに 有効 かつ 急務 であ るこ とが 明ら かと いえ よう
。
この 保護 観察 強化 のた めに
、平 成一 九年 に、 保護 観察 所長 によ る保 護観 察中 の少 年に 対す る警 告の 権限
、保 護観 察 処分 少年 の重 大な 遵守 事項 違反 に対 し警 告の うえ
、収 容処 分の 申請
︵施 設送 致申 請︶
、そ れを 受け た家 庭裁 判所 に少 年院 送致 等を 認め る改 正が 成立 して
( )
いる
。し かし
、こ の改 正を 生か すに は前 述の よう な保 護観 察機 関の 人的
・物 的
14
に相 当な 充実 が不 可欠 の前 提と なる
。
ઉ
刑罰 と保 護処 分の 位置 付け 保護 処分 より も刑 事処 分の 方が 重く
、前 科と して 記録 に残 るの で少 年に 不利 益だ とい う考 え方 も主 張さ れて い る。 しか し、 殺人 など の重 い罪 で重 い刑 が科 され る場 合は 別と して
、短 期の 懲役 刑と 少年 院送 致の 比較 であ れば
、 その 懲役 刑の 方が 重い とは 単純 には いい 切れ ない
。刑 の執 行猶 予が 付さ れる 場合 には
、懲 役刑 より も少 年院 送致 の 方が
、現 実に 施設 に収 容さ れる ので 重い と考 えら れる 場合 もあ る。 罰金 は、 金銭 を支 払え ば済 むの で、 自由 の制 約 が続 く保 護観 察よ り軽 く位 置付 けら れる 場合 も少 なく ない
。こ のよ うに 実際 に科 され る刑 の種 別と 重さ の検 討が 重 要で あり
、刑 事処 分選 択が 当然 に厳 しい 処分 とい うこ とに はな らな い。 最終 的な 刑と 保護 処分 の内 容を 正確 に比 較 検討 し刑 事処 分相 当か 否か が判 断さ れる べき であ る。 家庭 裁判 所に おけ る刑 事処 分の 選択
︵検 察官 送致
。二
〇条 は︶
、極 めて 謙抑 的な 運用 状況 が続 いて いる
。最 近で も、 事件 全体 で数 パー セン ト︵ 四%
・平 成一 九年
︶、 一般 事件 では 一パ ーセ ント にも 満た ない
︵〇
・六
%︶
。業 務上 過 失致 死傷 事件
︵大 半は 交通 事故
。近 時は
、ほ とん どが 自動 車運 転過 失致 死傷 で︶ も一
、二 パー セン ト︵ 一・ 二% で︶ あ り、 道路 交通 法違 反事 件で も一 割強
︵一 二・ 三%
︶に 過ぎ ない
︵も っと も、 危険 運転 致死 は一
〇〇
%、 危険 運転 致傷 は 二四
・一
%と 高率 であ る。
︶。 しか も、 少年 に科 され てい る刑 罰の ほと んど は高 額で はな い罰 金刑 であ る。 少年 に対 する 刑事 処分 の選 択に つい ては
、平 成一 二年 改正 以前 には
、刑 法上 の責 任年 齢一 四歳
︵刑 法四 一条 に︶