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黒心可鍛鋳鉄の第二段黒鉛化機構の研究

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u・.D.C.d占9.112.247:るる9.131.84

黒心可鍛鋳鉄の第二段黒鉛化機構の研究

AStudyontheSecondStageGraphitizationofBlackHeart

Malleable

CastIron

Gosaburo Inagalくi

郎*

治**

Kenji:Kondo 内 容 梗 概 黒心可鍛鋳鉄の第二段黒鉛化におけるオーステナイトの直接変態および間接変態について調べるため に,自銑を第一段黒鉛化終了後変態温度範囲ならびにそれ以下の種々の温度に保持しあるいほ同温度範 囲以下を徐冷して,その間におけるオーステナイトの変態の開始および進行の状況戸、ら,7・→什十G・ r→α+CおよびC→α+Gの3反応の特性ならびにそれら相互間の関連を明らかにした0この結果か ら第二段黒鉛化に関する「温度一時間一変態」緑園を作成して示すとともに・第二段黒鉛化がオーステ ナイトの再拝変態によって間接変態によるよりも短時間で終了する場合があることならびに安定系変態 温度範囲の下限付近を適当に小さな速度で冷却すると直接変態のみによってすみやかに第二段黒鉛化が 終了することを確めた。これらの事実から黒心可鍛鋳鉄の第二段果釧ヒにおいてオーステナイトの直接 変態が重安な意義をもっていることを明らかにした0 1.緒 言 鋳鉄中のオーステナイトからフェライトとグラファイ トが析出する過程には次の2種類があることほ広く知ら れている。 オーステナイト(7う→フェライト(α)十グラファイト(G) オーステナイトの直接変態 オーステナイト(7一)→パーライト(α十C) セメンタイ1、(C)→フェライト(α)+グラファイト(G) オーステナイトの間接変態 これらの変態に関してほ従来多数の研究(い(21'が行われ ており,それらの■t-一にほ間接変態のみを取り扱っている ものもあるが,大多数ほ直接変態と間接 態の両者が行 われることを明らかにしている。たとえばH・A・Schw-artz氏(1)(3),杉および塩谷両氏(5),J.E.Rehder民ら(9)(13) ほ黒心可鍛鋳鉄製造の焼鈍過程において,第一一段黒鉛化 終了後その温度から第二段黒鉛化温度まで徐冷したとき に,間接変態に先だって直接変態が開始しフェライトの 析出が進行していわゆるBull's eye 組織を生じ,さら に温度が低くなると残っているオーステナイトの間接変 態が開始することを示している。 思心可鍛鋳鉄の製造における焼鈍時間を短縮するため にほ,これらの2種類の変態の特性を十分に把握してそ れらをうまく利用することが必要であるが,黒心口J鍛鋳 鉄についてF.8rown氏(15),二川および岡林両氏(18)†(21) 球状黒鉛鋳鉄についてF.Brown,M.F.Hawkes(14),川 井および小南両氏(17)らがそれぞれ 実よ を行って作成し た「温度【時間一変態」線図によると,直接 日立金属工業株式会社深川工場 日立金属工業株式会社桑名工場 態によつ て間接変態によるよりもすみやかに第二段黒鉛化が終了 する場合があるごとは注目に値する。すなわち従来とか くパーライトの分解によって進行するものと入なされる 傾向の強かった第二段黒鉛化において,直接変態をより 重視すべきであると考えらカ しる。 筆者らは上に た考えに基き,黒心可鍛鋳鉄の第二 段黒鉛化におけるオーステナイトの直接変態ならびに間 接変態について調べる目的でこの研究を行った。

2.実

験 方i去 黒心可鍛蘭鉄川自銑を第一段黒鉛化終了後変態温度範 囲ならびにそれ以ドの種々の温度に保持しあるいほ同温 度範幽以下を徐冷して,その間におけるオーステナイト の 態の開始ならびに進行の状況を顕微鋲組織によって 調べ,7・→α+G,7・→(r十CおよびC→〔l⊥Gの3反応 の特性ならびにそれら相互間の関連を求めたこ 2.1試 砲金の配合を 料 屑50%,鋼屑35%,銑鉄15% とし てキュポラー電気炉二重式熔解法で熔製した熔湯を生砂 動こ鋳込んで10m叫・ち×250mmの自鉄棒を作り,これ を脱炭防止剤 と と もに 試 用ポットに詰めてバッチ型第 一段焼鈍炉で第一段黒鉛化のみを行わせた後空冷し,こ れを長さ15mmに切断して試料とした。この白銑の化学 成分を舞l表に示す。 2.2 置 第1図にその概略を示したように,高温用および低温 第1表 試料の化学成分(%)

(2)

昭和33年7月

終電対 熱電灼 /符 2′桝瑳ノ′′`√γ/方′ ◆■, こ■■'-■ .t: ●■● ■■■● ●●. '1-● ∴●: l二 ..、;-・こ= ・.-、i ●-■ -ヽ■■ 〝・ガ`′′′ノ ‥tot■, ヽ■ ○■○一 ㌔Lt∴ ・ヾ、 t.■ニ r†-■℡ ■'▼`▼●ヽ ー■■●・く ○-○■■q ■■--●■■ -■l-・、・ ■t■▼-1、 J紗 1 由 ミ・∴>.′-■■・r■ニ 10_・,

・'ミ。ニJ・-国

∴ ●..・クこ>・ 、■さ● てと、・.一′ 寧 ∃.掠._ 一ぢ克「.i_ 必 第1同 熱 処 邦 炉 用として2基のニクロム線抵抗炉を使用し,後者の小に 鉛の容品が3・3kgのNo.3ノ R鉛るつぼを入れて鉛硲を作 った。・高温炉の温度調節ほゴニ30Cの精度で行った。また 低温炉の鉛浴温度ほ1DCを1目盛にしてある特殊精密型 温度計に で行った1 し,その調節は±10Cの 2・3 顕微鏡組織の求め方 オーステナイトの変態における行幅の反はの開始およ び終了 問ならびにその進行状況ほ前に述べたとおりす ベてそれらの試料の顕微鏡組 によって判定した。各試 料においてわずかな脱炭の影響のふられる周辺部と小さ なクサレの存在Lている中心部との中間の部分でほ組織 ほほとんど牲一であり,この部分で綾鏡および麒微鐘組 織写真の振影を打ったり 顕微鏡組織のマトリックスを構成しているオーステナ イト(写真の上ではマルテンサイトであるが,変態時の温 度ではオーステナイトであったもので,説明の際の便宜 上本文中ではいずれの場合にもこう呼ぶ),フェライトお よぴパーライトの奇相の量を求めるのi・こほ,R,C.Sbnay 民ら(16)によって紹介された直線法(1inealmethod)を 用いた。

3.実験結果と検討

3・lオーステナイトの恒温変態 試料を安定系変態温度範囲ならびにその下の種々の温 度に保持した場合におけるフー→′r+G,7一→(r+Cおよ びC→什十Gの3反応の開始および終了時間ならびに時 聞一進行率の関係を めナニ。 3.1.1燕 処 二哩 共析炭素濃度をもった均一なオーステナイトマトリ ツスを得るため,第2図の熱処理顧僧ト1に示すよう に9500Cに保った高温炉中に試料を投入して20分間 保持Lた後,約18分で8100Cまで冷却L・この温度に

号(第3集)

高温炉 戯7㍑分 日立評論別冊第24弓・ 〟分 (紗棚分 7形 邪 十十 壁材 粥御 ∵ 珊 瑚グ 鉛 浴 フ /'グ ーブ ♂ ∫ √ ア ♂(ヴ 〝 開 聞(カ) 第21¥l熱 処理祝園-1 30分間保持Lて過共析セメンタイトの分酢とオース テナイいrlの擬 度の均一化 を行つ た。このように してオーステナイト化Lた試料を次に700,710,720, 730,735,740,750,760,7700Cおよびそのほかの各 温度に保持した鉛洛中にすみやかに投入して,その温 度でオーステナイトの恒温変態を行わせ程々の時間経 過した後引=して水冷したJ 3.1.2 うな熱処押を子_fった多数の試料の麒微鑓組 織の申の代表的なものを弟3図の写貞01\・73にべ-ミし, 各写真の番けの右に各温度における保持時間を;子己入す るとともに,i′→(r十Gおよぴフ′→√l斗C両kはの開 祈の-認められる写真を明ホした。またこれらおよぴそ のほかの多数の写真から,各温度における;・・→√r十G l由とこのl 称殆および終 r,7・→α+C反応の閻魔ならび にC--→什÷G励己この終了の各時間を示すいわゆる「温 度一時間】変態」線図を作成して第4図にホL-た。な お川固から安定系変態温度範朗の上限, 卜l揖および準 安定系変態温度範囲の下限の芥温度を求めて図r「1に記 入してある√_弟3図および弟4図に見られる組織変化 からわかったh記の3瞳類の反応跡粕l′1ミならびにそれ ら札拍二間の閥適艮要約して次にホす._ (1);′→′l十G反応ほ700DC程度の比較的低温度で は10秒前後のごく短時間で開始するが,温度が7〔青く なるに従ってその開始時間は許しく長くなり,7700C でほ約4時間におよぶ〕この如己くの進行速度ほ温度 が低いほど大きいので,反応の終了時聞ほその開始 時間とト 司様に比較的低温度では短く,たとえば740DC でほ約5時間であるが(7400C以下ではさらに短時間 で終了するはずであるが,途中でフ・→(r十C反応が 開始することによって中断されるので測定不可能),

(3)

保持温度(℃)

轄漕

王▼

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71,2時間 72,4時l川 γ-ナ(r+・G一関始 73,8時問

・こ?■㌣iて

..._≡…妻、 ■ 61,1時m γ→・α+G開始 (この列以 F全部同じノ 62,-1畔l ≡.り 63,E時間

ヰ.主こ二叫こ丁・二i-・ザ

、二・還・∴..-∴._

卜 ■‥・-こ■ 一1

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・.き.ム.】≠‥;ノ;‥

51,20分 52,4時間 53,10時間 ∴∴ 保持温度〔℃)

要さ.二三三・….・三三・一子..・・・_.・…

▲■い.蓬至\」

31,1 γ一α+G (この列以卜1 い 合同 分剛澗 32,20分 γ・・→α+C開始 この列以下全部同し∵J 33.4時間 21,1分 22,5介 23,・=咋閏 11.30秒 12,1分 13,4時間

トざキ†干:..t.:■■

:ご十・ニチ:●.、

41, 5分 42,2吋問 43. 4時間

妄∴志.∴..て

弓籠

ヽj

、 -:i6,2分 37,30分 r一→・∩十C開始 温度が高くなるに従って ノ\\ な するのに約14時間を要する。 38,4時間 7500Cでは終了

し 01,10秒 02,3ぐ秒 e3,4時間 写真01∼73 倍率70× 写真番号の右は各温度における保持時間 吊3tズlオーステナイトの恒温変態による組織 変化 弟4図に示したr→α+G反はの開始ならびに終 了曲線から,この 料の安定系変態温度範囲すなわ

(4)

昭和33年7月 β♂β 7タ♂ 7ββ 77♂ 7J♂ ● 、 墜:W r- 7Z♂ 〃♂ 7♂β 、、 、、 金

号(第3集)

日立評論別冊第24号 β/ 郎■ +JリJび瓜/ Z J ∫ ββ g♂ 〟」紺〃/卯 脚 胡 仰鮒仰 E寺 闇 (励) 第4図 オーステナイトの変態の「温度一時間一変態」線図 ちr+α十G三相平衡共存温度範囲の上限および■ 卜 限温度はそれぞれ約7800Cおよび7608Cと推定され る。この安定系変態温度範囲からの過冷度が増すに 従って7■→α十G反応の開始および進行がすみやか に行われることが明らかである。 (2)フ′→α+G反応によるフェライトの析出ほ第 一段黒鉛化によって発生した黒鉛粒とオーステナイ トとの境界部のみならず,オーステナイトの 界にも起るが,その成長速度ほ前者の場所における 方がはるかに大きい。 (3)7350C以下でほフ′→α+G反応の開始後その 終了に先だって7ノ→α+C反応が開始し,これはフ`→ α+G反応よりも大きな速度で進行して短時間で終 了する。このr→α十C反応の開始および終了も7` →α+G反応のそれらと同様の傾向を有し,7000C 程度の比較的低温度でほ30秒以下の短時間で開始 するが,温度が高くなるに従ってその開始時間ほ長

くなり,7350Cでは約30分である。同反応の進行速

度が大きいためにその終- r曲線を求めることはでき なかったが,これほ開始曲線の近くの右をほぼ平行 して っているものと考えられ る。この結果とE.S.Greiner氏 ら(22)の示している鉄一炭 珪 素系状態図とを照合して,ニの試 料の準安定系変態温度範囲すなわ ちr+α+C三相平衡共存温度範 囲の下限温度は約7500Cと推定さ れる。その上限温度ほこの 験か らは明らかでないが,約760CCで あろう。 (4)7000Cでほプ・→什+G反応 が開始してから7・→rl+C反応が 開始するまでの時間が非常に短く へご 」ヽ爪り〔G訃K卜、=「 〃リ バソ 〃レ ■▼ ▲、1 . 〃リ 〃リ 〃レ (U n.β ′・J ′〃 フ」 パリ ′〃ノ ノ㌻け 約20秒以下であるため,その間にフ → α十G反応によって析出するフェライ トの量ほごくわずかであり,ほとんど 大部分のオーステナイトはパーライ† 化してしまう。しかし温度が高くなる に従って上記の両反応の開始時間の間 隔が長くなるため,r→n■十Gは応に よって析出するフェライトの最が漸次 増加し逆にパーライトの追は減少し て,7■→α十C反応の起る温度の上限 に当る7350Cでほ,同反応開始時のフ ェライIの量ほ約40.%となり,この反 応によってパーライト化するオーステ ナイトの量は約60%になる= (5)7350C以下ではr→α+C反応が7 一→・〃+G 反応より早く開始しないかぎり,直接および間接の 両変態が起るが,温度が高いほどC-→′l十G k応に よって分解すべきパーライトの量が少な一く(温度が 高いほと∴′→α+C 反応開始時のオーステナイ1、の 量が少なく, ま た 反応 の 、さいのでこ れと併行してフ・→α+G反応も同時にある程度進行 するため),またその分解速度が大きいために,第二 段黒鉛化は低温度におけるよりもすみやかに終了す る。たとえば7350Cではその終了時間ほ約8時間 で,これは7450C以上において直接変態のみによつ て黒鉛化が終了するのに要する時間より芙豆いが,ほ とんどまったく間接変態のみによって黒鉛化が行わ れる7000C付近では14時間経過しても約40%Lか 進んでおらず,その終了にはおそらく数十時間を要 するものと思われる。 (6)7-・→α+G反応の進行過程中を通じてオース テナイト相とフェライト相との晩期・ま終始非常に明 瞭である。他方C→α十G反応の進行過程中におけ るパーライト相とフェライト相との境界ほ初めのう 、 ● 、 、 、 一 己責 苛/仰′り 第5図 7一→α+GおよぴC→dJ+G両反応の時間一進行率祝園

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男心可鍛鋳鉄の第二段黒鉛化機構の研究

ちは明瞭であるが,パーライ ろから次第に不明瞭になる.。 化し始めるこ 各温度において種々の時間恒温変態を行わせた多 数の試料の顕微鏡組織写真についてマトリックス中 のフェライトの面積百分率を測定し,その結果によ って作成したr-→・α+GおよびC→(t+G両反応の 各温度における時間-- 行率関係税図を弟5図に示 す。100%からこのフェライトの面積%を差引いた 残りがマトリックス中におけるオーステナイトとパ ーライトの面積%であることはいうまでもない。前 に述べたように,パーライトほ時間の経過に伴って 分解すると同時に球状化してフェライト相との境界 が不明瞭になり,さらにその携度が小さくなるので, その面積の測定が困難になり,その上測定値にかな りの誤差が伴うことほ けられない。このため弟5 図ではその付近を点線で示してある。 弟5図から,オーステナイトの直接変態のみによ って第二段黒鉛化の行われる740∼7700Cの範l却で ほ,温度が高くなるに従って7・→α+G反応の開始 時間が長くなるとともにその進 ■、\ 小 さ し 著 が 度 くなることが明らかである。7350Cの曲線は初めの うちは7400Cのそれより高いが,約30分後に7■→α 十C反応が開始するた捌こ Fへ反って約1時間後に は逆に低くなる。710∼7350Cの4曲線ほ約1時間経 過した後互に交叉しており,フェライト量ほそれよ り前では温度が低いほど,またそれより後ではまつ たく逆に温度が高いほど多い。これほ間組度範l紬こ おいては温度が低いほどi・一→(tノ+G反応の開始時間 が短くさらにその進行速度が大きいた捌こ7′→α+・ C反応が終るまでのフェライトの析出量が多い反 面,いったんオーステナイトが完全にパーライト化 してしまった後においてほ,温度が高いほどC・→α +G反応の進行速度が大きいためである。7000Cで ほ7一・→α+G反応がごく短時間で開始してフェライ トを発生するが,その後でただちにr→α+C反応 が開始しC→α+G反応の進行 いため, フェライト%の増加は非常に緩慢である。 以上に述べたオーステナイトの恒温変態に関する 験結果から,ここに使用した試料でほ第二段黒鉛 化ほ約7400Cで直接変態のみによって最も短時間内 に終了し,また740、7450Cでほ直接変態のみによ り,735∼7400Cでほ直接および間接の両変態によつ てそのほかの温度におけるよりも短時間で終了する ことが明らかになった。 試料の化学成分,柑こ炭素あるいほ珪 の含有量 が異なれば,安定系および準安定系の変態温度範囲 ならびに各反応の開始時間おユび進行速度が相異す るため,舞4図にホした脅反応の開始および終了曲 線の位置ならびに形状は当然異なってくるであろ う。そのほかに熱履歴あるいは屠仁一段黒鉛化終了時 における焼鈍炭素の分布などもその後の変態におけ る各反応の進行速 にかなり大きな影響を及ぼすと 考えられる。これらの諸岡子の影響によって第二段 黒鉛化が故も短時間内に終了する温度も相異してく るわけであるが,...I二記の化学成分の影響については 現在引続いて実 を行っている。 3・2 オーステナイトの等速冷却中の変態 上に述べた恒温変態の実験結果からこの試料の第二投 票鉛化は735∼7450Cの温度範囲内において最も短時間 で終 rすることが知られたが,黒心可鍛鋳鉄の製造にお いて焼鈍炉内各部の温度を均一にこの範l胡内に保持する ことほ非常にむつかしく,さらに化学成分の異なる自 が炉内に一緒に装入されていてこれらのおのおのにとつ ての最適温度範囲が相異していることを考え合せると, それらのすべてに共通な最適温度範囲を見出し炉内温度 をその狭い範関内に保持することによって第二段黒鉛化 所要時間の短縮を図ることほほとんど不可能である。 このように非実用的な恒温保持によらなくても,その 最適温度範囲付近の冷却速度を十分に小さくすることに よって第二段黒鉛化を終了させられることほすでに1944 年に杉および塩谷両氏(5)によって見出されかつ実用化さ れており,現在の日立金属工 株式会社桑名工場の焼鈍 設備の主力であるトンネル式焼鈍炉による焼鈍法の基礎 になっている。 トンネル式およびバッチ式焼鈍炉における第二段黒鉛 化時間をより短縮するためにほ,黒鉛化を完了させるた めに徐冷すべき温度範囲と必要かつ最も有効な冷却 を知ることが必要である。前者については弟4図の「温 度一時間一変態」線開から約7500C以下の数十度の範囲 古5孟1上声 離徹'誹争 ′びカ ご膵 ク形 .ク紺 と、御 堪 無闇 算汐 ∵ 鉦汐㊥ 宣旨浴 博文ミ

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\\ \ \ ■\-\一 .'\J'\ ♂ / ∠ J ♂ J 〆 7 β ♂ 〝 開 聞(カ) 第6図 熱 処理線同一2

(6)

1i召和33年7月 16.0⊃C/1l 13.5つC/h 金

片〔第3集〕

口二村評論別冊第24シフ・ 却 11.0'C/b 速 8.5□C/h 6.5て/h 5.0て/h 蔓 惑 e 卑\ (U+ヱ+と+ゝ (U+ヱ+と ヽ. (U+と)+ら 11(7300C,75分〕 21(7300C,89分) 31(730qC,109分) 41(7350C・,106分′) 51(7350C,139分) 61(740qC,120分)

j学芸馬車ミ十ぶ摩・完;..ご

字義=・・ ;・こ‡∴ニー

It、■や

I

12(7250C,94分) 22(7250C,111分) 32(7258C,136分) 42(730DC,141介) 52(7300C,185分) 62(735DC,180分) 13(7200C,113分) 23〔7200C,133分〕 33(7201C,164分、J 43(′723コC,177)ナ〕 53(725つC,23り)) 63(730)C,240分)

監忘.-せ喪主誓ナ㌘._㌔、.・-てぜ●

聖霊享ぶき_..∫∴ギ長一--・き箋

14(705⊃C,167分〕 24(7C50C,200分) 34(7050C,246分) 44〔705〇C,318分丁〉 54(705つC.415分〕 64(7250C,300分) 写 自11∼6・l倍率70× サ薫香号の右のカツコ内は取り出し温度およぴ750ウCからその温度に通するまでの経過時昭 第7図 オーステナイトの等速冷上川】の変態による組織変化 と推定されたので,次に′正すような熱処理によって等速 冷却Lllにおける;・・→(t+G,;・→(t+CおよぴC→`r+G の3反応の開始,進行および終「の状況を調べた。 3.2.1熱 処.埋 第d図の 処理線図--2のように,讃摘朗往こおいて 熱処理線周一1の前半と同じ熱処矧こよりオーステナ イト化した試料を7500Cの鉛浴中にすみやかに移し, ただちに5.0,6.5.8.5,11.0,13.5および16・00C/b の脊冷却速度で鉛浴温度を低下させながら,740,735, 730,725,720,7050Cおよびそのほかの各温度に た時に「試料を鉛裕から取りJl=ノて水冷した。 3.2.2 上のような熱処理を行った多数の.試料の頻微鏡組織 の■いの代表的なものを第7図の写真11、64に示す。 各列の写真の_lエフJi・こ冷却速度を,各写一真の下の番ン;・の 右に取り川し温度およぴ7500Cからその温度に する までの経過時間を記入してある。各冷却速度を通じて 上から第1行の写頁は組織のマトリックスがオーステ ナイトとフェライトで構成されているものであり,第 2行ほ?一→α十G反応の進行とともに7・→α+C反応

(7)

黒心可鍛鋳鉄の第二段黒鉛化機構の研究

が開始進行した結果マトリックスがオーステナイト フェライトおよびパーライトからなるもの,第3行は フー→α+C反応が終了してマトリックスがフェライト およびパーライトからなるもの,また第4行はC→α +G反:応が進行中かあるいほ終了してマトリックスが フェライトとパーライトあるいはフェライトのみから なっているものである。 弟7図に見られる組織変化からわかった上記の3桂析 の反応の開始ならびに進行状況を要約して次に示す。 (1);r・→α+C反応によるパーライトの生成ほ冷 却速度が5.00C/b程度の非常に小さい場合にほかな りの時間遅れを伴いながらも恒温変態におけると同 に約7350Cで開始するが,それより冷却速度が増 大するに従いいわゆる過冷現象を起して次第に降下 し,11.00C/b 以_1二の冷却 度では約7250Cでよう やく開始しているソ ニの反はほ開始後おのおのの速 度で約50C冷却する間に終了し,冷却速度が小さく 8.5OC/h以下の場合には730、7250Cで,11・00C/h 以上の大きい場合iこは725、7200Cでオーステナイ トのパーライト化が終っている.。 (2)冷却 度が小さいほど,フー→α+C反応の閑 始するまでの時間が長くなりし′たがってオーステナ イ†がパーライトに変態せずに7■→a・+G反応を続 けうる時間が長くまた7400C附近でほその進行 が大きいため,r→α十C反応が比較的高配で始ま るにもかかわらず,そのときまでのr→(Y+G反応 の進行率が大きい。また冷却速度が小さいほど,よ り高温度でr→α+C.反応が開始してもその進行速 度がまだ小さく,それと併行してr→α+G反応が 大きな 度で進行し続けるので,この反応を終らな いで残ったオーステナイトから生成するパーライト の量は非常に少ない。その上7350C付近の比較的高 温度ではC→α+G反応の進行速度が大きいため に,パーライトは短時間で分解してしまう。 このような理由で,7500Cから5.0∼6・50C/bの小 さな速度で冷却すれば約4時間で730∼7250Cに至 るまでに第二段黒鉛化は約99・5%以上終了し,マト リックス中には弟7図の写真53あるいは63に見ら れるような微小なパーライトが小数残存しているに すぎない。結局5.00C/bの冷却速度の場合には第二 段黒鉛化は5時間で完全に終ってしまい,6・50C/b では約6時間で終了する。 これに反して冷却速度が大きい場合にほ,r→α +C反応の開始温度が低下してその間なおr→α+ G反応が進行するけれども,i■→α十C反応開始時 のオーステナイトおよび同反応終了時のパーライト ともに多く,またC→α+G反応の進行速度が低温 で小さくなるため,弟7図の写真14,24,34,および 44に見られるとおり冷却速度が大きいほど約7000C に七ったときの末分解パーライト量が多く,たとえ ば16.00C/hの場創こほ7050Cにおいて約30%のパ ーライトが残存しており,これはさらに冷却が続け られればこれ以上はほとんど分解せずに常温に到達 する。 上に たように約7500Cから5.0∼6.50C/h の 小さな速度で冷却すれば第二段黒鉛化は5∼6時間 ですみやかに終了するが,実際の焼鈍炉では炉内全 休を750∼7100Cの範囲のみこのように小さな速度 で冷却することほ ヒ不可能であり,その上下敷 十度を含めたかなり広い範囲を徐冷しなければなら ない。この上下の付加範囲は炉の内容物の熱容鼠 炉内各部の温度差などの炉の特性iこよって定まるも のであるが,この付加範囲が大きくしたがって小さ い速度で冷却すべき温度範囲が大きい場合濫は非常 に長時間を要しこの徐冷による方法の有利性が失わ れることになるので,H Fその対策を検討してい る。

4.結

言 黒心可鍛鋳鉄の第二段黒鉛化におけるオーステナイト の恒温 態ならびに 速冷却中の 態に関する 鹸を行 い,r→α十G,T→α+CおよびC→α+Gの3反応 の相性ならびにそれら札ほ間の関連について得た約束を 要約すると次のとおりである。 (1)オーステナイトの恒温変態に関する「温度一時 態」線岡を作成した。これからこの 料の安定 系変態湿度範囲の上限およぴ F限温度ほそれぞれ780 OCおよび7600C, 安定系変態温度範囲の下限温度は 7500C と推定される。

(2)温度が低いほど7一→α十Gおよび7′→α+C沌

反応の開始および終了時問は短くなり,C→rr+G反 応の終了時間ほ逆に長くなる。 (3)この試料の第二段黒鉛化は7400Cで直接変態の みむこよって最も短時間(約5時間)で終了し,また740 ∼7450Cでほ直接変態のみにより,735∼7400Cでほ直 接および間接の両変態によってそのほかの温度におけ るよりも短時間(約8時間)で終了する。 (4)7500Cから5.0∼6.50C/bの小さな 虔で冷却す れば5∼6時間で725∼710つCi・こ至るまでiこ第二段黒 鉛化ほぼとんど直接 態のみによって完了する。 (5)以上の事実から黒心可鍛鋳鉄の第二段黒鉛化に おいてオーステナイトの 直接 l、 -も を 義 鵜島 な 要 項 力 態 ていることが明らかである。 終りに臨み,本研究に対して御指導を賜わった日立金

(8)

昭和33年7月 金

号(第3集j

属工業株式会社杉取締役,小山課長に軌、感謝の意を表 すとともに,熱心に実験を遂行された福札井田両君に 心から感謝する。 参 考 文 献 (1)H・A・Schwartz.C.H.Junge:Trans.A.F.S., 44,507(1936) ) ) ) ) ) 4 5 6 7 00 ( ( ( ( ′′l\. 菊田:鋳物本質論,(昭一141業図書Ⅸ1Ⅹ.) H・A.Schwartz,Martin K.Barnett:Trans. A・F.S.,49,(1941) 南披:日立評論25,632(昭17-10) 杉,塩谷:日立評論27,305(昭19-5) 青木 岩瀬 日本金属学会誌11,23(昭22.) 鋳鉄黒鉛化問題の検討(日本金属学会) CharlesNagler,RelphL.Dowdell:Trans.A. F・S・,55,260(1947) J・E・Rehder:Trans,A.F.Sり57549(1949) A・W・Silvester:Trans,A.F.S..5751(1949)

エ宇、モ皇e洋二て-、誉-.二

機械部品"ニ

ッ カ ロ イ=

鉄,銅あるいほそのほかの金属粉末を金型の中で圧搾 成型しこれをさらに焼結して製品としたいわゆる粉末冶 金製品は"ニッカロイ"として日立化工株式会社東京工 場で生産している。"ニッカロイ"ほ大別して鉄系と銅系 の二種類ありいずれも含油軸受として各穐周途に使用さ れているが最近ほさらに機械乱打,に進附して注目されて いる・。現在機械郡品用とLて採用されているものの材駅 特性ほ概略弟1表のとおりである。 弟】表のKAおよびEPほ一一般機械部品として前者は 其輸または砲金に,また後者は鋳鉄に代わるもので寸法 も 0・05mm程度の精度が得られ強度をあまり必要とし ない歯車,スプロケットなどの_!壬ヒ産品に似JIJされていて ミリング,ブローチあるいほホブなどによる加工仕上を 省略しコスト引き下げに効果をあげている。なおEPほ 必要に応じて渉炭焼入することができオートバイi一対係の スプロケットなどに試験使什=ノて耐摩耗性などの点で炭 素鋼焼入品よりも良好な成績を示しているuまたERほ 通常の鉄焼結品(EPノが多数の微細気孔を残しているの に対しているのに対して,それらの気孔を銅などで埋め たち密なものであって引張強さおよび伸びが非常に大き いのが特長で,寸法精度をあまり要求しない場合に歓迎 されている。 以上いずれも工場の設備能力の点から圧粉成型体の大 きさが制限されるが断面積で30cm2以 F,高さ50mm 以 Fの品物の量産品に対し数が多ければ多いほどコスト 低減の効果が顕著である。 日立評論別冊第24号 (11)H.A.Schwartz,J.D.Hedberg,R.Eriksen: Trans▲A.F.S.,58578(1950) 2 3.4 1 1 1 ( ( ( l古T⊥B トト Rehder:Trans.A.F.S.,58298(1950) Rehder‥ Trans.A.F.S..59244(1951) F.Brown,M.F.Ilawkes:Trans.A.F.S. 591飢(1951) Floyd Brown:Foundry,81108(Oct.1953) RC.Shnay,J.E.Wilson,J.E.Rehder:Trans. A.F.S.d3457(1955) 川井,小南:日立評論371093(昭30-8)

K.Futakawa:Bulletin of Univ.of Osaka

Pref.Series A.5121(1957) 川,岡林 川,岡林 川,岡林 日本金属学会誌21,256(昭32-4) 日本金属学会誌2l,382(昭32-6) 日本金属学会講演(昭32-4),概要, 86 (22)E.S.Greiner, Alloys ofIron Hill)

J.S.Marsch,B.Stoughton: and Silicon(1933,Mc.Graw 第1表 ニッカロイ性能表 KAミこ銅系) EP(鉄系) ER(鉄系) 銅90,錫10 鉄細,銅2 以下 鉄75,銅25 7.0、7.5 6.0∼6.5 7.5∼7.8 40以上 60以上 20 120以上 第1図 ER 磯 嫉 第2回 EP 材機械部 J♂

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