(1)成 膜 大 学 理 工 学 研 究 報 告
J,Fac,Sci,Tech.,SeikeiUniv.
Vol.50No.1(2013)pp.57-74
(活 動 報 告)
成 践 フ ォ ー ミ ュ ラ プ ロ ジ ェ ク ト
ー2012年
度 活 動 報 告 書 一
本 田
啓 介*1,安
居
麻 子*1,堀
口
淳 司*2,瓜
生
芳 久*3,大
倉
元 宏*3,小
川
隆 申*3,
笠 原
和 夫*3,弓
削
康 平*3,鳥
毛
明*4
Seikei Formula Project
-Activity Report in Fiscal
Keisuke HONDA *1, Asako YASUI *', Junji HORIGUCHI * 2 Yoshihisa URIU * 3,
Motohiro Okura * 3, Takanobu OGAWA * 3, Kazuo KASAHARA * 3, Kohei YUGE * 3, Akira TORIGE * 4
1.は じ め に
2.大
会 概 要
全 日本 学 生 フ ォー ミュ ラ大 会 は,「 もの づ く りに よ る
実 践 的 な 学 生 教 育 プ ロ グ ラム 」で あ り,学 生 が 自 ら構 想 ・
設 計 ・
製 作 した車 輌 に よ り,も の づ く りの 総 合 力 を 競 い,
自動 車 技 術 な らび に産 業 の 発 展 ・
振 興 に 資 す る人 材 を 育
成 す る こ とを 目的 と して,公 益社 団 法 人 自動 車 技 術 科 会
主 催 に よ り2003年
に ス ター トした 。 大 会 に 参 戦 す る学
生 達 は,毎 年9月
に開 催 され る大 会 に 向 け,約1年
間 を
か け て フォ ー ミ ュ ラス タイ ル の 小 型 レー シ ン グカ ー を 開
発 ・製 作 を 行 う。 これ に よ り,機 械 ・電 気 に 限 らず 幅 広
い 実 践 的 な 知識 を 習 得 す る と と もに,コ ス ト管 理 ・マ ー
ケ テ ィ ン グ能 力 等 の もの づ く りに お け る総 合 能 力 を養 う
こ とが で き,将 来 を 担 う優秀 な 技 術者 を 育 成 す る こ とが
期 待 され て い る。 ま た,昨 今 の若 手 技 術者 や 学 生 に求 め
られ て い る 『自 ら問 題 を 発 見 し,解 決 して い く能 力 の 向
上 』 が 期 待 で き る と と もに,も の づ く りの 素 晴 ら しさ ・
厳 し さ ・喜 び を 実感 し,メ ンバ ー 間 の チ ー ム ワー クや リ
ー ダ ー シ ップ を 発 揮 して
,学 生 た ち が もの づ く りを通 し
て 貴 重 な 経1験を得 る こ とが で き る。
本 プ ロジ ェ ク トは 可 能 な 限 り学 生 だ け の 力 で チ ー ム 運
営 す る こ とを 目的 に 活 動 して い る。 本 稿 は 第10回
大 会
に 参 加 す る 成 膜 フ ォ ー ミ ュ ラ プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム の
2012年 度 の活 動 を総 括 した も の で あ る。
表1に
示 す 競 技 内 容 で9月3日
∼7日 に 大会 が 開催 さ
れ た。 チ ー ム の 総合 力 は 静 的 競技 と動 的競 技 の合 計 点 で
競 われ る。 書類 審査 にパ ス した チ ー ム が 大 会へ の参 加 権
が 得 られ,動 的 競技 へ進 む た め に は,す べ て の 車検 項 目
に パ ス しな けれ ば な らな い。
*1:エ レ ク トロ メ カ ニ ク ス 学 科 学 部 生
*2:シ ス テ ム デ ザ イ ン 学 科 助 手
*3:シ ス テ ム デ ザ イ ン 学 科 教 授
*4:シ ス テ ム デ ザ イ ン 学 科 准 教 授
表1大
会競 技 内 容
P競 技 種 目 雫 雫 競 技 概 要
配
技 術検査 車 両 の 安 全 ・設 計 要 件 の 適 合 、全 ドライ
バ ー が5秒 以 内 に 脱 出 す る試 験 。
車検チル トテ ー ブル車 両45度傾 斜で燃料漏 れ無 し。ドライバ ー乗車 し車両60度 傾斜 で転 覆しな 0
い こ と 。
騒 音試験 所 定 の 条 件 で排 気 音110db以 下 であ
る こ と 。
ブレーキ試験指 定 され た コー スを 加 速 し、四 輪 ロックす る ことを
確 認 す る 。
予 算 とコス トは 生 産 活 動 を行 うに あ た って
考 慮しなけれ ばならない重要な要素であるこ
とを参加者 に学 ばせるのが狙 いである。車両を
静的競 技 コス ト 見 なが ら事 前 に 提 出 した コス トレポ ー トの コス ト
精 度 、チ ー ム に 合 等 を 確 認 し、レポ ー トの コス トと
100
車 両との適合性 を審査 する。一般による製造度
購 買 品 目 とな る2項 目に つ い て 、部 品 製 造 プ ロセ
スなどの ロ頭試 問を行いそれらの知識 ・理 解度
価 す る 。
鍵 のブ.ゼ ンテーシ。ン能 力を評価 する.とが
狙 い であ る 。プ レゼ ンテ ー ション は 、『競 技 の コン
プ レゼ ンテ ー シ ョン セプトに沿い、製造 会社の 役員に設計 上の優れ 75
て い るこ とを確 信 させ る』とい う仮 想 の シチ ュエ ー
シ ョン の もとで行 う。
事 前に提 出した設計 資料と軍両をもとに、
設 計 どのような技術を採用 し、どのような工夫を
またその設計 が市場性 のある妥 当なものか 150
を 評 価 して い るの か 、す る。具 体 的 に は車 体
及 び構成部 品の設計 の適切 さ、革 新性加 工
性 、補 修 性 、組 立 性 な どに つ い て 口 頭 試 問 す る。
アクセ ラ レー ション 0-75m加 速 をす る 。各 チ ー ム2名 の ドラ イバ ー が 75
スキ ッドパ ッド
隷碧錫 醜撃鰯 撫 鰯藷 る.
各 チー ム2名 の ドライバ ー が それ ぞ れ2回 、計4回 50
走 行 し、タイム を競 う。
直 線 ・ター ン ・ス ラ ロー ム ・シケ イン な どに よ る
動的競 技 オ ー トクロス 約800mの コー ス を2周 走 行 す る 。各 チ ー ム2名 の 150
ドライバ ー が それ ぞ れ2回 、計4回 走 行 し、タイム
を 競 う。
エ ンデ ュ ランス 直 線 ・ター ン ・ス ラ ロー ム ・シ ケイン な どに よ る周
回 路 を約22km走 行 す る 。走 行 時 間 に よって 車 の 300
全 体性能 と信頼 性を評 価する。
燃 費 耐 久 レー ス 「エ ンデ ュラン ス』走 行 時 の 燃 料 消 費 100
量 で評 価 す る。
合 計 1000
(2)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
3.2012年
度 大 会 結 果
図1に2012年 度 車 輌 完 成 図,図2に 大 会 会 場 で の チ
ー ム メ ン バ ー一一の 集 合 写 真 を 示 す
。 表2は 我 チ ー一一ム の 第
10回 全 日本 学 生 フ ォ ー一一一ミ ュ ラ 大 会 の 結 果 で あ る 。
図1車
輌 完 成 図
勘
ゾ
鞍
艦
曜
麟
.贈
3
纏
鴇
﹁
ご
ジ
勘
、
←
"
一
図2チ ー ム メ ン バ ー
表2大
会結 果
第10回 大A
獲 得 ポ イン ト[Pt] 満 点[Pt] 得点率匡大会 順位
コス ト 45 100 45 19
プ レ ゼン テ ー シ ョン 23.68 75 3157 47
デ ザイン 73 150 4867 25
ア クセ ラ レー シ ョン 28.51 75 3aO1 38
ス キッ ドバ ット 16.23 50 3246 37
オ ー トク ロス 946 150 631 44
燃費 0 100 0 32〔未 出 走)
エ ン デ ュラン ス 0 300 0 46〔未 出 走 〕
総合 195日6 1000 1958 45
表2を 参 照 す る と静 的 審 査 は まだ 伸 び 代 は あ る もの の
ま ず ま ず の 成 績 を 得 る こ とが 出 来 た 。 しか しな が ら,大
会 競 技 の 中で 得 点 の 大 半 を 占め る動 的 審 査 の 得 点 が 伸 び
悩 ん で しま っ て い る。 特 に,オ ー
一
一トク ロス は1位 の チ ー
一
一
ム と大 き くタ イ ム 差 を つ け られ て しま い,点 数 が 落 ち 込
ん で しま っ て い る。 オ ー トク ロス で の 順位 は,エ
ンデ ュ
ラ ンス 競 技 の 出 走 順 に 関 わ っ て く るた め,大 変 重 要 な も
の とな っ て い る。 当 チ ー ム は,エ
ンデ ュ ラ ンス 競 技 出 走
目 前 で 競 技 時 間 終 了 と な っ て し ま い,
と い う結 果 に な っ た 。
4.2012年
度 車 輌 の 設 計 と 製 作
この 競技 は未 出 走
2012年 度 は 「正 常 進 化 」 と い う コ ン セ ブ.トの 基,設
計 を 行 っ た 。 こ の コ ンセ プ トは,走 行 性 能 の 向 上,信 頼
性 の 向 上,ド ラ イ バ ビ リ テ ィ の 向 上 の3つ の 要 素 に よ り
構 成 さ れ て お り,各 パ ー トが こ の コ ン セ プ トに 沿 っ た 設
計 を 行 っ た 。
4.1吸
排 気 系 の設 計 と製作
4.1.1設
計 方 針
吸気 系 は エ ン ジ ン に ガ ソ リ ン と空気 の 混合 気 を送 り,
排 気 系 は エ ンジ ンで燃 焼 後 の排 気 ガ ス を排 出す る役 割 が
あ る。 全 日本学 生 フ ォ ー ミュ ラ大 会 に お け る動 的競 技 の
オ ー トク ロス ・エ ン デ ュ ラン ス の コー ス は 直線 が短 く,
カ ー ブ を 中 心 に構 成 され て い る。 この よ うな コー ス レイ
ア ウ トで は最 高 速 度 よ り立 ち 上 が り に お け る加 速 性 能
(以 下,ト ル ク と呼 ぶ)が 重 要 な 要 素 とな っ て くる。 そ
の た め,立 ち 上 が りに お け る エ ン ジ ン の トル ク の 向 上及
び トル クバ ン ドの拡 大 を 目標 とす る。
4.1.2吸
排 気 シス テ ム の 役 割 ・構 成
① 吸気 シ ス テ ム
エ ン ジ ン へ 混合 気 を送 り込 む役 割 を 担 う。 そ の た め,
吸気 管 の性 能 と して 求 め られ る もの は 多 くの 空 気 を エ ン
ジ ンへ 送 る こ と,つ ま り,吸 気 管 内 で の損 失 を よ り少 な
くす る こ とや送 り込 まれ た 空 気 の 体積 効 率 を 上 げ る こ と
で あ る。 図3に 各パ ー
一
一
ツ に つ い て 示す 。
② 排 気 シ ス テ ム
シ リ ンダ 内部 で の爆 発 に よ り発 生 した燃 焼 ガ ス を 外へ
掃 き 出 す もの で あ る。 吸 気 系 同様,排
気 管 内 で の損 失 を
よ り少 な くす る こ とや効 率 良 く燃 焼 ガ ス を掃 き 出す こ と
が 求 め られ る。 図4に 各 パ ー ツ に つ い て示 す。
∴鱈 罫 渉
マ
ニ料 ㌧ 司 ■レ
図3吸
気 系 概 念 図
図4排
気系 概 念 図
(3)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
4.1.3吸
排 気 管の 設 計 と製 作
吸排 気 通 路 の 開 き始 め に発 生 す る圧 力 波 の位 相 をエ ン
ジ ンの 吸排 気 時 期 と適 合 させ る こ とに よっ て 吸 ・排 気 作
用 を促 進 す る こ とが で き る。 これ らの 効 果 を 動 的 効 果 と
い い,主 に 以 下 に 示 す 二 つ が あ る。
① 慣 性効果(式(1))
吸排 気過 程 が 終 わ る前 に,そ の サ イ クル の 初 め に生 じ
た 圧縮 波 の 反射 波 を利 用 す る こ とに よ りシ リンダ 内 の 体
積 効 率 が 高 くな る効 果 。
② 脈 動 効 果(式(2))
前 の サ イ クル の 吸 排 気 行 程 で 管 内 に 生 じた 圧 力 振 動 が
そ の行 程 終 了 後 も減 衰 しな が ら管 内 に 残 り,次 の 行 程 に
影 響 を 与 え る効 果。
・一圏
・夢"式(')
30a
… 式(2)L=
ηζ
L:マ ニ ホ ー ル ド長
α:吸 排 気 管 内 の 音 速
ζ:脈 動 次 数
n:回 転 数V:体 積
s:吸 排 気 管 断 面 積
これ らの 効 果 を 得 られ る よ うな 吸排 気 管 長 を決 定 す る。
トル ク ピー
一
一
ク を7000∼8500rpmで
フ ラ ッ トに 得 られ る
よ うに す る 。 慣 性 効 果 で は8500rpm,脈
動 効 果 で は
7000rpmで
最 大 の 体 積 効 果 を得 られ る吸 排 気 管 長 を 計
算 し,吸 贈
長 を460㎜,排
贈
長 を1400㎜
と した 。
な お,詳 細 を 図5,6に
示 す 。
ま た,シ
ャー シ ダ イ ナ モ試 験 を行 うこ とに よ り設 計 値
が 実 際 に 得 られ て い るか を 検 証 す る。 そ の 結 果 及 び 考 察
は5章 で 述 べ る。
◆慣 性 効 果
▲脈 動 効 果
▲2t
50(岡D
一
巨2500
≡
一
十
津_腺,
◆ ▲脈 動 効 果
一
=
≧2000 ◆,
=
詔 ◆
己
甥1500
◇.
署 ◆
ラ
呂
』10(DID
乙
晋500
4
◆
・ ▲ ▲
▲..::
『
一
1
0
5000 60007000800090001000011000
E"gineSpee則rpmI
図62012年 度 エ キ ゾ ー ス トマ ニ ホ ー ル ド長
今 回 自作 した 吸排 気管 のCAD図
とそ の完 成 品 を 図7,8
に 示す 。
図7イ ン テ ー ク マ ニ ホ ー ル ドのCAD図 と 完 成 品
図8エ キ ゾー ス トマ ニ ホ ー ル ドのCAD図 と 完 成 品
4.1.4サ ー ジ タ ン ク の 設 計 と 製 作
2011年 度 ま で の サ ー一一ジ タ ン ク に お い て,タ ン ク 内 部
の エ ン ジ ン へ の 空 気 流 入 口 で は 断 面 積 が 急 激 に 狭 く な る
た め 縮 流 を 起 こ し,大 き な 損 失 が 発 生 す る 。
そ こ で,吸 気 損 失 を 低 減 させ る た め に,サ ー ジ タ ン ク
内 の エ ン ジ ンへ の 流 入 口 に テ ー パ ー ド フ ァ ンネ ル を 設 置
す る こ と と し た 。 使 用 し た テ ー パ ー ド フ ァ ンネ ル と そ の
取 り付 け た 様 子 を 図9,10に 示 す 。
燭
嗣
倒
端
■
,
、
\
/
ヂ
し
㌣
褐
戸
\
、
口径 φ43
高 さ:48mm
幅:64㎜
図9使 用 し た テ ー パ ー ド フ ァ ン ネ ル
図52012年 度 イ ン テ ー ク マ ニ ホ ー ル ド長
(4)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
/戸
■ ■【.{
図10サ ー ジ タ ン ク 内 部 の 様 子
〔II年度の マフラー)ln年 度 のマフラー[
図132011年 度 と2012年 度 の マ フ ラ ー 内 部 比 較 のCAD図
今 回 自作 した サ ー ジ タ ン クのCAD図
とそ の 完 成 品 を
図llに
示 す 。
図11サ ー ジ タ ン ク のCAD図 と 完 成 品
シ ャー シダ イ ナ モ 試 験 に よ りテ ー パ ー ドフ ァ ンネ ル を
設 置 した こ とに よ る性 能 評価 を 行 う。5章 で そ の 測 定 結
果 及 び 考 察 を 述 べ る。
4.1.5マ フ ラ ー の 設 計 と製 作
2012年 度 排 気 消 音 器 は 図12に 示 す 排 気 原 音 の 周 波
数 分 析 の 結 果 を 基 に,丸 部 に 示 さ れ て い る 卓 越 し た 周 波
数 で あ る,366Hz及 び554Hz,823Hz付 近 の 周 波 数 を 消
音 す る こ と を 目 的 と し た 。
図122010年
度 測 定 の排 気原 音
2011年 度,2012年 度 の マ フ ラ ー のCAD図 を 図13に
示 す 。2012年 度 の マ フ ラ ー は 軽 量 化 に 重 点 を 置 き,大 き
な 変 更 を2点 施 し た 。 そ れ を 以 下 に 記 す 。
① マ フ ラ ー 内 部 に 設 置 す る バ ッ フ ル プ レ ー トを1枚 取 り
除 い た 。
② そ れ ぞ れ の パ ー ツ の 肉 厚 を2.0[㎜]か ら1.5[㎜]に 薄
く し た 。
次 に,マ
フラ ー に よる減 音 量(入
口音圧/出
口音 圧)
は マ フ ラー 内各 室 の伝 達 マ トリ ッ クス を合 成 し,入 口 と
出 口の 音圧 と体 積 速 度 を 結 び 付 け る伝 達 マ トリ ック ス を
求 め,マ フ ラー の 内 部構 造 の 設計 を行 っ た。
㈱
一[書 君]{瑠
・
・(・)
とす る と
島 一 ・+£ ・(・)
と な り
・・1・gl課1・ ・(・)
2・1・glA+£1・ ・(6)
C
ま た,図14に2011年 度 と2012年 度 の 減 衰 量 を 比 較
し た グ ラ フ を 示 す 。 図14を 見 て 分 か る よ うに,ll年 度
の マ フ ラ ー一一は823[Hz]付 近 の 周 波 数 を 減 衰 で き て い な か
っ た 。し か し,12年 度 の マ フ ラ ー は 消 音 対 象 に 設 定 し た,
366[Hz],554[Hz],823[Hz]の 全 て に お い てll年 度 の
マ フ ラ ー の 減 衰 量 を 上 回 る こ と が で き た 。
図142011,2012年 度 マ フ ラ ー の 減 衰 量 比 較
今 回 自作 し た マ フ ラ ー一一のCAD図 と そ の 完 成 品 を 図15
に 示 す 。
(5)成 蹟 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
図15マ フ ラ ー のCAD図 と 完 成 品
表3に2011年
度 と2012年
度 マ フ ラー の 騒 音 試 験 結 果
と重 量 の 比 較 した 結 果 を示 す 。
表3マ
フ ラー の 性 能 比 較
2011年 度 2012年 度
比較
騒 音 試 験 結 果[dBA1 106.8 106.9 +0.1
重 量(CAD上)[g] 2,371 2,067 一304
4.1.6完 成 図
2012年 度 に 設 計 ・製 作 し た 吸 排 気 系 統 の 完 成 品 を 図
16,17に 示 す 。
図16吸
気 系 統 ア セ ン ブ リのCAD図 と完 成 品
図17排
気 系 統 ア セ ン ブ リのCAD図 と完 成 品
4.2シ ャ シ ー の 設 計 と 製 作
4.2.1設 計 方 針
車 の 三 大 要 素 で あ る 「走 る ・曲 が る ・止 ま る 」 と い っ
た 運 動1生能 を 担 うサ ス ペ ン シ ョ ン,ア ッ プ ラ イ ト,ブ レ
ー キ
,ス テ ア リ ン グ シ ス テ ム に つ い て 設 計 と 製 作 を 行 な
う。 軽 量 化 と 運 動1生能 の 向 上 を 図 り,ド ラ イ バ ー一一の 意 思
通 りに 動 く 車 輌 を 目 指 す 。
4.2.2シ
ャ シ ー の 役 割 ・構 成
① サ ス ペ ンシ ョン
路 面 の 凹 凸 を車 体 に伝 えな い 緩 衝 装 置 と して の 機 能 と
車 輪 の 上 下 動や 操舵 に よ る車輌 の 姿勢 を 定 め,車 輪 の 路
面 に対 す る接 地性 を維 持 す る こ とで乗 り心 地や 操縦 安 定
性 な どの 改 善 を 目的 とす る機 構 で あ る。 サ スペ ンシ ョン
シ ス テ ム の 設計 次第 で乗 り心 地,操 縦 安 定性,旋
回性 能
が 大 き く変 化 す るの で 重 要 な セ ク シ ョ ンで あ る。
② ハ ブ ・ア ップ ライ ト
タ イ ヤ が 装着 され る部 分 で あ る。そ の 内部 に は アー ム,
タ イ ロ ッ ドが正 確 な 設計 位 置 に 取 り付 け られ て い る。 足
回 りの 部 品 で最 も精 度 が 求 め られ る。
③ ブ レー キ
車輌 を制 動す るた め の パ ー ツで あ る。 ブ レー キ方 法 は
い くつ か あ るが,当 車輌 はデ ィス クブ レー キ方 式 を採 用
して い る。
④ ス テ ア リ ング
ハ ン ドル の 回 転運 動 か らタ イ ヤ を転 舵 させ る パ ー ツ で
あ る。 ス テ ア リ ング は レス ポ ンス の 良 さ,操 舵 力,走 行
後 の 前 輪 トー変 化 な ど考 慮 しな け れ ば な らな い 点 が 多数
あ る為,バ ラ ンス の取 れ た 設 計 を行 うこ とが 重 要 で あ る。
4.2.3ア ー ム ・サ ス ペ ン シ ョ ン 設 計
2011年 度 車 輌 に お い て 問 題 と な っ て い た イ ン リ フ ト
の 抑 制 や 対 地 キ ャ ン パ ー 角 の ポ ジ テ ィ ブ 方 向 へ の 変 化
(図18参 照),オ ー バ ー-n-一 ル な ど の 改 善 も考 慮 し,車 輌
コ ンセ プ ト と軽 量 化 を 重 視 し て 設 計 ・制 作 を 行 っ た 。
転 舵 キ ャ ンパ ー を 考 慮 し つ つ,フ ロ ン ト,リ ア 共 に 旋
回 時 に キ ャ ンパ ー 変 化 を 抑 え る よ うに ジ オ メ ト リ を 設 計
し た 。 こ れ は,大 会 で 使 用 す る コ ー ス は 車 輌 が 旋 回 姿 勢 に
あ る 時 間 が9割 近 い た め で あ る 。 転 舵 キ ャ ンパ ー一一を 考 慮
し た キ ャ ン パ ー一一角 は 式(7)で 求 め られ る 。
rP=rP・+arcc・s(sinOkc・sσ)+Ok+arcc・s(sinO,sinσ)-180
一式(7)
こ こ で,〔p:キ ャ ン パ ー一一角[。]
〔ρo:イ ニ シ ヤ ル キ ヤ ン バ ー 角[。]
Ok:キ ン グ ピ ン 角[。]
で あ る。
0,:キ ャ ス タ ー 角[。]
σ:操 舵 角[。]
キ ャ ス タ ー 角
1
,
キ ン グ
ン グ ピ ン 軸
一
■
メ 1
"
/轡/恥
並
亀
再「」
キ ン グ ピ ン 角 、
亀
、
・ ←辻
ニノ
、'
亀
、
キ ノ グ ビ ン軸
図18キ ャ ン パ ー 角 と キ ン グ ピ ン 角,キ ャ ス タ ー 角
(6)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
こ の 転 舵 キ ャ ン パ ー は 車 体 が ロ ー ル し た と き に 発 生 す
る キ ャ ン パ ー一一角 と は 打 ち 消 し あ う方 向 に 発 生 す る 。 表4
に2011年 度 車 輌 と の 比 較 を 示 す 。 な お,こ こ で は 制 動
目寺は サ ス ペ ン シ ョ ン の ス トロ ー ク 量 が30[㎜],旋 鴎
は 車 輌 の ロ ー一一ル 角 が2.0[。]の 時 の キ ャ ン パ ー一一角 を 比 較 し
た も の で あ る。
表4旋 回 時 の キ ャ ン パ ー 変 化 の 比 較
フ ロ ン ト リア
2011年 度 車 輌 1.25[。] 1.36[。]
2012年
度 車輌
0.98[。] 0.96[。]
P
一`
ぢ
種 一 一i`a:9-一 。rs-.1一 古 青1'9】'『
一● ■Bし、,、E:下rLH
9し 、?軽:多ts.H
申 置o旨輝:「r;H
L・ 一 一
鼠dttlslt[6r1]
図20ジ
オ メ トリ調整 幅 の グ ラ フ
(ロー ル キ ャ ンバ ー 変 化)
表5の よ う に フ ロ ン トタ イ ヤ は 一〇.27[。],リア タ イ ヤ は
一
〇.40[。]キャ ン パ ー 変 化 を 抑 え る こ と に よ っ て,そ れ ぞ れ
の 接 地 率 が そ れ ぞ れ21.6[%],44.1[%]向 上 し た 。 イ ン リ
フ ト現 象 の 要 因 と な る ジ ャ ッ キ ア ッ プ カ を 抑 制 す る た め,
ロ ー ル セ ン タ ー 高 を 下 げ た ジ オ メ ト リを 採 用 した(図19,
20参 照)。 図21,22に サ ス ペ ン シ ョ ン のCAD図 を 示 す 。
CFIXtanθ1 CF2xtanθ2
1ジ ヤ ・・XアW力 ・CFIt・・θ1-CF2…
少
θ21
表7キ
ャ ンパ ー 変 化 量 比 較
旋 回 時 キ ャ ンパ ー 変 化 加 減 速 時 キ ャ ン パ ー 変 化
Roll
SET
056(deg)
2.06(deg)
Bump
SET
1,34(deg)
0.94(deg)
\
\
◆ 01
一
CFI
図19ジ ャ ッ キ ア ッ プ カ
表5ロ ー ル セ ン タ ー 高 の 比 較
ψ
2011 2012
フ ロ ン ト ロ ー ル セ ン タ ー 高[mm1 35.1 40.2
重 心 位 置 に お け る ロー ル セ ン タ 塙[㎜1 52.6 43.1
リア ロー ル セ ン タ 塙[㎜1 70.1 45.9
CF2
ロア ア ー ム
図21サ ス ペ ン シ ョ ン シ ス テ ム
一 ム
ク
表6ジ
ャ ッキ ア ッ プカ の比 較
フ ロ ン トジ ャ ッ キ ア ッ プ カ リア ジ ャ ッ キ ア ッ プ カ
2011
392,3(N)
586.1(N)
2012
121,0(N)
215.7(N)
ア ー ム 取 り付 け 点 に ジ オ メ トリ調整 機 構 を 設 け,コ ー
ス の性 格 や ドライ バ ー の 技 量 や 好 み に サ ス ペ ンシ ョン特
性 を 合 わ せ られ る よ うに した 。
之/ベ アリング
図22ベ
ル ク ラ ンク 構 成
(7)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
4.2.4ハ
ブ ・ア ップ ラ イ ト設 計
ハ ブ の 種 類 は 大 き く分 け て 鉄製 とア ル ミニ ウム製 の2
種 類 に 分 類 され る。 鉄製 は 主 に 角 パ イ プ や 丸 パ イ プ を 切
断,溶接 して製 作 され る。アル ミニ ウム製 は 主 に 削 り出 し,
鋳 造 の2種 類 で あ るま た 近 年 で は マ グネ シ ウ ム製 もみ ら
れ る。
以 下 の 特 徴 も考 慮 し選 定 を行 っ た 。
ア ル ミニ ウム 合 金 ハ ブ の 特 徴
① 軽 く,省 エ ネ 効果 が 明 らか で あ る。 軽 合 金 ハ ブ は 鋼 質
ハ ブ よ り質 量 が 明 らか に 軽 く,こ れ は 車 体 の 加 速 性,制
動 性 と操 作 性 の 改 善 に 有 利 で あ り,燃 料 消 耗 効 率 高 め に
有 利 で あ る。
② 放熱 が 速 く,車 輌 安 全 度 が 高 い 。 ア ル ミニ ウム,マ
グ
ネ シ ウム 合 金 の 熱伝 導係 数 は 明 らか に 鋼 よ り高 く,放 熱
効 果 が もっ と良 い か ら 自動 車 の 制 動1生能 を強 化 し,自 動
車 の 安 全 走 行 を効果 的 に 保 障 して い る。
③ 緩衝 性 が 高 く,快 適性 が もっ と強 い 。
以 上 の 点 か ら2012年
度 車 輌 で は ア ル ミニ ウ ム 合 金
(A7075)の
削 り出 しを採 用 した。
2011年
度 ハ ブ と基 本 形 状 は変 更 せ ず,サ イ ズ ダ ウ ン した
設 計 を 行 な っ た 。 これ は,ブ
レー キ デ ィス クの 径 を小 さ
く した こ とに よ り実 現 す る こ とが で きた 。
ハ ブ に 最 もカ が加 わ るの は,旋 回 と制 動 を 同時 に行 っ
た と きで あ る。 旋 回 と制 動 を同 時 に行 っ た と き,瞬 間 的
に 前 輪 外側 に 大 き な カ が か か る。 実 際 の 状 況 よ りさ ら に
厳 しい 状 況 を想 定 し,旋 回 時 の 旋 回加 速 度 が2.OG,制
動
時 の 減 速 度 を1.6Gと
した 時 の 条 件 でCAE解
析 を行 っ た。
解析 結 果 を 図23に
示 す。最 大 応 力 が133.9MPaと
な り,
安 全 率 は3.74と
な っ た。安 全 率 は 例 年 通 りの 値 が 得 られ
た た め,使 用 して も問題 な い と判 断 した。2011年 度 ハ ブ
に 比 べ,安 全 率 を 落 とす こ とな く約30%の
軽 量 化 に成 功
した。
一
図23ハ
ブ解 析 結 果
藁 、.
図242012年 度 ハ ブ
次 に,ア ッ プ ラ イ トの 設 計 に つ い て 述 べ る。 フ ロ ン ト
ア ッ プ ラ イ トの 一 体 化 し た ロ ア ア ー ム 取 り 付 け 部 の 形 状
を コ の 字 型 か ら ロ の 字 型 とす る こ と で ア ー ム か ら の 入 力
を 分 散 し,強 度 を 向 上 させ た 。 ま た,フ ロ ン トア ッ プ ラ
イ トの ア ッ パ ー一一ブ ラ ケ ッ ト取 り付 け 音K分 にll㎜ の シ ム
を は さ ん だ 状 態 で 設 計 す る こ と で ネ ガ テ ィ ブ 方 向 に 約3
度 の 調 整 幅 を 持 た せ た(図25,26参 照)。
図252011年 度 ア ッ プ ラ イ ト
図262012年 度 ア ッ プ ラ イ ト
CAE解 析 を行 い安 全 率 の算 出 と肉抜 き に よる 軽 量 化 を
進 め て い く こ と と した。 ア ップ ラ イ トに対 して 最 もカ が
加 わ る の は,旋 回 と制動 を 同 時 に行 っ た とき で あ る。 そ
の 際,瞬 間 的 に 前 輪外 側 の ア ップ ラ イ トに12G程
度 の加
速 度 が加 わ る こ とに な る。 解 析 条 件 は 実 際 の状 況 よ り さ
(8)成 踵 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
ら に 厳 し い 状 況 を 想 定 し,旋 回 時 の 旋 回 速 度 が2.OG,制
動 時 の 減 速 度 を1.6Gと し た 。 解 析 結 果 を 図27に 示 す 。
フ ロ ン ト,リ ア の 安 全 率 を 表8に 示 す 。
図27ア
ッ プ ライ ト解 析 結 果
表8ア
ッ プ ライ ト安 全 率 比 較
2011年 度 安 全 率 2012年 度 安 全 率
フ ロ ン トア ッ プ ラ イ ト 1.24 151
リア ア ッ プ ラ イ ト 1.31 156
4.2.5ブ レー キ 設 計
車 輌 に 使 用 し て い る ブ レ ー キ パ ー ツ が 実 際 に 発 生 さ せ
る ブ レ ー キ カ で あ る 前 後 輪 の 実 ブ レ ー キ カBdF,BdRは 式
(8),式(9)に よ り表 さ れ る。
B、F-(βEF)。 ・PF'AmF・ 生 ...式(8)
R
B、 。 一(βEF)。 ・PR'AmR'!ltf...式(9)
R
BEFER:パ ツ ド摩 擦 係 数(Fは フ ロン ト,Rは リア)
PF ,R:プ レー一一キ ペ ダ ル を 踏 ん だ 時 に 発 生 す る
ブ レ ー キ オ イ ル の 圧 力
AWF ,WR:キ ャ リパ ー ピ ス トン 面 積
rF,R:ブ レー キ有 効 半径
(ブ レ ー キ デ ィ ス ク 半 径)一(キ ャ リパ ー ピ ス トン 半 径)
R:タ イ ヤ 半 径
2012年 度 車 輌 で は プ レー一一キ 試 験 に お い て 四 輪 ロ ッ ク
を ク リア で き た2010年 度 車 輌 を 参 考 に 設 計 を 行 っ た 。
ブ レー キ デ ィ ス ク の 径 を Φ220[㎜]か らΦ190[mm]に 変
更 す る こ と 約25%(約0.8kg)の 軽 量 化 し た 。 デ ィ ス ク を
小 さ く し た こ と で 制 動 力 は 落 ち る が,ペ ダ ル の レ バ ー 比
を1:4か ら1:4.8に 変 更 す る こ と で 制 動 力 を 維 持 し た 。
4.2.6ス テ ア リ ン グ 設 計
2012年 度 車 輌 の ス テ ア リ ン グ 設 計 方 針 を 以 下 に 示 す 。
① 学 生 フ ォ ー ミ ュ ラ で は 大 会 コ ー ス が ス ラ ロ ー ム や コ ー
ナ ー が 多 く,速 度 域 が 約60[kmh]以 下 と と て も 低 い た め
ア ッ カ ー マ ン理 論 に 基 づ い た 設 計 を 行 い,走 行 性 能 向 上 。
② 他 パ ー ツ と の 連 携 を 取 り,干 渉0を 目指 した 。 そ れ に
よ り信 頼 性 向 上 。
③ 操 舵 力 の 軽 減,コ ッ ク ピ ッ ト担 当 者 と連 携 を 取 り,ド
ラ イ ビ ン グ ポ ジ シ ョ ン か らハ ン ドル の 位 置 を 決 定 す る こ
と に よ り,ド ラ イ バ ビ リ テ ィ の 向 上 。
こ れ ら の 方 針 に 基 づ き 設 計 を 行 っ た 。
大 会 コ ー一一ス の 最 小Rの4500[㎜]よ り大 き く余 裕 を 持
ち,最 小 回 転 半 径 を3900[㎜]と し た 。 次 に,ア ッ カ ー一一
マ ン理 論 に 基 づ き 以 下 の 式 を 用 い て,転 舵 角 を 求 め た 。
LL2KLR
=十C=十2K十 十C
sinβsmαtαnα
一式(10)
内 輪 の 切 禰ta・a-、
。.c、蝕,.。 ・・式(ll)
ゐ
外 輪 の 切 れ 角sinβ 「 酉 … 式(12)
R:最 小 回 転 半 径 α:内 輪 切 れ 角
β:外 輪 切 れ 角L:ホ イ ー ル ベ ー スT:ト レ ッ ド
K:左 右 の キ ン グ ピ ンの 距離C:(T-K)/2
闘
●
ト
●
.
唱
,
1
図29ア ッ カ ー マ ン 理 論
これ よ り タ イ ロ ッ ド取 り付 け 転 座 標 の 決 定 を 行 っ た 。
歴 代 で は2次 元 の 計 算 し か 行 っ て こ な か っ た 。2012年
度 で は,Susprog3Dと い う3次 元 で の 数 値 解 析 を 行 う ソ
フ ト とExcelフ ァ イ ル を 用 い て よ り高 度 な 設 計 を 行 っ た 。
Susprog3Dで 計 算 し た 結 果 は 以 下 の と お り で あ る。
表9Suspro93Dを 用 い て 得 た 値
内 輪[。] 外 輪[。]
理 想 内輪 角[o]
理 想 外 輪 角[。]
29.53 23.61 32.86 23.61
図28ブ レ ー キ デ ィ ス ク
(左 φ220[mm]右:φ190[mm])
(9)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
ア ッ カ ー マ ン 率 は
29.53-23.61
×100=64%
32.86-23.61
と な っ た 。2011年 度 車 輌 と 理 想 ア ッ カ ー一一マ ン 曲 線 パ
ラ レ ル ス テ ア リ ン グ の 比 較 を 図30に 示 す 。
1
︻目
量
書
昼
=
2
言
一i
_つ 賜
_,'/
亨 ・'⊃.革 麻 事両
4-『 勺一 一
1;ll
-一 一
.ド14度 車両
一'}唱
.う31L顕 喧 ●{11
路 面 温 度:12.6℃,気 温:13.2℃,タ イ ヤ 空 気 圧:loo【kPa]
実 測 し た 操 舵 力 を 表10に 示 す 。
表10年 度 別 操 舵 力 比 較 表
年度
操 舵 力 【N】
2009 128
2010 55.9
2012 48
2011年
度 車輌 は ア ッフ.ライ ト側 の 精 度 が 低 い た め,測 定
値 の精 度 も低 い た め省 略 した。2010年 度 車輌 と比 較 す る
と操舵 力 を 軽減 で き て い る こ とが 分 か る。
lIltt
1㎜騨rセ順㎎ 融d
図30ア ッ カ ー マ ン 曲 線
441'II
図 か ら2012年
度 車 輌 の ア ッカ ー マ ン 曲線 は理 想 ア ッ
カ ー マ ン 曲線 に 近 い こ とが 分 か る。
ま た,2010年
度 車 輌 にお い て ピニ オ ンの 強 度 が 足 りず
破 断 して しま っ た こ と を踏 ま え,再 度 強 度 計 算 を 行 い,
設 計 を行 っ た。 図 の 下 に 示 され て い るの は シ ャ フ ト部 の
径 で あ る。
図31φ12シ ャ フ ト 図32φ15シ ャ フ ト
応 力 の か か っ て い る と こ ろ を 注 目 す る と,シ ャ フ ト部
が φ12の ピ ニ オ ン は シ ャ フ ト部 と ギ ア 部 の 境 界 に 最 大
応 力 が か か っ て い る こ と が 分 か る 。 そ の 部 分 の 応 力 を 見
る と,シ ャ フ ト部 が φ12の ピ ニ オ ン は120[MPa],シ ャ
フ ト部 が φ15の ピ ニ オ ン は53[MPa]で あ る こ と が 分 か
っ た 。 歴 代 で 破 断 し て し ま っ た の は シ ャ フ トと ギ ア 部 で
あ る こ と か ら,走 り込 み よ る 金 属 疲 労 が 原 因 の ひ と つ で
あ る と 考 察 す る 。2012年 度 は シ ャ フ ト部 径 が φ15の ピ
ニ オ ン を 採 用 し,信 頼1生を 向 上 さ せ た 。
次 に,操 舵 力 の 軽 減 を 達 成 す る た め に,タ イ ヤ 回 転 軸
と ア ッ プ ラ イ ト側 の タ イ ロ ッ ド取 り付 け 点 の 距 離 を 稼 ぐ
こ と に よ りモ ー メ ン トカ を 増 大 さ せ,操 舵 力 を 低 減 し た 。
据 え 切 り転 舵 す る と き の 測 定 方 法,測 定 値 の 条 件 を 以
下 に 示 す 。
測 定 方 法:バ ネ ば か り と 定 規 を 用 い た 測 定 法
4.3電
装 部 品 の設 計 と製作
4.3.1設
計 方 針
「ドライ バ ビ リテ ィの 向 上 」 の コン セ プ トの 基,表 示
系 の 目視 の し易 さや フ ィー ドバ ッ ク,各 種 操作 性 の 向 上
を 目指 した 設計 ・製 作 を行 っ た。
ま た,電 装 は 例年 トラ ブル の起 きや す い パ ー トで あ り
危 険 も伴 う。 非 常 に 多 くの配 線 が 行 き 来 して い るが,セ
ン サ ー 配線 等 の接 続 ・接 触不 良 が 一 点 あ る だ け で 車輌 に
重 大 な影 響 を及 ぼす 場合 もあ る。 そ の た め,電 装 に お け
る トラ ブル ・事 故 の ゼ ロを 目指 し,外 的 な 刺激 に 強 く ト
ラ ブル を発 見 しやす く,か つ整 備 性 の優 れ た配 線 とな る
よ う製 作 を 行 っ た。
4.3.2電 装 系 統 の 役 割 ・構 成
電 装 部 品 に は,緊 急 時 の 対 策 や 既 定 規 格 の 部 品 を 使 用
す る等 の レ ギ ュ レ ー シ ョ ン が 存 在 す る 。 そ れ ら の 規 定 の
あ る 主 な 部 品 を 以 下 に 示 す 。
緊 急 ス イ ッ チ
プ ラ イ マ リ ー マ ス タ ー ス イ ッ チ,コ ッ ク ピ ッ トマ ウ ン
トマ ス タ ー ス イ ッ チ,オ ー一一バ ー トラ ベ ル ス イ ッ チ の3っ
が あ る 。 図33に 各 ス イ ッ チ の 取 り 付 け 状 況 を 示 す 。
図33プ ラ イ マ リ ー マ ス タ ー ス イ ッ チ(左)と
コ ッ ク ピ ッ トマ ウ ン トマ ス タ ー ス イ ッ チ(右)
プ ラ イ マ リ ー マ ス タ ー ス イ ッ チ は,ド ラ イ バ ー の 右 肩
付 近 に 設 置 し,車 外 か ら 容 易 に 操 作 が で き る こ と,車 載
さ れ た す べ て の 電 気 系 統 の 電 源 が 切 れ る こ と,リ レ ー を
(10)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
介 さず 直接 作 動 させ る こ とが 決 め られ て い る。2012年 度
車 輌 で は,2011年
度 車 輌 に 使 用 して い た ス イ ッチ の 故 障
部 の パ ー ツ を 交 換 し利 用 した 。
コ ッ ク ピ ッ トマ ウ ン トマ ス ター ス イ ッチ は,緊 急 時 に
ドライ バ ー が 容 易 に 操 作 で き る こ と,ス テ ア リン グホ イ
ー ル 付 近 に 設 置 し他 部 品 に 操 作 を妨 げ られ な い こ と
,プ
ッ シ ュプ ル ス イ ッチ で あ る こ とが 決 め られ て い る。
上 記2ス イ ッチ は 非 常 時 に車 輌 の 動 作 を人 為 的 に停 止
させ る もの で あ り,付 近 に 国 際 的 な 電 気 シ ンボ ル マ ー ク
を貼 り付 け,車 外 か ら容 易 に 発 見 で き る よ うにす る必 要
が あ る。 シ ンボ ル マ ー クは カ ウル 上 に 貼 り付 け る こ とで
目視性 を 上 げ た 。
オ ー バ ー トラベ ル ス イ ッチ は,点 火 と燃 料 ポ ンプ が 切
れ る こ と,位 置 が 適 切 で あ る こ と(ブ レー キ踏 み 込 み ス ト
ロー
一
一
クの2倍 程 度 の位 置),ド ライ バ ー に よっ て 再 セ ッ ト
が で きな い こ とが 決 め られ て い る。 この ス イ ッチ はブ レ
ー キ ペ ダ ル 後 部 に 装 着 し
,緊 急 時 に ドライ バ ー が ブ レー
キ を 踏 み 込 む こ とで 燃 料 の 供 給 等 を停 止 させ る もの で あ
る。 図34に
取 り付 け 状況 を示 す。
図34オ ー バ ー トラ ベ ル ス イ ッ チ
』
② 電 気 系
ブ レ ー キ ラ イ ト,バ ッ テ リー に 関 し て の レ ギ ュ レー シ
ョ ン が あ る 。
ブ レ ー-Seラ イ トは 赤 色 で15W以 上,あ る い は 相 当 品 で
後 部 か ら 明 瞭 に 確 認 で き る こ と,車 輌 セ ン タ ー ラ イ ン 上
で ホ イ ー ル セ ン タ ー か ら ド ラ イ バ ー の 方 の 間 に 設 け る こ
と が 決 め ら れ て い る 。LEDに よ り新 た に 製 作 し た 。
バ ッ テ リー は フ レ ー ム に し っ か り と 固 定 し,端 子 は 絶
縁 す る こ と と な っ て い る 。 よ っ て,絶 縁 した 鉄 部 材 で バ
ッ テ リー 上 部 を 固 定 し ボ ル ト止 め し た 。
③ メ ー タ ー
ド ラ イ バ ー は 運 転 に 際 し て 回 転 数 を 確 認 す る 必 要 が あ
る 。 ま た 排 気 音 試 験 に お い て も 回 転 数 を 確 認 す る 必 要 が
あ る。 エ ン ジ ン は95℃ か ら105℃ が 適 切 な 動 作 温 度 で あ
る た め,冷 却 水 温 度 を 確 認 し つ つ 冷 却 水 循 環 ポ ン プ の ス
イ ッ チ や ラ ジ エ タ ー フ ァ ン の ス イ ッ チ を 操 作 す る 必 要 が
あ る。
以 上 の こ と よ り ド ラ イ バ ー一一ヘ デ ー一一タ を 示 す た め2011年
度 ま で はCBR600RR純IEで
あ る大 型 の メ ー タ ー
一
一
を使 用
して い た が,2012年
度 は社 外 品 を採 用 した。
④ ワイ ヤ ー ハ ー ネ ス
す べ て の 電気,信
号配 線 の集 ま りで あ り車輌 の 前 部 か
ら後部 ま で100近
い さま ざ ま な配 線 が存 在 す る。そ の う
ち1点 で も接 触 不 良 が あ る と走行 に 重 大 な 問題 が発 生 す
る こ とが あ り,ド ラ イバ ー に危 険 が及 ぶ こ と もあ る が,
配 線 は 引 張 りや 曲 げ ね じ りに 非 常 に 弱 く最 も トラブ ル が
起 きや す い パ ー トの ひ とつ で あ る。
4.3.3メ イ ン パ ネ ル の 設 計 ・製 作
整 備 性 を 考 慮 し 一 体 型 と した 。 目視 性 や 配 線(ア ー ス)
の ス マ ー一一ト化 の た め,1㎜ の ア ノレミ 板 に て 製 作 し た ス イ
ッ チ パ ネ ル を 別 に 設 け た 。 メ イ ン パ ネ ル は カ ー ボ ン 合 板
を 用 い て 製 作 し た 。
図35に 示 す よ うに コ ッ ク ピ ッ ト右 側 に ス タ ー一一タ ー一一ス
イ ッ チ ・コ ッ ク ピ ッ トマ ウ ン トマ ス タ ー ス イ ッ チ,左 側
に 社 外 メ ー タ ー 電 源 ス イ ッ チ ・ラ ジ エ タ ー 冷 却 フ ァ ン電
源 ス イ ッ チ ・冷 却 水 循 環 ポ ン プ ス イ ッ チ を 設 け た 。
ス イ ッ チ ン グ の フ ィ ー ドバ ッ ク と し て,昨 年 度 ド ラ イ
バ ー一一よ り ス イ ッ チ がONに な っ て い る と き に パ イ ロ ッ ト
ラ ン プ が 光 る と わ か りや す い,と い う意 見 が あ っ た 。 し
か し,オ ー プ ン タ イ プ の フ ォ ー ミ ュ ラ カ ー で は 日 中 に パ
イ ロ ッ トラ ン プ が 光 っ て い る か 目 視 が し に く い と い う こ
と が あ り,物 理 的 に 目視 で き た ほ うが 良 い と考 え た 。 ま
た,ス イ ッ チ は 限 ら れ た ス ペ ー ス に 設 置 し な け れ ば な ら
な い た め ス テ ア リ ン グ ホ イ ー ル と接 近 し て し ま う。
ス テ ア リ ン グ の 際 の 誤 操 作 を 防 ぐ た め,例 年 で は 動 き
が 非 常 に 固 い ス ラ イ ドス イ ッ チ を 使 用 し て い た が,ド ラ
イ ビ ン グ グ ロ ー ブ を し た 状 態 で の 操 作 が 困 難 で あ っ た 。
以 上 よ り,ド ラ イ ビ ン グ グ ロ ー ブ を 装 着 し た 状 態 で も
押 し 上 げ ・押 し 下 げ の 感 触 が わ か りや す く,か つ ス イ ッ
チ の 上 向 き ・下 向 き の 差 が 大 き くON・OFFを 目視 しや
す い ク リ ッ ク感 の あ るバ ー タ イ プ トグ ル ス イ ッ チ を 採 用
し た 。
、/
`
﹁
-φ
図35コ ッ ク ピ ッ ト左 側 の ス イ ッ チ 類
(11)成 蹟 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
4.3.4メ ー タ ー 周 りの 設 計 ・製 作
ド ラ イ バ ー へ よ り多 く の 情 報 を,コ ン パ ク トに 表 示 す
る た め 図36に 示 す よ う な 社 外 メ ー タ ー(PERCUL社
LAPCOMSLITElOO)を 使 用 し た 。ロ ギ ン グ機 能 が あ り,
ド ラ イ ビ ン グ 中 の 車 輌 の 情 報 をSDカ ー ドへ 保 存 す る 事
が 出 来 る の で,今 後 の 車 輌 製 作(特 に エ ン ジ ン,ラ ジ エ タ
ー 周 りの 設 計)に 応 用 で き る 。入 力 ・表 示 ・ロ ギ ン グが で
き る の は,水 温(2デ ー タ)・ 回 転 数 ・車 速 ・ギ ア ポ ジ シ
ョ ン(回 転 数 ・車 速 の デ ー タ よ り算 出)・ ラ ッ プ タ イ ム ・
ス テ ア リ ン グ 角 度 ・GPS車 輌 位 置 追 跡 な ど で,2012年
度 は 水 温 ・回 転 数 ・車 速 を 入 力 し 表 示 さ せ た 。 デ ー タ は
付 属 の コ ン ピ ュ ー タ へ 入 力 し,メ ー タ ー に 表 示 す る 。
図36使 用 し た メ ー タ ー
'
型
ま た,メ ー タ ー は ス テ ア リ ン グ ホ イ ー ル 上 に マ ウ ン ト
し た 。 そ の 様 子 を 図37に 示 す 。 昨 年 ま で フ ロ ン トフ ー
プ に メ ー タ ー を 装 着 し て い た た め,ス テ ア リ ン グ ホ イ ー
ル の 隙 間 か ら メ ー タ ー を 見 る こ と に な っ て い た 。 ス テ ア
リ ン グ ホ イ ー ル 上 に 設 け る こ と で 目視 性 の 向 上 を 図 っ た 。
そ の 様 子 を 図38に 示 す 。
社 外 メ ー タ ー 背 面 か ら は ボ ル トが1本 出 て い る た め,
ス テ ア リ ン グ ホ イ ー ル の 前 面 と 背 面 に 製 作 し た マ ウ ン ト
部 品 を 固 定 し,マ ウ ン ト部 品 と社 外 メ ー タ ー の ボ ル トを
固 定 す る こ と で ス テ ア リ ン グ ホ イ ー ル と社 外 メ ー タ ー を
固 定 し た 。
メ ー タ ー を ス テ ア リ ン グ ホ イ ー ル 上 に 装 着 す る に 従 い,
メ ー タ ー ま で の ケ ー ブ ル を 可 動 式 と す る 必 要 が あ っ た 。
8芯 カ ー一一ル コ ー一一ドに て メ ー一一タ ー 用 ケ ー ブ ル を 製 作 し,
車 輌 と ス テ ア リ ン グ ホ イ ー ル 上 の メ ー タ ー を 接 続 した 。
『\ 篭'
'
,
〆
'「
'
▼
で
、
㌔
4
、、
\ 、
幽
、 、
\
\
図37メ ー タ ー 装 着 図 と カ ー ル コ ー ドの 運 用 図
/
●
巳
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/
♂
凶
滝
﹁
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国 一`≡ 剛 均傭
一 り/蜜
●■●●●●●●●●
・1塗 炉.
4
戚
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﹂
ζ ゼ
図38ド ラ イ バ ー 目線 で の コ ッ ク ピ ッ トパ ー ツ
次 に,デ ー タ の 入 力 に つ い て 述 べ る 。先 述 し た よ うに,
2012年 度 は 水 温 ・回 転 数 ・車 速 を 入 力 し表 示 させ た 。 そ
れ ぞ れ の セ ン サ ー の 取 り 付 け 位 置 と方 法 を 示 す 。
ドラ イ バ ー は 運 転 中 に 水 温 を 確 認 し,冷 却 水 温 度 の 変
化 に よ っ て 冷 却 フ ァ ン,冷 却 水 循 環 ポ ン プ の 電 源 を
ON/0FFし て エ ン ジ ン を オ ー一一バ ー ヒ ー ト ・ク ー一一ル に させ
な い よ うに す る 必 要 が あ る。 正 し い 水 温 を 測 れ る よ うに
す る た め,図39の よ うに エ ン ジ ン の 冷 却 水 出 口 付 近 に
水 温 セ ン サ ー を 取 り 付 け た 。
図39水
温 セ ンサ ー 取 り付 け 図
車 速 セ ン サ ー は 駆 動 輪 で あ る後 輪 に 取 り 付 け る と タ イ
ヤ が グ リ ッ プ し て い な い と き に 正 し い ス ピ ー ドが 取 れ な
い 可 能 性 が あ る た め,左 前 輪 の ブ ラ ケ ッ トヘ マ ウ ン ト部
品 を 溶 接 し 取 り 付 け た 。 セ ン サ ー は マ グネ ッ ト近 接 セ ン
サ ー で あ り,4マ グ ネ ッ トを タ イ ヤ へ 取 り付 け そ の 接 近
の 時 間 の 間 隔 で 車 速 を 測 定 す る も の で あ る 。
回 転 数(RPM)はECU(EngineControlUnit)か ら 出 力 さ
れ る エ ン ジ ン 回 転 数RPM出 力 を メ ー一一タ ー の コ ン ピ ュ ー
タ へ 入 力 し 表 示 させ た 。
昨 年 度 エ ン ジ ン が か か る段 階 で メ ー タ ー一一にECUか ら の
RPM信 号 を 入 力 し た と こ ろ,5000∼6000回 転 で 表 示 が
消 え て し ま う事 象 が 起 き て い た 。 エ ン ジ ン を 始 動 で き な
い と デ ー タ を 取 る こ と が で き な い た め,昨 年 度 の メ ー タ
ー一一の 挙 動 よ りECUか ら ど の よ う な デ ー タ が 出 力 さ れ て
い る の か 擬 似 波 形 を メ ー タ ー へ 入 力 し推 測 し た 。
発 振 器(IWATSUFG-350)を 用 い て 擬i似 波 形 を 入 力 し た
と こ ろ,メ ー タ ー で は 発 振 信 号 が2.IVを 下 回 る と,6,000
回 転 付 近 以 上 の 表 示 が 消 え て し ま う事 が わ か っ た 。 これ
(12)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
に よ り,ECUの 出 力 す るRPM信 号 は2.lV以 下 で あ り社
外 メ ー タ ー で 信 号 の 認 識 に 必 要 な 電 圧 に 達 し て い な い と
考 え た 。 よ っ て 電 圧 を5.IVま で 引 き 上 げ る 図40の よ う
な ア ン プ を 製 作 し た 。
潜'
R})]t
ILI'
糠 、
i,.、、u
::lhITI=
=9CLSlく
1、1、、、B
(,Nr}{,:'r)
図40RPM信
号 の 増 幅 ア ン プ回 路 図
いut
電 源 と して9Vボ
ッ クス 電 池 を用 い た。 ま た サ イ ドウ ォ
ー ル へ 取 り付 け られ る よ う強 化 プ ラス チ ッ クケ ー ス に ケ
ー シ ン グ し
,ア ル ミ部材 の マ ウ ン ト部 品 を取 り付 けた 。
発 振機 に て 動 作確 認 を行 っ た。 擬似 信 号 を 出力 した と
こ ろ,15V程
度 の信 号 で も5.lVへ 増 幅 され12,000回
転
ま で 正 し く表 示 が で き た 。そ こで,2012年
度 実 車 輌 に て
RPM増
幅 回 路 の 動 作 確 認 を した 。
まずECUよ
り出力 され るRPMの
信 号 を 直 接 社 外 メ ー
ター のRPM入
力 へ 接 続 し,エ ン ジ ン を始 動 した が,こ の
試 行 で は や は り社 外 メー ター に て 回 転 数 を正 しく表 示 さ
せ る こ とは で き な か っ た。 次 にRPM増
幅 ア ン フ。
をECU
と社 外 メ ー タ ー 間 に 装 着 しエ ンジ ン を始 動 した が,社 外
メ ー
一
一
タ ー
一
一
に てIEし く回 転 数 を表 示 させ る こ とは で きな か
っ た 。 エ ンジ ンが動 作 してい る状 態 でECUか
ら出力 され
て い るRPMの
信 号 電 圧 を計 測 した と ころ,5V以
上(12V)
を示 してい た た め,1Eし く表示 され な い原 因が 電圧 不 足 で
な い ことが わ か っ た。そ こで,純 正 メ ー ター を社外 メー タ
ー と同時 に(並列)接 続 した とこ ろ
,社 外 メー ター に て正 し
く回転 数 表 示 をす る こ とが で きた。 図41の
よ うに純 正 メ
ー
一
一
タ ー分 の抵 抗(900Ω)を 並 列 に接 続 す る こ とで
,社 外 メ
ー タ ー のみ で の表 示 は成 功 した
。抵 抗 を並 列 に入 れ た こ と
で 電流 が多 く流 れ たた め で あ る と考 え られ る。
4.3.5ワ
イ ヤ ー ハ ー ネ ス の 設 計 ・製 作
2012年
度 は信 頼 性 ・整 備 性 の 向上 をテ ー
一
一
一
マ に,断 線
の 可能 性 の あ る 部分 を洗 い 出 し配 線 の し直 しや 強化 を行
い,外 的 な 刺激 に 強 く,か つ整 備 性 の 良 い 配線 を 心 が け
製 作 を行 っ た。
図42の
よ うに木 製 の モ ッ クア ップ モ デ ル を 用 い てパ
ー ツ の位 置 やパ ー ツ 間 の 距離 を確 定 し,す ず らんテープ
で シ ミュ レー トした。
実 際 の配 線 に は カ バ ー と してす べ て の箇 所 に コル ゲ ー
トチ ュ ー ブ,ス パ イ ラル チ ュ ー ブ を使 用 した。 動 き が必
要 な 箇 所(試 作 電 動 シ フ ター の パ ドル ス イ ッチ の 配 線 等)
で は動 き に 柔軟 な ス パ イ ラル チ ュ ー ブ を採 用 した。
昨年 度 ま で配 線 は 大 き くひ とま とめ に な っ て 必 要 な箇
所 へ分 散 して い く よ うに な っ て お り,整 備 をす る際 や ト
ラ ブル を発 見す る際 に は ま とま っ た配 線 か ら 目的 の ケ ー
ブ ル を 探 し出 し,行 く先 を追 っ て い か な け れ ば な らな か
っ た。2012度 は,信 号線 と電 力線 を コル ゲ ー
一
一トチ ュー ブ
で 分 け て ま とめ,信 号線 の 中 で もケ ー ブル の 至 る場 所 ご
とに 直径 の 異 な る コル ゲ ー
一
一
一
トチ ュ ー ブ で2重 に 分 け る こ
とで 目的 の ケ ー ブル の発 見 を 容易 に し,整 備 性 の 向 上 を
実 現 した。
ま た,配 線 の 絶縁 に は,ベ タつ き の な い 自己 融着 テ ー
プ と熱 に よ り縮 み密 着す る熱 収縮 チ ュ ー ブ を用 い た。 自
己 融着 テ ー プ は テ ー プ 同 ± が 完全 に密 着す る もの で接 着
剤 を用 い な い た めベ タ つ き が な い。 熱 収縮 チ ュ ー ブ は熱
に よ りチ ュ ー ブ 直径 が 二 分 の 一 ほ どに な る もの で,接 着
剤 を用 いず 絶縁 した い部 分 に密 着 させ る こ とが で き た。
図42木
製 モ ック ア ップ モ デ ル
out
→
900Ω
RPM!W>>
フ レ ー ム へ
RPM
in
「 、
ECU 一 ● ●一
'、
GND
」'
フ レ ー ム へ
一 一 一 レ ・
、 社 外 ・ 一 タ ー 〕
次 に,電 装 パ ー ツ を マ ウ ン トす る た め の サ イ ド ウ ォ ー
ル を 製 作 し た 。
そ し て,す べ て の 配 線 を カ バ ー し て い る コル ゲ ー トチ
ュ ー ブ は 切 れ 目 を 自 己 融 着 テ ー プ で 完 全 に チ ャ ッ ク し て
お り,大 き く剥 き 出 し に な っ て し ま う部 分 は 防 水 カ プ ラ
ー一一一を 使 用 す る こ と で
,防 水 性 を 高 め た 。 図43,44に そ
の 様 子 を 示 す 。
図41メ ー タ ー に てRPMを 正 し く表 示 で き た 回 路
(13)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
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図43サ イ ドウ ォ ー ル に マ ウ ン ト し た
電 装 部 品 と ハ ー ネ ス
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図44エ
ン ジ ン左 側 面 の 配 線
ま た,2011年
度 まで 使 用 して い た ス トップ ラ ンフ.は暗
く晴 天 下 で 確認 し難 い もの で あ っ た た め,目 視 性 向上 の
た め ス トップ ラ ンプ を 新 た に 製 作 した 。
光 源 に 省 電 力 の チ ップ型LEDを54個
用 い て 配 列 した(図
45参 照)。
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図45ス トッ プ ラ ン プ(中 央)と 装 着 図
4.4シ フ タ ー の 設 計 と 製 作
4.4.1設 計 方 針
大 会 の コ ー ス で は 短 い 直 線 で 加 速 す る 必 要 が あ り,特
に ア ク セ ラ レ ー シ ョ ン で は コ ン マ 何 秒 と い う タ イ ム が 競
わ れ る た め,無 駄 の 無 い シ フ トチ ェ ン ジ が 勝 敗 の ポ イ ン
トと な っ て い る。 ま た,MT車 は ド ラ イ バ ー一一が シ フ タ ー一一
の 操 作 を 行 う た め,シ フ トチ ェ ン ジ で の ロ ス を 軽 減 す る
必 要 が あ り,操 作 方 式 や イ ン タ ー フ ェ ー ス 面 で の 改 良 が
重 要 と な る 。
4.4.2シ フ タ ー の 役 割 ・構 成
フ ォ ー ミ ュ ラ で 使 用 さ れ て い る の は 主 に オ ー トバ イ
用(MT)エ ン ジ ン で あ り,エ ン ジ ン と トラ ン ス ミ ッ シ ョ
ン が 一 体 と な っ て い る。 シ ー ケ ン シ ャ ル シ フ ト と 呼 ば れ,
ド ラ イ バ ー が 入 力 軸 を 回 転 させ る こ と で 一 速 ず っ ア ッ プ
ダ ウ ン の 操 作 を 行 う こ と が で き る 。
4.4.3電 動 シ フ タ ー の 設 計 と 製 作
2012年 度 は,前 年 に 比 べ て 車 輌 の 操 作 性 と加 速 性 能 を
向 上 させ る た め,ソ レ ノ イ ド式 の ア ク チ ュ エ ー タ を 用 い
た 電 動 式 パ ドル シ フ タ ー を 採 用 し た 。 これ に よ り ド ラ イ
バ ー は パ ドル ス イ ッ チ を 弾 く こ と で ス テ ア リ ン グ を 握 っ
た ま ま 変 速 を 行 う こ と が で き る。
当 チ ー一一ム で 使 用 し て い る エ ン ジ ン はHONDA社 製
CBR600RR用 の エ ン ジ ン で あ り,そ の エ ン ジ ン に お け る
シ フ タ ー一一の 入 力 軸 を 図46に 示 す 。 ア ク チ ュ エ ー一一タ を 用 い
て こ の 入 力 軸 を 正 回 転 逆 回 転 に そ れ ぞ れ15。 回 転 さ せ る
こ とで シ フ トダ ウ ン,シ フ トア ップ を行 うこ と が で き る 。
筆ζ駄 一
避嗣
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羅
ニ
ー
ぎ集
・謬
,
ゆ.,
図46シ フ タ ー 入 力 軸
ま た,ア ク チ ュ エ ー タ と し て,PINGEL社 製 のelectric
shifterを 使 用 し た 。electricshifterkitは オ ー一一ト バ イ 用
の 市 販 キ ッ ト で あ り,そ の 内 容 を 図47に 示 す 。
図47PINGEL社 製electricshifterkit
(14)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
図47の 右 側 に 示 し て あ る 「ShiftSolenoid」 が ソ レ ノ イ
ド式 ア ク チ ュ エ ー タ で あ り,ス イ ッ チ ン ン グ で ロ ッ ドが
ス ラ イ ドす る使 用 に な っ て い る。 図48の よ うな 汎 用 品
の リ ン ク を 介 し て 入 力 軸 を 回 転 さ せ る こ と で 変 速 を 行 う
設 計 と し た 。
ロ ッ ドの 全 ス トn-一 ク 量 は58㎜
で あ り,通 常 目寺は 中
点 で 留 ま る よ う配 置 す る 。 リ ン ク は,入 力 軸 に 取 り付 け た
状 態 の 軸 中 心 か ら作 用 点 ま で の 距 離 は90mmで あ っ た 。
以 上 か ら,リ ン ク と ロ ッ ドの な す 角 を80∼90。 に 設 定 し
た 場 合,入 力 軸 を 逆 方 向 に15。 ず つ,計30。 回 転 さ せ る の
に 十 分 な 諸 元 で あ る こ と を 確 認 し た 。3D-CADを 用 い た
動 作 部 の 機 構 を 図49に 示 す 。 ま た3D-CAD設 計 時 の 車
輌 全 体 に お け る 配 置 イ メ ー ジ を 図50,製 作 し た も の を 実
際 に 車 輌 に 取 り付 け た 状 態 の 様 子 を 図51に 示 す 。
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図48使
用 した リン ク
一
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図503D-CADに よ る 取 り付 け イ メ ー ジ
図51実
際 の 取 り付 け状 態
次 に,パ ドル ス イ ッ チ に つ い て 述 べ る。 ア ク チ ュ エ ー
タ を 動 作 させ る た めON/0FFス イ ッ チ を パ ドル ス イ ッ チ
と し て 設 計 す る 。 ス テ ア リ ン グ シ ャ フ トに 図52の よ う
な 部 品 を 取 り付 け る こ と で,ド ラ イ バ ー は ス テ ア リ ン グ
を 握 っ た ま ま 左 右 の パ ドル を 弾 く こ と が で き る 。 実 際 に
製 作 し た パ ドル ス イ ッ チ を 図53に 示 す 。
θ
1
図49動
作 部 の 機 構
← 周 馳」
㌧
図52パ
ドル ス イ ッ チ概 形
(15)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
図53製
作 したパ ドル ス イ ッ チ
5.シ
ャ ー シ ダ イ ナ モ 試 験 に よ る 検 証
5.1目 的
製 作 した 吸排 気 系 統 が,実 際 に 設 計 で狙 っ た 値 を得 ら
れ て い るか を 検 証 す る こ と を 目的 と した 。 測 定 す る もの
は 主 に トル ク ・馬 力 で あ る。 ま ず,サ ー ジ タ ン ク につ い
て は 容 量 や 形 状 の似 て い る2010年
度 の もの と比 較 して
検 証 す る こ と と した 。ま た,2011年
度 との 吸 気 管 に よ る
トル クカ ー ブ の 違 い を 比 較 した。
5.2シ ャ ー シ ダ イ ナ モ 試 験 と は
車 輌 の 動 力(馬 力 ・ トル ク)を 測 定 す る 試 験 で あ る 。 図
54の よ うな ロー一一ラ ー一一の 上 に 測 定 車 輌 を 乗 せ,エ ン ジ ン を
始 動 し,ロ ー ラ ー を 回 転 さ せ る こ と で 動 力 を 測 定 す る 。
今 回 の 試 験 で は,全 負 荷 状 態 で 試 験 を 行 っ た 。 全 負 荷
と は,ス ロ ッ トル を 全 開 に し,最 高 回 転 速 度 ま で 上 げ た
状 態 の こ と で あ る。
図54シ
ャー シ ダ イナ モ 試 験 機
5.3試 験 手 順
① ロ ー ラ ー の 上 に 駆 動 輪 で あ る 後 輪 を 載 せ る 。
② 試 験 時 に 車 輌 が 動 か な い よ う に,ジ ャ ッ キ ア ッ プ ポ
イ ン ト及 び フ ロ ン トバ ル ク ヘ ッ ド ロ ー プ に よ っ て
固 定 し,接 地 させ る 。
③ エ ン ジ ン を 回 し,1速 か ら5速 ま で 一 段 ず っ ギ ア を
チ ェ ン ジ す る 。
④ 回 転 数 を10000回 転 ま で 回 す 。
試 験 の 様 子 を 図55に 示 す 。
1・L・Ss'・1ノ ぞ メr・ 飼
継 ㌦緬
一 ■匡 β
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3」 一
図55試
験 の 様 子
ほ
無チー㌧.7`・ 「
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乞"撃'を
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5.4試 験 の 条 件
試 験 は3回 行 っ た 。 以 下 の 表llに 使 用 し た パ ー一一ツ の
組 み 合 わ せ に つ い て 示 す 。 ま た,そ れ ぞ れ の 管 長 と サ ー
ジ タ ン ク容 量 を 表12に 示 す 。
表11試
験 の 条 件
試 験1試 験2試 験3
イ ン テ ー ク
マ ニ ホ ー ル ド
2011
年 度
サ ー ジ タ ン ク
2010
年 度
2012
年 度
2012
年 度
エ キ ゾ ー ス ト
マ ニ ホ ー ル ド
2012
年 度
2012
年 度
2012
年 度
マ フ ラ ー
2012
年 度
2012
年 度
2012
年 度
D
マ ツ フ
純正
純正
純正
表12マ
ニ ホ ー ル ド長 とサ ー ジ タ ンク 容 量
2010年 度 2011年 度 2012年 度
イ ン テ ー ク
マ ニ ホ ー ル ド
385mm 385㎜ 460㎜
サ ー ジ タ ン ク 2600cc 3100cc 2900cc
5.5測 定 結 果 及 び 考 察
5.5.1サ ー ジ タ ン ク に よ る 比 較
試 験1∼3の 測 定 結 果 を 図56,図57に 示 す 。そ れ ぞ れ
図 の 横 軸 は 回 転 数[rpm]を 表 し て お り,図57は トル ク,
図58は 馬 力 の 性 能 曲 線 を 示 して い る 。損 失 し た 馬 力,ト
ル ク な ど か ら割 り 出 し た も の で あ る。
(16)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol.50No.1(2013.6)
一 試 験1(Surge2010Jnmani2011)
一 一 試 験2(S"rge2012Jnma"nell)
一一一一試 験3(Surge2012Jnmanno12)
70008000
EnglneSpeedlrpm1
6.エ
ン ジ ン ベ ン チ 設 計
6.1目
的
学 内 に エ ンジ ンベ ンチ テ ス トを 行 え る設 備 が な い た め,
現 在 学 外 の施 設 を借 りて行 っ て い る。 ま た,車 輌 す べ て
の パ ー ツ が 完成 しな い と試 験 が行 えな い た め,大 会 ま で
に パ ワー トレイ ンの 十分 な調 整 が 行 え て い な い。そ こ で,
エ ンジ ンベ ンチ を設 計 し製 作 へ と繋 げ る こ とで,学 内 で
パ ワー トレイ ン の み で 実 験 を行 え る よ うに し,大 会 ま で
に 十分 な調 整 を行 え る環 境 を つ く る。
図56エ
ン ジ ン トル ク 曲線
一 試 験1(Surge2010Jnmani2011)
一 一 試 験2(Surge2012JnmannOll)
一一一一試 験3(Surge2012Jnmanに012)
70008000
EDgineSpeedlrpm】
図57エ
ン ジ ン出 力 曲 線
ま ず サ ー ジ タ ン ク に つ い て 比 較 す る 。試 験1と2を 比
較 す る と,馬 力 は 少 し低 い が,2012年 度 モ デ ル の 方 が 全
般 的 に 高 い トル ク を 得 ら れ て い る こ と が わ か る 。 ま た,
トル ク カ ー ブ を 見 る と2012年 度 モ デ ル は 広 範 囲 に お い
て トル ク を 得 る こ と が で き て い る 。 よ っ て,サ ー ジ タ ン
ク 内 に 設 置 し た テ ー パ ー ド フ ァ ン ネ ル に よ っ て 吸 気 損 失
を 低 減 さ せ る こ と が で き た た め シ リ ン ダ へ の 吸 入 空 気 量
が 増 加 し た た め で は な い か と 考 え ら れ る 。
イ ン テ ー一一一ク マ ニ ホ ー一一ル ドに つ い て 比 較 す る 。 試 験2と3
を 比 較 す る と2012年 度 モ デ ル の 方 が 約6000∼8000rpm
に お け る トル ク カ ー ブ は よ り フ ラ ッ トに な っ て お り,設
計 で 狙 っ た7000∼85001pmに お い て トル ク が 得 ら れ て
い る こ と が わ か る。 よ っ て,慣 性 ・脈 動 効 果 に よ り狙 っ
た 設 計 が 出 来 た と 考 え ら れ る 。
ま た,両 方 と も 高 回 転 域 に お い て トル ク が 下 降 して い
る こ と が わ か る 。 そ の 原 因 は 大 会 に お い て 装 着 が 義 務 付
け ら れ て い る リス ト リ ク タ の た め で は な い か と 考 え ら れ
る 。 よ り空 気 を 必 要 と す る 高 回 転 域 に お い て 十 分 な 空 気
が 供 給 さ れ て い な い た め で は な い か 。そ し て,2011年 度
モ デ ル の 方 が よ り下 降 し て い る の は 設 計 で 狙 っ た トル ク
ピ ー ク が リス ト リ ク タ の 影 響 が 大 き い 高 回 転 域 に 設 定 し
た た め で は な い か と 考 え ら れ る。
6.2水
動 力計
動 力 試 験 に は,図58に
示 す他 大 学 か ら提供 して 頂 い
た 水動 力計 を用 い る。 この水 動力 計 の原 理 は,ケ ー ス 内
に満 た され た水 を 主 軸 に接 続 され た 回 転羽 根 とケ ー ス に
接 続 され た 固 定 羽根 の 間 の摩 擦 に よ り発 生 す る トル クを
計 測す る もの で あ る。 動 力計 に流 入す る水 量 の 増減 で負
荷 を コ ン トロー ルす る。 この 動 力 計 に は 吸 収 トル ク と釣
り合 うよ うに振 り子 式 の 重 りが付 い て お り,目 盛盤 に指
示 針 で 吸収 トル クが 指示 され る。
図58水
動 力計
6.3校
正 試験
水 動 力 計 の 目盛盤(図58参
照)に
指 示 され る吸 収
トル ク の校 正試 験 を行 っ た。試 験 の 様 子 を図59に
示 す。
ケ ー シ ング 上部 にバ ネ ば か りを掛 け水 平方 向 に 引 き,バ
ネ ば か りの 荷重 値 と水動 力計 の 目盛 盤 の指 示値 か ら吸収
トル ク の校 正 を行 っ た。 校 正 の結 果,目 盛 盤 の1目 盛 り
あ た り2Nmの
トル ク値 で あ っ た 。
図59校
正 試 験 の 様 子
(17)成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告
Vol50No.1(2013.6)
6.4エ
ンジ ンベ ンチ 設 計
旧 型 車 の フ レ ー ム を 再 利 用 し た ベ ン チ フ レー ム の
CAD図
を 図60に
示 す 。 実 際 に エ ン ジ ンの 性 能 試 験 を行
うに は,水 動 力 計 へ の 水 の 給 排 水 の 装 置 の 設 置 と数 種 の
パ ラメ ー タ(回 転 数 や 吸 入 空 気 量 等)の 計 測 が 必 要 で あ
る。 ベ ンチ の製 作 と計 測 の 準 備 は 次 年 度 の 作 業 とす る。
水動力
ぺぎ
\
レ ー ム
エンジン
行 試 験 も行 っ て い な い た め い つ不 具合 が起 きて もお か し
くな い もの で あ る。 完全 な 点火 カ ッ ト回 路 を製 作す るた
め に はす べ て の状 況 に お い て 確 実 に動 作,あ る い は他 の
機 能 に影 響 与 え な い よ う調 整 を行 う必 要 が あ る。
7.2セ ン サ ー 類 の 活 用
2011年 度 ま で,サ ス ペ ン シ ョ ン は 目標 と す る ス キ ッ ド
パ ッ ド競 技 の タ イ ム か ら旋 回 加 速 度 を 計 算 し,設 計 の 指
針 と し て い た が,2013年 度 か ら は 実 際 の 車 輌 にGPSロ ガ
ー や ス トn-一 ク セ ン サ ー を 搭 載 し て
,図61の よ うな 走
行 時 の 加 速 度 と 車 速 を 測 定 し,設 計 の 指 針 とす る。
これ に よ り,よ り 実 際 の 走 行 状 況 に 即 し た ロ ー ル 剛 性
値 の 設 定 ・設 計 が 可 能 に な り,最 終 減 速 比 な ど他 の 部 品
の 設 計 に も役 立 て る こ と が で き る 。
図60エ
ン ジ ンベ ンチ 構 成 図
7.試
験 走 行 に よ る 検 証
7.1パ
ドル シ フ トで の 検 証 走 行
実 際 に 電 動 式 パ ドル シ フ タ ー を 搭 載 し,富± ス ピー ド
ウ ェイ,南千 葉 サ ー キ ッ トの コー ス を走 行 した 。そ の 結 果
最 低 限 の 変 速 動 作 が行 え る程 度 の も の で あ り,大会 等 の
本 番 走 行 に お い て タイ ム を 縮 め る為 の 武器 とす る には,
以 下 に 挙 げ る改 良 が 必 要 で あ る こ とが 分 か っ た 。
① ニ ュー トラル 操 作
ニ ュー トラル に す るた め に は1速
と2速 の 中間 点 を 出
す 必 要 が あ る。 現 状 で ニ ュー トラル か らの 変 速 動 作 は 行
え る もの の,ギ ア の 入 っ た 状 態 か らニ ュー トラル に戻 す
こ とは で きな い 。 ソ レ ノイ ドア クチ ュエ ー タ はス トロー
ク量 の 制御 が で き な い た め 困 難 で は あ るが,大 会 で 実 用
化 す るに あ た っ て ク リア しな け れ ば な らな い 。
② イ ン ジケ ー タ
今 年 度 の 電 動 シ フタ ー で は フ ィー ドバ ッ クの 悪 さが 問
題 に な っ た 。 ドライ バ ー 能 力 に よ り程 度 は 異 な るが,全
ドライ バ ー の試 走 に お い て 走 行 時 に 何 速 な の か が わ か ら
な い,ま た は 変 速 が 行 わ れ た 実感 が 無 い とい う印 象 が 得
られ た 。 これ を解 決 す る方 法 と して,イ
ン ジケ ー タを 取
り付 け る こ とが 挙 げ られ る。 これ は,今 つ な が っ て い る
ギ ア を数 字,あ る い はLEDの
点 灯 等 で コ ク ピ ッ トに表 示
させ る もの で あ る。 車 速 とエ ン ジ ン回 転数 か らギ ア を 計
算 予 測 す る方 法 や,機 械 的 に ス イ ッチ で カ ウ ン トして い
く方 法 な どが 考 え られ る。
③ 点火 カ ッ ト回 路 に つ い て
自作 コ ン トロー ル モ ジ ュー ル に よ る点火 カ ッ ト回 路 を
試 作 した が,こ れ は ま だ 対応 で き る幅 が 狭 く,十 分 な 走
監 ■ り 『 ・JIi二1口 、■
図61GPSロ
ガー で測 定 した車 輌 の 加 速 度 及 び速 度
8.ま と め
大 会 で は,総 合45位 と い う結 果 と な っ た 。2011年 度
は 車 検 落 ち と い う結 果 と い う事 も あ り,2011年 度 大 会 デ
ー一一タ を 採 集 す る こ と が 出 来 な か っ た
。 ま た,2010年 度 は
台 風 の 影 響 を 受 け て い た た め 晴 れ の 大 会 と い う の は
2012年 度 メ ン バ ー に と っ て は 初 め て の 経 験 で あ っ た 。 そ
の た め,デ ー タ と し て は1年 の ブ ラ ン ク,経 験 と し て は
2年 の ブ ラ ン ク を 抱 え て の 参 戦 と な っ て し ま っ た 。 当 チ
ー ム の 車 輌 の 完 成 度 は 歴 代 比 較 で は 高 か っ た も の の
,い
ざ 大 会 で 他 チ ー ム と 競 う と,上 位 チ ー ム に 技 術 面 で 後 れ
を 取 っ て し ま っ て い る こ と は 明 ら か で あ っ た 。 動 的 競 技
で の 車 両1生能 と ドラ イ ビ ン グ は 中 堅 の 順 位 が や っ と と い
う状 況 で あ っ た 。 大 会 種 目 の メ イ ン で あ る エ ン デ ュ ラ ン
ス 競 技 に 出 走 目 前 で 競 技 時 間 終 了 の た め 未 出 走 と い う結
果 も,よ り 車 輌 の 完 成 度 が 高 け れ ば 出 走 出 来 て い た か も
し れ な い 。 大 変 悔 や ま れ る。
2012年 度 チ ー一一ム は 傾 き か け た フ ォ ー一一ミ ュ ラ チ ー一一ム を
立 て 直 す 所 か ら ス タ ー ト し た 。 な ん と か 大 会 で 結 果 を 出