Title
Heart rate recovery after exercise and neural regulation of heart
rate variability in 30-40 year old female marathon runners( 内容
の要旨(Summary) )
Author(s)
杜, 娜
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第602号
Issue Date
2005-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14516
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件
学位論文琴目
審 査 委 員 杜 榔(中国) 博 士(医学) 甲第 602 号 平成17 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当Heart rate recovery after exercise and neura[regulation of heart rate
Variab‖ityin30-40year old fema[e marathon runners
(主査)教授 松 岡 敏 男 (副査)教授 森 田 啓 之 教授 藤 原 久 義 論文内容の要旨 緒言 心臓副交感神経活動および運動後心拍数の回復は心臓突然死と関連があるとされている。最近の研究は身体ト レーニングを行ったものはそうでないものに比べ,心臓副交感神経活動が高いことが報告されている。しかし,
女子マラソンランナーを対象として,ランニング運動習慣が心臓自律神経活動および運動後のJL、拍数の回復にど
のような影響を与えているかは明らかにされていない。心拍変動解析法は非侵襲的に洞房結節自律神経活動を評価する方法である。そこで,本研究は心拍変動解析法
を用いて,長期に持久的トレーニングを行っている30才代の女子マラソンランナーと同年代の非運動選手におい て,安静時と自覚的最大運動終了後の回復時におけるJL、拍数と心臓自律神経活動の変化についての検討を行った。 対象と方法 対象は女子マラソンランナー6名(32-40歳)と女子非運動選手8名(コントロール群)(29-42歳)である。女 子マラソンランナーは日頃から持久的練習を15年以上行っていて,国際的な大会にも出場している。女子非運動 選手は日頃から規則的な運動を行っていない者である。被験者全員は非喫煙者であり,高血圧,高脂血症,心血 管疾病と糖尿病などの疾患に躍っておらず,心血管機能に影響する薬剤も服用していない者である。 被験者はホルター心電図,呼気ガス分析用マスクを装着し,仰臥位で10分間の安静後,トレッドミルにて運動 負荷試験を行った。トレッドミルはBalkeのプロトコールにより,3分間のウォーミングアップの後,斜度を0% から1分間毎に1%づっ増加した。被験者は疲労困優に至った時点で運動を終了し,終了後は仰臥位にて30分間の 安静回復を行った。安静時,運動直後,運動後3分,5分,10分,20分,30分における血圧,血中乳酸値を測定し た。運動直後に主観的運動強度を聞き取り調査した。測定は室温24℃の部屋にて行い,測定前の被験者にはアル コールまたはコーヒーの飲料を禁止した。心電図デ,夕はホルター分析器装置(Fukuda Electronic SCM-6000System)によって解析した。運動前安
静時と運動後回復時の心拍変動解析は高速フーリエ変換(FFT)を用いて行った。得られたパワースペクトル のうち,0.04∼0.15Hzを低周波数領域(LF),0.15∼0.40Hzを高周波数領域(HF)とした。運動後における血 圧と心拍数の低下率は,パーセント血圧=(運動終了直後の血圧一測定血圧)/運動終了直後の血圧,パーセン ト心拍数=(最大運動心拍数一測定心拍数)/最大運動叱、拍数,の式で求めた。統計学的処理はstudent's t-teSt を行い,5%を有意水準とした。 結果 1.被験者の運動能力指標:マラソンランナーの最大酸素摂取量はコントロール群より有意に高い値を示した。 最大運動時におけるトレッドミルの角度も有意に高い%を示した。主観的運動強度は両群の間に有意差が認 められなかった。 2.収縮期血圧と拡張期血圧の変化:安静時における収縮期血圧と拡張期血圧は両群間に有意差が認められなかっ た。マラソンランナーの運動直後,運動後3分と5分における収縮期血圧はコントロール群より有意に高い値 を示した。マラソンランナーの運動直後における拡張期血圧も有意に高い値を示した。 3.運動後におけるパーセント収縮期血圧と拡張期血圧の低下:運動終了直後の血圧から運動後3分,5分,10分,
-27-20分と30分におけるパーセント収縮期血圧と拡張期血圧の低下についてはマラソンランナーがコントロール 群より有意に高かった。 4.血中乳酸値の変化:安静時と運動回復時における血中乳酸値は両群間に有意差はみられなかった。 5.JL、拍数の変化:マラソンランナーの安静時心拍数はコントロール群より有意に低かった。最大運動心、拍数は 両群間に有意差はみられなかったが,運動後における心拍数についてマラソンランナーは有意に低かった。 6.運動後におけるパーセント心拍数の低下:最大運動心拍数から運動後2分から30分までにおけるパーセント 心拍数の低下についてマラソンランナーはコントロール群より有意に高かった。 7.心拍変動の時間領域パラメータ:マラソンランナーの安静時と運動回復時におけるRR間隔の平均値はコン トロール群より有意に高かった。安静時におけるRR間隔の標準偏差は有意に高かった。 8.心拍変動の周波数領域パラメータ:マラソンランナーの安静時におけるHFのパワーはコントロール群より 有意に高かった。安静時におけるLF/HFは有意に低かった。 考察 運動後JL、拍数の回復は運動強度,心肺機能,心臓自律神経系の調節およびホルモンの変化に依存する。本研究 では両群とも疲労国債までの最大運動を行い,主観的運動強度と血中乳酸値ははば同じ程度に到達したことを考 慮すると両群に対しての相対運動強度は同等であったと考えられる。 先行研究では高い有酸素運動能力を持つ男性運動選手は非運動選手より早い運動後の心拍数の回復を示した。 本研究でも男子と同じように女子運動選手は運動後早いJL、拍数の回復を示した。また最大酸素摂取量などが高い ことからも運動後心拍数の回復は有酸素運動能力に関与していることが示唆された。 男性を被験者としたものでは副交感神経活動の優位は運動後心拍数回復の早さと関連があるとされている。本 研究では女子マラソンランナーは非運動選手より安静時および運動回復時の高い心臓副交感神経活動を示したが, 心拍変動パラメータとJL、拍数回復の間に有意な相関関係はなかった。 運動後の血圧は女子マラソンランナーの方が有意に高い値を示した。女子マラソンランナーは高い運動能力を 発揮するためには血圧の増加は必要なことかもしれない。女子マラソンランナーのパーセント血圧の低下は非運 動群より高かった。これも女子マラソンランナーに対するより大きい運動後のJL、血管の回復能力を表わしている と思われる。 今回ホルモンに関しての影響を調べておらず,運動後の心拍数の回復にどのような影響を受けるか今後の研究 課題として残された。 結語 女子マラソンランナーは非運動選手と比べ,安静時の高いJL、拍変動および運動回復時の早い心拍数回復を示し た。女子マラソンランナーの運動後心拍数の早い回復は有酸素運動能力と心臓自律神経活動によるものであるこ とが示唆された。 論文審査の結果の要旨 申請者 杜 郷 は,継続的に持久的トレーニングを行っている30才代女子マラソンランナーを対象に,心拍 変動解析法を用いて運動後の心拍数と心臓自律神経活動の調査を行った。女子選手において非常に高い水準でラ ンニング運動を長期的に継続することが心肺機能の高い水準を維持できることを明らかにした。30才代女子マラ ソンランナーを対象とした研究はみあたらず,本研究の成果は今後のスポーツ医科学の発展に少なからず寄与す るものと認められる。 [主論文公表誌]
Heart rate recovery after exercise and neuralregulation of heart rate variabilityln30-40year old female marathon runners
Journalof Sports Science and Medicine4,9-17(2005).