(東京女医大高第26巻第6号頁287−294昭和31年6月)
実験的二二痙攣に於ける腎機能の変化に就いて
第一報 犬に於ける尿量及び特選体濾過量の変化
東京女子医科大学生理学教室(主任富田恒男教授) 菊 キク 地 チ 錬 りヨウ ン 東京医科大学生理学教室(主任久保盛徳教授) 千 チ 葉 正 マサ 子一“(受付 昭和31年3月28日)
緒 言 人聞の電気ショックの後に尿量の減少すること は報告されているが4),犬の頭部二二による実験 的二二痙攣に際し尿分泌量の著明な減少の起るこ とも既に鈴木20)により明らかにされてv・る。それ によると歩行様運動が終って暫時経て,10∼12分 間に及ぶ長い間輸尿管からの尿の排出が全く見ら れぬ時期があると云う。併し斯様な現象が如何に して起るかについては明らかにされてV・なV・。 実験的癩痴痙攣の際,通電による中枢刺戟で一 次的に,且亦全身の筋痙攣及び自律性機能の変化 による神経及び体液性反射として二次的に起つた 神経興奮が視床下部を介して自律神経一内分泌腺 性の効果を全身に及ぼすことが考えられる5ノが, 特に交感神経一副腎髄質系の興奮が優勢であるこ とは既に種々の方面から認められている6)9)。 従って頭部通電による全身痙攣の際,斯様な自 律神経内分泌腺性の影響が上記の尿分泌減少の 経過にどの様な形で及んでいるかを明らかにする 目的で,我・々は腎の水分排泄機能を懸毬濾過量と 水分再吸収との両過程に分けて研究したが,二, 三の結果を得たので以下に報告する。 実験方法 鋤物はすべて体重13・)15kgの牡犬を用い,馴らし た無麻酔3匹及びオウロパンソ門ダによる麻酔犬7匹 に就き,対照実験として17回,頭部通電実験で7回の クレアチニン・クリアランス測定を行った。 麻酔の場合は先づ10%オウmパンソーダを0.5∼1.O g静脈注射又は筋肉注射し,・以後一定の麻酔度を保っ ために必要に応じて少量を追加した。麻酔の程度は角 膜反射其の他より見て大体中等度であった。 頭部通電は我々が従来用いた方法8)に従い,50∼, AC30・vlOOVを5分聞通じ,通電量を加減すること によって典型的な営業様聞代性痙攣(CC),歩行様運 動(LM)のみならず,特に強直牲痙攣(TC)だけ を起させた場合もある。クリアランス測定操作はShannon16 i, Smith17)等 の方法にならい,多くは膀胱に挿入したカテーテルに より,又ご,三の例では輸尿管カテーテルにより約20 分間のクリアランス時聞で,2∼3時閲の全実験経過 中連続数回採尿し,其の各クリアランス時聞の中点で 股動脈より採血した。そして通電実験の場合には通電 前に対照として2回のクリアランス時聞をとった。 叉尿量が僅少なために起るクリアランス値計算上の 誤差を少くするために実験開始の30∼60分前に30∼50 ml/kgの水を自然飲用又は胃管からの注入によって与 え,出来るだけ尿利の状態で実験出来るように努めた。 斯うして得た各尿試料及び血液試料のクレアチニン 測定値より外因性又は内因性クレアチニン・クリアラ ンスによる綜団体濾過量(GFR)及び毎分の平均尿 排出量(UF)を算出した。犬の懸毬体濾過量の表示 としての内因性クレアチニンeクリアランスに就いて は異論18)もあるが,Schettler等13)の研究を参照し, 且我々自身の実験的経験により其の利点を認めたので
Ryoji K凪UCH亙(Dept. of Physiol., Tokyo Wo皿en’s Med. Coll.)&M[asako C HIBA(Dept. of phy− siol., Tokyo Med. Coll.) : Studies on the changes in the renal function following electrically induced convulsions. Part 1 . Changes in the urine flow and the g]omerular filtration rate in dogs.
主としてこれを採用した。血漿及び尿のクレアチニン 定量はFolin法の変法とも云うべき太田lo)の方法に従 って行った。 猶,頭部通電によって起る腎の水分排泄機能の変化 と神経性及び内分泌腺性又は体液性効果とが如何なる 関係にあるかを分析するために,急性又は慢性に内臓 神経,腎神経叢及び副腎等の何れか,:叉は其等の全て を手術的に除去した後の犬に就き同様な実験を行っ た。
実験結果
(A)対照実験例(7例,17回) 通電操作だけは除き其の他の点では通電実験の 線画と全く同様に犬を取扱つた対照実験は馴らし た無麻酔犬3匹につき12回,麻酔犬4匹につき5 回行った○その代表的実験例は第一表及び第1図 に示す如くである。 全実験例につき其の結果を通覧すると,オウロ ag一一表 対照実験代表例,本文参照…D・、M晦幡陥搬。翻鑑)(盃駈,
t i I. ..t.一..一一.m.eL一.“−−L/ .一一.一.一.TT.r.一1..一r一....r..一...一..M.1.一r−T一一UF
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1 78.8 1 3.1 83.0 i 4.9 69・7 1 一ft・9 158 170 223 一一一一一一 1 Endogenous creatinine 25 1−7 17 Exogenous creatinine 1) 23 + i 2) 26 800 ml 3) 29 i 4) 30 39.1 41.9 42。2 38.8 63.0.m
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一 一.1一一一 一 .一 314 1 Endogenous ?一92 creatinine 272 ’: 1 1 i e I .... 一...=..= 1 1) 36 200+高?i 2) 36 3) 36 36. 7 34. 1 31.8 ..h1
第一図 対照実験例(第一表No.1麻酔犬)罰
g. a, 1・:一se i. Sr一 ,, /t io s隻20 40
60 en tOO MIN. パンソーダの麻酔は馴れた無麻酔犬の揚合に比べ ると利尿を抑制する傾向が認められた。併し共の 程度は恐らく麻酔の程度と関係があるらしく,例 えば第一表のNQ.1(第1図)の例にも見られる ように抑制の程度の著しくない場合もあった。何 れにしても,オウロパンソe一一 Ptの麻酔でも其の深 さが軽度で而も同程度に維持された状態では,馴 れた犬の無麻酔の鳥合と同様に2∼3時聞にわた る実験経過中尿排泄の速度の動揺が左程激しくな V・こと力弐わカ〉つた。 叉,凸凹体濾過量は同一の犬でも例えば第一表 No.1に見られる様に共の臼其の日の不定な条件 によって著しい差を示すが,同一実験日の2∼3 時間の経過中では無麻酔犬及び麻酔犬共に,水投 与の有無に関係なく,又毎分平均尿:量の自然の動 揺の如何に拘らす略t幽し,動揺は僅かに過ぎな かった。殊に麻酔が一定に保たれた状態では綜毬 体濾過量は無麻酔犬に於けるよIJもむしろ安定し ていることがわかつ:た。 以上の如く2∼3時間の対照実験の経過申では nt idO8g .n“麻酔の有無に拘らす共の腎水分排泄機能に著しい 変動のないことが明らかとなったので,頭部通電 の効果を捉える場合この点を問題にする必要はな v、と,思われた。 (B)正常犬の頭部通電例(7例,7回) 無手術の正常犬で通電した実験は無麻酔犬2匹 につき2回,麻酔犬5匹に就き5回であった。同 程度の通電:量に対しても麻酔の場合は其の深さに よIP運動性反応の程度はまちまちで無麻酔の場合 と同様な定型的間代性痙攣の持続する場合もあれ ば,強直性痙攣のみに止った場合もあった。第二 表及び第.2図に其等の各々を代表する実験例を示 した。 その全実験例を通じて認められる共通の事実は 第二表 無手術犬の頭部通電代表例,本文参照 i i I
Pog NrNa「cos’r Wate「 Condition &Responses
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No. 1 十 I ll No. 7 i : + …「AC−60 V for 5 sec、
{Duration of convul一 }sion t 90−120 sec. 1釜乙・銀三聖u留: iStrug91ing after LM 隠yperpnea(+) Colnatose s亡ate(一)
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Period(min.)1(ml/min.) i(mlfmin.) ’[ UIP L Remarks 1 1) 20 ll 、,撚、{ it’trb’r7’3rrmMi’n一.[i 3) 29 i 4) 29 5) 31 1 li AC+1’OO V for s sec.1 1) 26 1 1 十 iPurationn.. of convul−1 2) 29
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1−7 O. 25 0. 40 1. 05 8 8 8 55 55 35 ’ 2・2 153 80 31 1 Endogenous creatinine F l I L..”一一 .. , ..一. 1 i Endogenous creatinine 第二図 無手術の頭部通電実験例 so 歪 i. 40 ¥’ 1/ 3c /E..1’20 荏 婁 e 10 GFR A:第2表No.1麻酔犬 。 み ゆむ ↓ UF 20 40’ 60 eo 100 MIN. 第二表及び第2図からもわかるように,通電後渡: 初の20分以内のクリアランス時間中に現われる尿 量及び綜毬体濾過量の著減であって,共に此の時 香 皇、。 5 1・lsc 3,g・,, .d :ilゆ
拶 o GiR B:第2表No.7麻酔犬 AC 40Vs ,.
膵?o 40 60 co tOo MIN.
全実験経過中の最:低値を示し,水分濃縮度(U/P)
は通電前の7∼14倍に達し,諦念体濾過量は通電 前の%乃至%に迄減する揚合もあった。其の後の
経過に於いては綜此体濾過量は常に次のクリアラ ンス時間以後は逓電前のレベルに復したが,尿量 の方は其の後も猶減少したままで,通電後1∼3 時間以内に徐々に原のレベルに戻った。即ち尿量 の変化は綜毬体濾過量の変化とは平行せす,より 長びV、た経過をとり,水分濃縮度の変化と晶相伴 って推移した。 此等の変化の方向は麻酔の有無に拘らす同一で あるが,その変化の程度及び時面的経過は一般に 通電量,麻酔の有無及び程度に相応する痙攣の強 弱と略平行した強さの差を示した。例えば第二表 のNo.1の無麻酔例(第2図)と麻酔例及びNo・7 の麻酔例(第2図)の三つを比較すると明らかな 様に,通電量が少かったり麻酔が深かったりして 反応が弱く,強直性痙攣だけしか起らなV・場合は 綜自体濾過量には殆んど変化なく,尿量減少及び 水分濃縮度の増加だけが上記の如くあら頼し,而 も共の持続も比較的短くて1時間以内で原のレベ ルに戻った。他方無麻酔であったり,叉ぽ通電:量 が十分であったりして反応の程度強く,典型的な 塾代性痙攣及び無呼吸等の顕著な呼吸変化のある 揚合には持続の長引く強v・尿:量減少の他に前言己の 如き懸同体濾過量の減少が起つた。 以上のことから頭部通電による尿:量の減少には 水分再吸収の増加と綜毬体濾過量の減少とが夫k・ 互に独:立:して関与し得ることがわかった。 (C)諸種手術後の頭部通電例 頭部通電により綜無体濾過:量に変化を生じ得る 要因として特に内臓神経一副腎髄質を介ナる髄質 ホルモン分泌効果,腎神経叢を介する」血管収縮神 経効果が其の腎循環に及ぼす影響を通じてどの程 度に関与しているかを知るために,次の如く諸種 の手術を施した犬につき同様な実験を行った。即 ち,無麻酔及び麻酔の急性両側副腎結紮犬各1匹 につき各1回。無麻酔の急性両側内臓神経切断犬
1匹につき1回,慢性両側内臓神経切断犬2匹
(手術後10∼38日)に就き無麻酔で2回,麻酔下 で1回,急性両側腎神経叢切除犬1匹につき麻酔 下で1回,慢性両側腎神経叢切除犬2匹(手術後 2∼7∼26日)に就き無麻酔で1回,麻酔下で2 回,無麻酔及び麻酔の急性に両側内腕神経,腎神 経叢及び副腎を同時に除去した犬冬1匹につき各 ユ回,の各種:に就いてであった。 第三表及び第3図には其の実験結果の代表例が 第3図 諸種手術後の頭部通電実験例 A:第三表No.6無麻酔犬,両側内臓神経切断後1⑪日目 AC IOOV 60 E・ 垂・・i
峯♂。 嚢1,。 長1 20 e“@p
o or’R B: 毒 し コ 妻 コ あ のわ 。量 駐玉 隻巳 薯E2。 琵三 己 幌i
cr so 書 1O.’ 40 eo to teo eo “m. 第三表No.8麻酔犬,両側神経切除後2日目 GF’R VF 6 0 ハ ゆ り 旦 ”th”mb黶D.。。a・・一”at−v・㌍勘幽騨 養 三 塁 di 20 40 6D so )oo 姻蓼撹、 C:第3表No.9麻酔犬,両側腎神経切断後7目目 so 4Q 誇・。震
謬鍾 琵2。 己 に 垂 to o GFR ハ くめt
騨 so き 遷・・ //“ se 勤 3’2.zo 鷲 1一 io G o2’o io’ de ib 一 60 i50 y,N.
D:第3表No.10無麻酔犬,両側内臓神経, 腎神経及副腎切除後2日目 優勾 ムじゅむ ↓ 20 ⑩ 60 80 100 120 何O 晴O齢1髄 ’ H .“’90 一
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fi d A 示されている。これによると,前記二種の変化の 中,尿量減少は内臓神経,腎神経叢及び副腎の有 無とは無関係に必発し,其等の全てを手術的に除 去した後にも同様に認められた。叉懸毬体濾過量 の減少は内臓神経文は腎神経叢を除去しても,副 腎を除外しても,手術前と略同程度に起つた.ばか りでなく,此等の全てを除去した手術後にも.程度 は明らかに弱まったが,矢張り認め.られた。 一2.ql一考 察 上記の如く正常犬の頭部通電による全身痙攣後 には腎水分排泄機能に二つの反応様式が認められ た。一つは通電効果が弱く痙攣が軽度で,強直性 のみに止まった揚合に見られるもので,縣無体濾 過量の減少を伴わぬ,水分再吸収の増加である。 〔第二表No.7(第2図)及び第三表:No.8(第3 図)〕。 他の一つは刺戟効果が強く,無呼吸に続く呼吸 促進を伴う激しい癩面様痙攣の起る吐合に見ら れ,縣毬体濾過量の著しV・減少の加わった水分再 吸収の更に強い増加である。〔第二表:No.1(第2 図)及び第三表:No.8(第3図)と:No.9〕。そし て此の後者の気合も懸毬体濾過:量の減少が通電後 最初のクリアランス時闇にだけ起るのに対し,水 分再吸収の増加は其後もなお続き,両者の経過が 平行し合わなかった。殊に注目すべきは第三表 No・6(第3図)及びNo.8の無麻酔例に於て尿量 減少又は水分濃縮の最大が綜毬体濾過量の減少期 に於てではなくて,むしろそれが恢復した最:初の 時期に現われ,ていることである。そして第2図及 び第3図の示すように,此の第二の反応様式に煽 ては一般に水分再吸収は量的には,綜毬体濾過量 が減少から恢復した此の時期に最:大となって揃わ れ,ている。 上述したことから,頭部通電による腎の水分排 泄の減少に関与する切盛体濾過量減少と水分再吸 収増加の二つは夫k一独立して起ってV・ること,及 び両者の中,前者よPも後者の方がより容易に且 より強く反応することがわかった。 この揚合,水分再吸収の増加が何によつて起る かに就V・ては以上の実験結果だけでは確言出来な いが,綜立体濾過量とは無関係な,それよりも敏 感な反応として現われて居り,且第三表に示す如 く内臓神経,腎神経叢,及び副腎の有無とは特別 の関係がない点で,脳下並体後葉の抗利尿ホルモ Vの分泌充進によることが考えられ.る。そして其 れが起る機制としては,Verney22)∼24)のOsmor− eceptorの説が知られてV・るので,頭部通電によ る一・一一次的な中枢性刺戟効果の他に,無呼吸を伴う 全身筋痙攣によって起る二次的な体液性反射要因 8)緬エ漿のクロ・一ル及び滲透圧の増魚影)も見逃し 難V・。併し第二表No.7の例が代表するように, 通電効果弱く,筋運動の軽度な揚合にも顕著な水 分再吸収の増加があることは通電が中枢を直接刺 戟して後葉ホルモン分泌を容易に起すことを思わ せる。猶,Taylor2i)等は人間の電撃療法後にそ の尿中に抗利尿ホルモンの増加を見出している。 縣毬体濾過量の減少につV・ては,それは前記の 如く通電効果強く,呼吸の変化及び間代性痙攣を 伴う激しい全身痙攣に於いてはじめて起つたが, その勘合一般に血圧は上昇2・20)を示し,出1虹性乃 至外傷性ショックの場合の如き下降2〕5)14)は見ら れないから血圧とは関係のなV・ことがわかる。他 方交感神経副腎髄質系の興奮経路を遮断した第 三表No.10の例,即ち内臓神経,腎神経叢及び副 腎を同時に両側性に除去した揚合にも,程度は弱 まるがなお明らかな減少が認められた。このこと から交感神経副腎髄質系を介する腎循環えの影 響以外の要因も亦聖柄体濾過量の減少に一部関与 していることが予想される。それには恐らく無呼 吸及びそれに続く呼吸促進を伴った全身痙攣によ る血液ガス含有量の変化(酸素不足,炭酸ガス増 加等)の腎一蓋t管に対する直接作用が関係あるもの と思われる14)。叉其の他に,痙攣期に:於ける腹腔 内圧.ヒ昇7)20)によっても綜球体濾過量の藤壷が起 るごとが考えられる。抗利尿ホルモンは犬の生理 的範囲内の分泌量では綜毬体濾過量には影響なV・ との実験結、果ユ9)もあるので,その減少がこのホル モンの上述の如き分泌充進によって起つたものと は断定.し難い。 第三表の各種代表例の示す如く,腎の神経支配 を慢性に除外した条件では頭部通電による縣浮体 濾過:量の減少が極めて強く,通電前の値の%以下 乃至%にも及び,無手術の正常犬の揚合と大差な かったが,これに更に副腎切除を附加したNo.10 の例では典型的な全身痙攣にも拘らす,通電後最 初のクリアランス時間に於ける綜魚体濾過量の減 少は軽度で,而もそれに続く次の時期にはむしろ 増加が起っている。このことは別報8)の如く頭部 通電による全身痙攣後に起る1血糖値上昇に副腎が 主役を演じていることと窒息の際髄質ホルモンが 多量分泌されることを12)比べ合せて,この際の綜 献体濾過量の減少にも副腎,特に共の髄質が関係 しているごとを、思わせるσ 一方Corcoran等5)はtourniquetショックの 朝畑起る綜身体濾過:量の減少は腎1重エ流速度の減少 によるもので,この減少に対して,血圧の下降や 一 292 一
.ヘマトクリジト値増加による血液粘度の上昇,腎 神経を介しての腎.血管の縮少は,僅かに関与して い.るに過ぎす,むしろPage11)の所謂ft vasocon− o・ trictor substancefiを重視して居るが,頭部通
電も他のショックに似た生体反応を引起す事実を 考えると,上記のPageii)がtourniquet,火傷 性,出血性ショッ.ク等の後に血液潤て:検出される ことを示している物質,即ち人聞や家畜の高血圧 症の.血液中の.由L管縮少物質やヒスタミンと異り, 而も腎,. 寳tに由来するのではない体液性(p.血管 縮少物質の役割を我k’の取扱つた電気シ・ックの 場合にも考慮せねばならないが,この点は今後の 実験を挨たねば’ならなV㌔ 要 約 犬に於いて通部通電を行い,腎の水分排泄機能 の変化を追究し,次の結果を得た。 1)典型的な癩痢痙攣後には尿量.及び綜三体濾 過量の減少が見られた。 2)強直性痙攣のみの一場合には一般に尿量の減 少だけが観察され,た。 3)この尿量の減少は内臓神経,腎神経叢及び 副腎の除去後も正常犬と同様に起つた。 4) 綜三体濾過量の減少は内臓神経,腎神経叢 等の除去後も正常犬と略同程度に起つたが,これ に更に副.腎除去を加えた犬に於いては程度は少い が矢張り観察された。 5)此等の実験結果からこの二つの変化に関与 するいくつかの要因についての考察を行った。 文 献 1)千葉正子,菊地鐙=;実験的癩矯痙攣に於ける 腎機能の変化に就て,第二報,犬に於ける血圧及 び腎容積の変化,未発表。
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