はじめに
今日,エネルギー問題や環境問題が新聞などで大きく取り上げられている. 特に,2011 年 3 月 11 日に起きた東日本大震災による被災,原子力災害などで, 日本や世界でのエネルギー問題に関する関心が急激に高まった.将来のエネル ギー問題に如何に対処するかが,いま問われている.その基礎となる科学的概 念や未来展望を的確にとらえることは重要である.本書では,総合科学として の「エネルギー科学」と「環境科学」との基礎と応用,および未来展望につい て論じる. 世の中でもっとも根源的なものは何だろうか? 古代の多くの先人がその謎 に挑んできた.基本的な物理単位として空間,時間,質量が用いられ,宇宙は どこまでも続くのか? 宇宙の始まりと終わりはあるのか? 物の起源は何 か? などが問われ,物質に働く 4 つの力の法則が明らかにされてきた.その 力が,エネルギーの源であり,さまざまな活用が試みられてきている. 私たちの地球環境はどのように生まれ,どのように変遷してきたか,将来的 に宇宙環境をも含めてどのように展開するのかの環境問題も,エネルギー問題 や経済・社会問題と関連して重要な課題である. 本書は,著者が名古屋大学の教養教育院での学部新入生対象の講義「エネル ギーと環境」で用いた講義資料を基にして作成した初級者用テキストである. 現代のエネルギー・環境問題から夢の未来エネルギー・宇宙環境問題を含め, 基礎と応用を幅広く扱っている.本書は,基礎編,エネルギー応用編,環境応 用編,未来編の 4 編から構成されており,本書により幅広いエネルギー科学や環境科学の基礎を学ぶ契機となれば幸いである. 最後に,本書発刊の企画と編集にあたり,共立出版㈱の國井和郎氏,清水隆 氏に多大なご尽力を頂いた.また,それを支える形での多くの方々のお蔭によ り,本書が出来上がった.ここに厚く感謝の意を表したい. 2011 年 9 月吉日 山﨑耕造 ii はじめに