2015年度 修士論文
橋梁の維持管理システム構築に必要な論理基盤に関する研究
A study on the basic logic required for setting up
the bridge maintenance management system
2016 年 3 月 指 導 教 員:島 弘 副 指 導 教 員:草 柳 俊 二 高 知 工 科 大 学 大 学 院 工学 研 究 科 基 盤 工 学 専 攻 社 会システムマネジメントコース 学 籍 番 号 1187005 柏 木 正勝
目 次 1.序 章 研 究 の背 景と目 的 ... 1 (1)研 究 の背 景 ... 1 (2)研 究 の目 的 ... 1 (3)研 究 の構 成 ... 2 (4)用 語 の定 義 ... 3 2.我 が国 の橋 梁 資 産 の現 状 分 析 ... 5 (1)我 が国 の橋 梁 タイプと発注 量 の推 移 ... 5 (2)我 が国 の道 路 橋(橋長 2m 以 上 )の老 朽 化 の現 状 ... 6 (3)橋 梁 の事 後 保 全 から予 防保 全 へのパラダイム変 更 及び今 後 のパラダイム変 更 ... 8 3.四 国 の橋 梁 資 産 の現 状 分 析 ... 11 (1)四 国 (内 国 道)の橋 梁 タイプと発 注 量 の推 移 ...11 (2)四 国 の道 路 橋(橋 長 2m 以 上 )の老 朽 化 の現 状 ... 12 (3)橋 梁 点 検 結 果 より今 後 の維 持 管 理 方 針 の策 定 ... 12 1)橋 梁 点 検 結 果(四 国 地 整 判 定 結 果 C判 定)について .... 13 2)橋 梁 点 検 結 果(四 国 地 整 判 定 結 果B判 定 )について ...15 3)C 判 定 結 果 と劣 化要 因 に関 する分 析 ... 17 4.四 国 の橋 梁 維 持 管 理 の事 業 量分 析 ... 19 (1)維 持 管 理 ・更 新・廃 棄 の事 業 量 推 定 ...19 (2)維 持 管 理 の事 業 量 推 定 ...23 5.予 防 保 全(更 新 )体 制 確 立 に向けての問 題 分 析 ... 26 (1)道 路 橋 ストックの現存 価 値の明 示 化 ...27 (2)LCCと劣 化 曲 線 の効 用 と弊 害 ...28 (3)人 口 減 少 等 の社 会 環 境 変 化 に関わる問 題 ...30
6.予 防 保 全(更 新 )体 制 確 立への問 題 解 決 策 ... 32 (1)耐 用 年 数 、橋 梁 構 造 物 の減 価 償却 の考 え方 ...34 1)耐 用 年 数 の設 定 ... 34 2)道 路 橋ストックの現 存 価 値 ...36 3)耐 用 年 数 毎 の現 存 価 値 ...38 (2)維 持 ・更 新・廃 棄 の意 思 決 定 のプロセス...40 1)減 価 償 却(定 額 法 )算 出結 果 による意 思 決 定 のプロセス 40 2)グルーピング価 値 判 定 による意 思 決 定 のプロセス ...46 3)維 持 管 理 費 用 の改 善 可能 性 の検 証 ...48 (3)事 業 規 模 による役 割 分 担 ...50 7.今 後 の考 察(展 開 ) ... 51 (1)今 後 の方 向 性 ... 51 (2)橋 梁 更 新 業 務 のイノベーション ...52 8. おわりに... 55
図表 目 次 図-1 用 語の定義 フロー図 ...3 図-2 我が国の橋梁タイプと発 注 量の推移 (橋 長 15m 以 上 ) ...5 図-3 我が国の橋梁タイプと発 注 量の推移 (橋 長 15m 以 上 )(再掲 ) ...6 図-4 経 過 年 数 50 年の割 合(全国 ・橋長 2m 以 上 )の現 状 ...7 図-5 一 般 会計 歳 出主 要 経 費の推 移 ...9 図-6 道 路 投 資の推 移 ...9 図-7 公 共 事業 費の推移 ... 10 図-8 四 国 内国 道の橋梁タイプと発注 量の推移 (橋 長 2m 以 上 ) ... 11 図-9 経 過 年 数 50 年の割 合(四国 ・橋 長 2m 以上 )の現状 ... 12 図-10 全体 橋 梁数 と C 判 定の結 果 ... 13 図-11 橋梁 数と C 判 定の結 果・年代 別 C 判 定橋 梁数 ・タイプ別 C 判定 割 合 ... 14 図-12 全体 橋 梁数 とB判 定の結果 ... 15 図-13 橋梁 数とB判定の結 果・年 代別 B判定 橋 梁 数・タイプ別 B判 定 割合 ... 16 図-14C判 定 結果 と劣 化 要因に関する相 関② ... 18 図-15 今 後 100 年 間 使 用の管 理 別費 用 比較 検 証 ② ... 22 図-16 今 後 100 年 間 使 用の道 路 別費 用 比較 検 証 ② ... 25 図-17「これまでの維 持管 理」と「現在の維 持 管理 」イメージ ... 26 図-18 ストック推 計の基 本フロー ... 27 図-19 劣化 曲 線イメージ図 ... 29 図-20「現 在の維 持 管理 」と「望ましい維 持管 理」イメージ ... 32 図-21 新設 と維 持 管理の論 理思 考 イメージ ... 33 図-22 現存 価 値のイメージ ... 35 図-23 ライフサイクルパターン検 証 ... 41 図-24 耐用 年 数 60 年の場 合の現存 価 値の推 移 ... 45
図-25 耐用 年 数 100 年の場合の現 存価 値の推移 ... 45 図-26 アセット管 理のグルーピングイメージ ... 47 図-27 今後の方 向性 (維 持 管 理と更新の考え方 ) ... 51 図-28 橋梁 更 新業 務 概 念 図 ... 53 表-1 建 設 年代 別の道路 寿 命の推定 結 果 ... 10 表-2C判 定結 果と劣 化要 因に関する相 関①... 17 表-3 四 国 地域の橋 梁タイプ別・発注 者 別 想定 橋 梁数 ... 21 表-4 四 国 地整の全 体橋 梁 数と判 定結 果 内訳 集 計 ... 21 表-5 今 後 100 年 間使 用の管 理別 費 用比 較 検 証 ① ... 22 表-6 四 国 地 域の維 持 管理 対 象橋 梁 数 ... 24 表-7 今 後 100 年 間使 用の道 路別 費 用比 較 検 証 ① ... 24 表-8 現 在の維持 管 理費 用の想 定割 合 ... 28 表-9 四 国 地域の将 来維 持 管 理率 推 定 ... 31 表-10 各国の設 計耐 用 年 数調 査 ... 35 表-11 現存 価 値算 出 表(様 式)... 36 表-12 現存 価 値 算 出 結 果(四国 地 整) ... 37 表-13 四国 地 整直 轄 国 道の現 存 価値 ... 39 表-14(報 告)案 四国 地 整 2012 年 度 資産 状 況 ... 39 表-15 管理の選 択想 定 ...42 表-16 2010 年 時点の現 存価 値 比較 と今 後の投 資 額 ... 44 表-17 アセット管 理のシナリオ ... 46 表-18 初期 コスト検 証 ... 49 表-19 今後の維 持管 理 費 用の改 善 可能 性 ... 49 表-20 事業 規 模による役 割 分 担(案) ... 50 表-21 橋梁 更 新業 務 概 略 工程 表と概 略 施工 費 ... 54
参考 資 料①四国 地 整C判 定 評価 取 り纏 め ... 57
参考 資 料②四国 地 整 B判 定 評価 取 り纏め ... 58
参考 資 料③管理 別 金 額検 証 ... 59
参考 資 料④道路 別 金 額検 証 ... 60
1 . 序 章 研 究 の 背 景 と 目 的 ( 1 ) 研 究 の 背 景 我 が国 の社 会インフラ維 持 管 理 は 2013 年 (平 成 25 年)を「社会資 本 メンテナ ンス元 年1」として、構 造 物 の老 朽 化 対 策 を中 心 とした本 格 的 な取 り組 みが始 ま った。社 会 インフラストック額 は内 閣 府 「社 会 資 本 ストック推 計 」によると 2009 年 度 末 時 点 において 786 兆 円 。道 路 構造 物 は 254 兆 円 (32%)、橋 梁 構 造 物 のみ のストック額 は未 公 表 である。また道 路 構 造 物 の投 資 についてはGDP費 で欧 米 が年 平 均 2%程 の投 資 割 合であるのに対して我 が国 は年 平 均 3%以 上と比 較 的 高い投 資 割 合 という特 徴 がある。 但 し上 述 の社 会 インフラストック 786 兆 円 という数 字 は公 的 構 造 物 には減 価 償 却 の考えが無いこと、1940 年 以 降 の実 質 投 資 額 累 計が 899 兆 円 であり、113 兆 円 の差 額しかないことからからも建 設 時 点 での集 計額 若 しくは粗 資 本 ストック 額 と判断 される。 我 が国 で近 代 構 造 理 論 を基 に建 設 された橋 梁 は鋼 橋 が一 番 古 く、1868 年 (慶応 4 年 )に長 崎 で建 設 されている。続いて 1909 年 (明 治42 年)に鉄 筋コンク リート橋 (以 後 、「RC 橋 」という)が建 設 され、プレストレストコンクリート橋 (以 後 、 「PC 橋 」という)は最 も新しく 1951 年 (昭 和 26 年 )に石 川 県で建 設されている。 橋 長 15m 以 上 の本 格 的な橋 梁 の建 設 は戦 後 急 速 に増 加し、ピークはオイル ショック時 の 1973 年で 4,800 橋 建 設された。だが 2000 年 代 に入ると急 速 に減 少しピーク時 の 10 分 の1程 の 400 橋 程となった。そして建 設後 50 年を超える国 及び基 礎 自 治 体 の橋 梁 割 合(橋 長 2m 以上 )は現 在 18%だが 10 年 後 には4 3%、20 年 後 には67%になると推 計されている。 問 題 は耐 用 年 数 を迎 えた橋 梁 が急 激 に増 加 し更 新 が必 要 となってくるという ことである。つまり我 が国 は橋 梁 の総 合 的 な維 持 管 理 ・更 新 に真 剣 に取 り組 まな ければならない時 期 であり、そのシステム構 築 が喫 緊 の課 題 となっている。シス テム構 築 では、機 能 維 持 のための修 繕 のみではなく、更 新 (再 建 )、または廃 棄 (撤 去 或いは放 置)という選 択 肢を迅 速 に選 択 していくものでなければならない。 ( 2 ) 研 究 の 目 的 前 述 の背 景 ・課 題 を踏 まえて橋 梁 の維 持 管 理 ・更 新 業 務 は、これまでは品 質 劣 化 や欠 陥 が顕 在 化 してから対 応 する対 処 療 法 的 な「事 後 保 全 型 」が中 心 で あった。最 近 では長 寿 命 化 対 策 を目 的 とした「予 防 保 全 型 」の重 要 性 が認 識 さ れ、ライフサイクルコスト(LCC;Life Cycle Cost)を考 慮 したアセットマネジメント
1国 土 交 通 省 HP「国 土 交通 」No,122「社 会 資本 メ ン テナ ンス 元 年老 朽 化 への 対 策と 長寿
(Asset management)といった考 え方 が導 入 された。アセットマネジメントは維 持 管 理 に対 する中 ・長 期 的 計 画 を工 学 的 観 点 と経 済 的 観 点 の両 方 から策 定 する考 え方 及 び枠 組みである。 しかし、始 まったばかりで実 質 的 な成 果 は上 がっていない。成 果 が上 がらない 原 因 は何 か。アセット(Asset)とは「資 産 =価 値 」である。持 てる資 産 を修 繕 する のか、更 新 するのか、または廃 棄 するかの選 択 は現 存 価 値 を明 らかにしなけれ ばならない。 公 共 構 造 物 は課 税 対 象 とならないため減 価 償 却 という考 えの域 外 でアセット マネジメントが議 論 されてきた。実 質 的 な成 果 が上 がらない原 因 は現 在 ある資 産 を適 正 に評 価し現 存 価 値 を明らかにする方 法 論 が固 まっていないからであり、そ の結 果 、問 題 個 所 を直 すだけの修 繕 業 務 の範 疇 に留 まってしまっている。これ が実 態であると考えられる。 本 研 究 は実 態 に基 づい た「減 価 償 却 」 の考 え方 を 公 共 橋 梁 構 造 物 に適 用 し、橋 梁 の維 持 管 理 業 務 及 び更 新 業 務 において最 適 な方 策 の検 証 を行 い、管 理 システム構 築 に必 要 な意 思 決 定 のプロセスを見 出すことを目 的 としたものであ る。 (3 ) 研 究 の 構 成 本 研 究 は下 記 の内 容で構 成している。 第 1章 「序 章 」では今 後 の橋 梁 構 造 物 の維 持 管 理 ・更 新 業 務 に対 し て減 価 償 却 の考え方 が重 要 になってくる背 景 と経 緯 を述 べた。 第2章 「我 が国 の橋 梁 資産 の現 状 分 析 」では日 本 全 体で橋 長 15m 以 上 の橋 梁 タイプと発 注 量 の推 移 及 び道 路 橋 ストック(橋 長 2m 以 上)の老 朽 化 の 現 状 、また事 後 保 全 から予 防 保 全 へのパラダイム変 更 及 び今 後 のパラ ダイム変 更 がなぜ起きているか(起きるのか)を分 析した。 第 3章 「四 国 の橋 梁 資 産 の現 状 分 析 」では四 国 内 国 道 (四 国 地 方 整 備 局 (以 後 、「四 国 地 整」という)管 理 、橋 長 2m 以 上)の橋 梁 タイプと発 注 量 の推 移 及び四 国 内 国 道 の橋 梁ストック(橋長 2m 以 上)の老 朽 化 の現 状 、そ して四 国 内 国 道 の橋 梁 点 検 結 果 より今 後 のメンテナンス方 針 の検 証 を 行った。 第 4章 「四 国 の橋 梁 維 持 管 理 の事 業 量 分 析 」では事 業 量 推 定 として対 象 橋 梁 数 の想 定 を行い維 持 管 理 ・更 新 ・廃 棄 を含 めた事 業 量 の推 計 を行 っ た。また四 国 地 域 全 域 の国 道 ・県 道 ・市 町 村 道 において維 持 管 理 の事 業 量を道 路 別 に推 計した。 第 5章 「予 防 保 全 (更 新 )体 制 確 立 に向 けての問 題 分 析 」では道 路 橋 ストック の現 存 価 値 の明 示 、そしてLCCと劣 化 曲線 の効 用 と弊 害 、また人 口 減 少 が与える社 会 環 境 変 化 に関わる問 題を探 った。
第 6章 「予 防 保 全 (更 新 )体 制 確 立 への問 題 解 決 策 」では第 5章 の分 析 で生 じている問 題 に対 しての解 決 策 として減 価 償 却 の考 え方 及 びその考 え 方 を基 にし た道 路 橋 ス トックの現 存 価 値 の算 出 、そして橋 梁 の維 持 管 理 ・更 新 ・撤 去 の意 思 決 定 のプロセス、また維 持 管 理 費 用 の改 善 可 能 性 の検 証 及び事 業 規 模 別 に役 割 分 担 の在り方を提 示した。 第 7章「今 後 の考 察」では今 後 の方 向 性 及び今 後 の橋 梁 更 新 技 術 のイノベー ションの可 能 性 を探った。 ( 4 ) 用 語 の 定 義 本 題 に入 る前 に用 語 の定 義 を行 う。下 記 図 -1は用 語 の定 義 をフロー図 に示 したものである。国 土 交 通 省 公 表 資 料 「国 道 (国 管 理 )の維 持 管 理 等 に関 する 検 討 会 とりまとめ1」によると、管 理 行 為 は「維 持 管 理 」と「更 新 」に分 かれ、そして 「維 持 管 理 」は「維 持 」と「修 繕 」に分 かれている。また、「保 全 」とは維 持 管 理 に 関する活 動 で「予 防 保 全 」と「事 後 保 全」に分 かれている。 図-1 用 語 の 定 義 フ ロー 図 出 所 ) 国 土 交 通省 HP 公 表 資 料 よ り 筆 者 抜 粋 作 成 1国 土 交 通 省 HP「国道(国管 理 )の維 持管 理等 に関 する検 討会」
(以 下 、注 釈) ■管 理 : 公物 管 理 者 が行 う当 該 公 物 管 理 法 上 のすべての管 理 行 為 (例 えば道 路 の新 設 、改 築、維 持 、修 繕、災 害 復 旧その他 の管 理 ) ■維 持 管 理 :管 理 のうち、維 持 、修 繕 、災害 復 旧 その他 の管 理 行 為 ■維 持 : 機能 及 び構 造 の保 持を目 的とする日 常 的な行 為 (例 えば道 路 の巡 回 、清 掃、除 草 、剪 定、舗 装 のパッチング等 ) ■修 繕 :損 傷した構 造を当 初 の状 態 に回 復させる行為 付 加 的 に必 要な機 能 及 び構 造の強 化 を目的 とする行 為 (例 えば橋 梁 、トンネル、舗 装 等 の劣 化・損 傷 部 分 の補 修、耐 震 補 強 等 ) ■更 新 :公 物 (例 えば道 路 構 造 )を全 体 的 に交 換 するなど、同 程 度 の機 能 で 再 整 備する行 為 (例えば橋 梁架 替 等 ) □保 全 (維 持 管 理 に関 する活 動 ):施 設 ・設 備 を使 用 及 び運 用 可 能 状 態 に維 持 し、又 は故 障、欠 陥 などを回 復するためのすべての処 置 及び活 動 □予 防 保 全 :施 設 ・設 備 の使 用 中 の故 障 の発 生 を未 然 に防 止 するために、規 定 の間 隔 又 は基 準 に従 って遂 行 し、施 設 ・設 備 の機 能 劣 化 又 は故 障 の確 率 を低 減 するために行う保 全 □事 後 保 全 :故 障 発 見 後 ,施 設 ・設 備 を要 求 機 能 遂 行 状 態 に修 復 させるた めに行われる保 全
2 . 我 が 国 の 橋 梁 資 産 の 現 状 分 析 ( 1 ) 我 が 国 の 橋 梁 タ イ プ と 発 注 量 の 推 移 我 が国で近 代 構 造 理 論を基 に建 設された橋 梁 は鋼 橋 が最も古 く 1868 年 (慶 応 4 年)に長 崎 で建 設された。続いて 1909 年(明 治 42 年 )に RC 橋 、PC 橋 は最 も新 しく 1951 年 (昭 和 26 年 )に石 川 県で建 設された(図-2)。 タイプ別に整 理すると RC 橋 は戦 後 から 1990 年 代 まで年 間 平 均 500 橋であ ったが 2000 年 代 以 降 はほとんどなくなった。鋼 橋 は戦 後から 1970 年 代 まで全 橋 梁 構 造 物 の 50%を超えていたが 1980 年 代 以 降 PC 橋 が過 半 を占 めるに至っ た。 橋 長 15m 以 上 の本 格 的な橋 梁 の建 設 は戦 後 の居 住 空 間 の確 保が一 段 落 し た 1950 年 代 初 頭 から急速 に増 加 し、1960 年 代 には年 間 平均 2,200 橋 が建 設 された。1970 年 代 に入るとさらに加 速し年 間 平 均 4,000 橋 が建 設されピークは オイルショック時の 1973 年に 4,800 橋 建 設された。1980 年 代 は年 間 平均 3,500 橋 、バブル経 済 崩 壊 後 の 1990 年 代 でも年 間 平 均 2,700 橋 といった経 緯を辿っ てきた。だが 2000 年 代 に入ると急 激 に減 少 し年 間 平 均 1,500 橋 となり 2010 年 代 に入るとほとんどなくなった。 橋 梁 建 設 の必 要 性 はすでに充 足 しており、新 設 の橋 梁 は必 要 なくなってきて いる。今 後 は本 格 的な維 持 管 理 と更 新の時 代を迎 えたと言える。 図-2 我 が 国 の 橋 梁 タイ プ と 発 注 量 の 推 移(橋 長 15m 以 上 ) 出 所)「 道 路 統 計 年 報 2011」 よ り筆 者 作 成
( 2 ) 我 が 国 の 道 路 橋(橋 長 2m 以 上 )の 老 朽 化 の 現 状 我 が国 の社 会インフラ投 資 額(公 共 事 業 費 )は 1998 年 の 14.9 兆 円をピーク に減 少へと転じた。内 閣 府「社 会 資 本ストック推 計」によると 2009 年 度 末 時 点で 17 部 門 の粗 資 本 総 計 額 は 786 兆 円 となっている。道 路 橋 は橋 長 2m 以 上が約 70 万 橋あり、そのうち橋 長 15m 以 上 の本 格 的 な橋 梁 が 15 万 橋と推 定 されてい る。多くの橋 梁 が 1960 年 代~1970 年 代 の高 度 成 長 期 に建 造されており 2015 年 現 在 のストックの平 均 年 齢 は橋 長 15m 以 上 の橋 梁で 35 歳 程1であると推 測さ れる (図-3) (筆 者 試 算 )。 重 要な点 は耐 用 年 数 から考えると 10 年~20 年 後 には順 次 更 新 の時 期を迎 えるということである。次 頁 図 -4 によれば建 設後 50 年を超える橋 梁 の割 合 は現 在18%だが 10 年 後 には43%、20 年 後 には67%と激 増することになる。こうい った現 象 に対 してどのように対 応 し、維 持 管 理 ・更 新 を行 っていくかが大 きな問 題である。 図-3 我 が 国 の 橋 梁 タイ プ と 発 注 量 の 推 移(橋 長 15m 以 上 )( 再掲 ) 出 所)「 道 路 統 計 年 報 2011」 よ り筆 者 作 成 1日 本 全 体 橋 長 15m 以上 で (1920 年 以降 の経過 年数 *橋 梁数の 集計 )/全体橋 梁数
図-4 経 過 年数 50 年 の 割 合 ( 全 国 ・ 橋 長 2m 以 上 ) の 現 状 出 所 ) 国 土 交 通 省 H P資 料 よ り 筆 者 作 成
( 3 ) 橋 梁 の 事 後 保 全 か ら 予 防 保 全 へ の パ ラ ダ イ ム 変 更 及 び 今 後 の パ ラ ダ イ ム 変 更 構 造 物 を「作る時 代 」から「マネジメントする時 代 」へと転 換 が図 られている中 、 橋 梁 の維 持 管 理 業 務 は品 質 劣 化 や欠 陥 が顕 在 化 してから対 応 する対 処 療 法 的 な「事 後 保 全 型 」が中 心 であった時 期 から最 近 では「予 防 保 全 型 」 中 心 へと 推 移 している。国 土 交 通 省 が主 導 役 となり推 進 し、次 第 に基 礎 自 治 体 へと考 え 方 が浸 透しつつある。 なぜパラダイム変 更 が起 きているのであろうか。その原 因 は日 本 社 会 の構 造 的 環 境 変 化 にある。現 在 の日 本 社 会 は人 口 減 少 ・少 子 高 齢 化 ・予 算 減 少 の三 連 動 及 び三 重 苦 の状 態 である。一 般 会 計 費 の中 で削 減 が難 しい「国 債 費 」及 び「社 会 保 障 費」の増 大 、つまり国 家 予 算 レベルでの歳 出 が多 くなっている(次 頁 図 -5)。その反 面 、歳 入 増 加 が見 込 めない状 況 であるため、近 年 は予 算 (維 持 的 経 費 )を減 らしてきた実 態 がある(次 頁 図 -6)。公 共 事 業 費 全 体 ではそれほ どの変 化 はないがインフラストックが増 加 しているにも関 わらず予 算 を減 らさざる を得 ないことが大きな要 因 となりパラダイム変 更へと繋 がった。(次々頁 図 -7) 一 方 、今 後 のパラダイム変 更 は「維 持 管 理 」から「更 新 (廃 棄 )」への変 更 にな ると想 定 される。橋 梁 の維 持 管 理 レベルは「工 学 技 術 的 思 考 」による長 寿 命 化 、 延 命 化 手 法 の範 疇 に留 まっており早 急 に次 のステップである「経 営 的 思 考 」に 基 づく社 会 基 盤 施 設 の総 合 管 理 へ移 行 する時 期 である。なぜ「工 学 技 術 的 思 考 」による延 命 手 法 から更 新 といった方 向 に舵 を切 らないのか。一 つ目 の原 因 はお金 (予 算 )の縮 小 である。更 新 を行 うとなると維 持 管 理 以 上 に予 算 が必 要 と なる。予 算 が潤 沢 であれば維 持 管 理 で対 応 し延 命 措 置 を測 るなどの発 想 はわ かないであろうし、更 新 を行 うことで建 設 業 が好 景 気 となり健 全 な橋 梁 へと生 ま れ変 わるであろう。しかし現 実 的 には全 ての橋 梁 を架 け 替 える余 裕 がないため 更 新する際 には選 定 等 が行われることが想 定 される。 二 つ目 の原 因 は現 存 価 値 に関 する論 理 整 備 が不 足 しているからだと考 えら れる。こういった論 理 整 備 がなされれば対 応 策 の策 定 に向 けての歯 車 が回 り始 めることになる。 次 々頁表 1は建 設 年 代 別 の道 路 寿 命 より将 来 の選 択 を想 定 したものである。 今 後 の対 応 策として平 均 寿 命 と標 準 偏 差 の関 係 及び経 過 年 数 から対 応 策を練 ることは可 能である。 【想 定 対 応 策 (案)】 ・架 設 年 次 1921-1950 年→「更 新」または「廃 棄」にて対 応 ・架 設 年 次 1951-1980 年→「事 後 保 全」にて対 応 ・架 設 年 次 1981-2015 年→「予 防 保 全」にて対 応
但 し、そういった判 断 をどう正 確 且 つ迅 速 に行 うか。そういった場 合 の判 断 手 法 は減 価 償 却 の手 法 が有 効 であるし、国 家 にお金(予 算 )の余 裕 が無 い現 代 の 経 済レベルでの判 断 基 準 ではなおさら必 要となってくる。 図-5 一 般 会 計 歳 出 主要 経 費 の 推 移 出 所 ) 我 が 国 の 財 政 事情 ( 平 成 27 年 度 財 務 省 資 料 ) 参 考 に 筆 者作 成 図-6 道 路 投 資 の 推 移 出 所 ) 国 土 交 通省 HP 公 表 デ ー タ よ り 筆 者 作 成 削 減 不 可
図-7 公 共 事 業 費 の 推移
出 所 ) 国 土 交 通省 HP 公 表 デ ー タ よ り 筆 者 作 成
表-1 建 設 年 代 別 の 道路 寿 命 の 推 定 結 果 出 所 ) 国 総研 HP 公 表 資 料 よ り 筆 者 作 成
3 . 四 国 の 橋 梁 資 産 の 現 状 分 析 ( 1 ) 四 国 ( 内 国 道 ) の 橋 梁 タ イ プ と 発 注 量 の 推 移 第 2 章 で日 本 全 体 の橋長 15m 以 上 の橋 梁 について推 移 と現 状を分 析した。 本 章では四 国 内 国 道 (四 国 地 整 管 内、橋 長 2m 以 上の橋 梁 )の推 移 について分 析する。 四 国 における戦 後の橋 梁 整 備をタイプ別に整 理すると、RC 橋 は 1950 年 代、 1960 年 代 に整 備 が進 み年 間 平均 30 橋 が建 設された。1970 年 代 から 1980 年 代 に入ると急速 に減 少 し 1980 年 代 以 降 はほとんどなくなった。鋼 橋は戦 後 から 1970 年 代まで全 橋 梁 構 造 物 の 50%を超 えていたが 1980 年 代 以降 PC 橋が過 半を占めるに至 った。しかし、四 国 では 2000 年 代 以 降 の3つのタイプの合 計 が 年 間 平 均 20 橋 程 と少 量である(図-8)。 四 国で橋 長 2m 以 上 の橋 梁 は日 本 全 体の橋 長 15m 以 上 の橋 梁 発 注 量 の推 移 と同様 に 1950 年 代 初 頭 から急 速 に増 加 し、1960 年 代 には年 間 平 均 60 橋 が建 設された。ピークは日 本 全 体のピークより若 干 早 く 1969 年 に 100 橋 建 設さ れた。1980 年 代 は年 間 平 均 40 橋 、1990 年 代 以 降 は年 間 平 均 20 橋 といった 経 緯を辿ってきた。 2000 年 代 以 降 は年 間 平 均 20-30 橋 とこちらも激 減している。四 国も日 本 全 体 の橋 梁 発 注 量 の推 移 と同 じく橋 梁 建 設 の必 要 性 は充 足 しており、今 後 は本 格 的な維 持 管 理 と更 新 の時 代を迎えたと言える。 図-8 四 国 内 国 道 の 橋梁 タ イ プ と 発 注 量 の 推 移(橋 長 2m 以 上) 出 所 ) 四 国 地整 HP 公 表 資 料 よ り 筆 者 作 成
( 2 ) 四 国 の 道 路 橋(橋 長 2m 以 上 )の 老 朽 化 の 現 状 四 国 内 国 道 においても日 本 全 体 と同 様 に耐 用 年 数 から考 えると 10 年 ~20 年 後 には更 新 の時期 を迎えることになる。下 記図-9 より建 設 後 50 年 をこえる割 合 は現 在16%だが 10 年 後 には47%、20 年 後 には67%になると推 計されてい る。2015 年現 在 のストック平 均年 齢 は日 本 全 体 とほぼ同じ 37.4 歳1である(筆 者 試 算)。 図-9 経 過 年数 50 年 の 割 合 ( 四 国 ・ 橋 長 2m 以 上 ) の 現 状 出 所 ) 四 国 地整 HP 公 表 資 料 よ り 筆 者 作 成 ( 3 ) 橋 梁 点 検 結 果 よ り 今 後 の 維 持 管 理 方 針 の策 定 四 国 地 整 が平 成 26 年 1 月 に発 行 した「橋 梁 の長 寿 命 化 修 繕計 画 」による と、これまで橋 梁 の維 持 管 理 については「 事 後 保 全 」 が行 われていたが、今 後 「予 防 的 な補 修 及び計 画 的 な架け替えを行 う」と目 的を再 設 定している。 また橋 長 2m 以 上 の橋 梁 が 2100 橋あり、長 寿 命 化 修 繕 計 画 リストを策 定 して いるが全 体 の 90%で現 在 何 らかの不 具 合 が生 じている。その中 で点 検 ・診 断 後 の判 定 結 果 の 30%程 が「C 判 定(速 やかに補 修を行う必 要 がある)」、60%程 が「B 判 定 (状 況に応 じて補 修を行 う必 要 がある)」とされている。 この項 では判 定 結 果 に対 してどういう角 度 から見 るべきかを、以 下 の四 点 に 着 目し分 析を行 う。 【着 目 点 】 ① 劣 化 の原 因 が使 用 状況 (交 通 量 )か、使 用 材 料 なのか ② 劣 化 の原 因 がタイプ・年 代 に関 係しているのか ③ C 判 定 の橋 梁 はどうやって使 用していたのか、 C 判 定 と使 用 頻 度=交 通 量と相 関 があるのか ④ 上 記であればどうメンテナンスするのか 1四 国 地 整 橋 長 2m 以上で(1920 年以 降の 経過 年数 *橋 梁数の 集計 )/全体橋 梁数
1 ) 橋 梁 点 検 結 果 (四 国 地 整 判 定 結 果 C 判 定 )に つ い て 図-10 は四 国 地 整 の全 体 橋 梁 数 と C 判 定 の結 果を示したものである。橋 梁 点 検 結果 C 判 定 は全 体の 31%(641 橋 )であり分 析 前 の仮 説 は古い年 代 (1950 年 代 、1960 年 代、1970 年 代 )に C 判 定 が多 く、新 しい年 代(1990 年 代 、2000 年 代)には少 ないとの想 定 を行っていた。 しかし、年 代 別では 1960 年、70 年 代 がピークで全 体 の 3 分 の 2(420 橋 )を占 めているが、経過 年 数 20 年 足 らずの 1990 年 、2000 年 代でも C 判 定 全 体 の 10%(69 橋 )を占めていることが分 かった。若 年 齢 の橋 梁 の劣 化 原 因は使 用 材 料 の品 質や施 工 性 等 、初 期 不 良 が考 えられる。 次 頁 図 -11 より地 域 別 では差 異 があるかの検 証 を行 った。C 判 定 は全 体 の 31%に対して香 川 河 川 国 道 管 内 が 36%、土 佐 国 道 管 内 が 38%、大 洲 河 川 国 道 管 内 は 20%、中 村 河川 国 道 管 内 は 24%となっている。 タイプ別では鋼 橋 が C 判 定 全 体 の 50%程を占め、鋼:PC:RC=5:3:2 となって おり、1960・70・80 年 代 に鋼 橋 の C 判 定 が集 中している。また徳 島 河 川 国 道 管 内では鋼 橋 が 65%、PC 橋 が 18%、大 洲 河 川 国 道 管 内では PC 橋 が 35%、RC 橋 が 11%となっている。このように地 域 によって C 判 定 の橋 梁 比率 は大きく異 なっ ている。 総 括すると、1960・70・80 年 代 に鋼 橋の C 判 定 割 合 が高いことからしばらくは 鋼 橋 の維 持 管 理 が中心 であるが、PC 橋も 10 数 年 以 内 には問 題 化すると想 定 される。1960-1970 年 代 建 設の C 判 定橋 梁 は事 後 保 全での対 応を図ることが 基 本 となり、1990 年 代 以 降 建 設 の C 判 定 橋 梁 は早 目 の予 防 保 全に取 り掛 かる のが有 効と想 定 する。 図-10 全 体 橋 梁 数 と C 判 定 の 結 果 注 意 箇 所 を 赤 丸 囲 み 出 所 ) 四 国 地 整「橋 梁 の 長 寿 命 化 修 繕 計 画 」資 料 よ り 筆 者 作 成
図-11 橋梁 数 と C 判 定 の 結 果・ 年 代別 C 判 定 橋梁 数 ・ タイ プ 別 C 判定 割 合
注 意 箇 所 を 赤 丸 囲 み
2 ) 橋 梁 点 検 結 果 (四 国 地 整 判 定 結 果 B 判 定 )に つ い て 図-12 は四 国 地 整 の全 体 橋 梁 数 と B 判 定 の結 果を示したものである。橋 梁 点 検 結 果 B 判定 は全 体 の 60%(1,252 橋)である。年 代 別 では 1960 年 代 以 降 で全 体 の 90%程 (1,141 橋)を占 めている。 次 頁 図 -13 より地 域 別 では差 異 があるかの検 証 を行 った。B 判 定 は全 体 の 60%に対 して大 洲 河 川 国 道 管 内が 67%である。 タイプ別では PC 橋と RC 橋で全 体 の 75%程 を占め、PC: RC:鋼 =4:4:2 の割 合 となっており 1960 年 代 以 降ほぼ均 等 に分 布している。徳 島 河 川 国 道管 内 で は鋼 橋 の割 合 が 36%、香 川 河 川国 道 管 内 では PC 橋 の割 合 が 47%、大 洲 河 川 国 道 管 内では PC 橋 が 45%、また土 佐 国 道 管 内 及び中 村 河 川 国 道 管 内 と RC 橋 の割 合 が各々45%・56%となっている。 総 括すると、B 判 定 は 1960 年代 がピークだがそれ以 降 も均 等 に分 布している ため、今後 特 に PC 橋と RC 橋 の予 防 保 全 対 策 が重 要であると想 定される。但 し 対 策を行う順 番 については非 常 に難しく 1960-1970 年代 の橋 梁 については事 後 保 全 を中 心 に、1980 年 代 以 降 の橋 梁 については予 防 保 全 を中 心 に、尚 且 つ同 時 進 行 が望 ましいと想 定する。 図-12 全 体 橋 梁 数 と B 判 定 の 結 果 注 意 箇 所 を 赤 丸 囲 み 出 所 ) 四 国 地 整「橋 梁 の 長 寿 命 化 修 繕 計 画 」資 料 よ り 筆 者 作 成
図-13 橋梁 数 と B判 定 の 結 果・ 年 代 別 B判 定 橋梁 数 ・ タイ プ 別 B 判定 割 合
注 意 箇 所 を 赤 丸 囲 み
3 ) C 判 定 結 果 と 劣 化 要 因 に 関 す る 分 析 劣 化 要 因 として交 通 量 や重 量 車 両 通 行 の使 用 状 況 と架 設 箇 所 の環 境 等 が 考 えられる。以 下 、劣 化 状 況 判 定 結 果 と劣 化 原 因 との相 関 性 を分 析した結 果 を 述べる。 C 判 定 結 果 31%を基 準 に高い割 合を占めている路 線 と交 通 量 全 体、大 型 交 通 との相 関 を検 証した結 果、下 記 のことが解 った。 ・C判 定 のパーセンテージは交 通 量より大 型 車 両 交 通 割 合との相 関 が高い 下 記 表-2 より相 関 がある地 域 として六 箇 所、「28 号 徳島 (海 岸 部 )」、「32 号 徳 島 (山 間 部)」、「32 号 高 知 (山 間 部 )」、「11 号 香 川 (沿 岸部 )」「192 号 愛 媛 (山 間 部 )」、「56 号 高 知(沿 岸 部 )」であることが解 った。原 因 として大 型 車 両 の交 通(使 用 条 件 )にプラスして瀬 戸 内 特 有 の風 の通 り道であるため通 年 での「塩 害 」又 は 冬 季 の「塩 カリ散 布」(現 場 条 件 )が問 題ではないかと想 定される。(次 頁 図-14) 今 後 は鋼 桁 橋 であれば腐 食 のリスクが少 ない溶 融 亜 鉛 メッキと塗 装併 用 の橋 桁 、PC 桁 橋であれば塩 害 対 策を施した桁 、床 版 においても数 十 年 毎 の取 替 及 び可 視 化 を考慮 した場 合プレキャスト床 版 が望 ましいと考えられる。 表-2 C 判 定 結 果 と劣化 要 因 に 関 す る 相 関 ① 路線 地域 (県別) ① 全体 橋梁数 ② C判定 橋梁数 ③ 結果(%) ②/① ④ 交通量 (全体・台) 相関 ⑤ 交通量 (大型・台) 結果(%) ⑤/④ 相関 11号 香川県 180 63 35% 34,316 ○ 3,505 10% 11号 徳島県 48 15 31% 52,587 8,336 16% 11号 愛媛県 202 60 30% 20,383 3,515 17% 28号 徳島県 19 9 47% 16,877 2,525 15% ○ 32号 香川県 59 24 41% 17,210 2,045 12% 32号 徳島県 69 44 64% 9,296 1,796 19% ○ 32号 高知県 88 31 35% 14,990 2,002 13% ○ 33号 愛媛県 44 16 36% 16,733 1,495 9% 33号 高知県 77 26 34% 16,975 934 6% 55号 徳島県 190 30 16% 20,387 1,564 8% 55号 高知県 219 95 43% 16,725 1,187 7% 56号 愛媛県(松) 35 10 29% 18,564 1,444 8% 56号 愛媛県(大) 231 46 20% 12,406 1,321 11% 56号 高知県(土) 127 43 34% 24,412 ○ 1,573 6% 56号 高知県(中) 223 54 24% 22,158 1,765 8% 192号 徳島県 110 32 29% 18,090 1,978 11% 192号 愛媛県 24 13 54% 10,603 2,014 19% ○ 196号 愛媛県 125 25 20% 20,814 2,068 10% 317号 愛媛県 5 0 0% 10,009 805 8% 319号 香川県 25 5 20% 11,497 885 8% 31% 19,251 11% 平均 *黄色着色;平均値(%)、平均数量より高い個所
図-14 C 判 定 結 果 と 劣 化 要 因 に 関 す る 相 関 ②
4 . 四 国 の 橋 梁 維 持 管 理 の 事 業 量 分 析 ( 1 ) 維 持 管 理 ・ 更 新 ・ 廃 棄 の 事 業 量 推 定 ( 四 国 内 国 道 の 橋 梁 上 部 ) 今 後 の橋 梁 の維 持 管 理 について、どういうシナリオを定 めるかが重 要 である。 理 由 は人 口 減 少 等 による予 算 縮 小 の問 題 によりこれまで以 上 に実 現 可 能 性 を 重 視する必 要 が生 じている。つまり、コスト意 識 の最 大 化である。 その為 、四 国 地 整 をケーススタディに四 国 内 国 道 の橋 梁 上 部 を 100 年 間 使 用 すると設 定 し、予 算 が少 ない想 定 順 の基 、下 記 3つのパターンのシミュレーシ ョンにより事 業 量 推 定を行った。 次 々頁表 -3 は四 国 地 域 の橋 梁 タイプ別 ・発 注 者 別に四 国 地 整 管 理 の橋 梁 数 割 合を基 に橋 梁 数を算 出した。また表-4 は表-3 をもとに橋 梁 点 検 結 果と併 せて四 国 地 整で維 持 管 理 が必 要 な橋 梁数 を算 出したものである。 【事 業 量 想 定 3 案 比 較 】 ① 維 持 管 理 のみで対 応 の場合 全 橋 梁 100 年 間 延 命 可 能 との想 定 により事 後 保 全 ・予 防 保 全 及び大 規 模 修 繕 にて対 応 の設 定 ② 1950 年 までの橋 梁 を更 新、1950 年 以 降の橋 梁を維 持 管 理 での対 応 の場 合 架 設 後 50 年を経 過 した全 橋 梁 を更 新 、50 年 に満 たない全 橋 梁 は 100 年 間 延 命 可 能 との想 定 により事 後 保 全 ・予 防 保 全 及 び大 規 模 修 繕 にて対 応 の 設 定 架 設 後 50 年 の設 定 は平 均 寿 命を超えている為 、1950 年 での設 定 ③ 1985 年 までの橋 梁 を更 新、1985 年 以 降の橋 梁を維 持 管 理 での対 応 の場 合 架 設 後 30 年を経 過 した全 橋 梁 を更 新 、30 年 に満 たない全 橋 梁 は 100 年 間 延 命 可 能 との想 定 により事 後 保 全 ・予 防 保 全 及 び大 規 模 修 繕 にて対 応 の 設 定 架 設 後 30 年 の設 定 は 1980 年 以 降 建 設 の橋 梁 は平 均 寿 命 が 100 年 の設 定 の為 、1980 年 での設定
○検 証 条 件 ;対 象 橋 梁 数 は次 頁 表 -4、想 定 単 価 及 び想 定 回 数 は文 末 参 考 資 料③管 理 別 金 額 検 証を参 照 a)ケーススタディ①;維 持 管 理 のみ ・維 持 管 理 対 象 橋 梁 数 は判 定 C(641 橋)よりタイプ別 割 合 PC:鋼 :RC=181 橋 :334 橋:126 橋 ・維 持 管 理 対 象 橋 梁 数 は判 定 B(1,261 橋)よりタイプ別 割 合 PC:鋼 :RC=480 橋 :300 橋:481 橋 ・大 規 模 修 繕 対 象 橋 梁 数 は全 数の 5%と設 定 (四 国 地 整 公 表 判 定 E(緊 急 対 策 の必 要 )+S(詳 細 調 査 の必 要 )+M(維 持 工 事 にて対 応 )の合 計%使 用) b)ケーススタディ②;1950 年 までの橋 梁 を更 新 、1950 年 以 降 の橋 梁を維 持 管 理 ・更 新 対 象 橋 梁 数 は下 記 集 計 数 PC:鋼 :RC=8 橋 :8 橋:29 橋 ・維 持 管 理 対 象 橋 梁 数 は判 定 C 及びBのタイプ別 割 合 PC:鋼 :RC=580 橋 :560 橋:510 橋 c)ケーススタディ③;1985 年 までの橋 梁を更 新 、1985 年 以 降 の橋 梁を維 持 ・更 新 対 象 橋 梁 数 は全 橋 梁 PC:鋼 :RC=447 橋 :430 橋:598 橋 ・維 持 管 理 対 象 橋 梁 数 は全 橋 梁の 90%(C 判 定+B 判 定 の合 計 ) PC:鋼 :RC=140 橋 :140 橋:0 橋 【発 注 者 別 橋 梁 数 及 び延長 の設 定 】 ・四 国 地 整 平 成 26 年 1 月 発 行 「橋 梁 の長 寿 命 化 修 繕 計 画」P3 記 載 (平 成 25 年 4 月 時 点)の公 表 数 値を基 準 として使 用 PC橋(公 表 ):全橋 梁 数 2,100 橋 *(32%+混 合 橋 7%/3)≒720 橋 鋼 橋 (公 表):全橋 梁数 2,100 橋*(30%+混 合 橋 7%/3)≒680 橋 RC橋 (公 表):全橋梁 数 2,100 橋 *(31%+混 合 橋 7%/3)≒700 橋 ・県 及 び市 町 村 の橋 梁 数 は各 々全 体 橋 梁 数 は公 表 の全 体 橋 梁 数 より上 記 比 率 にて算 出 ・金 額 算 出 時 は下 記 公 表 延 長 率+混 合 橋 率 にて算 出 PC橋(公 表 ):全 体 107,310m*(28+9)%で計 上 鋼 橋 (公 表):全体 107,310m*(47+10)%で計 上 RC橋 (公 表):全体 107,310m*6%で計 上
表-3 四 国 地 域 の 橋 梁タ イ プ 別 ・ 発 注 者 別 想 定 橋 梁 数 出 所 ) 四 国 地 整「橋 梁 の 長 寿 命 化 修 繕 計 画 」資 料 よ り 筆 者 作 成 表-4 四 国 地 整 の 全 体橋 梁 数 と 判 定 結 果 内 訳 集 計 出 所 ) 四 国 地 整「橋 梁 の 長 寿 命 化 修 繕 計 画 」資 料 よ り 筆 者 作 成 上 述 表-1 より建 設 時 期で平 均 寿 命 が異 なっているとの想 定 より上 述 の 3 案 による事 業 費 比 較を行い、費 用 比 較 を次 頁 表-5 に取り纏めた。 分 析 の結 果 、費 用 面 のみで 考 慮 した場 合 はケーススタディ① の全 橋 梁 を維 持 管 理 のみでの対 応 が 1,472 億 で判 定 は○。ケーススタディ②は 1,503 億 の 為 、判 定は△。ケーススタディ③は 1,937 億 の為 、判 定は×とした。 しかし現 実 的 にはケーススタディ③が実 現 性 ・政 治 的 判 断 ・住 民判 断 の合 意 可 能 性 等を考 慮した場 合 、最も可 能 性 が高 いと想 定される。但 し予 算は 100 年 間 のスパンで年 間 平 均 20 億 円 が必 要 となるため更なる取捨 選 択 を検 討する必 要 がある。 四国地整 県 市町村 四国全体 PC橋 720 3,090 11,820 15,630 鋼橋 680 2,910 11,130 14,720 RC橋 700 3,000 11,470 15,170 小計 2,100 9,000 34,420 45,520 全体に占める割合 5% 20% 76% 100% 橋梁全体(橋長2m以上) 全体 B判定 C判定 480 180.5 73% 27% 300 334.5 47% 53% 481 126 79% 21% 小計 2,100 1,902 1,261 641 634.5 607 PC 鋼 RC 720 680 700 維持管理対象橋梁 橋梁全体(2m以上) タイプ別 660.5 内訳
表-5 今後 100 年 間 使用 の 管 理 別 費 用 比 較 検 証 ①
( 2 ) 維 持 管 理 の 事 業 量 推 定 ( 国 道 ・ 県 道 ・ 市 町 村 道 の 橋 梁 上 部 別 ) 次 に四 国 地 域 全体 で PC 橋・鋼 橋・RC 橋 の橋 梁 タイプ別 において維 持 管 理 費 のみ(事 後 保 全・予 防 保 全・大 規 模 修 繕 )の合 計 金 額 算 出 により今 後 100 年 間 使 用した場 合 の事 業 量 推 定を国 道・県 道 ・市 町 村 道 の道 路 別 に行 った。 【道 路 別 事 業 量 想 定 4案比較 】 ① 四 国 内 国 道 ② 四 国 内 県 道 ③ 四 国 内 市 町 村 道 ④ 四 国 地 域 全 体 ○検 証 条 件 (「維 持 管 理 」のみ、「更 新」「撤 去 」は含 まない); ・対 象 橋 梁 数 は次 頁 表 -6、想 定 単 価 及 び想 定 回 数 は文 末 参 考 資 料 ④管 理 別 金 額 検 証を参 照 ・各 道 路 で四 国 地 整 評 定 結果 各 全 体 の割 合 、PC:鋼 :RC=92:93:87 及び評 定 結 果 の割 合B:C=6:3を使用 a)ケーススタディ①対 象 ;国道 1,902 橋 ・PC:鋼 :RC=660.5 橋 :634.5 橋 :607 橋 b)ケーススタディ②対 象;県 道 8,150 橋 ・PC:鋼 :RC=2,840 橋 :2,700 橋 :2,610 橋 c)ケーススタディ③対 象;市 町 村 道 31,190 橋 ・PC:鋼 :RC=10,870 橋:10,350 橋 :9,970 橋 d)ケーススタディ④対 象;国 ・県・市 町 村 道 41,242 橋 ・PC:鋼 :RC=14,370.5 橋 :13,684.5 橋:13,187 橋 【発 注 者 別 橋 梁 数 の設 定】 ・四 国 地 整 平 成 26 年 1 月 発 行 「橋 梁 の長 寿 命 化 修 繕 計 画」P3 記 載 (平 成 25 年 4 月 時 点)の公 表 数 値を基 準 として使 用 PC橋(公 表 ):全橋 梁 数 2,100 橋 *(32%+混 合 橋 7%/3)≒720 橋 鋼 橋 (公 表):全橋 梁数 2,100 橋*(30%+混 合 橋 7%/3)≒680 橋 RC橋 (公 表):全橋梁 数 2,100 橋 *(31%+混 合 橋 7%/3)≒700 橋 ・県 及び市 町 村 の橋 梁 数 は各 々全 体 橋 梁 数 (公 表 )の全 体 橋 梁 数 より上 記 比 率 にて算 出
表-6 四 国 地 域 の 維 持管 理 対 象 橋 梁 数 出 所 ) 四 国 地 整「橋 梁 の 長 寿 命 化 修 繕 計 画 」資 料 よ り 筆 者 作 成 分 析 の結 果、国 道 は 1,447 億 円 、県 道 は 6,500 億円 、市 町 村 道 は 2.5 兆 円 、トータルでは 3.3 兆 円 の費 用 が必 要であることが解った。四 国 地 域 全 体 では 年 間 平 均 340 億 円 の予 算が必 要 となり現 状 と比 較しても想 定 20 倍 程 の差 があ る。到 底そのような予 算 は見 込めない為 、問 題 はどこを圧 縮 するかとなるが、どの 角 度 から見 る必 要 がるのか、またどのような考 え方 をする必 要 があるのかの検 証 を行 う必 要 がある。 表-7 今後 100 年 間 使用 の 道 路 別 費 用 比 較 検 証 ① 四国地整 県 市町村 四国全体 PC橋 660.5 2,840 10,870 14,370.5 鋼橋 634.5 2,700 10,350 13,684.5 RC橋 607 2,610 9,970 13,187 小計 1,902 8,150 31,190 41,242 維持管理対象橋梁(橋長2m以上) 県及び市町村のタイプ別数量は四国地整結果よりPC92%、鋼93%、RC87%で設定
5 . 予 防 保 全 ( 更 新 ) 体 制 確 立 に 向 け て の 問 題 分 析 耐 用 年 数 を迎 え“老 朽 化 ”した橋 梁 が激 増 し、更 新 が必 要 な橋 梁 が増 加 する 時 期 について分 析を行ったことは前 章までで述べた。 橋 梁 構 造 物 の維 持 を続 けるべきか、更 新 するかを決 定 するには現 存 価 値 の 把 握 が必 須 条 件 となってくる。しかし、公 共 構 造 物 には減 価 償 却 といった考 え 方 が適 用 されない為 、現 存 価 値 の把 握 という議 論 がされないまま、維 持 管 理 の 議 論 が行われている。 しかし、現 存 価 値 を明 らかにしない限 り、維 持 管 理 業 務 の範 疇 に留 まってしま っている現 状を変 革 することは難 しいのも事 実 である。 下 記 図 -17 のイメージ図 は「これまでの維 持 管 理 」と「現 在 の維 持 管 理 」とで維 持 管 理 手 法 の進 歩 比 較 を表 している。現 在 はコスト意 識 ではLCC算 出 止 まり、 実 施 ではLCC縮 減 が目 的 の予 防 保 全 を行 っている状 況 である。今 後 さらに次 のステップへと加 速する時 期 である。 図-17 「 こ れ ま で の 維 持 管 理 」 と 「 現 在 の 維 持 管 理 」 イ メ ー ジ 上 記 の現 状を基 に体 制 確 立 のための問 題となっているのはレベル順 に下 記 3 点 と想定 した。 【想 定 問 題 点 】 レベル①現 橋 梁 の現 存 価 値 が不 明 レベル②LCC(ライフサイクルコスト)と劣 化 曲 線 の効 用と弊 害 レベル③人 口 減 少 問 題 へのアプローチ
現 存 価 値 についてはフロー(下 記 、図 -18)を基 に現 存 価 値 のイメージを取 りま とめる必 要 がある。そして、価 値 算 出 (現 存 価 値 )を行 う為 には耐 用 年 数 の設 定 が必 要 である。笹 子 トンネルの天 井 版 落 下 事 後 も現 存 価 値 といった管 理 手 法 を 持 って維 持 管 理 を行 っていれば踏 み込 んだ対 策 が取 られていたと考 えられる。 つまり予 防 保全 及 び更 新 に必 要な予 算 計 上 の為 の準 備である。 そして、LCC と劣 化 曲 線 については評 価 点・問 題 点 の把 握を行い、現 在 の維 持 管 理 費 用 の割 合を検 証した。 また、今 後 の人 口 減 少 等 の問 題 については修 繕 、更 新 に加 え 廃 棄 という選 択 肢 も考 慮 に入 れ、将 来 の人 口 変 動 率 を用 いて管 理 費 率 を設 定 する必 要 があ る。 ( 1 ) 道 路 橋 ス ト ッ ク の 現存 価 値 の 明 示 化 内 閣 府 の社 会 資 本 ストック推 計 によると推 計 の対 象 は公 的 機 関 により整 備 され る主 要 17 部 門(道 路 ・港 湾等 含 む)の設 定 で、粗 資 本 額 及び純 資 本 額 を推 計 している。図-18 は内 閣 府 HP 公表 資 料 を基 に筆 者 が作 成したストック集 計 の基 本 フローを示したものである。 図-18 ス ト ッ ク 推 計 の 基 本 フ ロ ー 出 所 ) 内 閣府 HP 公 表 資 料 よ り 筆 者 作 成 道 路 橋 ストックの価 値 算 出 には耐 用 年 数 について指 針 が必 要 であるが現 時 点 では示 されていない。その為 、公 表 されているストック額 は有 るが把 握 可 能 な 内 容 は建 設 時 点 での集 計 額 若 しくは粗 資 本 ストック額 である。特 に地 方 公 共 団 体 などでは橋 梁 台 帳 に漏 れがあるなど橋 梁 の把 握 数 が不 明 瞭 などの理 由 によ り粗 資 本 ストック額 の正 当 性は不 明 である。 この耐 用 年 数 について、日 本では 1965 年 (昭 和 40 年 )3 月 31 日 大 蔵 省(現 財 務 省 )令 第 15 号「減 価 償 却 資 産 の耐 用 年 数 に関 する省 令 」において「鉄 筋 コンクリート造 は 60 年 」と定 められている。財 務 省 令 は税 制 を基 盤 としたもので
税 制 の及 ばない公 共 構 造 物 は度 外 視 されていたが実 質 的 な耐 用 性 を勘 案 して 60 年と定められたと想 定される。 減 価 算 出 の方 式 は内 閣 府 社 会 資 本 ストック推 計概 要 によると定 額 法 と定 率 法 の2種 類 がある。定 額 法 は資 産 の耐 用 年 数 期 間 中 、毎 年 均 等 額 の減 価 額 を計 上 (毎 年 同 額 )、定 率 法 は資 産 の耐 用 年 数 期 間 中 、毎 年 度 末 に償 却 残 高 に一 定 率 を 乗 じ た減 価 額 を 計 上 (初 め の年 ほど多 く、年 と共 に現 象 )する 方 式 であ る。橋 梁 構 造 物 の場 合 は当 初 に劣 化 が進むケースは少ないとの想 定 により定 額 法を現 実 的 であると想 定される。 ( 2 ) L C C ( ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト ) と 劣 化 曲 線 の 効 用 と 弊 害 我 が国 の橋 梁 の多 くは他 の土 木 構 造 物 と同 様 に高 度 成 長 期 以 降 に建 設 さ れ、現 在 では建 設後 50 年を経 過し老 朽 化してきた。管 理 費 用 が今 後 益々増 加 することが予 想 されるためアセットマネジメントに基 づいた LCC(ライフサイクルコ スト)縮 減 が求 められている。その為 、長 寿 命 化 修 繕 計 画 を策 定 し実 施 すること が推 進されている。 しかし、LCC 本 来 の主 旨 は構 造 物 の計 画 ・設 計 ・施 工 時 点 で論 じられるもの であり既 成 構造 物 の維 持 管 理 の範 疇 では論 じられるものではない。 下 記 表-8 は維 持 管 理 工 事 の実 績 を参 考 に、維 持 管 理 工 事 金 額 より工 事 全 体 予 算 金 額 の逆 算 を行 い下 記 の割 合 になると想 定 したものである(全 体 予 算 が 10 億 として想 定 の割 合 )。将 来 のことを考 えた場 合 、各 工 程 の費 用 の割 合 を見 直し縮 減を考 えていく必 要 がある。 表-8 現 在 の 維 持 管 理費 用 の 想 定 割 合 概念設計 基本設計 詳細設計 金額割合 (%) 0 素案 60 35 金額割合 (千円) 0 600,000 350,000 管理費用(350,000) 部分最適 現在の維持管理費用の想定割合【LCC(ライフサイクルコスト)】 (全体予算が10億と設定) 計画 設計 施工 維持管理 LCC 5 50,000 初期費用(650,000)
注)G;General Contractor,B;Bredge Professional Manufacturer,L;Local General Contractor 発注者 これまでの 役割 コンサルタント 大手・地元 コントラクター G/B/L コントラクター L
また維 持 管 理 コストについての議 論 では劣 化 曲 線 を用 いる場 合 が多 く具 体 的 な議論 は性 能 判 定 (判 断)の観 点 から行われることになる。 性 能 判 定(判 断 )で用いる場 合 は下 記 の評 価 点 がある。図 -19 のとおり右 肩 下 がりの曲 線 で劣 化 の進 行 具 合 を表 し、凹 凸 の大 小 は損 傷 の回 復 具 合 を表 して いる。図 中 の各 限 界 線 及び凸 凹 は下 記を意 味している。 【評 価 点 】 ・更 新 限 界 ;性 能 が限界 値 を下 回り更 新 の必 要 性 が生じている ・事 後 ・予 防 保 全 限 界;事 後 保 全 より予 防 保 全 が優 れている ・損 傷 回 復 ;劣 化 原 因の排 除 により損傷 の進 行 が緩 和(図 中 の解 説) 但 し維 持 管 理 の戦 略 を考 える上 で劣 化 曲 線 を用 いることは非 常 に有 用 であ るが問 題 点も少 なくはない。 【問 題 点 】 ・データが不 足すると精 度 の高い分 析 が難しい ・構 造 物 性 能 の劣 化 ・損 傷 による回 復を示 すことが難しい その為 、劣 化 曲 線 は定 性 的 な概 念 図 であることを認 識 すべきである。また劣 化 曲 線 自 体 が減 価 償 却 を思 い起 こさせるが価 値 の判 断(コストの上 下 )を行 うこ とに無理 があるためそぐわない面もある。 図-19 劣 化 曲 線 イ メ ー ジ 図 出 所 )HP 公 表 資 料 「 橋 梁 の 劣 化 曲 線 」 よ り 筆 者 作 成 ある 橋 梁 の劣 化 曲線 イメ ー ジ 図 予 防 保 全 限 界 事 後 保 全 限 界 更 新 限 界 凸 凹 は 回 復 具 合
( 3 ) 人 口 減 少 等 の 社 会 環 境 変 化 に 関 わ る 問 題 次 頁 表-9 の全 体 人 口 は国 連 事 務 局 経 済 社 会 局 が推 計している人 口 動 態を 参 考 に作 成したものを見 やすくするために 2010 年を基 準 とした。全 体 人 口 は国 連 事 務 局 経 済 社 会 局 資料 より、四 国 の割 合 (各々3%、2010 年 基 準 )を設 定した ものである。 上 述 の社 会 局 資 料 によると我 が国 の人 口 は 2008 年 のおよそ 1.3 億 人をピー クに減 少 に転 じ、出 生 率 を 2.2 とした場 合 、50 年 後 の 2060 年 には我 が国 の人 口 は 1 億 人を割り込 むと推 計 されている。 四 国 地 域 の人 口は 2010 年 基 準で全 体 人 口 の 3%程 であるため 400 万 人 から 2060 年では 250 万 人 に減 少すると推 計される。 このように我 が国 は人 口 減 少 が進む為 、財 政 も厳 しい状 況である。このままで はこれまでに投 資したストックの維 持 管 理 費 が年々上 昇 していくことになり、極論 を言 うと「極 端な増 税 」か「サービス水 準 の低 下」等 でのみの対 応 しか残 らない可 能 性 がある。 基 本 的な対 応 策 としては、変 動 率 が緩 やかな人 口 動 態 にて維 持 管 理 率 (次 頁 表-9 参照 )を算 出した。その結 果 、2010 年 の管 理 率 100%に対 して 2060 年 では管 理 率 75%程 の維 持 を目 標にする必 要 がある結 果となった。 その他 の案 として人 口 動 態を基 準 に考えた場 合 、損 傷度 の低いものから直 す 又 は可 能 性 のあるものから直 すトリアージという考 え方1も人 口 減 少を考えると有 効 な手 段 である。 しかし抜 本 的 な対 応 策を考えた場 合 、仕 組みそのものを変えることが重 要 で ある。例 えば海 外 ドイツの事 例 では投 資 計 画 のうち 56%を維 持 費 と設 定してい る。我 が国も投 資 全 体 のうちどの程 度を維 持 費 と設定 するかを決めることが重 要 になってくる。(2003-2013 年 の平 均 は 43%、2013 年 は 50%2:筆 者 試算 ) 1土 木 学 会HP 連載 イン タビュ ー「 土と 風の 対話」 第 11 回 2 国 土 交 通 省 HP 道 路投 資の 推移データよ り
6 . 予 防 保 全 ( 更 新 ) 体 制 確 立 へ の 問 題 解 決 策 図-20 は「現 在 の維 持 管 理」と「望 ましい維 持 管 理」を比 較したイメージ図 であ る。橋 梁 の維 持 管 理 ・更 新 業 務 は、もれまでは品 質 劣 化 や欠 陥 が顕 在 化 してか ら対 応 する対 処 療 法 的 な「事 後 保 全 型 」が中 心 であった。最 近では長 寿 命 化 対 策 を目 的 とした「予 防 保 全 型 」の重 要 性 が認 識 され、LCC(ライフサイクルコスト) を考 慮 したアセットマネジメント(Asset management)といった考 え 方 が導 入 され た。アセットマネジメントは維 持 管 理 に対 する中 ・長 期 計 画 を工 学 的 観 点 と経 済 学 的 な観 点 の両 方 から策 定 する方 法 論 であるが現 在 は金 額 (予 算 )平 準 化 の 面 が強 調され実 質 的な成 果 は上 がっていない。 成 果 が上 がらない原 因 は何 か。アセット(Asset)とは「資 産 =価 値 」である。持 てる資 産 を修 繕 するのか、更 新 するのか、または廃 棄 するかの選 択 は現 存 価 値 を明 らかにし、その後 迅 速 な対応 を行なわなければならない。 問 題 は今 後 、(評 価 ⇒意 思 決 定 )の時 間 をどれだけ短 縮 できるか、特 に初 動 が重 要 になってくる。 図-20「 現 在 の 維 持 管 理 」 と 「 望 ま し い 維 持 管 理 」 イ メ ー ジ
重 要 な点 は公 共 橋 梁 構 造 物 の“メンテナンス”も個 人 の住 宅 の“メンテナンス” 同 様 に“メンテナンスコストが必 要 ”であるということを認 識 すべきである。橋 梁 本 体 とは別 に維 持 管 理 するコストが必 要 という解 釈である。 図 -21 は新 設の場 合 と維 持 管 理 の場 合 の現 象 での大きな流 れを表 した論 理 思 考 のイメージ図 である。つまり新 設 とは論 理 思 考 が逆 になるのが維 持 管 理 の 考 え方 である。現 在 抱 える問 題 は橋 梁 の構 造 が当 初 から維 持 管 理 を考 慮 に入 れた構 造 となっていないので本 体 の修 繕 費 より足 場 等 仮 設 費 が高 くつくなどの 面 がある。今 後 は構 造 物 自 体 を当 初 から維 持 管 理 しやすい構 造 で設 計 してお くこと。つまり、当 初 にある程 度 予 算 をかけてでも維 持 管 理 に懸 る費 用 を抑 える 考え方 への移 行 が必 要 となってくる。 図-21 新 設 と 維 持 管 理 の 論 理 思 考 イ メ ー ジ 上 述 の問 題 及 び第 5章 で生 じている問 題 を 受 けての解 決 策 は下 記 3点 と想 定した。 【想 定 解 決 策 】 ① 設 計 耐 用 年 数を指 針とした減 価償 却 の考 え方 の導 入 ② 選 択 方 法システムの構 築 による意 思 決 定のプロセス ③ 役 割 分 担 の明 確 化
( 1 ) 耐 用 年 数 、 橋 梁 構 造 物 の 減 価 償 却 の 考 え 方 1 ) 耐 用 年 数 の 設 定 公 共 構 造 物 を社 会 資 本 として捉 える場 合 、劣 化 は自 然 に生 じるので予 め想 定した耐 用 年 数を基 に維 持 管 理を論じるほうが実 践 的である。 ところが公 共 構 造 物 は課 税 対 象 とならないため減 価 償 却 という考 えの域 外 で アセットマネジメントが議 論 されてきた。実 質 的 な成 果 が上 がらない原 因 は現 在 ある資 産 を適 正 に評 価 し現 存 価 値 を明 らかにする方 法 論 が固 まっていないから であり、その結 果 、工 学 的 観 点 を主 とした維 持 管 理 業 務 の範 疇 に留 まってしま っている。これが実態 であると考 えられる。 次 頁 表-10 は各 国 の耐 用 年 数 についてイギリス・アメリカ・ニュージーランド・オ ーストラリアの耐 用 年 数 の決 定 方 法 ・見 直 し方 法 を纏 めたものである。この表 か らも諸 外 国 は耐 用 年 数を指 針としていることが解る。 日 本 の道 路 橋 示 方 書では 2002 年 (平 成 14 年 版)から LCC(ライフサイクル コスト)の考えを導 入し耐 用 年 数 を「100 年 」と設 定 するようになった。この数 値 を 採 用 し公 共 構 造 物 の減 価 償 却 を 100 年 で考 える、若しくは財 務 省 令 の定 めた 60 年 を指 針と考 えるかが議 論 となってくる。道 路 橋 示 方 書 が設 定した 100 年 と いう数 値 は設 定 根 拠 が定 かでない為 、本研 究 では財 務 省 令 の定めた 60 年を指 針 として方 策 を見 出していくことにした。 耐 用 年 数 についてだが、日 本 (財 務 省 令 )では「当 初 定めた耐 用 年 数 は見 直 しをしない」としている。一 方、イギリスでは橋 梁 の耐 用 年 数を「20-120 年 」と定め ている。年 数 の幅 があるのは建 設 時 期 又 は建 設 地 によって 100 年 の幅(偏 差 ) を持 たせていると想 定される。 次 頁 表-10 は現 在 の日本 の耐 用 年 数 等 の考 え方を示し、右欄 に将 来 変 更 し た(要 望)考 え方を示 したものである。「評 価 基 準 」と「測 定 基 準 」は新 規 に設 定 、 「耐 用 年 数 の法 律 」「耐 用 年 数 の決 定 方 法 」 「耐 用 年 数 」「耐 用 年 数 の見 直 し」 などは基 準 等 の修 正 版とした提案 である。
表-10 各 国 の 耐 用 年 数 調 査 出 所)「 海 外 に お け る 耐 用 年 数 の 調 査 結 果 」 よ り 筆 者 抜 粋 作 成 図-22 は現 存 価 値 のイメージ図 で、ストック価 値 から経 過 年 数 による減 価 償 却 分 を控 除 したものであり、公 共 構 造 物 の劣 化 進 行 を考 慮 し毎 年 償 却 分 価 値 が 低 下 していく定 額 法 を採 用 する。問 題 は現 存 価 値 がどれほどのタイミングで維 持 管 理 又 は更 新 ・廃 棄 の意 思 決 定 を行 うかが重 要 である。次 項 ではこの考 えを 基 に価 値を算 出する。 図-22 現 存 価 値 の イ メ ー ジ : 現存価値 : 減価償却費 当初 ス ト ッ ク 価 値 →経過年数
現存価値のイメージ
2 ) 道 路 橋 ス ト ッ ク の 現 存 価 値 第 5章 (1)で生 じた「現 存 価 値 の明 示 」の問 題 について本 項 で定 量 的 な分 析 を行った。上 述した鉄 筋コンクリート造 の設 計 耐 用 年 数「60 年」を指針 とし、現 存 価 値を前 頁 「図 -22 現 存 価 値 のイメージ」の考 え方 を基に、下 記 表-11 様 式 によ り現 存 価値 を算 出した。算 定 条 件 は下 記 の通 りで、対 象 は四 国 地 整(国 道 )の橋 長 2m 以 上 の橋 梁 2,100 橋 である。 ○算 定 条 件 ・2010 年 時 点を基 準 ・四 国 地 整 公 表 1920 年から 2010 年 の 2,100 橋を対 象 ・事 業 費 (投 資 額 )は 2010 年 時 点 の想 定 単価 (実 績 単 価 )を使 用 橋 長 15m 未 満 は\150,000/m2 で算 出 橋 長 15m 以 上 は\250,000/m2 で算 出 幅 員 は 10m で設 定 ・減 価 償 却 (定 額 法)を使 用 し、最 終 的 な残 存 価 格 は投 資 額の 0%で設 定 2007 年 の修 正 後 の償 却 率(60 年 の場 合 1.7%)を使 用 ・用 地 費 及 び補 償 費 は減 価 償 却 の対 象 外 表-11 現 存 価 値 算 出 表 ( 様 式 ) (下 記 、注 釈) A:事 業 費 (建 設 費)=投 資 額 B:用 地 費 (\0-と設 定) C:経 過 年 数(財 務 省 の設 耐 用 年 数 60 年 を使 用) D:残 存 価 格(2007 年 改 訂後 の投 資 額 0%を使 用) E:償 却 率(財 務 省 率を使 用 ) F:毎 年 の減 価 償 却 費 G:橋 梁 の資産 価 値=現 存価 値 項目 事業費 (換算後) 橋梁の 資産価値 用地費 経過年数 (年) 残存価格 償却率 (60年) 1年当たりの 減価償却費
○算 出 結 果 耐 用 年 数 60 年 の設 定 では算 出 結 果 は下 記 となった。 毎 年 毎 の現 存 価 値 計算 式 ; 上 述 のG=A-(C*F)を使 用 G(現 存 価 値)=A(事 業 費)-(C(経 過 年 数 )*F(1 年 当 たりの減 価償 却 費 )) ・事 業 費 (建 設 費 );2,470億 円 ・現 存 価 値 (2010 年 現 在 );1,296億 円(事 業 費 に対して 52%) 表-12 現 存 価 値 算 出 結 果 ( 四 国 地 整 )
3 ) 耐 用 年 数 毎 の 現 存 価 値 (算 定 条 件 は 2 )と 同 様 ) 次 に財 務 省 の耐 用 年数 60 年 の設 定と道 路 橋 示 方 書 の耐 用 年数 100 年 の 設 定 で現 存価 値 がどれほど変わるかのシミュレーションを、上 述 2)と同 条 件 で算 出した。 ○算 定 条 件 ・耐 用 年 数 は①60 年 、②100 年 の2つのパターンのシミュレーション ・2010 年 時 点を基 準 ・四 国 地 整 公 表 1920 年から 2010 年 の 2,100 橋を対 象 ・事 業 費 (投 資 額 )は 2010 年 時 点 の想 定 単価 (実 績 単 価 )を使 用 橋 長 15m 未 満 は\150,000/m2 で算 出 橋 長 15m 以 上 は\250,000/m2 で算 出 幅 員 は 10m で設 定 ・減 価 償 却 (定 額 法)を使 用 し、最 終 的 な残 存 価 格 は投 資 額の 0%で設 定 2007 年 の修 正 後 の償 却 率(60 年 の場 合 1.7%、100 年 の場合 1.0%)を使 用 ・用 地 費 及 び補 償 費 は減 価 償 却 の対 象 外 ○算 出 結 果 毎 年 毎 の現 存 価 値 計算 式 ; 上 述 のG=A-(C*F)を使 用 G(現 存 価 値)=A(事 業 費)-(C(経 過 年 数 )*F(1 年 当 たりの減 価償 却 費 )) ケーススタディ①;耐 用 年 数 60 年 の場 合 ・事 業 費 (建 設 費 );2,470億 円 ・現 存 価 値 (2010 年 現 在 );1,296億 円(事 業 費 に対して 52%) ケーススタディ②;耐 用 年 数 100 年の場 合 ・事 業 費 (建 設 費 );2,470億 円 ・現 存 価 値 (2010 年 現 在 );1,642億 円(事 業 費 に対して 66%) 分 析 の結 果、次 頁 表 -13 のとおり 1920 年 から 2010 年 の 90 年 間 のスパンで 現ストックの状 態で 50%以 上 の現存 価 値 の状 態であることがわかった。経 過 年 数 60 年 以 上 は価 値を 0 とした。また耐 用 年 数 が 100 年 では 60 年 の場 合と比 較し 現 存 価 値 が 14%上 昇することが解 り、上 記 ケーススタディの差 額 をどう考えるかが 重 要 となってくる。
表-13 四 国 地 整 直 轄 国 道 の 現 存 価 値
以 上 を基 に今 後 の資 産 状 況 を報 告 する際 には下 記 の様 式 (「表 14(報 告 )案 四 国 地 整 2012 年 度資 産 状 況 」)にて提 出(公 表)することを提 案する。最 も重 要 な箇所 は活 動 状 況「新 設」「更 新 」「補 修 」「減 価 償 却」の四 項 目 である。
( 2 ) 維 持 ・ 更 新 ・廃 棄 の 意 思 決 定 の プ ロ セ ス 今 後 の問 題 は耐 用 年 数 を迎 えた橋 梁 が劇 的 に増 加 し更 新 が必 要 となってい るということである。つまり我 が国 は橋 梁 の総 合 的 な維 持 管 理 ・更 新 に真 剣 に取 り組 まなければならない時 期 であり、そのシステム構 築 が喫 緊 の課 題 となってい る。システム構 築 では、機 能 維 持 のための修 繕 のみではなく、更 新 (再 建 )、また は廃 棄 (撤 去 或 いは放 置 )という選 択 肢 を迅 速 に選 択 していくものでなければな らない。また考 えるべき注 意 点 は修 繕 の選 択 を行 った場 合 は、そのストックの寿 命 を伸 ばす必 要 があるか否 か、必 要 があるならばどれほどの年 数 が許 容 範 囲 か を議 論 することが重 要 である。更 新 の場 合 も根 拠 が脆 弱 な理 由 の更 新 では意 味 がなく、減 価 償 却 の考 え方 を基 本 に維 持 管 理 (更 新 )費 用 の割 合 を抑 えていく ことが LCC 本 来 の主 旨といえる。 第 5章 (2)では劣 化 曲 線 の優 劣 について述 べたが問 題 点 に価 値 判 断 の難 し さがある。価 値 は時 間 経 過 と共 に下 がっていくので耐 用 年 数 =供 用 期 間の設 定 によって価 値 の高 低 が変 わってくる。本 項 では価 値 の高 低 の判 断 、劣 化 ・損 傷 の回 復を投 資 金 額 の度 合いによりライフサイクルのパターン作成 を試みた。 現 在 の橋 梁 ストックマネジメントの進 捗 は下 記 の2点 に大 別 されると想 定 され る。 ・進 捗 している点;点 検・診 断 手 法 、健 全 度 評 価 、劣 化予 測 、LCC 算 出 ・進 捗 していない点 ;減価 償 却 の考 え方 による価 値 の判 定 よって今 後 は健 全 度 評 価 ・劣 化 予 測 ・LCC 算 出 以 上 に下 記 の点 により方 針 を決 定 すべきと想 定した。以下 、前 章 第 5章 (2)を受けての解 決 策を提 示した。 【想 定 解 決 策 】 ① 減 価 償 却 の考え方 (定 額 法 )による現 存価 値 判 定 ② 減 価 償 却 の考え方を基 にしたグルーピングによる価 値 判 定 1 ) 減 価 償 却 (定 額 法 )算 出 結 果 に よ る 意 思 決 定 の プ ロ セ ス LCC 算 出 では次 頁 図-23 の想定 を行っていると考えられる。ここでは当 初 価 値 である金 額(1 億 円 を想 定)を基 準 に減 価 償 却 の考 え方 の基 、10,20,30 年 毎 に 10%,15%,20%別 の経 費 計 上 (価 値 の計 上 による修 繕 )、意 思 決 定 (維 持 管 理 or 更 新 or 撤 去)の判 断 分 析を行 った。 対 象 橋 梁 は当 初 価 値 1 億 円、耐 用 年 数 については図 に表 しやすいように 50 年 と本来 の耐 用 年 数 (60 年)とは違う数 字 で縦 軸 に価 値、横 軸 に経 過 年 数 の設 定である。
【ライフサイクルパターンの検 証】 ・ライフサイクルパターン①; 10,20,30 年 毎 に当 初 価 値(10%/回=1,000 万 円)の経 費を計 上 ・ライフサイクルパターン②; 10,20,30 年 毎 に当 初 価 値(15%/回=1,500 万 円)の経 費を計 上 ・ライフサイクルパターン③; 10,20,30 年 毎 に当 初 価 値(20%/回=2,000 万 円)の経 費を計 上 図-23 ラ イ フ サ イ ク ル パ タ ー ン 検 証 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 5年伸ばすためには; 110百万 △⇒更新 10年伸ばすためには;115百万 ○⇒更新 10年伸ばすためには;120百万 ○⇒維持管理 145百万 △⇒維持管理 40年伸ばすためには;180百万 ×⇒更新or廃棄 50年伸ばすためには;235百万 ×⇒更新or廃棄 ・上部工のみ ・減価償却費: 100百万円/50年=2百万/年 ・解りやすくするために耐用年数を50年と設定 ・金額はトータル(本体+管理)金額 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 140百万 ○⇒維持管理 30年伸ばすためには;160百万 △⇒更新or廃棄 50年伸ばすためには;280百万 ×⇒更新or廃棄 22.5年伸ばすためには; (経過年数) 検証条件 (経過年数) 22.5年伸ばすためには; 10、20,30年毎に保全(価値の10%(10百万)/回の投資) 10、20,30年毎に保全(価値の15%(15百万)/回の投資) ライフサイクルパターン① ライフサイクルパターン② 50 (価値) 100 50 50 (価値) 100 (価値) 100 10、20,30年毎に保全(価値の20%(20百万)/回の投資) ライフサイクルパターン③ (経過年数) 費用対効果=高 費用対効果=低 費用対効果=低 費用対効果=低 費用対効果=高 費用対効果=高