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アラバン分解酵素に関する研究 VI. Coniothyrium diplodiellaの生産するアラバナーゼ-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

第16巻 第2号(1965) 143 アラバン分解酵素に関する研究 Ⅵ α戒∂g砂7・i〟m‘砂わ成βJJαの生産するアラバナーー・ゼ 梶

明,田 川

清 細菌のアラバン分解酵素について著者の−\人梶は作用形式の異なるアラバナーゼの存在を・指摘した(1).かびに ついては血β・花iggrにつき検討した結果を報告したが(2−4),植物病原菌にもアラバナ」−ゼの生産が予測された. 即ち植物組織中ではアラバンは常にペクチン物質と随伴して存在することから,必然的にペクチン分解酵素の強 力な植物病原菌にもアラバン分解酵素の存在が藩われる. 遠藤(5)は植物病原菌のうちよりペクチン分解酵素生産の強力な菌株の検索を行い,最も有力なものとして 仇而招如施m鴎紳戒招αをあげている.著者らほこの菌の酵素剤を使用して粗酵素液による酵素の性質を検討し たので報告する. 実験方法および実験結果 1.粗酵素液の調製 C〃花査8Jり7如m埠血動肌の酵素剤粉末に5倍還(V/W)の水を加え,2時間室温抽出を行なったのち,不溶物を 遠心分離(4000rpmlOmin)し,上泣液に粉末硫安を添加してOr7・5飽和となし,沈激を遠心分離(12000rpm lうmin)により集め,少盈の水に溶かして50Cにて水道水で24時間,つぎに0.02〟クエン酸・リン酸塩緩衝液 (pH54)で24時間透析したものを酵素液とした. 2酵素作用力の測定 前報(8)と同様テンサイアラバンに作用させたときの還元力の 増加をWi11statter,Schudelの改良法で測定し,下式によって 分解率を求めたい 0 0 0 3 4 2 ︵辞︶隠法令ヽケ、恥ト 分解率(%)= (t時間反応彼の還元力)−(未反応液の還元力) ×100 (反応液の塩酸分解液の還元力)−(未皮応彼の還元力) 3・酵素の作用条件 (1)酵素濃度の影響 種々なる酵素濃度におけるアラバン 分解率を求めた 第1図にみられるように分解率の低いところでは酵素汲度と分 解率の間には直線関係が示された. 0 1 2 3 4 .5 6 酵素汲度(mg/ml) 第1図 酵素濃度とアラバン分解率との関係 作用条件:400C,pH40 S S S r ▼一 r l h h h..n 1 2 0J−.へJ ●−● △−△ ローロ ○−○

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(2)

香川大学農学部学術報告 】44 (2)pHの影聾 0,1Aオクエン酸・リン酸塩緩衝液にて作用液のpHを種々変えて作用させたときの分解 率を測定し,第2図のpH一活性度曲線を得たこれより pH4・0附近に最適pH∴を有することが認められた. (3)温度の影響 酵素濃度と分解率が直線関係を示 す条件下で酵素作用を30◇,400,500,600,700Cの各温度 において行わせたときの分解率を求めた第3図に示すよ うに50◇Cに最適が認められ,600Cでは著しく失格するこ とが認められた 4酵素のpH安定性 酵素液に01〟クエン酸・リン酸塩緩衝液を添加して, 第4図中の各pHにし,これを50Cに24時間および1週 間保ったのち,作用の最適pHに前記緩衝液で規正してか ら,酵束温度を一・定に調整したものについて,400C,2 時間の作用条件で残存する活性をしらべた小 残存率は無処 理酵素液によるアラバン分解率を100(%)として,各温度 処理液による分解率の比をもって示した. 図にみられるとおりpH2.0−75附近まで活性は殆んど 変らずpH90において僅かに減少が認められた. ■ヽノ 八U ︵溝︶ 掛紘なヽて爪卜 2 3 4 5 6 7 8 pH

第2図 pHの影響

作用条件:400C,5時間 ︵㌔︶ 壁 婁 樽 饉 ︵ボ︶掛盤虫ヽて恥卜 10 0 2 3 4 5 6 7 8 9 処 理pH 第4図 酵素の安定性に及ぼすpHの影響 ●−●・50Cで24時間処理 ○−−○50Cで7日間処理 30 40 50 60 −70 温 度(OC) 第3図 温度の影響 作用条件:pH4・0,2時間

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(3)

第16巻 第2号(1965) 145 5.熱に対する安定性 第5図中の各温度で酵素液を10分間処理した後残存活性を400C,2時間の作用条件で測定した。.活性の残存 率は前記同様恕処理酵素液による分解率との比をもって示したり 500C前後から失活が認められ,700Cでは全く失活することが確認された. ︵辞︶掛盤虫ヽて爪ト ︵浣︶ 強 度 聴 鮮 0 0 4 2

触処理40 う0 60 70 80 90100

0 24 48 72 96 処 理 温 度(OC) 第5図 加熱に対する安定性 処理条件:pH40,10分間各温度で処理 作 用 時 間 第6図 アラバン分解曲線 作用条件‥30CC,pH4・0 6・アラバン分解限度と分解産物 反応液中のアラバン汲度を067%に調節した組成で,300Cにて酵素作用を進めて,−・定時間毎に生成還元力 を定意した.同時にペ・−パ・−・クロマトグラ■7イ・一により分解生産物を検討した.すなわち作用液3mlをとり, これに98%エチルアルコ−リレを加え,沈澱を遠心分離(4000rpml5min)し,上澄液を減圧濃縮して1mlとな し,その10〃1を束洋折紙No51に添付して,n−ブチルアルコ−ル,酢酸,水(4:1‥5)の上層にて展開し, アニリン水素フタル酸塩にて発色させた. アラバン分解の経時変化を第6医‖こ示す.この酵素による分解はほぼ−・次反応式に従うものとみなされ,最終 分解率ほL788%であった 分解産物のペ・−・パ・−クロマトグラムではRFO」28のL−アラピノースとRFO・16の未知糖のスポットが認めら れた.未知糖の区分を切りとり,水抽出後1〃硫酸を加えて加水分解後バリタで中和し,上澄液を減圧濃縮し て,ペ・−リヾ・−クロマトグラフイ−で検討した結果,レアラビノ・−スとD−ガテクトー・スであることが判明した. 考 察 αめ物血m頃紳ゐ肋が生産する■アラバナーーゼ作用について実験した結果は上に述べたように,その最適pH は40,pH2・0∼7・5の間において安定であったがこれをJ700Cにおいて10分間加熱すると失活した.アラバン の分解は容易に進行し,酵素作用が96時間進行したときはJ788%の分解率に達した.その分解曲線はなだらか な一・次曲線を示し,既に発表したd中頑肋l扇gβrのアラバナ・−・ゼ(2【4)の分解曲線とやや趣きを異にし,とくに 反応の初期において,分解率が30%に達する前後の曲線のあり方に相異が指摘できる,すなわち,d頬.乃などrの アラバナ・−ゼ作用は30%までは完全に直線的にアラバン分解を進め,それよりのちは急激に還元糖の生成速度が

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(4)

香川大学農学部学術報告 146 小さくなったり 一・方,生産物のペ・−パ」− タロマトグラムを比較するときはd一夕l花さgβ′のアラバナー・ゼ作用におい ては大部分がレアラビノ」−・スであり,とくに反応の初期には完全に単糖のみであるに反し,C肌♂互加d宣βJgαのア ラバナ・−ゼ作用の場合は比較的早期より少糖類の生成が指摘された.分解曲線および生成糖についてのこの二つ の相異は両薗種のアラバナ・−ゼ生産様式の相異と直結するものと考えられる.すでに梶らはCJ耶れ城払mの菌を 使用してそのアラバナーゼにⅠおよびⅡの二つの型の存在することを指摘した(1)ァラパンの側鎖,1,3結合を 加水分解するアラバナ・−ゼⅠはdゆ乃ま紳に豊富に生産されるものと考えられる小 これに対して,C血・・嘩血如侮 ばアラバンの主鎖,1,5一緒合を位置に無差別に切断するアラバ・−・ゼⅡを比較的よく生産するものと考えられる.. しかし,両菌種のアラバナ・−・ゼはともにアラバンを分解して分解率約80%に及ぶものである故に,いずれもⅠ, Ⅱ筒型のアラバナーゼの生産は順調なものと考えられ,ほかの菌種に比較してアラバナ−ゼ生産は優れているも のと判断される一. 菌種名調査に御協力頂いた三共株式会社中村路一・博士に感謝の意を表します 文 献 (1)梶 明,穴吹富夫,滝 博,大山義朗,岡田 (3)田川 清,梶 明:香川大農学術報告,15,45 武久:香川大農学術報告,15,40(1963).、 (1963) (2)KATrA…,TAKIHい,SHZMAZAKIA,SHINZ(AIT。:(4)梶 明,田川 清:農化,38,580(1964). rβ(五β〟JJダα‘いdgr・∬αg〃抑αぴ〝れ,15,34(1963). (5)ENDOA:dgr・風混C加m,25,382(1961)‖

StudiesontheenzymeactlngOnaraban

VI ArabanaseproducedbyConiothγriumdiblodiella

AkiraKAJIandKiyoshiTAGAWA

Stlmmary AstudyhasbeendoneonthearabanaseofConiolhyriumdWlodlellalrheactivityofcnzymewas

determined by Willstatter,Schudel’s hypoiodite method when the enzymeacted on beet−araban・・Crude

enzymesolutionwas preparedbythefbllowlng method.Water,five fbldweightofmaterialwasaddedto

theenzymepreparationofConiol砂rium(哩lodiclla,andarabanasewasextIaCtedfor2hrsatroomtemperature The extracted solution was centrifuged,and ammonium sulfate was added to the supernatant unti10‖75

Saturation,and thentheprecIPltateWaSdissoIvedincoldwater.ThisenzymesolutionwasdialYZedagalnSt

O.02MMcIlvaine’sbu鮎ratpH5‖4,50Cfor24hrs・Theexperimentswerecarriedoutuslngthisdialyzed

solution,andtheresultsaresummarizedasfollowsTheoptlmumpHvaluewasfbundtobe4・0,OPtlmum

temperaturewas500C,and theenzYmeWaSinactivatedat700Cwhenits solutionwas keptonthetempera−

ture fbrlOmin,and theenzyme was stable between pH2”O and7.5”Asshownin Table6,the rate of

hydrolysisreached78・8%andalargespotofいarabinoseappearedonpaperchromatogramwhilefねintspots ofoligosacchar・ideandD−galactoseweredetectedinthesamePPC〉Whentheactionofarabanasewascontinu−

edat300C fbI96hrS

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3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

学側からより、たくさんの情報 提供してほしいなあと感じて います。講議 まま に関して、うるさ すぎる学生、講議 まま

向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :