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更新日:2010/1/18 調査部:舩木弥和子

ベネズエラ:Carabobo 入札を前にロシア、ベラルーシ等とオリノコベルト開発で合意

(International Oil Daily、Platts Oilgram News、Business News Americas 他)

ベネズエラでは、2010 年 1 月 28 日にオリノコベルト Carabobo 鉱区の入札が予定されている。これを 前にして、2009 年 11 月 30 日には、ベネズエラ政府が関心表明を行った企業に、見直しが行われた入 札条件を通知した。また、ベネズエラ政府ならびに PDVSA は、ロシアコンソーシアム、Belorusneft、Eni と Junin 6 鉱区、Junin 1 鉱区、Junin 5 鉱区の開発について、それぞれ合意した。ベネズエラは中国とも CNOOCがBoyaca 3鉱区の埋蔵量評価を実施することで合意に至った。最近のオリノコベルトをめぐるこ れらの状況をまとめた。 ロシアコンソーシアム、Junin 6 鉱区開発へ 2009年11月、オリノコベルトJunin 6鉱区の開発に関するベネズエラ政府とロシア政府との間の契約締 結を認める法律がベネズエラ国会で承認されたことが明らかになった。 両国間の契約によると、PDVSAとGazprom、Lukoil、TNK-BP、Rosneft、Surgutneftegasからなるロシアコ ンソーシアム(Russia’s national oil consortium:RNOC)はジョイントベンチャーカンパニー(JVC)を設立す る。このJVCの株式保有比率はPDVSA60%、RNOC40%とされている。RNOCはJVC設立後10日以内に、 ボーナス10億ドルのうち6億ドルを、最終投資決定後に4億ドルをベネズエラ側に支払う。最終投資決定 後に支払われる4億ドルは、石油関連の建設や社会サービスインフラに使われる。同鉱区では45万b/d が生産され、アップグレード後、国際市場で販売することが可能である。生産とは別に精製と販売に関す るJVCを設立することもできる。投資回収は改質原油の商業生産開始後7年以内で、内部収益率

(internal rate of return:IRR)は19%とされている。この期間内に投資が回収できない場合、ベネズエラは ロイヤルティーと税率の減免等を認める。なお、JVC設立にはベネズエラ国会の承認が必要とされてい る。また、この契約に基づき、ベネズエラとロシアはJunin 3鉱区、Ayacucho 2鉱区、Ayacucho 3鉱区につ いても共同で開発することが可能であり、3鉱区合計で45万b/d以上を生産することが検討されていると の報道もある。

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Carabobo 入札の条件を見直し 11月30日、エネルギー石油省とPDVSAは、変更されたCarabobo入札の条件を関係企業に通知した。 各種報道によれば、ロイヤルティーは30%から20%に引き下げられたが、プロジェクトの経済性によって はロイヤルティーをさらに引き下げるとエネルギー石油省が伝えたとの情報もある。今回の変更につい ては、大きな変更ではなかったものの、企業側も十分に利益を上げることが可能になったとの見方がな されている。 Caraboboの7鉱区を対象とした入札は、7鉱区合計で投資額が300億ドル、生産量が120万b/d、20万 b/dのアップグレーダーを3基建設するという大規模なプロジェクトで、2008年10月に入札説明会が開催 され、19社が関心表明を行っている。2009年4月に入札が行われる予定であったが、油価下落や世界的 な経済危機により、実施が延期されてきた。今回の契約条件の変更も、当初は11月12日に内容が明らか にされる予定であったが、30日に遅れた。 CNOOC、Boyaca 3 鉱区の埋蔵量評価を実施へ

12 月 22 日、CNOOC と PDVSA はオリノコベルト Boyaca 3 鉱区の埋蔵量評価、沖合ガス田の評価・生 産、沖合での石油サービス業務の 3 分野について MOU を締結した。ベネズエラは 2009 年 6 月には PetroCaribe に Boyaca 3 鉱区の埋蔵量評価を実施するよう働きかけていたが、今回、CNOOC が埋蔵量 評価を行うことで合意が成立した。オリノコベルトでは、中国企業としては、CNPC がすでに Junin 4 鉱区 で埋蔵量評価を終了させ、PDVSA と CNPC は同鉱区で 40 万 b/d を生産することを目指して、協議を行 っている。また、Sinopec が Junin 8 鉱区で埋蔵量評価を実施している。Ramírez エネルギー石油大臣は、 これらのプロジェクトと併せて、今回の合意によりベネズエラと中国は将来、ベネズエラ国内で合計 100 万 b/d を生産できるようになるであろうと語っている。CNOOC は、また、今回の MOU に基づき PDVSA に深海の技術に関する助言を行うという。

ベネズエラと中国は、PDVSA と Sinopec がベネズエラGuárico 州 Cabruta に製油所(精製能力 40 万 b/d)を建設し、Junin 8 鉱区で生産される原油を処理することについても合意した。同製油所では、 Boyaca で生産される原油も処理するとの情報もある。総投資額は 60 億ドルが予定されている。 また、PDVSA は 2009 年に原油及び石油製品 50 万 b/d を中国に輸出することとなっていたが、2010 年はこれを 26%増加させ 63 万 b/d とすることについても合意しており、Chavez 大統領は中国向け石油 輸出を 100 万 b/d まで増加させたいとしている。 両国は、Anzoátegui 州でリグを建造することでも合意に至っている。当初はリグの組み立てやコンポー ネントの製造から開始し、2013 年にはリグ全体の建造を可能にしたいとしている。

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立したという。2009 年 9 月にも、ベネズエラはオリノコベルト開発のために中国から 3 年間で 160 億ドル の投資を得ることで合意したとの報道があったが、この際には投資を行う中国企業名等は明らかにされ なかった。

Belorusneft とJunin 1 鉱区の開発に80 億ドルを投資することで合意

12 月末、PDVSA と Belorusneft は、PDVSA60%、Belorusneft40%で設立した JVC、Bielovenezolana が

Junin 1 鉱区の開発に25 年間で 80 億ドルを投資することで合意した。Junin 1 鉱区の確認埋蔵量は 20 億 bblで、両社は、20 万 b/d を生産する計画である。同鉱区内に重質油を処理する施設を建設するとい う。

ベネズエラはこれまでも上流部門での活動を通して、ベラルーシとの関係強化を図ってきた。PDVSA とBelarusneftは、2007年にBielovenezolanaを設立し、現在、東部Anzoategui 州のGuara Este油田と西部

Zulia州のLago Medio 油田で生産を行っている。2008年の生産量は14,000 b/dで、2009年中に生産量を 60% 増加させ22,000 b/dとする計画とされている。2009年初にはMonagas州等でも探鉱・開発を実施する としていた。また、両国はオリノコベルトで地震探鉱を実施するJVC、Sismica Bielovenezolanaも設立して いる。

Eni と PDVSA、Junin5 鉱区の開発について合意

同じく 12 月末に、PDVSA は Eni とオリノコベルト Junin 5 鉱区の開発について MOU を締結した。両社 の役員会の了承を得て、1 月 26 日に最終的な契約を締結する予定である。このたび、明らかにされたと ころによると、PDVSA60%、Eni40%の比率で JVC を設立して同鉱区の開発を行い、2014 年には生産を 開始するという。生産量は当初 75,000b/d で、その後 24 万 b/d に増やす計画である。Jose に製油所(精 製能力 30 万 b/d)を建設するほか、Guiria に 1,000 MW の火力発電所を建設することも予定されている。 ベネズエラでは、エルニーニョ現象の影響で電力の 70%を供給している Guri、Caruachi、Macagua 水 力発電所の水位が低下し、発電量が減少している。このような状況に対処しようと、政府は 1 月 13 日より 5 月末まで、全国の電力消費量を 20%低減するため、最高で 1 日 4 時間にわたり電力供給を停止するこ ととした。突然の計画停電の実施により混乱が生じたため、カラカスについては、計画停電はわずか 1 日 で中止されることとなったが、電力不足の状況に変わりはなく、この原因はインフラへの投資不足や電力 価格が低く設定されていることであるとの指摘も出ている。したがって、火力発電所の建設を含む同鉱区 の開発はベネズエラ政府にとって、非常に好ましいものと考えられる。 なお、Ryder Scottによると同鉱区の原始埋蔵量は400億bblとされている。

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通貨切り下げによりサービス会社等への支払いが進むか? 1 月 8 日、チャベス大統領は通貨ボリバル・フエルテ(BF)の対ドル交換レートの切り下げを発表した。 1ドル=2.15 BF に固定されていた公式レートを、11 日以降は1ドル=2.6BF と 4.3BF の二重レートとする。 2.6BF のレートは食料品、医薬品などの必需品や機械・装置、科学技術などの優先度の高い輸入品、公 共部門による輸入、国外への送金等に適用される。これ以外については、自動車、商業、電気通信、建 設、家電などの輸入も含めて 4.3BF のレートが適用される。また、闇市場の変動為替レートについては、 中央銀行が介入し、公式レートに切り替え、管理されることになった。 通貨切り下げにより、PDVSA は収入増が見込まれ、サービス会社等への支払いが進むとの見方もあ るが、一方で2009年に25%を超えたインフレ率がさらに上昇する可能性があると懸念したり、9月に行わ れる国民議会選挙のための政策であると指摘する向きもある。 2009年初にサービス会社等への支払い滞りが表面化したPDVSAは、7月に続き、10月にも社債を発行 した。内訳は2014 年物(利率4.9%)13 億ドル、2015 年物(利率5%)13 億ドル、2016 年物(利率 5.125%)4 億ドルとなっている。社債発行により、PDVSAは年末までにサービス会社等に対する負債 (46.5憶ドル)を返済できる予定であるとしていた。Schlumbergerが、PDVSAはゆっくりとではあるが負債を 返済しており、PDVSAからの支払いは進展を見せているとする一方、多くのサービス会社が期限までに 支払いを受けていないため、作業に遅れが出ているとの情報も伝わっている。 終わりに オリノコベルト既存4プロジェクトの生産量が、PDVSAが最新の技術や設備を導入しないことや、スタッ フの経験不足、長引くメインテナンスなどの影響を受けて減少している。2009年1~8月には PetromonagasがOPECの生産削減に従い生産を停止したが、その後も、11月にPetroanzoateguiのボイラ ーに不具合が生じ、10月にPetropiarで、10月から12月初めにPetrocedenoでメインテナンスが実施され、 それぞれ生産に影響が生じた。その結果、52日間にわたり生産量が12.3万~19万b/d減少した。プロジ ェクトのいくつかは点検や整備が必要であるのに、PDVSAは応急修理を行うだけで、生産を続けている との指摘がなされている。 一方で、Ramirezエネルギー石油相は11月に開かれた世界重質油会議で、オリノコベルトの生産能力 増により、ベネズエラの生産能力を現在の 300 万 b/d から 2015 年までに 425 万 b/d に、2021 年までに 686.2 万 b/d に増加させると語っている。 1 月初めには、Carabobo 入札の契約書に企業側がいくつかのエラーを発見したため、1 月 28 日の応 札が直前に再度延期される可能性があるとの報道があったが、エネルギー石油省は予定通り入札を実

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あると考える。

オリノコベルト鉱区図

(各種資料より作成。数字を記入した鉱区を中心に埋蔵量評価作業実施。 斜線の鉱区ではPDVSA が埋蔵量評価作業を実施。)

参照

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