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妊婦の冷え症と異常分娩との関係性

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(1)

*1慶應義塾大学(Keio University)

*2聖路加看護大学(St Luke's College of Nursing)

2012年11月8日受付 2013年1月23日採用

資  料

妊婦の冷え症と異常分娩との関係性

Relationship between pregnant women's sensitivity

to cold (hiesho) and abnormal delivery

中 村 幸 代(Sachiyo NAKAMURA)

*1

堀 内 成 子(Shigeko HORIUCHI)

*2 抄  録 目 的  冷え症と早産,前期破水,微弱陣痛,遷延分娩,弛緩出血との関連性について分析することである。 対象と方法  研究デザインは対照のある探索的記述研究であり,後向きコホート研究である。調査期間は,2009年 10月から2010年10月,調査場所は,早産児の収容が可能な首都圏の産科と小児科を要する総合病院6 箇所である。  研究の対象者は,入院中の分娩後の日本人女性2810名である。調査方法は,質問紙調査と医療記録 からのデータ収集であり,質問紙の回答の提出をもって承認を得たものとした。 結 果  2810名を分析の対象とした。冷え症と異常分娩である5因子を観測変数として,構造方程式モデリン グを施行し,パス図を作成した。冷え症から早産へのパス係数は0.11(p<0.001),冷え症から前期破水 へのパス係数は0.12(p<0.001),冷え症から微弱陣痛へのパス係数は0.15(p<0.001),冷え症から弛緩 出血へのパス係数は0.14(p<0.001),冷え症から遷延分娩へのパス係数は0.13(p<0.001)であり,いず れも正の影響を与えていた。また,前期破水から早産へのパス係数は0.05(p=0.013),前期破水から微 弱陣痛へのパス係数は0.07(p<0.001),微弱陣痛から弛緩出血へのパス係数は0.08(p<0.001)であった。 そして,微弱陣痛と遷延分娩の誤差間のパス係数は,0.24(p<0.001)であり相互に影響を及ぼしあって いた。 結 論  冷え症は,早産,前期破水,微弱陣痛,遷延分娩,弛緩出血のすべてに影響を与えている。各異常分 娩間の関係では,前期破水は早産に影響を与えており,さらに前期破水は,微弱陣痛に影響を与え,微 弱陣痛は弛緩出血に影響を与えている。また,微弱陣痛と遷延分娩は相互に影響し合っていた。 キーワード:冷え症,妊婦,異常分娩

(2)

妊婦の冷え症と異常分娩との関係性

Abstract Purpose

To analyze the relationship among hiesho, premature delivery, premature rupture of membranes, weak pains, prolonged labor, and atonic bleeding.

Subjects and method

The study design was an exploratory descriptive study with subjects and also a retrospective cohort study. The study was conducted from October 2009 to October 2010 at six general hospitals equipped to handle premature in-fants and with obstetric and pediatric departments, in the Greater Tokyo Metropolitan Area. The subjects were 2,810 Japanese women in hospital after delivery. The study was carried out by collecting data from questionnaire surveys and medical records. By their submitting answers to the questionnaire, subjects were assumed to have given ap-proval to be included in the study.

Results

Analysis was conducted on 2,810 women. Structural equation modeling was used to create a path diagram with five factors of hiesho and abnormal delivery as observed variables. Path coefficients were 0.11 (p<0.001) from hiesho to premature delivery, 0.12 (p<0.001) from hiesho to premature rupture of membranes, 0.15 (P<0001) from hiesho to weak pains, 0.14 (P<0.001) from hiesho to atonic bleeding, and 0.13 (P<0.001) from hiesho to prolonged labor. In each case hiesho had a positive influence. Path coefficients were 0.05 (p=0.013) from premature rupture of mem-branes to premature delivery, 0.07 (p<0.001) from premature rupture of memmem-branes to weak pains, and 0.08 (P<0.001) from weak pains to atonic bleeding. The path coefficient between errors of weak pains and prolonged labor was 0.24 (p<0.001), showing that the two factors influenced each other.

Conclusion

Hiesho has an influence on all abnormalities of delivery: premature delivery, premature rupture of membranes,

weak pains, prolonged labor, and atonic bleeding. Among these, premature rupture of membranes has an influence on premature delivery, premature rupture of membranes has an influence on weak pains, and weak pains have an influence on atonic bleeding. Weak pains and prolonged labor influence each other.

Keywords: hiesho, pregnant women, abnormal delivery

Ⅰ.は じ め に

 我が国では,古来より,妊娠5か月になると妊婦が 腹帯を巻いて,神社で安産祈願のお参りをする風習が ある。この風習は,腹帯で妊婦の体を冷えから守るた めの昔の人の知恵である。このように,我が国では冷 えていることは妊婦にとって問題であると捉えてい た。昨今でも,女性の60%以上が冷え症であり(中村, 2008, p.6),社会一般で冷え症は深刻な問題であると 認識されている。また,冷え症が分娩に与える影響に ついて,助産師は,冷え症であることは,早産や前期 破水,微弱陣痛等の誘因であるとして,冷え症の予防 や改善に力を入れている。

  研 究 者 は 冷 え 症 に 対 し,Rodgers & Knafl(2000, pp.1-192)の概念分析のアプローチ法を用いて,冷え 症の概念分析を行った。そして,冷え症とは「中枢温 と末梢温の温度較差がみられ,暖かい環境下でも末梢 体温の回復が遅い病態であり,多くの場合,冷えの自 覚を有している状態(手足が冷たいと感じる状態)」と 定義した(中村,2010, p.69)。また,冷え症と自覚に ついて,研究者は(中村,2008, pp.7-8)先行研究にて, 冷え症の自覚がある妊婦の前額部深部温と足底部深部 温の温度較差は5.2℃で,冷え症の自覚がない妊婦は 2.4℃であり,2群間に有意差が認められた。以上のこ とから,冷え症の自覚が,客観指標となる温度較差を 反映していることから,妊婦自身の冷え症の自覚から 冷え症を判断できるという示唆を得た。  我が国の女性一人当たりの出産数は減少しており, 2011年度の合計特殊出生率は1.39であった(厚生労働 省,2012)。このように,女性にとって,出産は生涯 一度きりの貴重なライフイベントである。しかし,ハ イリスク妊産婦は増加し,それに伴う異常分娩率が高 まっている。したがって,深刻かつ多大な影響をもた らす異常分娩の予防は喫緊の課題である。冷え症と異 常分娩について,研究者は先行研究にて,冷え症と異 常分娩の因果効果の研究を行った。その結果,冷え症 の有無における早産の割合は3.4倍,前期破水では1.7 倍であった。つまり,妊婦が冷え症であることで,早 産等の異常分娩の発生率が高くなることが推定され た(中村・堀内・桃井,2012a 12;中村・堀内・柳井, 2012b, pp.384-385)。しかしながら,この分析はあく まで冷え症と各異常分娩の2者間の関係にとどまって

(3)

陣痛,遷延分娩,弛緩出血を観測変数として,構造方 程式モデリングにてパス図を作成した。 5.倫理的配慮  研究協力者に対し,本研究への協力は自由意思によ って行うものであり,質問紙の回答の提出を持って同 意の承認を得たものとすること,データはすべて,研 究の目的以外には一切使用せず,データの保管は,研 究者のみが使用できる施錠した場所に保管し,その管 理は厳重に行うこと等を口頭と文章で説明し,研究協 力の意思を確認した。  なお,本研究は研究者の所属大学の倫理審査委員会 で承認(2009年9月24日:09-057)を受け実施した。 6.用語の操作的定義 1 ) 冷え症  冷え症の定義は,概念分析の結果より「中枢温と末 梢温の温度較差がみられ,冷えの自覚を有している状 態」である。本研究では,先行研究の結果から,冷え の自覚は,前額部温と足底部温の温度較差を反映して いるため,「冷え症の自覚があるもの」を冷え症とした。 具体的には,質問紙調査にて,妊娠の後半に冷え症の 自覚があった者,妊娠後半に手足が冷えていると感じ た者を冷え症とした(中村,2008, pp.6-8)。 2 ) 早産  妊娠22週以降37週未満の分娩(日本産科婦人科学会, 2003, p. 266) 3 ) 前期破水  陣痛開始前の破水(日本産科婦人科学会,2003, p. 261) 4 ) 微弱陣痛  子宮収縮の不全により分娩が進行しない場合で(日 本産科婦人科学会,2003, p.316),対象者が分娩した施 設の医療者が微弱陣痛と判断した場合 5 ) 遷延分娩  分娩が開始したと医療者が判断してから(目安は, 陣痛が周期的に10分以内になった時点),初産婦で30 時間,経産婦で15時間を経ても児娩出に至らないも の(日本産科婦人科学会,2003, p. 260) 6 ) 弛緩出血  児と胎盤の娩出後の子宮筋の収縮が不良のため,断 裂血管からの出血が続く状態で,児娩出より2時間ま 陣痛,遷延分娩,弛緩出血の全体の統合ならびに関連 性について分析することである。

Ⅱ.研 究 方 法

1.研究デザイン  対照のある探索的記述研究であり,後向きコホート 研究である。 2.調査期間と調査対象  調査期間は,2009年10月19日から2010年10月8日 までの約12カ月である。調査場所は,早産児の収容 が可能な首都圏の産科と小児科を要する総合病院6箇 所である。  研究の対象者は,入院している分娩後の日本人女性 である。なお,今回の妊娠が,死産や新生児死亡とな った女性や心身の状態が不安定な女性を除いた。 3.調査方法 1 ) 測定用具  調査は,質問紙調査と医療記録からのデータの収集 である。質問紙は,冷え症に関連する分娩時の状況と 冷え症の自覚の有無とデモグラフィックデータである。 医療記録からデータ収集した主な項目は,分娩週数な どの早産を確認する項目等,鑑別診断や各分娩時の異 常に影響を与える項目に当たるものである。なお,各 異常分娩の定義は日本産科婦人科学会にて定められた ものであり,診断の基盤となる基準は6施設ともほぼ 同様であり,施設間での大きな相違はみられなかった。  データ収集にあたり,内容妥当性ならびに表面妥当 性の確保は十分行った。 2 ) 調査の実際  対象者に,研究の主旨を説明し,質問紙の記入をし てもらった。研究者は,同意が得られた女性の分娩時 の情報を医療記録から抽出した。なお,研究協力への 最終的な同意は,質問紙の回答の提出をもって承認を 得たものとした。 4.分析方法  本研究は,先行研究(中村・堀内・桃井,2012;中 村・堀内・柳井,2012, pp.384-385)で得た基礎データ を本研究の目的に従い,再分析したものである。

(4)

妊婦の冷え症と異常分娩との関係性 での出血量が500mlを超えるもの(日本産科婦人科学 会,2003, p. 203)

Ⅲ.結   果

1.リクルート状況  2009年10月19日から2010年10月8日までの約12ヵ 月間調査を行った。総リクルート数は4448名であり, そのうち回答が得られたのは2821名であった。2821 名のうち,外国人3名と,医療記録から情報を得るこ とに承諾を得られなかった女性8名の合計11名を対象 から除外した。最終的に2810名を分析の対象とした。 回収率は60.8%であり,有効回答率は99.6%であった。 2.対象の属性 1 ) 対象者の属性(表1)  対象の年齢は,16歳から45歳で,平均年齢は32.7 (SD4.6)歳であった。冷え症の有無では,冷え症であ った女性は1168名(41.6%)で,冷え症でなかった女 性は1642名(58.4%)であった。分娩様式は,自然分 娩であった女性は2310名(82.2%),鉗子分娩もしくは 吸引分娩であった女性は117名(4.2%),帝王切開術 であった女性は383名(13.6%)であった。異常分娩で は,早産であった女性は110名(3.9%),前期破水であ った女性は662名(23.6%),微弱陣痛であった女性は 288名(10.2%),遷延分娩であった女性は155名(5.5%) であった。帝王切開術383名を除く2427名の中で,弛 緩出血であった女性は613名(25.3%)であった。 2 ) 冷え症と異常分娩の関係性の分析(図1)  冷え症と異常分娩である5因子を観測変数として, 構造方程式モデリングを施行し,パス図を作成した。 分析の対象は,弛緩出血は帝王切開術で分娩した女性 を除く,2427名であり,その他の5因子では2810名全 員を対象とした。  構造方程式モデリングによって得られたパス係数 はすべて有意であった(p<0.05)。モデルの適合度 は,GFI0.997,AGFI0.988であった。CFI0.955とすべ て0.9以上であり,パス図の説明力は高い。RMR0.002, RMSEA0.036と0.5以下であり,本モデルはサンプル サイズに影響を受けない,RMSEA等の値もよく,総 合評価から適合性は十分であると判断できる。  冷え症と,5つの異常分娩との関係性をみてみると, 冷え症から早産へのパス係数は0.11(p<0.001),冷え 症から前期破水へのパス係数は0.12(p<0.001),冷え 症から微弱陣痛へのパス係数は0.15(p<0.001),冷え 症から弛緩出血へのパス係数は0.14(p<0.001),冷え 症から遷延分娩へのパス係数は0.13(p<0.001)であ り,いずれも正の影響を与えていた。また,前期破水 から早産へのパス係数は0.05(p=0.013),前期破水か ら微弱陣痛へのパス係数は0.07(p<0.001),微弱陣痛 から弛緩出血へのパス係数は0.08(p<0.001)であっ た。そして,微弱陣痛と遷延分娩の誤差間のパス係数 は,0.24(p<0.001)であり相互に影響を及ぼしあって いた。  以上の結果から,早産,前期破水,微弱陣痛,遷延 分娩,弛緩出血のすべての項目で冷え症が影響を与え ている。各異常分娩間の関係では,前期破水は早産に 影響を与えており,さらに前期破水は,微弱陣痛に影 響を与え,微弱陣痛は弛緩出血に影響を与えている。 また,微弱陣痛と遷延分娩は相互に影響し合っている と判断できる。 表1 対象の背景(n=2810 *n=2427(帝王切開術を除く)) 平均±SD/n (%) 年齢(歳) 32.7 4.6 冷え症 あり なし 11681642(41.6)(58.4) 分娩歴 初産婦 1回経産婦 2回以上の経産婦 1501(53.4) 1014(36.1) 295(10.5) 合併症の有無 あり なし 10981712(39.1)(60.9) 分娩週数(週) 39.3 1.4 分娩様式 自然分娩 鉗子分娩 吸引分娩 帝王切開術 2310(82.2) 117( 4.2) 383(13.6) 分娩所要時間(時間)* 9.0 7.2 分娩時総出血量(分娩第Ⅰ期∼第Ⅳ期)(ml)* 417.7 285.0 早産 あり なし 1102700( 3.9)(96.1) 前期破水 あり なし 6622148(23.6)(76.4) 微弱陣痛 あり なし 2882522(10.2)(89.8) 遷延分娩 あり なし 1552655( 5.5)(94.5) 弛緩出血* あり なし 6131814(25.3)(74.7) ( )がない項目の単位はすべて(人)

(5)

Ⅳ.考   察

1.構造方程式モデリングによる冷え症と異常分娩の 関係性  冷え症と早産の関係性では,独立変数(原因)が冷 え症であり,従属変数(結果)が早産であることが示 唆された。さらに早産は,前期破水からも正の影響を 受けていた。文献によると,早産の約3分の1は前期 破水が関連しているといわれている(Parry & Strauss, 1998, pp. 665-668;池ノ上・鈴木・髙山,2006, pp.457-458;小川,2009, pp.59-61)。本研究においても,早産 110名のうち,前期破水を伴っていた女性は40名であ った。したがって,その割合は36.4%であり,公表さ れているデータと近似していた。  冷え症と前期破水,微弱陣痛,遷延分娩,弛緩出 血との関係性では,独立変数(原因)が冷え症であり, 従属変数(結果)が,前期破水,微弱陣痛,遷延分娩, 弛緩出血であることが示唆された。この結果は,先行 研究の結果においても冷え症であることで異常分娩 になる割合は2倍以上であること(中村・堀内・桃井, 2012, p.12;中村・堀内・柳井,2012, pp.384-385),す べてにおいて有意水準がp<0.001の確率であること から,関係が非常に強いことが示唆される。  それぞれの関連性をみてみると,前期破水,微弱陣 痛,遷延分娩,弛緩出血の関係では,前期破水は,微 弱陣痛に影響を与えていた。これは,前期破水による 子宮内感染ならびに,母体の感染に伴う微弱陣痛と 考える。また,微弱陣痛と遷延分娩は,相互に影響し 合っている。微弱陣痛のため有効な陣痛起こらず,遷 延分娩となる場合もあれば,遷延分娩のため母体が 疲労し,微弱陣痛を引き起こす場合も考えられる(荒 木,2010, pp.347-350)。いずれも,陣痛促進薬使用の 適応となり,さらに胎児機能不全などのリスクが高ま る。さらに,微弱陣痛は弛緩出血に影響を与えている。 弛緩出血の原因は,微弱陣痛に対する子宮筋の疲労や 母体の疲労がある(荒木,2010, pp.347-350)。弛緩出血 は,播種性血管内凝固症候群(DIC)の原因の1つであ り,母子の命に直結する異常である。したがっていず れも予防すべき重要な疾患である。本研究の結果,冷 え症と前期破水,微弱陣痛,遷延分娩,弛緩出血は相 互に関連し合っていた。これはまさに冷え症スパイラ ルともいうべき状態であり,この悪循環をどう断ち切 るかが大きな課題である。構造方程式モデリングの結 果,一番影響力が大きいのは冷え症であることから, 冷え症の予防により,各異常分娩を同時に予防する相 乗効果もあると推測できる。 2.看護への適応と提言  本研究の結果は,助産施設等にて積極的に行われて いる,冷え症予防の必要性に対し,科学的根拠を与え ることができた。自然出産において,女性に本来備 わっている「産む力」,そして胎児がもっている「生ま れてくる力」を最大限に発揮することが不可欠である。 そのためには,分娩にむけての体作りが非常に重要で ある。現在,助産施設等では,冷え症予防のための食 事指導,生活指導,衣服の指導をはじめ,ヨーガクラ ス,気功,マッサージ,お灸等,多様な冷え症に対す るケアを積極的に行っている。しかし,冷え症が分娩 時異常の誘因であるということはあくまで経験知であ り,従来ではそこにエビデンスは存在しなかった。本 *p<0.001 **p<0.05 微弱陣痛 e3 前期破水 早 産 弛緩出血 遷延分娩 e2 e1 e4 e5 .11* .12* .15* .14* .13* .05** .07* .08* .24* AGFI: 0.988 RMR: 0.002 CFI: 0.955 RMSEA: 0.036 AIC: 58.001 χ2値:28.001 自由度:6 χ2値/自由度:4.67 p値<0.001 図1 妊婦の冷え症と異常分娩との構造方程式モデリング

(6)

妊婦の冷え症と異常分娩との関係性 研究の結果より,多くの助産師の経験知が妥当であっ たことが,データにより裏付けられた。つまり,今後 は客観的根拠をもってさらに積極的にケアを提供する ことが可能となったのである。そして,この結果を基 盤として,妊婦のヘルスプロモーションの一環として, 冷え症改善のためのケアを提唱していくことが,喫緊 の課題である。

Ⅴ.結   論

 冷え症は,早産,前期破水,微弱陣痛,遷延分娩, 弛緩出血のすべてに影響を与えている。各異常分娩間 の関係では,前期破水は早産に影響を与えており,さ らに前期破水は,微弱陣痛に影響を与え,微弱陣痛は 弛緩出血に影響を与えている。また,微弱陣痛と遷延 分娩は相互に影響し合っていた。  本研究は2010年度聖路加看護大学大学院博士論文 の一部であり,JSPS科研費22592525の助成を受けて 行ったものである。 引用文献 荒木勤(2010).最新産科学 異常編(改訂第21版).347-350, 東京:文光堂. 池ノ上克,鈴木秋悦,髙山雅臣,豊田長康,廣井正彦,八 重樫伸生(2006).NEWエッセシャル産科学・婦人科 学(第3版).457-458,東京:医歯薬出版株式会社. 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ jinkou/geppo/nengai11/kekka02.html#k2_2 [2012-10-29] 中村幸代(2008).冷え症のある妊婦の皮膚温の特徴お よび日常生活との関連性.日本看護科学会誌,28(1). 3-11. 中村幸代(2010).冷え症の概念分析.日本看護科学会誌, 30(1),62-71. 中村幸代,堀内成子,桃井雅子(2012).妊婦の冷え症と 前期破水における因果効果の推定̶傾向スコアによる 交絡因子の調整.日本助産学会誌,26(2),190-200. 中村幸代,堀内成子,柳井晴夫(2012).傾向スコアによ る交絡調整を用いた妊婦の冷え症と早産の関連性.日 本公衆衛生雑誌,59(6),381-389. 日本産科婦人科学会(2003).産科婦人科用語集・用語解 説集(改訂新版).203-316,東京:金原出版. 小川正樹,田中俊誠(2009).前期破水.日本産科婦人科 學會雜誌,61(3),59-61.

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