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37 EntryNo. 127 PAI-1 測定試薬 ナノピア PAI-1 の基礎的検討 田中勇気 1) 鈴木恵美 1) 丸山直子 1) 酒井由美子 1) 佐藤麻実 1) 野中拓 1) 吉原彩乃 1) 山田隆 1) 長岡赤十字病院 1) はじめに プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター 1 (P

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A社 B社 C社 D社 FDP(μg/ml)ave 16.7 16.6 18.3 2 1 .4 DD(μg/ml)ave 9 .9 7.7 7.5 9 .1 DD/FDPave 0 .6 5 0.45 0.36 0.47 相関係数 0.95 0 .7 4 0.99 0.83 DD/FDP>0.9(n) 7 8 0 1 ave.:average 血中 FDP や D ダイマー(DD)は体内中の血栓の存在を反映するため、 DIC や DVT などの発見やその重症度を推定可能な臨床的意義が高い検 査である。一方、測定値の試薬間差や測定値から血栓増加と線溶亢進 の病態の鑑別が困難であるなどの問題点を抱えている。 今回、4 社の試薬を用いて FDP と DD を比較し、試薬の反応性の違 いから FDP と DD の関連性や病態について検討したので報告する。 【対象】当検査部の凝固検査に依頼があった 3.2%クエン酸 Na 加患 者血漿 130 検体(例)を用いた。 【方法】試薬は「ヒーモスアイエル FDP 」「ヒーモスアイエル D ダ イマー HS2000」Welfen 社(A 社)、「エルピア FDP-P」「エルピアエ ース D ダイマーⅡ」LSI 社(B 社)、「ナノピア P-FDP」「ナノピア D ダイマー」積水社(C 社)、「リアスオート P-FDP」「リアスオー ト D ダイマーネオ」シスメックス社(D 社)を用いた。測定機器は Welfen と LSI の試薬は ACL-TOP700CTS(Welfen)、積水の試薬は CP-3000(積水)、シスメックスの試薬は CS-5100(シスメックス)を用 いて測定した。相関は当院で採用している A 社の試薬との比較で、さ らに各社ごとに DD と FDP の平均値、相関を求めた。値が A 社と乖離 した検体はウエスタンブロテイング(WB)を行い、分画を確認した。 【結果および考察】A 社と B、C、D 社との FDP、DD の相関係数はそれ ぞれ 0.93,0.99,0.90、0.94,0.95,0.97 と良好であった。FDP と DD の平均値の均衡は 4 社 4 様であった。 DD/FDP>0.9 から逆転現象 (DD>FDP)は A 社と B 社 が起こりやすく、A 社は FDP と DD の均衡、B 社は両者の相関が低いこ とに起因していると考えられた。WB を行った 11 例中 6 例が1次、2 次線溶(X、Y、D、E、高分子 XDP、低分子 DD)分画が検出され、特に 低分子 DD の割合が高い2例では DDave が低かった C 社が最も高値を 示した。2例とも当日死亡例で内 1 例は出血性ショックで線溶型 DIC であった。また、5例は高分子 XDP と低分子 DD が検出され、内 3 例は高分子 XDP の割合が高く、血栓増加が推測された。DD は A,B,D 社が高値を示し、3 例とも血栓症であった。 【まとめ】病態が線溶亢進では低分子 DD(C 社)が、血栓増加では高 分子 XDP(A,B,C 社)が強く反応した。治療法が異なる2つの病態を 鑑別するためには高分子 XDP と低分子 DD の割合を推測できる試薬の 開発が必要であると考えられた。     連絡先:023-628-5680

FDP と D ダイマーの関連性

-4社の試薬の比較ー

EntryNo. 73

◎太田 玲子1)、叶内 和範1)、佐藤 牧子1)、髙濱 祐太1)、鈴木 あゆみ1)、渡辺 俊夫1)、森兼 啓太1) 山形大学医学部附属病院1) 【はじめに】プラスミノーゲンアクチベーターインヒビタ ー1 (PAI-1)は血管内皮より産生され、血管内の線溶反応を 抑制する抗線溶因子である。線溶因子である組織プラスミ ノーゲンアクチベーター(t-PA)と複合体を形成し、t-PA の 活性を消失させる。PAI-1 は播種性血管内凝固症候群や敗 血症などで高値を示し、血管内における凝固線溶状態の把 握に有用である。今回、新たに開発されたPAI-1 測定試薬 「ナノピアⓇPAI-1」の基礎的検討を行なう機会を得たので、 報告する。 【試薬・機器】1)検討試薬:ナノピアPAI-1 測定機器: CP3000(積水メディカル) 2)対照試薬:LPIA ・ tPAI テスト  測定機器:LPIA-NV7(LSI メディエンス) 【方法および結果】1)同時再現性:2 濃度のコントロール試 料を10 回連続測定した結果、CV は 2.96~4.23%であった。 2)日差再現性:分注凍結保存した 2 濃度のコントロール試 料を10 日間測定した結果、CV は 2.93~5.11%であった。 3)希釈直線性:生理食塩水を用いて高濃度試料 (2000ng/mL)の 8 段階希釈系列を作成し、ブランクを含む 9 系列を 2 重測定した結果、2000ng/mL まで上に凸の結果 を示した。300ng/mL までは直線性があると推測されたため、 300ng/mL までの精密な直線性を確認した。生理食塩水を用 いて高濃度試料(350ng/mL)の 10 段階希釈系列を作成し、ブ ランクを含む11 系列を 2 重測定した結果、ほぼ原点を通る 直線性を確認した。4)相関性:患者血漿検体 50 例を対象と し、ナノピアⓇPAI-1 と LPIA ・ tPAI テストの相関を確認し

た結果、回帰式y=0.9218x+6.5782、相関係数 r=0.9658 であ った。 【考察】同時再現性、日差再現性、希釈直線性、相関性と もに良好な結果が得られた。また、300ng/mL を超える高値 検体も希釈測定により正しい測定値が得られることが確認 された。 【結語】本検討試薬は日常検査において十分な性能を有し ていると考えられる。 連絡先:0258-28-3600 内線:2307

PAI-1 測定試薬「ナノピア®PAI-1」の基礎的検討

◎田中 勇気1)、鈴木 恵美1)、丸山 直子1)、酒井 由美子1)、佐藤 麻実1)、野中 拓1)、吉原 彩乃1)、山田 隆1) 長岡赤十字病院1)

EntryNo. 127

【はじめに】当院で使用しているsysmex 社の XE-2100 (XE)の後継機種選定を目的に sysmex 社の XN-2000 (XN), SIEMENS 社の ADVIA2120i (ADVIA),BECKMAN COULTER 社の DxH800 (DxH)の比較検討を行った. 【対象および方法】①各社のコントロール血球を用いた CBC/Diff 項目(Baso を除く)の同時・日差再現性(n=10). ②当院にて採血された EDTA2K 加血(n=211)を用いた XE と各機種の CBC/Diff 項目(Baso を除く)の相関と血液像 目視法との相関. 【結果および導入後の経過】①同時再現性:CBC 項目の CV(%)は XN:0.45~2.83,ADVIA:0.11~2.46,DxH:0.20~ 1.50,Diff 項目の CV(%)は XN:1.36~8.55,ADVIA:1.25~ 13.12,DxH:1.40~5.50,日差再現性:CBC 項目の CV(%)は XN:0.66~6.92,ADVIA:0.49~1.68,DxH:0.30~1.80, Diff 項目の CV(%)は XN:1.99~9.33,ADVIA:1.12~13.19, DxH:1.90~9.10 となり DxH が最もばらつきが少なかった. ②XE との相関:CBC 項目の相関係数(r)は XN:0.713~ 0.999,ADVIA:0.796~0.999,DxH:0.808~0.999,Diff 項目 の相関係数(r)は XN:0.952~0.995,ADVIA:0.864~0.991, DxH:0.858~0.996,血液像目視法との相関:相関係数(r)は XN:0.792~0.983,ADVIA:0.484~0.976,DxH:0.848~ 0.970 であり XN および DxH の相関が比較的高かった.こ れら基本性能に加えADVIA は MPO 染色を利用した LUC(Large Unstained Cell)や独自の赤血球解析,DxH は自動 再検機能,同時3 重測定や 3D 解析機能や自由度の高い配 置特性などの特徴があった.当院は骨髄移植などを行う高 度急性期病院であることから各機種の特性を総合的に判断 した結果,自動再検機能に加えHPC モードや体腔液測定モ ードを有し,メンテナンスが容易な XN-9000 を後継機種と して選定した.XN 導入後の TAT は 39 分から 12.5 分,血 液像目視率は46.8%から 27.4%まで減少した.さらに末梢 血幹細胞採取時にはHPC モードを利用した採取時期の予測 も行っている. 【結語】各機種共に様々な特性を持つことから自施設の運 用に合う機種を選定するためにも実機を用いた検証が有用 であった.       連絡先 0138-43-2000(内線 3273)

自動血球分析装置

3 社の比較検討による後継機種選定

◎齋藤 泰智1)、高橋 一人1)、吉田 愛美1)、中河 知里1)、佐藤 多嘉之1)、小田 悟史2)、秋田 隆司3) 市立函館病院 中央検査部 遺伝子細胞生物検査センター1)、検査情報センター2)、臨床病理科3)

EntryNo. 5

36

(2)

A社 B社 C社 D社 FDP(μg/ml)ave 16.7 16.6 18.3 2 1 .4 DD(μg/ml)ave 9 .9 7.7 7.5 9 .1 DD/FDPave 0 .6 5 0.45 0.36 0.47 相関係数 0.95 0 .7 4 0.99 0.83 DD/FDP>0.9(n) 7 8 0 1 ave.:average 血中 FDP や D ダイマー(DD)は体内中の血栓の存在を反映するため、 DIC や DVT などの発見やその重症度を推定可能な臨床的意義が高い検 査である。一方、測定値の試薬間差や測定値から血栓増加と線溶亢進 の病態の鑑別が困難であるなどの問題点を抱えている。 今回、4 社の試薬を用いて FDP と DD を比較し、試薬の反応性の違 いから FDP と DD の関連性や病態について検討したので報告する。 【対象】当検査部の凝固検査に依頼があった 3.2%クエン酸 Na 加患 者血漿 130 検体(例)を用いた。 【方法】試薬は「ヒーモスアイエル FDP 」「ヒーモスアイエル D ダ イマー HS2000」Welfen 社(A 社)、「エルピア FDP-P」「エルピアエ ース D ダイマーⅡ」LSI 社(B 社)、「ナノピア P-FDP」「ナノピア D ダイマー」積水社(C 社)、「リアスオート P-FDP」「リアスオー ト D ダイマーネオ」シスメックス社(D 社)を用いた。測定機器は Welfen と LSI の試薬は ACL-TOP700CTS(Welfen)、積水の試薬は CP-3000(積水)、シスメックスの試薬は CS-5100(シスメックス)を用 いて測定した。相関は当院で採用している A 社の試薬との比較で、さ らに各社ごとに DD と FDP の平均値、相関を求めた。値が A 社と乖離 した検体はウエスタンブロテイング(WB)を行い、分画を確認した。 【結果および考察】A 社と B、C、D 社との FDP、DD の相関係数はそれ ぞれ 0.93,0.99,0.90、0.94,0.95,0.97 と良好であった。FDP と DD の平均値の均衡は 4 社 4 様であった。 DD/FDP>0.9 から逆転現象 (DD>FDP)は A 社と B 社 が起こりやすく、A 社は FDP と DD の均衡、B 社は両者の相関が低いこ とに起因していると考えられた。WB を行った 11 例中 6 例が1次、2 次線溶(X、Y、D、E、高分子 XDP、低分子 DD)分画が検出され、特に 低分子 DD の割合が高い2例では DDave が低かった C 社が最も高値を 示した。2例とも当日死亡例で内 1 例は出血性ショックで線溶型 DIC であった。また、5例は高分子 XDP と低分子 DD が検出され、内 3 例は高分子 XDP の割合が高く、血栓増加が推測された。DD は A,B,D 社が高値を示し、3 例とも血栓症であった。 【まとめ】病態が線溶亢進では低分子 DD(C 社)が、血栓増加では高 分子 XDP(A,B,C 社)が強く反応した。治療法が異なる2つの病態を 鑑別するためには高分子 XDP と低分子 DD の割合を推測できる試薬の 開発が必要であると考えられた。     連絡先:023-628-5680

FDP と D ダイマーの関連性

-4社の試薬の比較ー

EntryNo. 73

◎太田 玲子1)、叶内 和範1)、佐藤 牧子1)、髙濱 祐太1)、鈴木 あゆみ1)、渡辺 俊夫1)、森兼 啓太1) 山形大学医学部附属病院1) 【はじめに】プラスミノーゲンアクチベーターインヒビタ ー1 (PAI-1)は血管内皮より産生され、血管内の線溶反応を 抑制する抗線溶因子である。線溶因子である組織プラスミ ノーゲンアクチベーター(t-PA)と複合体を形成し、t-PA の 活性を消失させる。PAI-1 は播種性血管内凝固症候群や敗 血症などで高値を示し、血管内における凝固線溶状態の把 握に有用である。今回、新たに開発されたPAI-1 測定試薬 「ナノピアⓇPAI-1」の基礎的検討を行なう機会を得たので、 報告する。 【試薬・機器】1)検討試薬:ナノピアPAI-1 測定機器: CP3000(積水メディカル) 2)対照試薬:LPIA ・ tPAI テスト  測定機器:LPIA-NV7(LSI メディエンス) 【方法および結果】1)同時再現性:2 濃度のコントロール試 料を10 回連続測定した結果、CV は 2.96~4.23%であった。 2)日差再現性:分注凍結保存した 2 濃度のコントロール試 料を10 日間測定した結果、CV は 2.93~5.11%であった。 3)希釈直線性:生理食塩水を用いて高濃度試料 (2000ng/mL)の 8 段階希釈系列を作成し、ブランクを含む 9 系列を 2 重測定した結果、2000ng/mL まで上に凸の結果 を示した。300ng/mL までは直線性があると推測されたため、 300ng/mL までの精密な直線性を確認した。生理食塩水を用 いて高濃度試料(350ng/mL)の 10 段階希釈系列を作成し、ブ ランクを含む11 系列を 2 重測定した結果、ほぼ原点を通る 直線性を確認した。4)相関性:患者血漿検体 50 例を対象と し、ナノピアⓇPAI-1 と LPIA ・ tPAI テストの相関を確認し

た結果、回帰式y=0.9218x+6.5782、相関係数 r=0.9658 であ った。 【考察】同時再現性、日差再現性、希釈直線性、相関性と もに良好な結果が得られた。また、300ng/mL を超える高値 検体も希釈測定により正しい測定値が得られることが確認 された。 【結語】本検討試薬は日常検査において十分な性能を有し ていると考えられる。 連絡先:0258-28-3600 内線:2307

PAI-1 測定試薬「ナノピア®PAI-1」の基礎的検討

◎田中 勇気1)、鈴木 恵美1)、丸山 直子1)、酒井 由美子1)、佐藤 麻実1)、野中1)、吉原 彩乃1)、山田1) 長岡赤十字病院1)

EntryNo. 127

【はじめに】当院で使用しているsysmex 社の XE-2100 (XE)の後継機種選定を目的に sysmex 社の XN-2000 (XN), SIEMENS 社の ADVIA2120i (ADVIA),BECKMAN COULTER 社の DxH800 (DxH)の比較検討を行った. 【対象および方法】①各社のコントロール血球を用いた CBC/Diff 項目(Baso を除く)の同時・日差再現性(n=10). ②当院にて採血された EDTA2K 加血(n=211)を用いた XE と各機種の CBC/Diff 項目(Baso を除く)の相関と血液像 目視法との相関. 【結果および導入後の経過】①同時再現性:CBC 項目の CV(%)は XN:0.45~2.83,ADVIA:0.11~2.46,DxH:0.20~ 1.50,Diff 項目の CV(%)は XN:1.36~8.55,ADVIA:1.25~ 13.12,DxH:1.40~5.50,日差再現性:CBC 項目の CV(%)は XN:0.66~6.92,ADVIA:0.49~1.68,DxH:0.30~1.80, Diff 項目の CV(%)は XN:1.99~9.33,ADVIA:1.12~13.19, DxH:1.90~9.10 となり DxH が最もばらつきが少なかった. ②XE との相関:CBC 項目の相関係数(r)は XN:0.713~ 0.999,ADVIA:0.796~0.999,DxH:0.808~0.999,Diff 項目 の相関係数(r)は XN:0.952~0.995,ADVIA:0.864~0.991, DxH:0.858~0.996,血液像目視法との相関:相関係数(r)は XN:0.792~0.983,ADVIA:0.484~0.976,DxH:0.848~ 0.970 であり XN および DxH の相関が比較的高かった.こ れら基本性能に加えADVIA は MPO 染色を利用した LUC(Large Unstained Cell)や独自の赤血球解析,DxH は自動 再検機能,同時3 重測定や 3D 解析機能や自由度の高い配 置特性などの特徴があった.当院は骨髄移植などを行う高 度急性期病院であることから各機種の特性を総合的に判断 した結果,自動再検機能に加えHPC モードや体腔液測定モ ードを有し,メンテナンスが容易な XN-9000 を後継機種と して選定した.XN 導入後の TAT は 39 分から 12.5 分,血 液像目視率は46.8%から 27.4%まで減少した.さらに末梢 血幹細胞採取時にはHPC モードを利用した採取時期の予測 も行っている. 【結語】各機種共に様々な特性を持つことから自施設の運 用に合う機種を選定するためにも実機を用いた検証が有用 であった.       連絡先 0138-43-2000(内線 3273)

自動血球分析装置

3 社の比較検討による後継機種選定

◎齋藤 泰智1)、高橋 一人1)、吉田 愛美1)、中河 知里1)、佐藤 多嘉之1)、小田 悟史2)、秋田 隆司3) 市立函館病院 中央検査部 遺伝子細胞生物検査センター1)、検査情報センター2)、臨床病理科3)

EntryNo. 5

【はじめに】当法人は医療・保健・福祉が連携したグルー プであり、かねてから多職種スタッフの専門性を生かし  目的と情報を共有しながら業務を分担し連携する風土が基 盤となっている。超高齢化を目前にして更に「治し、支え る医療」へのチームビルディングを構築中である。検査課 の業務内容は、入院・外来患者の院内検査、糖尿病療養指 導・弾性ストッキング指導及び企業健診・人間ドック等を 多職種と連携し行っている。その中でインフルエンザ検査 等の検体採取や生理検査の訪問ベッドサイド検査を臨床検 査技師が施行している。今回その現況を報告する。 【概要】当課では平成13 年にインフルエンザ検査キットが 導入されてから検体採取・検査に関連する発熱時間・ワク チン接種の影響や咽頭・鼻腔ぬぐい・鼻腔吸引検体などが 検査結果に及ぼす影響等を院内研究・学会論文として法人 内に発信してきた。医師や看護師の負担軽減による業務分 担にも繋がるため、検体採取は臨床検査技師の業務として 当たり前のように良好に受け入れられている。       【実施状況】2015.4~2016.3 までのインフルエンザ検査数  (鼻腔ぬぐい・鼻腔吸引)987 件、溶連菌・アデノウイル ス・マイコプラズマ抗原(咽頭)242 件 白癬検査 106 件 【感染防止対策】検体採取者は5 モーメントに従い手指衛 生、手洗いうがいの遵守と飛沫感染・接触感染予防策の PPE を徹底し、年間の検体採取を通しての暴露感染者はい なかった。また患者家族への説明として咳エチケットや鼻 紙の廃棄方法・家族への感染防止対策の説明を行った。  【患者コミュニケーション】臨床検査技師が接遇インスト ラクターを取得し課内・院内への接遇改善活動を発信。   【検体採取・訪問ベッドサイド検査のまとめ】①患者の顔、 氏名、病態を把握する事で追加検査の予想がつき主治医と の価値の共有化や迅速な検査結果を導く事が可能②患者を 身近に感じる事でデータ異常や輸血検査施行時には病室へ 伺い患者の状態を確認するという意識の変革となった。 ③検体採取と検査の一元化コーディネートにより、結果報 告の時間短縮は基より、課内スタッフが患者対応への動作 や言葉に思いやりを持ち、自分視点から相手視点で役割を 果たす気概を持ち始めてきた。 連絡先:019-682-0201

病棟における検体採取業務について

~先ずは発信!インフルエンザの検体採取から検査まで臨床検査技師がコーディネートします~ ◎櫛桁 久美1)、山内 純1)、根本 博彦1) 医療法人 日新堂 八角病院1)

EntryNo. 23

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37

(3)

【背景】t(16;21)(p11;q22);TLS/FUS-ERG を有する急性骨髄 性白血病(AML)は1%未満と稀である.若年層に多い傾向 があり,予後不良とされている.芽球が赤芽球や血小板など のhemophagocytosis を示し,CD56 陽性の場合が多く,M1, M2,M4,M5,M7 と多彩な形態をとる.今回 AML:t(16;21) (p11;q22)TLS/FUS-ERG を 2 例経験したので報告する. 【症例】1 例目は 20 歳代女性, 12 月白血球増加,貧血,血小板 減少を指摘され紹介入院.WBC 93.4×109/L, Hb6.0 g/dL, PLT 18×109 /L,末梢血に芽球 77.0%出現.骨髄は芽球 39.4%で大型,N/C 比中.顆粒球系の成熟分化が見られ,巨赤 芽球様変化,好中球脱顆粒と 2 系統の異形成有.POX 染色陽 性,ANB-ASD 二重染色陰性.M2 と診断.染色体検査 46,XX,t(16;21)(p11.2;q22)[14],46,idem,+10,-13,-16,+der(?) t(?;13)(?;q14)[3].IDR+AraC 療法開始.翌年 1 月初回完全寛 解を得られたが5 月再発.非寛解のまま他院にて 11 月 HLA 一致同胞より造血幹細胞移植施行.その後再発,移植後 2 年 3 か月(全経過 3 年 2 か月)で死亡.2 例目は 20 歳代 女性,献血にて汎血球減少を指摘され 8 月紹介入院, WBC 0.9×109/L, Hb9.9 g/dL, PLT 53×109 /L,末梢血に芽球 12.0%出 現.骨髄は芽球62.2%で大型,核不整有,auer rod<1%. 0.5%の芽球に hemophagocytosis を認めた.微小巨核球が目 立ち巨核球系の異形成有.POX 染色は陽性.M2 と診断. 染色体検査46,XX,der(12)t(1;12)(q11;p13),t(16;21)(p11.2;q22) [17],46,XX[3].DNR/AraC 療法開始.9 月寛解得られず MEC 療法開始.10 月完全寛解となるも翌年 5 月再発,非寛 解のまま他院にて10 月父親より HLA 半合致造血幹細胞移 植施行.5 か月で再発,臍帯血移植施行,経過観察中. FCM は 2 例とも CD13,CD33,CD34,CD56,CD11c,D117 陽 性,HLA-DR 弱陽性と同じであった. 【考察】2 例とも 20 歳代女性で hemophagocytosis,微小巨核 球,CD56 強陽性を認めた.1 例目は HLA 一致同胞より移植 し再発,2 例目は父親からの HLA 半合致移植実施し再発. TLS/FUS-ERG 融合遺伝子を有する AML は極めて難治性で あり,初回寛解期の出来るだけ早期に造血幹細胞移植が必要 と思われた.移植ソース,前処置方法など症例の蓄積による 今後の治療の発展が望まれる. 連絡先025-281-5151

AML:t(16;21)(p11;q22)TLS/FUS-ERG 融合遺伝子の 2 症例について

◎石川 彩花1)、小南 真由美1)、塚田 彩実1)、加藤 由衣1)、西澤 幹則1)、古田 美砂1)、阿部 崇2)、高井 和江2) 新潟市民病院臨床検査科1)、新潟市民病院血液内科2)

EntryNo. 81

「はじめに」血栓症および血栓準備状態を推測する凝固系 分子マーカーとして注目されている血中フィブリンモノマー複合体(以 下FMC)と Dダイマー(以下 DD)を比較検討し、FMC が深 部静脈血栓症(以下DVT)診断、治療に有用と思われる 3 症例を経験したので報告する。「方法」当院整形外科 パスでDD の依頼があった検体に FMC を追加測定した。同 一患者の時系列結果を抽出し臨床症状とDD、FMCデータ推 移から比較検討した。(DD の基準範囲は 1.0μg/ml 以下  FMC は 6.1μg/ml 以下)「分析条件」使用機器:全自動血液 凝固装置CS-5100 試薬:リアスオートDダイマーネオ オートLIA FM「症 例1」80 代 女性 右変形性膝関節症にて人工膝関節置換 術施行。術後5 日目 DD63.9μg/ml FMC88.1μg/ml と非常に 高い値となった。造影CT 施行にて、右下肢 DVT と診断。 リバーロキサバン処方開始。治療開始3 日後、DD13.4μg/ml であ ったが、FMC は 4.3μg/ml と基準範囲内となった。患者は血 栓溶解治療にて経過良好にて退院。「症例2」80 代 女性  腰部脊椎管狭窄症にて椎弓形成術施行。術前日DD1.5μg/ml 、FMC5.7μg/ml であった。術後 7 日目 DD17.3μg/ml と高値 であったが、FMC は 6.0μg/ml と基準範囲内であった。患者 は血栓リスクなく経過良好で退院。「症例3」70 代 女性   左大腿骨転子部骨折にて人工骨頭置換術施行。術2 日前 DD3.5μg/ml FMC2.4μg/ml で、術前日には DD11.4μg/ml と 高値に、FMC は 4.1μg/ml と基準範囲内であった。患者は血 栓リスクなく経過良好で退院。「考察」症例1 は FMC が DD と比較し、血栓溶解療法後速やかに基準範囲内に転化 し、患者も良好な経過だったことから、治療の有効性確認 に役立つと思われた。症例2 は術後 FMC が基準範囲内で あり、DD よりも患者の状態から血栓リスクを的確に反映して いると考えられ、症例3 においては、術前 FMC が基準範 囲内で、高値だったDD と比べると術後の血栓リスクを把握す るのに有効だと考えられた。 「まとめ」FMC 測定が、DVT 診断、治療に有用と考えら れた症例を経験した。          連絡先0229-23-3311(2903)

フィブリンモノマー複合体測定が有用と思われた

3 症例

◎太田 志真1)、高橋 千恵子1)、高橋 和也1)、金田 友里恵1)、氏家 和明1)、大栁 政一1) 大崎市民病院1)

EntryNo. 118

【はじめに】後天性フォンウィルブランド症候群(以下 AVWS)は、後天的にフォンウィルブランド因子(以下 VWF)が低下して出血傾向を生じるまれな疾患である。基 礎疾患としてリンパ増殖性腫瘍、骨髄増殖性腫瘍、循環器 疾患、自己免疫性疾患、悪性腫瘍等が報告されている。日 常的な検査では確定診断が困難であるため、見逃されるこ とも多い。また、免疫学的機序で発生した場合は出血症状 が強く、早期に適切な診断・治療が必要となる。今回 我々は、食道胃接合部癌の治療中に発症したAVWS の一例 を経験したので報告する。 【症例】40 歳代男性。食道胃接合部癌の診断で化学療法・ 放射線治療を受けていたが、いずれも無効であった。腫瘍 からの出血が持続し、全身状態悪化のため当院腫瘍内科に 入院となった。著名な貧血を認め、連日のRBC 輸血を要し ていたが、入院第28 病日に突然 APTT>180 秒と著名な延長 を認めた。凝固第Ⅷ因子活性9%と低値を示し、クロスミ キシングテストにてインヒビターの存在を否定できなかっ たため後天性血友病A を疑ったが、凝固第Ⅷ因子抗体は検 出されなかった。VWF 活性(R.cof.)および VWF:Ag を測 定した結果、各々<10%、7%と低値を示したため AVWS を 疑い、インヒビター精査を進める一方で確定結果を待たず にステロイドパルス療法が施行された。治療介入2 日目に は腫瘍からの出血が著明に減少し、治療開始6 日目の検査 データではAPTT46.8 秒、R.cof. 18%、VWF:Ag 21%と改善 がみられた。その後、奈良県立医科大学小児科に依頼した 検体からVWF 抗体が証明され、AVWS の確定診断を得た。 【考察】検査成績と臨床症状からAVWS を疑い、早期にス テロイドパルス療法が開始された事により出血症状が改善 された症例であった。出血症状が先行して当初はAPTT の 延長が見られなかったが、緩和治療目的でプレドニゾロン が長期にわたって投与されており、抗体価が検出感度以下 に抑制されていた可能性がある。自施設で施行可能な検査 と臨床症状から確定診断にいたるまでの検査の進め方につ いて貴重な経験を得た症例であった。臨床側とのコンタク トを密にして診断に貢献する精査の重要性を再認識した。    連絡先:0172-33-5111(内線 7209)

食道胃接合部癌の治療中に発症した後天性フォンウィルブランド症候群の一例

◎中田 良子1)、小笠原1)、太田 絵美1)、櫛引 美穂子1)、玉井 佳子1)、萱場 広之2) 国立大学法人 弘前大学医学部附属病院1)、弘前大学大学院医学研究科臨床検査医学講座2)

EntryNo. 29

【はじめに】後天性血友病Aは出血症状を呈する難治性の 出血性疾患で,100 万人に 1.5 人といわれるが,近年はその 認識が高まり報告例が増加している.今回我々は重症貧血 を伴い救急搬送された患者において,APTT の延長からク ロスミキシング試験を実施することで早期に後天性血友病 Aを診断・治療を開始できた1 症例を経験したので報告す る. 【症例】80 歳,男性.全身浮腫と心不全疑いで当院に救急 搬送.重症貧血,両側上腕内側・左腋窩部皮下血腫,関節 内出血を認めた.循環器科での加療を開始したが,出血源 の特定に至らず貧血の増悪と凝固異常を認めたため血液内 科へ紹介となった. 【既往歴】大腸癌,前立腺癌,高血圧,糖尿病 【血液検査所見】CBC は Hb 5.4g/dL,PLT 32.5 万/μL で貧 血以外の所見は認めなかった.Hb はその後 4.3g/dL まで低 下した.凝固検査はAPTT のみが 83.1sec と延長しており, 病態確認のためクロスミキシング試験,第Ⅷ因子活性 (FⅧ活性),第Ⅷ因子インヒビター,フォンヴィレブラン ド因子(VWF)活性が追加された. 【結果】クロスミキシング試験の即時反応では凝固因子欠 乏パターン,2 時間インキュベート後の遅延反応はインヒ ビターパターンを示しFⅧ活性は 2%であった.このことか らループスアンチコアグラント(LA)は否定的であった. これらの結果と既往歴より後天性血友病Aの可能性が推測 され,プレドニン,エンドキサンによる免疫抑制療法と輸 血療法によって症状の改善を認めた.day35 からは FⅧ活性 が徐々に上昇し始め,day60 で第Ⅷ因子インヒビターは消 失し,FⅧ活性 66%,APTT 26.8sec となった.また後日報 告された外注検査結果では第Ⅷ因子インヒビターが検出さ れ,VWF 活性は 310%と十分な活性を認めたため,診断は 後天性血友病A と確定した. 【結語】後天性血友病の確定診断にはVWF 活性の低下と LA の否定が必要だが院内で測定可能な施設は限られており, 院内でのクロスミキシング試験実施は早期の原因究明とそ の治療方針決定のために有用であった. 連絡先:0138-43-2263

重症貧血を伴った後天性血友病Aにおいてクロスミキシング試験が有用であった

1 例

◎小田 悟史1)、横山 雄太1)、野露 啓太1)、大竹 裕也1)、河﨑 比呂也1)、岩瀬 仁志1)、高橋 一人2)、秋田 隆司3) 市立函館病院 中央検査部 検査情報センター1)、遺伝子細胞生物検査センター2)、臨床病理科3)

EntryNo. 20

40

39

(4)

【背景】t(16;21)(p11;q22);TLS/FUS-ERG を有する急性骨髄 性白血病(AML)は1%未満と稀である.若年層に多い傾向 があり,予後不良とされている.芽球が赤芽球や血小板など のhemophagocytosis を示し,CD56 陽性の場合が多く,M1, M2,M4,M5,M7 と多彩な形態をとる.今回 AML:t(16;21) (p11;q22)TLS/FUS-ERG を 2 例経験したので報告する. 【症例】1 例目は 20 歳代女性, 12 月白血球増加,貧血,血小板 減少を指摘され紹介入院.WBC 93.4×109/L, Hb6.0 g/dL, PLT 18×109 /L,末梢血に芽球 77.0%出現.骨髄は芽球 39.4%で大型,N/C 比中.顆粒球系の成熟分化が見られ,巨赤 芽球様変化,好中球脱顆粒と 2 系統の異形成有.POX 染色陽 性,ANB-ASD 二重染色陰性.M2 と診断.染色体検査 46,XX,t(16;21)(p11.2;q22)[14],46,idem,+10,-13,-16,+der(?) t(?;13)(?;q14)[3].IDR+AraC 療法開始.翌年 1 月初回完全寛 解を得られたが5 月再発.非寛解のまま他院にて 11 月 HLA 一致同胞より造血幹細胞移植施行.その後再発,移植後 2 年 3 か月(全経過 3 年 2 か月)で死亡.2 例目は 20 歳代 女性,献血にて汎血球減少を指摘され 8 月紹介入院, WBC 0.9×109/L, Hb9.9 g/dL, PLT 53×109 /L,末梢血に芽球 12.0%出 現.骨髄は芽球62.2%で大型,核不整有,auer rod<1%. 0.5%の芽球に hemophagocytosis を認めた.微小巨核球が目 立ち巨核球系の異形成有.POX 染色は陽性.M2 と診断. 染色体検査46,XX,der(12)t(1;12)(q11;p13),t(16;21)(p11.2;q22) [17],46,XX[3].DNR/AraC 療法開始.9 月寛解得られず MEC 療法開始.10 月完全寛解となるも翌年 5 月再発,非寛 解のまま他院にて10 月父親より HLA 半合致造血幹細胞移 植施行.5 か月で再発,臍帯血移植施行,経過観察中. FCM は 2 例とも CD13,CD33,CD34,CD56,CD11c,D117 陽 性,HLA-DR 弱陽性と同じであった. 【考察】2 例とも 20 歳代女性で hemophagocytosis,微小巨核 球,CD56 強陽性を認めた.1 例目は HLA 一致同胞より移植 し再発,2 例目は父親からの HLA 半合致移植実施し再発. TLS/FUS-ERG 融合遺伝子を有する AML は極めて難治性で あり,初回寛解期の出来るだけ早期に造血幹細胞移植が必要 と思われた.移植ソース,前処置方法など症例の蓄積による 今後の治療の発展が望まれる. 連絡先025-281-5151

AML:t(16;21)(p11;q22)TLS/FUS-ERG 融合遺伝子の 2 症例について

◎石川 彩花1)、小南 真由美1)、塚田 彩実1)、加藤 由衣1)、西澤 幹則1)、古田 美砂1)、阿部2)、高井 和江2) 新潟市民病院臨床検査科1)、新潟市民病院血液内科2)

EntryNo. 81

「はじめに」血栓症および血栓準備状態を推測する凝固系 分子マーカーとして注目されている血中フィブリンモノマー複合体(以 下FMC)と Dダイマー(以下 DD)を比較検討し、FMC が深 部静脈血栓症(以下DVT)診断、治療に有用と思われる 3 症例を経験したので報告する。「方法」当院整形外科 パスでDD の依頼があった検体に FMC を追加測定した。同 一患者の時系列結果を抽出し臨床症状とDD、FMCデータ推 移から比較検討した。(DD の基準範囲は 1.0μg/ml 以下  FMC は 6.1μg/ml 以下)「分析条件」使用機器:全自動血液 凝固装置CS-5100 試薬:リアスオートDダイマーネオ オートLIA FM「症 例1」80 代 女性 右変形性膝関節症にて人工膝関節置換 術施行。術後5 日目 DD63.9μg/ml FMC88.1μg/ml と非常に 高い値となった。造影CT 施行にて、右下肢 DVT と診断。 リバーロキサバン処方開始。治療開始3 日後、DD13.4μg/ml であ ったが、FMC は 4.3μg/ml と基準範囲内となった。患者は血 栓溶解治療にて経過良好にて退院。「症例2」80 代 女性  腰部脊椎管狭窄症にて椎弓形成術施行。術前日DD1.5μg/ml 、FMC5.7μg/ml であった。術後 7 日目 DD17.3μg/ml と高値 であったが、FMC は 6.0μg/ml と基準範囲内であった。患者 は血栓リスクなく経過良好で退院。「症例3」70 代 女性   左大腿骨転子部骨折にて人工骨頭置換術施行。術2 日前 DD3.5μg/ml FMC2.4μg/ml で、術前日には DD11.4μg/ml と 高値に、FMC は 4.1μg/ml と基準範囲内であった。患者は血 栓リスクなく経過良好で退院。「考察」症例1 は FMC が DD と比較し、血栓溶解療法後速やかに基準範囲内に転化 し、患者も良好な経過だったことから、治療の有効性確認 に役立つと思われた。症例2 は術後 FMC が基準範囲内で あり、DD よりも患者の状態から血栓リスクを的確に反映して いると考えられ、症例3 においては、術前 FMC が基準範 囲内で、高値だったDD と比べると術後の血栓リスクを把握す るのに有効だと考えられた。 「まとめ」FMC 測定が、DVT 診断、治療に有用と考えら れた症例を経験した。          連絡先0229-23-3311(2903)

フィブリンモノマー複合体測定が有用と思われた

3 症例

◎太田 志真1)、高橋 千恵子1)、高橋 和也1)、金田 友里恵1)、氏家 和明1)、大栁 政一1) 大崎市民病院1)

EntryNo. 118

【はじめに】後天性フォンウィルブランド症候群(以下 AVWS)は、後天的にフォンウィルブランド因子(以下 VWF)が低下して出血傾向を生じるまれな疾患である。基 礎疾患としてリンパ増殖性腫瘍、骨髄増殖性腫瘍、循環器 疾患、自己免疫性疾患、悪性腫瘍等が報告されている。日 常的な検査では確定診断が困難であるため、見逃されるこ とも多い。また、免疫学的機序で発生した場合は出血症状 が強く、早期に適切な診断・治療が必要となる。今回 我々は、食道胃接合部癌の治療中に発症したAVWS の一例 を経験したので報告する。 【症例】40 歳代男性。食道胃接合部癌の診断で化学療法・ 放射線治療を受けていたが、いずれも無効であった。腫瘍 からの出血が持続し、全身状態悪化のため当院腫瘍内科に 入院となった。著名な貧血を認め、連日のRBC 輸血を要し ていたが、入院第28 病日に突然 APTT>180 秒と著名な延長 を認めた。凝固第Ⅷ因子活性9%と低値を示し、クロスミ キシングテストにてインヒビターの存在を否定できなかっ たため後天性血友病A を疑ったが、凝固第Ⅷ因子抗体は検 出されなかった。VWF 活性(R.cof.)および VWF:Ag を測 定した結果、各々<10%、7%と低値を示したため AVWS を 疑い、インヒビター精査を進める一方で確定結果を待たず にステロイドパルス療法が施行された。治療介入2 日目に は腫瘍からの出血が著明に減少し、治療開始6 日目の検査 データではAPTT46.8 秒、R.cof. 18%、VWF:Ag 21%と改善 がみられた。その後、奈良県立医科大学小児科に依頼した 検体からVWF 抗体が証明され、AVWS の確定診断を得た。 【考察】検査成績と臨床症状からAVWS を疑い、早期にス テロイドパルス療法が開始された事により出血症状が改善 された症例であった。出血症状が先行して当初はAPTT の 延長が見られなかったが、緩和治療目的でプレドニゾロン が長期にわたって投与されており、抗体価が検出感度以下 に抑制されていた可能性がある。自施設で施行可能な検査 と臨床症状から確定診断にいたるまでの検査の進め方につ いて貴重な経験を得た症例であった。臨床側とのコンタク トを密にして診断に貢献する精査の重要性を再認識した。    連絡先:0172-33-5111(内線 7209)

食道胃接合部癌の治療中に発症した後天性フォンウィルブランド症候群の一例

◎中田 良子1)、小笠原 脩1)、太田 絵美1)、櫛引 美穂子1)、玉井 佳子1)、萱場 広之2) 国立大学法人 弘前大学医学部附属病院1)、弘前大学大学院医学研究科臨床検査医学講座2)

EntryNo. 29

【はじめに】後天性血友病Aは出血症状を呈する難治性の 出血性疾患で,100 万人に 1.5 人といわれるが,近年はその 認識が高まり報告例が増加している.今回我々は重症貧血 を伴い救急搬送された患者において,APTT の延長からク ロスミキシング試験を実施することで早期に後天性血友病 Aを診断・治療を開始できた1 症例を経験したので報告す る. 【症例】80 歳,男性.全身浮腫と心不全疑いで当院に救急 搬送.重症貧血,両側上腕内側・左腋窩部皮下血腫,関節 内出血を認めた.循環器科での加療を開始したが,出血源 の特定に至らず貧血の増悪と凝固異常を認めたため血液内 科へ紹介となった. 【既往歴】大腸癌,前立腺癌,高血圧,糖尿病 【血液検査所見】CBC は Hb 5.4g/dL,PLT 32.5 万/μL で貧 血以外の所見は認めなかった.Hb はその後 4.3g/dL まで低 下した.凝固検査はAPTT のみが 83.1sec と延長しており, 病態確認のためクロスミキシング試験,第Ⅷ因子活性 (FⅧ活性),第Ⅷ因子インヒビター,フォンヴィレブラン ド因子(VWF)活性が追加された. 【結果】クロスミキシング試験の即時反応では凝固因子欠 乏パターン,2 時間インキュベート後の遅延反応はインヒ ビターパターンを示しFⅧ活性は 2%であった.このことか らループスアンチコアグラント(LA)は否定的であった. これらの結果と既往歴より後天性血友病Aの可能性が推測 され,プレドニン,エンドキサンによる免疫抑制療法と輸 血療法によって症状の改善を認めた.day35 からは FⅧ活性 が徐々に上昇し始め,day60 で第Ⅷ因子インヒビターは消 失し,FⅧ活性 66%,APTT 26.8sec となった.また後日報 告された外注検査結果では第Ⅷ因子インヒビターが検出さ れ,VWF 活性は 310%と十分な活性を認めたため,診断は 後天性血友病A と確定した. 【結語】後天性血友病の確定診断にはVWF 活性の低下と LA の否定が必要だが院内で測定可能な施設は限られており, 院内でのクロスミキシング試験実施は早期の原因究明とそ の治療方針決定のために有用であった. 連絡先:0138-43-2263

重症貧血を伴った後天性血友病Aにおいてクロスミキシング試験が有用であった

1 例

◎小田 悟史1)、横山 雄太1)、野露 啓太1)、大竹 裕也1)、河﨑 比呂也1)、岩瀬 仁志1)、高橋 一人2)、秋田 隆司3) 市立函館病院 中央検査部 検査情報センター1)、遺伝子細胞生物検査センター2)、臨床病理科3)

EntryNo. 20

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(5)

【はじめに】Leclercia adecarboxylata は腸内細菌科の菌種で あり、過去、Escherichia 属に分類されていたが、DNA の相 違によりLeclercia 属となった経緯がある。今回、我々は臨 床材料からの検出は非常に稀であるこの菌種を血液培養か ら検出したので報告する。 【症例】40 歳 女性。主訴として慢性腎不全(透析)・自 己免疫性疾患(Budd-Chiari 症候群・シューグレン症候群・ 抗リン脂質抗体症候群)にて加療の為に入院。入院中に 39℃の発熱あり。血液培養、生化学検査、血液検査の各種 を行う。発熱初日の検査結果はCRP 2.00㎎/dl ・ WBC 4600/μL ・ BT39℃。初日のうちに血液培養陽性。グラム 陰性桿菌を検出。発熱3 日目には CRP 22.45㎎/dl ・ WBC 18100/μL ・ BT37.4℃。培養同定及び感受性結果より抗生 剤CFPM が開始となった。抗生剤 CFPM は 2 週間投与。そ の後、CAZ に切り替え徐々に BT も 36℃台に安定した。感 染巣は不明。 【微生物学的検査】発熱時に採取した血液培養BD バクテ ックレズンボトルTM(日本BD 社)の好気ボトル・嫌気ボ トル2 セット(計 4 本)から培養 1 日目にグラム陰性桿菌 を検出した。その後、羊血液寒天培地(栄研化学)に黄褐 色コロニーを認めた。オキシターゼ(-)。BD フェニッ クスTMシステムにて菌同定及び感受性テストを実施し、 Leclercia adecarboxylata を同定した。 【追加確認試験】同菌を簡易同定システム・クリスタル細 菌同定検査(日本BD 社)及び微生物分類同定分析装置 MALDI Biotyper(ブルカー・ダルトニクス社)にて同定試 験を行い、結果はLeclercia adecarboxylata であった。 【考察】Leclercia adecarboxylata は色素産生能をもち 37℃培養より 25℃培養で黄色色素産生能が増強される菌で あり、腸管などにも存在するとmanual of Clinical Microbiology(米国)に記載されている。自己免疫性疾患の 患者から単独で検出されたという報告もあり、イタリアで は既にESBL を産生する Leclercia adecarboxylata の報告も ある事から今後、本菌の抗生薬の選択については注意して いく必要性を感じた。          【連絡先:025-777-3200】

血液培養より検出された

Leclercia adecarboxylata の一症例

◎坂西 清1)、高橋 周汰1)、芳賀 博子2)、小池 敦1) 新潟大学地域医療教育センター 魚沼基幹病院1)、新潟県立加茂病院2)

EntryNo. 16

【はじめに】B 群レンサ球菌(Group B Streptococcus;以下 GBS)は、ヒトの膣内や腸管内などの常在菌であり、妊婦 から垂直感染した際には新生児に敗血症や髄膜炎などの重 篤感染症を引き起こす。当院では、妊婦のGBS スクリーニ ング検査に血液寒天培地を使用していたが、3 社の GBS 選 択分離培地で比較検討を実施し、クロモアガーStrep B(関 東化学)をルーチン検査に導入した。導入後の陽性率の変 化と選択分離培地の有用性を報告する。 【導入後の陽性率変化】選択分離培地導入後の2015 年 9 月 ~2016 年 5 月の 209 検体における陽性率は 20.6%であった。 導入前の4 年間の陽性率は 8.0%、4.5%、6.7%、9.6%であ り、選択分離培地導入後では陽性率は上昇した。 【選択分離培地の有用性】血液寒天培地では、常在菌の影 響によりGBS の菌量が極少数の検体では検出が困難な場合 がある。導入前に実施した比較検討では、94 検体中 3 検体 で極少数のGBS を血液寒天培地から継代培養し同定した。 しかし、選択分離培地では常在菌の発育が抑制されるため 継代培養せずに同定できた。また、多くのGBS は β 溶血 を示すが、非溶血性のGBS も選択分離培地ではコロニーの 色調から容易に検出することができる。比較検討の際には、 1 検体で非溶血株を経験したが選択分離培地での判定は容 易であった。 【考察】日本の妊婦のGBS 保菌率は 10~30%である。選 択分離培地導入前の陽性率は4.5~9.6%であり、選択分離 培地導入後では20.6%と陽性率が上昇した。これは血液寒 天培地で見落としていた検体を判定できるようになったた めと考えられる。技師の経験に依存せずにGBS を検出する ことができ、継代培養の頻度も低下し、コスト削減と結果 報告までの時間短縮にもつながるGBS 選択分離培地はスク リーニング検査に有用である。 連絡先:0256-33-1551(内線 1250)

GBS 選択分離培地の有用性

B 群レンサ球菌スクリーニング検査において ◎渡邉 亮太1)、斎藤 典男1)、高橋 英花1)、飛田 賢一1) 新潟県済生会 三条病院1)

EntryNo. 71

【はじめに】好中球の核左方移動は、感染症や炎症性疾患 などにみられ、特に炎症初期のマーカーとして有用である ことが報告されている。日常検査においては、末梢血中の 桿状核球の増加と定義されるが、そのカットオフ値に一定 の見解はない。また、桿状核球と分葉核球の目視分類基準 は、日本臨床検査技師会勧告法、米国臨床検査標準協議会 勧告法や日本検査血液学会案(旧JSLH 法)などがあり、 施設ごとに異なる方法が用いられている。最近、日本検査 血液学会は、標準化を目指し、新しい好中球目視分類基準 (新JSLH 法)を発表した。そこで、新 JSLH 法と従来法を 比較検討し、炎症性疾患における核左方移動のカットオフ 値の設定を試みた。 【方法】非炎症例(57 例)と CRP 高値例(107 例)の EDTA 加末梢血から塗抹標本を作製後、5 名の技師が旧お よび新JSLH 法で白血球 200 細胞を分類し、桿状核球の割 合を算出した。 【結果】1. 非炎症例と CRP 高値例の平均桿状核球比率は、 それぞれ新JSLH 法が 2.2%、19.8%、旧 JSLH 法が 12.6%、 34.8%であった。2. CRP 高値例の桿状核球比率と 5 名の技 師の変動係数(CV%)から precision profile を作成した。回 帰式より桿状核球比率20%における CV%を比較したとこ ろ、新JSLH 法は 24.8%であり、旧 JSLH 法の 39.0%に比べ 低値であった。3. 両法における相関係数(r)は、0.95 と良好 であったが、回帰式はy=0.80x-8.01 と新 JSLH 法が低値と なった。4. 新 JSLH 法の ROC 曲線下面積は、0.995 と旧 JSLH 法の 0.971 に比べ有意に高値であった。 【結語】新JSLH 法は、旧 JSLH 法に比べ再現性が良好であ った。炎症性疾患におけるカットオフ値を5.2 に設定した 時、特異度は1.000、感度は 0.972 であった。 連絡先:011-611-2111(内線 3644)

新しい目視分類基準を用いた好中球核左方移動の評価

◎近藤 崇1)、遠藤 明美1)、盛合 亮介1)、望月 真希1)、山田1)、淺沼 康一1)、髙橋1) 札幌医科大学附属病院 検査部1)

EntryNo. 7

【はじめに】予後不良といわれている t(16;21)(p11;q22)FUS-ERG(以下 FUS-ERG)を伴う AML は稀で,形態学的特徴が 様々であり,時に白血病細胞による血球貪食や空胞形成など を生じることがあると報告されている.今回我々は診断に 苦慮したFUS-ERG を伴う小児 AML を経験したので報告す る. 【症例】9 歳男児,2016 年 4 月,他院にて膿瘍形成を伴う 穿孔性虫垂炎術後の経過観察中に芽球様細胞を末梢血中に 認めたため当院へ紹介となった. 【結果】骨髄検査にて芽球様細胞23.0%(細胞所見:大小不 同,N/C 比中~大,細胞質好塩基性,核網繊細で湾入や核 分葉などの核形不整を伴う細胞が認められた.一部空胞形 成や血球を貪食する芽球様細胞も混在した.)顆粒球系には 偽ペルゲル核異常や好中球顆粒減少などの異形成も認めら れた.POX 染色,EST 染色は共に陰性であった.細胞表面 マーカーはCD11b ・ CD13 ・ CD33 ・ CD34 ・ CD41 ・ CD42 ・ CD56 ・ CD61 ・ CD117 ・ MPO 陽性であった. RT-PCR では FUS-ERG mRNA が検出されたが G 分染法に おいて-16,add(17)(p11.2),add(21)(q22)という複雑核型が検出 されRT-PCR の結果と一致しなかった.後日追加した SKY 法により t(16;21)(p11;q22)の転座が検出された. これらの所見によりFUS-ERG を伴う急性巨核芽球性白血 病(AML-M7)と診断された. 【結語】FUS-ERG を有する白血病の病型は M1 ・ 2 ・ 4 ・ 5 ・ 7 の形態をとるものが多く,特有な病型はないとされ る.本症例でも形態学的所見では芽球の増殖が緩慢で分化 傾向や異形成なども認められたため,確定診断に至らなかっ た.一方で RT-PCR において FUS-ERG キメラ遺伝子が検出 されたため,G 分染法の結果解釈を改めて見直し SKY 法を 追加したことで確定診断に結びついた症例であった.   連絡先:宮城県立こども病院ビー・エム・エル検査室         022-302-8755(直通)

FUS-ERG 遺伝子変異を伴う小児 AML の一例

◎金澤 雅代1)、大窪 信夫1)、武田 敦子1)、井上 千春1)、栗原 幸孝1)、齋藤 香菜1)、秋元 悠未1) 地方独立行政法人 宮城県立こども病院ビー・エム・エル検査室1)

EntryNo. 36

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