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鼻腔,副鼻腔癌腫の二症例

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(1)

〔臨・床、’霜曇〕

幅糞繍9舞囎)

鼻腔,副鼻腔癌腫〇二症例

東京女子讐三州門學校耳鼻、咽喉科教室 (主任 佐藤イ〃ヨ教授) 奥 オク 田 ダ 明 メイ

(受付昭和22年11月1日)

緒 言

上顎に心嚢性に護生する癌腫には歯齪癌の型で 増殖する外癌と,.上顎霊山は他の副鼻腔粘膜又は 粘液腺から嚢生する中心性癌の二種があるQ外回 は早期に獲見可能であるが,中心性癌ぱ初期に於 ては比較的長期に亘り無畜歌に維過する事があ り,又臨床上非常に多い副鼻腔炎と誤られ易く; その早期診噺ぱ甚だ困難である。 殺教室に於て,中心性癌に属する二例を緯験し たので舷に報告する家嫡である。

第1例 症 例

患 者白井某 52歳,男子,製氷會耐:々員 初 診 昭和19年.4’月17日 主 訴 左鼻閉塞並びに左頬部腫脹

家族二品は65歳,’兄は57議で共に胃癌で

死亡してみる。其他特記す’る事はないQ 既往歴 生來健康で,酒・煙草は嗜まない。 現病歴 昭和玉8年8月頃から左顔面三部にし びれ感が起り,内科讐:に受診の結果顔面棘経回痺 の診断の下に注射を受け,自畳症状が輕快した爲

その後放置した。約7ケ月後の昭和19年3月頃

から左頬部の腫脹に氣付いたが,製氷め仕事に差 支へない爲凡1.ケ月闇放置したQ約10日前から 左鼻閉塞を訴へ同時に左頬蔀,上齢艮及び口唇左 側にしびれ感が起つたので4月15B專門欝¢)診 察を受け,當科に紹介さ’れ七直ちに:上京,4月17 日當外來を訪れ即日入院し允Q 現症 一・般月斤見、:督豊盗 36.20C, 朕搏 70緊張 良好,骨酪榮養共に中等度,胸腹部に異常なく,頸 部その他に淋巴腺腫脹を認めない。 局所々見:左頬部は禰漫性に腫脹し,小免手掌 大の硬結を縛れるが墜痛はないQ鼻腔を診ると左 下甲介は側方まゆ駆出された如く強度に襲赤腫脹 .し,コカイン塗布後も減退せす,鼻腔を殆んど閉 塞して中甲介は硯得ないQ中敷道部に相宣して汚 臓恥曝淡紅色の腫瘍らしい物質を僅h・va認め,煽 れると脆弱で容易に墨壷する。右側鼻腔は正常。 鼓膜,咽喉に攣化なく,眼球突出,覗力障碍等も なV・q 諸検査成績 1. レ線爲眞所見=左.上顎洞は右側に比して非 常に籏大して明澄隊を示し,TM線は下無知が浩 失してみる。洞の内側方か6鼻腔側壁に亘って, 叉側後方にも著明な陰影を認めた。右側に著攣は ない。 2.血液槍査:成績は第1表の如くで,血液像 では比較的淋巴球増多症を認めた。 血.液「7」氏反鷹(一)村照々反慮(一) 3. 尿槍査:異常はないQ

4。聴力検査:左側はC普叉の氣導輕壌に短縮

5。試験切除:4月20日中鼻道に認められた

腫瘤及び下甲介前下端のニケ虚に於て試験切除を 有ひ,病理組織學的槍査の結果前者より圓柱上皮 癌の際を得た。 診噺 臨床的所見並びに組織學的槍査により左 側上顎洞癌腫と診噺Q 治療及び経過 本例は左上顎洞に限局した中心 性癌と思はれ,艦力も充分手術に堪えちれる歌態 である爲観血的療法を行ひ;後療法として放射線 ny 3ny. 一

(2)

第 1 表 症

例 第・1例1

第 ff

査櫛・1エ9/副・9! Vl・/互}・・!IV・1・!’・I l・3/・/ ・/ aS

血色素含有量 (ザーり一)

赤血球激

白血.球数 白 血 球 種 、類 百 分 比 中性嗜好 エオジン嗜好 盤基嗜好、 リンパ球 軍 球 5エ4萬1 11.000 64% o o 34% 2%

熱論ltb li・.5mm

: 77% 45工

g

5.200 55.5 備 考 ラ ヂウ ム 放 射 :量 レゾ・トゲソ

照 射 量

手術雨 退院前 1.470mg St (21/IVt−20/ V ) 2.100 r (1’1/ V’ tv26/ JNr )

i

73% 450萬 7.200 58% 2% e 583 5.000 536 s.seo 35% 85%・ 490 7.800 90% 481 s.400 i 5% 63% 1% o ’339i L?% 放射線療法 開 始 前 24.5mm 25.0 第二次放射線 同

離開始二二口幅療法開始前i療法三揃}.

1第三次放射墾魔四次放射暴 2.i33mgSt’

P

2.15Qr (14/ 1 一11/ ll ) 1.400 r (2/Vt−7/vr)

i 1/

] 1

1 1・

l I .700r 1 s40 r i(8/璽∼15!U)(7/皿・一16/皿) t レソメゲ:/総量 5.090r 療法を併用する事とした。

4月27日間,手術前記置として患考と同型の

AB型血液100ccを輸遷しし,止血剤を充分二三

した後,同日午後佐藤悪寒執刀の下に,先づ島外 頸動脈結紮を行ぴ,引き綾きデシヶル氏術式に依 り左上顎洞腫瘍全摘出術を施行した。 手術所見:齪頬移行部粘膜を左第一大臼歯後縁 より正中を越して右方へ1,5em迄切開し,犬歯 窩部骨膜の剥離を始めると直ちに豆腐糟様の腫瘍 塊が駆出されて現はれた。犬海上には既に上下 4.2cm,左右3.8cmの骨訣損があり,洞内より 繊だ腫蕩は頬軟部組織と癒回して居る爲四部は勇 刀にて切除したQ洞内は非常に蟹張され,友白曙 赤色,脆弱で豆腐下様の腫瘍塊で充されてるるが 膿汁は殆んど無い。洞の内側壁即ち鼻汁側壁は杢. く骨質を敏如して膜様物のみとなり呼吸性動揺が 認められた。本患考の左側完全鼻閉はこの側壁が 洞内腫瘍によって鼻中隔に迄厭迫されて起ったも のである。該側壁は下甲介諸共可及的廣く切除し た。舗骨蜂二部は大部分腫瘍によって康迫三士さ れて蜂案としては認め難く,一部錨除を試みたが 骨質硬く不可能であったっ中甲介は萎縮し肉隈的 に腫瘍の浸潤を認めぬ爲残置し,洞の限窩壁,後 壁,四壁及び外側壁にも肉眼的に攣化を認めな い○洞の大さは5.2×4.8×5.8cmに擾大してみ る。廣い上顎洞と周有鼻腔とを交通させた大室洞 を清拭してタンポンを行ぴ,歯日切開創は前方三 糸縫合し他ぱ開放の儘として術を三つた。外頸動 脈結紮の豫癒手術の爲術中出血に塒まされる事な く充分に腫瘍を摘出し得た。 4月29.日(術後3日目)タンk“ン除去,歯徽

創から骨内に5mgのうヂウムを挿入し,翌日は

飾高高禦部にと交互に持績放射する事としたv

5月11日(術後15日蜀)左頬部は!両輕度に

一36一

(3)

腫脹してわる炉洞内は清澤。この日から「v」線 深部治療を開始し,その時間だけラヂウムを抜去 し:た。

5月20日ラヂウム放射全量1470mg時を以て

申止。22日歯二二開創を二次的に四二縫合。同日 レ〆線深音区治療を絡了, 全量210⑪r。 手術後極めて順調に経過し,頬部腫脹減退し, 洞内及び鼻腔清潜で全身朕態も良好且放射線療法

も一二絡了した琶)で5月31日(入院45日印

に喜んで邊院鋸郷した。

退院後の二二:患者は19年5月退院二郷後間

紘く三論に鵬昨が2朔で治癒し・その

後ぱ元氣で元の會示圭に勤務してみるとの通知があ

った6最i乖(21年11月)問ひ合せたところ20

年8月頃から左眼の輕度の門院感と頭重を訴へ,’ その後警世は漸次増彊して全身蓑弱もカはり,12 月目至り左眼は全く開眼出來ぬ迄に腫脹し,高度

の頭重を訴へ,20年12月12日遽に死亡され

たとの通知があった。即ち術後1年5ケ月で再護 の徴が現はれてるるが,恐らく鞘蜂案邊から1艮 窩と頭蓋底に瞳瘍の侵入増殖を蝕したものと推察 される。 病理組織學的所見 摘出した上顎洞内腫瘍及び下甲介下端等の数ク 所傘ら組織片を切除し,パラフィン包埋,ヘマト キシリン,エオジン染色法を行ひ鏡槍的に槻察し て次の所見を得た0 1,手術時上顎洞かち摘出.した組織ぱ一般にヘ マトキシリンに濃染した腫瘍細胞から成る癌胞巣 を有し,聞質は一般に少く,その内部には高度に 籟張した多湿の血管を認めた。腫瘍の表面は不規 則且乳嚇欣凹凸不二で高度に増殖した腫瘍細胞暦 で覆はれ更に深部に七って浸濁1生に著しく増殖し 多激曙)癌胞災を形成してみる。この癌細胞の大さ は大小不同で,基底暦では略紡錘形を呈し,上暦 に至るに從ひ多角形,二子形にi憂じ,恰も二二上 皮癌の組織隊を思はせ,更に最上暦に至れば角化 攣性の傾向を示し,癌細胞内には虚々に核分剖像 を認めた。 2.申鼻道から切除した試切標本に就て鏡照す るに,禰弾性に籏がる癌胞集る細胞は:略多角形叉 は調子形で核も亦不同である。一般にこの部分の 細胞は核の崩潤したものが多く,原形質は一般に エオジンに筆端し虚々に核分剖際を示すものがあ る。聞質には圓形細胞及び高度の炎性細Eblの浸潤 を認めた。 3。下甲介下端の切除片を見ると表面は:略正常 で重麿圓柱上皮で覆はれ,下層結締織暦内には塵 々に集團した粘液:腺及び少数の高度に嚢腫歌に撲 遇した腺を認めるが,癌睡性二化は全く認められ ない。 1 以上の組織像から推察すると,該腫瘍は上顎洞 ’粘膜から嚢生した副圭上皮癌であるが,その維遍 が梢綾漫で,一部扁早上皮癌を思はする組織像を 示す部分がある。恐らく斯様な攣化ぽ一種のメタ プラジーに困るものと推察せられる。

第 2例

患 者 金指某 42歳,勇子,牛農牟漁業 初 診 昭禾P21 年1月7日

主訴右側の頬部腫腿並びに鼻閉塞

家族謄癌腫の遺傳的關係は認められない5 既往歴 幼時からあまり頑健でなく主として胃 腸障碍を起し,5年前虫垂炎:で手術を受け,昨年 8月と1⑪月に左側急性中耳炎に羅患、し馨療を受 けて治癒し沁g嗜好晶として酒を非常に好むが,

今回の病氣以來禁酒した。煙草は1日10本位嗜

む。』

現病歴昭瀦2⑪年12月25臼釣に出かけた

発で,上顎の健杢な㊨に劇烈な歯痛が起り,翌

日歯科霧を訪れ抜歯を受けて鎭痛したが,蹄宅後 悪寒訴陳が起わ,次第に右頬部が腫脹し逡に殖ん ど開眼出來ぬ迄になり,腫脹部には輕度の二二が あったが聯経痛檬の三二ではなかったと云ふ。約

鋼衡鞭口蓋の右側の腫脹に氣付いたが疹痛は

なく,叉これ迄鼻閉塞,鼻漏には全く氣付かす, 鼻.出血もなかったQ 12月28日lj一一例と同じ讐 師の診察を受け引時に紹介されて翌2正年亘月7

日上京し門外來を訪れ1月10日入院した。

現症 一般所見:艦温36.8『C,・脈搏80緊張 良好,鵜格榮養共に中等度,胸腹部に潮解なく頸 一一一一一 37 一一一’

(4)

部その他の淋巴腺晴眼は認めない。 局所々見:右頬部は禰漫性に腫脹して鼻唇溝ぱ 消失し下眼窩部は梢硬く浸潤してlbるが,眼球突 出は:なV・。鼻腔は既に右脚鼻孔から前庭に赤い腫 瘤が認められ,前鼻鏡槍査に依ると之は恰も鼻側 壁から下甲介が墜出された如く見え,畿赤浸潤が 彊く鼻中隔に接著してみる爲に詳細な内部の槍査 は全く不可能,粘液性鼻漏がある。左側鼻腔には 特別な所見はない。口腔内を診ると硬口蓋は右側. から正中を稻壁越ゆる迄硬く腫脹し,その前孚部 は殊に浸潤が強く,正中に近v・2ケの小痩孔から 少量の排膿を認めたQ右側上顎歯齪部は一般に獲∫ 赤浸潤彊く,劃の抜歯創から排膿があり,三部 から消息する.と鼻底に通ずう。更に隣りの末歯の 歯齪にも小凄孔を認め排膿がある。 右側鼻腔内から側壁腫脹部に試験穿刺を行ひ悪 臭の甚しい血性鼻汁約eO.3CCを諦i明したが,塗: 抹標本では無菌であった。 後鼻鏡検査では腫瘤並びに膿線等は認められな v・。耳は爾側鼓膜輕度に二潅1濁し,咽喉にi異ナ伏はな い。 三年査成績 1. レ線爲眞所見:右側固有鼻腔からその側壁 箭骨蜂案に亘って著明な陰影があり,鼻腔底線は 消央して抜歯した第二門歯部に通じてみる。右上 顎洞は左側に比して大きく且中等度の陰影を認め TM線は健側に比して幾穿不明瞭ながら謬められ る。前額洞には著攣なぐ,左側ltk 一一般に攣化を認 めなV・。 2.血液楡査成績は第1表の如くで血液豫には 比較的淋巴球塘多症を認めた。. 血液ワ氏反鷹,小林氏難風共に陰性。 3. 尿に異常を認めなV・。

4。試験切除:1月12日右側鼻腔内の側壁腫

脹部を一・部解除したが出血.は非常に少量であっ た。 病理組織墨的所見 試切標本を鏡槍するに組織の大部分は結締織か ら成る繊維性物質で,表面は炎性細胞より成る肉 芽組織と骨片を有し,その骨片に接干した部分に 極少量の扁畢上皮癌を思はせる腫瘍細胞を認め たQζ:の腫瘍細胞の核は梢淡即し原形質はエオ夢 ンにより淡紅色に染まり,恰も回暦扁準上皮癌の 如くで,稽角化攣性の傾向を示してみる。 ’診噺組織學的診断は決定的ではないが,前述 の局団々見及び諸槍査成績により,右側鼻腔,上 顎洞,節骨蜂察にわたる悪性睡瘍恐らく癌腫と診 噺を下した。 治療並びに経過 本例は朗に時期を失して手術 不可能と思はれた爲「レ」線深部治療とラヂウム

放射の併用療法を行ふ事とした。即ち1月11日

からlm9のうヂウム針を右側鼻腔内側壁に2本, 劃抜:歯後難と犬歯々日報孔に交互に1:本宛計3 本挿入し筆癖放射を行ぴ,1月14日よりは「v』 線深部治療を開始した。 同月20月左側,翌日右側急性中耳炎を併獲し た爲有熱時の一・週間丈「レ」線療法を中止した。

2月18日に至り右内皆から1cm下方の鼻根

部に痩孔を生じ少量の排膿を見るに至つ左。 ,鼻腔内所見は未だ好堕しないが,右蝉部腫脹ば 著明に減退し,治療途中に併碧した申耳炎も三々 輕快したので,患者の希望により入院50日目の 2月27日に一臆i退院録卜した。 この聞の「レ」線深部治療18回,総量2150r,

ラヂウム放射量2133mg時。

退院2ケ月後再度上京來即し,第二次「レ』線 深部治療を行ひ,総量1400 r照射し,右側鼻腔 側壁の浸潤が減退して離郷した。 醤郷後も普通に家業に從事して居たが,右頬部 の重贋な感及び右側警部に頭重があり,鼻症状は依 然として縫細し,時々墨1の歯痛が起るとの事:で

5ケ月目の11月7日に三度上京來院。

11月13日の「レ」線爲眞所見:右側鼻腔に

は尚彊い陰影を認めるが,照射前に比して上顎洞 及び飾骨導案は陰影が輕度となり可成り腫瘍は吸 牧されたも¢)s如くである。 第三次「1ノ」線700rを照射して鋸冷した。

22年3月7日四度目の來院。

昨年11月第三次のレ線治療を興り四郷してか ら右鼻閉塞は非常に輕快しp’

@漏も減少したと云

ふ。 局部々見:右眼窩より1.Ocm下方の翼廊は閉 一pt一 38 一一一

(5)

塞したが輕度の堅手を認める。然し頬部腫脹は全 くなv・。 右鼻腔を診ると中鼻道).鷲鼻道共に初めて開通 し,分泌物無く全く清張である。たf下甲介が中 隔と華華レてるるが,これはうヂウム針を挿入し た爲で他畳的三見は初診時以來最も好痒してる

る6三韓歯玉野に小耳孔を認め少量の排膿があ

る。 第四次レ線深部治療,総量840rを照射して韓 郷した。本営は禽経過観察中のものである。

考 按

鼻腔,副鼻腔の癌腫は他部の癌腫に比して淋巴 腺縛移を:來一3一事が比較的少く且晩期に起る爲,極 めて早期に診噺を確定し根治的療法を施し得れば その治癒率を高める事が出來得ると考へられて居 る。今:妓に鼻腔,副算腔癌腫の早期診断に重要な る事項を墨げ且治療法並びに豫後に就て簡軍に記 遠し,本症例に就て考察を加へようと思ふQ 夏早期診断に就て 1。診断上重要なる詠歌:窃期の口舌油壷とし て宮原氏は頬部,眼窩下部,眼窩周回,鼻部,t口 蓋,歯齪等の腫脹が最も多く,之に次いで鼻閉, 鼻漏を訴へる者が多いと述べてみるが,外部に腫 脹の現はれた富合は相當進行した時期である。次 に40歳以上の人で上顎の健康歯牙に原因不明の 歯痛を訴へる場合は特に注意を要するQ第二例に 於ても初期症歌として繭痛を訴へたが該旦「の抜 歯を受けて急激に種瘍の増大を宿したもので.あ る。その他第一回目於ける如く三叉神経障碍とし て患側顔面にしびれ感を訴へる揚合もある。 2.、癌腫好畿年齢と云はれる40歳堪上の人に 於て前述の如き症状を訴へる揚合に妹先づ癌腫を 疑ひ愼重なる槍査を行ふ必要がある。 3。診噺、ヒ「レ」線爲眞の鷹用は重要で,患側 の著明な陰影,正常な洞壁め訣如は年内病攣の診 断に役立ち,殊に本城氏等の云ふTM線(Tuber』 maxillare)の勝央は上顎洞側後壁の骨融解の診 断に債値がある。叉町内へ造影剤を注入して撮影 を行ふ事は早期診噺上有力な方法である。

4.試験切除によb病理組織學的槍査を行ふ事

は決定的底る診断を下し得るものゼあるが,切片 の取り方は充分深部を切除せねば目的を達し得ぬ 事がある。 5。揚合によっては試験的上顎洞開放術を行っ て学内粘膜を数ケ所より玉取する事が理想的であ る。街試験的開放に依って腫瘍の大さ及び鑛がり を確める事が出陣:,更に治療i方針を決定する上に 有力なる指針となるQ然し腫瘍に刺戟を加へる事 は急速に増大悪化する原因となるものであるから 充分なる治療可能の準備の下に行ばねばならな い。私の第二例に於ても上顎洞試験的開放によっ て組織切除を行へば組織學的診断が決定したでみ らうと思はれるが,豫後の鮎に幽しては前述の如 き疑問をもつたので行はなかった。 6。 フヅクス氏血清三三診断法もあるが,癌以 外にも陽距に現はれる事鐸麟’O,畿生部位を決定 する事は不可能である。 7。 その他遺贈的開係もi蓼考となる。 II 治療並びに豫後 治療法には親」血的療法と放射線療法があり,:放 射線療法として「レ」線深部治療,ラヂウム放射 療法が行は:れる。ラヂウムは普通ラヂゥム桿を鼻 腔或は術後創内に挿入して放射するが,小田氏は 鼻腔副鼻腔の腫瘍に起し直接腫瘍組織内に刺入す る事によゆ腫瘍の殆んど沿尽するものが少くない ・と報告してみる。 暫し放射線療法を箪猫に使用する事は少く,從 來手術的虚置を施した後に碍管を豫幸する目的に 行ばれ,或は手術不能なる揚合に慮用されてる るQ現在では腫瘍を健全な周團組織と共に切除す る観血的療法に放射線療法を併用する¢)が最良の 治療法とされ,文献と見られる治験例も多くはこ の方法が用ひられてるる。 手術の方法は腫瘍の位置及ば蔓延の程度によっ て異るが,1)腫瘍が上顎洞,鼻腔内に限局する 揚合はデンクル氏術式により鼻腔側壁と共に腫瘍 を除去する。2)腫瘍が更に上灘蜂案内に蔓延せ る揚合にはムール氏法が用ぴられる03):更に腫瘍 の蔓延が廣範園に亘る理合には腫瘍を上顎骨と共 に摘出する上顎全摘出術を行ふ。然しこの際硬口 一一@39 一

(6)

i蓋は可及的保存に努める。4)外頸動脈結紮鱒: 之は普通止血の目的に準備手術として手術側一側 の結紮が行はれるが,吉田氏は悪性腫瘍に丁丁を 供給する血管の結紮或は切断により腫瘍の嚢育を 阻止し或は治癒に向はしむるとの見地から雨二二 頸動脈結紮を5例の上顎癌E 一2例の上顎肉腫に行 ぴ,肉腫には成績良好であったと報告してみるQ 手術不可能な例には本法を行って「レ」線照射を 併用する事も試みられでるる。 以上の如く副鼻鰹悪性腫瘍va¥9する手術的療法 は準回してみるにも拘はらず,その豫後は極めて 不良で,手術後治癒した例に於ても数年を経すに 再三するものが多く,3年以bの永久治癒率は17 %位で極めて低いものである。.

第1例は52歳男子の左側上顎洞,鼻腔,飾骨

蜂案に亘る圓柱上皮癌で,外頸動脈結紮の下にデ ンケル氏手術を行ひ,後療法として.「レ』線並び にラヂウム放射療法を併用して一旦治癒したが,

術後1年8ケ月で子嚢,死亡したQ

第II例は42歳男子の右側鼻腔,上顎洞,箭

骨壷禦に亘る恐らぐ扁2F上皮癌と思はれるもの で,既に手術不可能の時期と思はれた爲保存的に 「レ」線及びラヂウムの放射療法により治療開始 約1年5ケ月後の今日幸ひに臨床的には殆んど治 癒三態にある。 稿祉翻るに臨み御懇篤な御指導咽びに御校閲fP討 つアニ佐藤教授,「ソ」線深部療法な御薩當下$つアニ島 津教授,病理組織學的検索に際し御呼示な仰いだ佐 藤やい教重受iこ深、く感言射目)歩脚r捧げる〔∫ 本稿の大要に月本女子論議研究會第22回例會 (昭和21年12月)の席上にて報告したものであ る。

引 雨 文献

’1)本城囲朗:耳鼻臨床,35巷,3號,189頁 2)石井 正:耳鼻咽喉科,1巻,5號,649頁 3)宮原 林:大阪讐事新誌,6巻,9號,112頁 4)中島賢衣鄭二日讐新報,U28號,531頁, 1129號, 554頁 5)小止ヒ大引疹三歪:耳鼻ロ因喉科全書,4巻の1 6)小田大吉;大日耳鼻,40春,4號,423頁 7)田中寛助痢譜面在聯25年記念論文集・ 33?頁 v

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を,松田教授開講20周年記念論文集1)に.発表してある

23mmを算した.腫瘤は外壁に厚い肉芽組織を有して

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