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佐 竹 勝 利

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Academic year: 2021

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外国人のいる公立中学校についての一考察

‑異文化聞に置かれた子ども達の成長を中心に一

学 校 教 育 専 攻 学 校 改 善 コ ー ス ー 浦 豊 司

1 研究の目的

5年前に全く日本語が話せない外国人生徒を 担任した経験から外国人の子ども達の日本での 教育について研究を進めたいと考えた。先行研 究では、外国人の子ども達を日本の学校に受け 入れる場合に生じる様々な問題は、日本の教育 システムや学校文化に問題があり、その変革を 促すものが多い。本研究では、特に外国人生徒 と日本人生徒、それを支える教師という三者に 焦点を当て、それぞれの立場から外国人の多い 公立中学校の実態を捉えようと試みた。

2 研究の課題と方法

本研究では中学校をフィールドの中心にした。

それまでの過程も大切であると考え、小学校や 保育園での教育の実態についても触れた。先行 研究では、あまり見られなかった外国人生徒の いる学校をポジティブな視点で捉えることを通 して、以下の研究課題を設定した。

①外国人生徒が日本の公立中学校で学び、活 躍の場や自らの進路を見つけ、意欲的に学校 生活を送っているような生徒の姿を捉えると 共に、それを阻害している要因も明らかにす

る。

②外国人の多い学校の日本人生徒の意識を探り、

外国人と共に学校生活を送ることによって外 国に興味をもつなどの効果があるのか等、

異文化の受け取り方の実際を検証する。

指導教員 佐 竹 勝 利

③教師の意識を探り、外国人生徒への指導に 対する思いや困難さ、日本人生徒に対する見 方を明らかにすると共に、外国人の多い中学 校における手探りでの指導の実態を明らかに する。

④上記をふまえて異文化聞に置かれた子ども達 が学ぶ公立中学校のあり方についての示唆を 得たい。

そして、本研究を進めるにあたり、以下の調 査を実施した。

(1)中学校の外国人生徒適応学級への参与観察お よび外国人生徒インタビュー

(2)中学校の日本人生徒へのアンケート調査 (3)中学校教師へのアンケート調査

性)小学校の外国人適応教室への授業観察および 日本語指導適応学級担当教員インタビ、ュー (5)保育園園長インタヒ、ュー

(6)ブラジルの学校視察

3 研究の結果

小学校においては、日本語の指導をするとい うはっきりとした目的がある場合が多く、特に,

低学年の授業はテンポがよく子どもを飽きさせ ず、体系化されよく考えられたものであった。

日本語指導の教材が充実している印象を受けた が、そのほとんどは、担当教員が自前で集めた ものであった。そして、日本語の習得には個人 の能力の差が出るとのことで、そのいちばん大

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切な要素が「言葉の勘Jということであった。

保育園では、外国人園児に対して特別に日本 語指導は行っておらず、生活や遊びの中で自然 に言葉を覚えていくそうである。小さければ小 さいほど日本人園児も上手に言葉を話すことが できないので、日本人園児と同じように日本語 を覚えていく。しかし、年長くらいで母国語を 忘れて、保護者が'慌てて母国語を習いに行かせ ることもあるという。

中学校の外国人生徒については、日本の高校 進学を目指したことが転機となり、教師の励ま しを受け、自分に自信をつけた生徒と日本語を 身につけることで学校生活をいきいきと送る生 徒の姿などを捉えることができた。反面、ブラ ジルと日本の学校制度や文化の違いから生じる 日本の学校への不適応、日本語指導で見えにく くなっている発達障害、外国人の間にある母文 化による違いから起こるトラブルなど、様々な

ことが問題点として浮き彫りになった。

日本人生徒については、教師が思っているほ ど外国人生徒を外国人として意識しているわけ ではないということが明らかになった。この点 について、長い間一緒に学校生活を送ることだ けでなく、ほとんど外国人とかかわりのない小 学校の子ども達が中学校で一緒になり、その3 年間で日本人生徒の外国人生徒を受け入れる姿 勢や見方に変化が起きているということが示唆 された。

教師は、現行の制度が、日本の学校には希望 して就学するということから、外国人生徒に対 して日本の学校に合わせることを求めている。

外国人生徒の文化が違うことを理解し、それを 尊重したい気持ちももっているが、それができ ない裏には、日本人生徒への影響を考えてのこ とであることが見えてきた。

4 考察

研究の結果をふまえて、今後、外国人生徒の 成長のために日本語指導の充実と学習の理解を 促すために母語での指導を考えていく必要があ る。日本人生徒の成長のためには、外国人生徒 と同じ学校で学ぶことが意義のあることだと思 えるようにすることで、そのために、このよう な環境で学んでいる日本人生徒の姿について、

教師が一度見直してみることも必要である。所 津は日本語を母語としない児童生徒の存在に対 応した教員養成のあり方を模索している。その 中で教員に必要な資質として挙げた 4点のうち の一つである、f外国人児童生徒がいる教育環境 をわくわくする創造的なものだと感じているこ とJが、外国人生徒と日本人生徒の成長を支え るため、特に教師に求められることであろう。

外国人に対する学校教育のあり方として、公 立中学校においては、外国人生徒だからこそ、

それぞ、れのニーズ、にあった幅の広い教育を模索 する必要性があること、ブラジル入学校につい ては、学校として認可することを考えていく必 要があることが示唆された。それにより今より 多くの子ども達の教育が保障され、現在、問題 がクローズアップされつつある外国人の子ども の不就学の問題の解決の糸口なるかもしれない と考えている。

5 今後の課題

研究上の課題として、一つの学年を継続的に 調査したり、保護者も含めて考察を再検討する などの事例調査を深化、拡大させること、教育 実践上の課題として、ホームページなどを利用 して学校の様子を地域に発信したり、保育園、

小学校や国際交流協会等との連携を模索するこ とを挙げた。

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参照

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