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混合原子価カルボン酸ルテニウム二核と10族金属酸からなる混合金属錯体の合成と性質

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Academic year: 2021

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混合原子価カルボン酸ルテニウム二核と10族金属酸

からなる混合金属錯体の合成と性質

著者

河内 峻

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2017 年度 修士論文要旨

混合原子価カルボン酸ルテニウム二核と

10 族金属酸からなる混合金属錯体の合成と性質

関西学院大学大学院理工学研究科 化学専攻 御厨研究室 河内 峻 【序論】 混合原子価カルボン酸ルテニウム二核は,酢酸銅と似たパドルホイール型構造を取 り,π*軌道とδ*軌道の軌道上に3 つの不対電子を有する S = 3/2 の常磁性化合物である1,2)。この カルボン酸ルテニウム二核の軸位は,色々な配位子が配位できるため,連結配位子を導入する と容易にポリマー化が可能である。そのため,カルボン酸ルテニウム二核ユニットは多核ポリ マー形成のためのビルディングブロックとして用いることができる 3,4)。例えば,ピラジンのよ うな N,N’–二座配位子を用いるとカルボン酸ルテニウムと連結配位子が交互につながった鎖状 構造をとることが知られている。当研究室では,この連結配位子としてシアニド金属酸を用い てきた 4)。シアニド金属酸は,中心金属イオンの配位数により異なった構造を持つ錯体である。 よって,シアニド金属を連結配位子に用いれば,一次元鎖状構造だけでなく,二次元,三次元 的に集積した金属錯体の合成が期待される。 本研究では,混合原子価カルボン酸ルテニウム二核ユニットとシアニド金属酸イオンからな る混合金属錯体について,シアニド金属酸中心金属イオンを同族で変化させ,また,カルボン 酸ルテニウム二核ユニットのカルボキシラートのアルキル基を変化させると,どのような混合 金属錯体が得られるのか調べるために 10 族金属酸を用いて合成を行った。また比較のために, 金属酸イオンを2 価から 1 価に変えた[AuIII(CN)4]–についても混合金属錯体の合成を行った。 【実験】 混合原子価カルボン酸ルテニウム二核のテトラフルオロホウ酸塩とテトラシアニド 金属酸のカリウム塩を水中で一昼夜撹拌することで混合金属錯体を得た。それぞれの錯体につ いて,元素分析,拡散反射スペクトル,赤外吸収スペクトル,磁化率の温度依存性を測定した。 単結晶が得られたものについて,X 線構造解析を行い,結晶構造を明らかにした。 【結果と考察】 合成した混合金属錯体は,黄褐色沈殿や褐色結晶として単離された。これら の錯体の元素分析の結果より,全て 2:1 の組成[{Ru2(O2CR)4}2M(CN)4]n (R = CH3, CH2CH3, C(CH3)3; M = NiII, PdII, PtII)であることが示された。赤外吸収スペクトルは,カルボキシラート配 位子のCOO 伸縮振動やシアニド金属酸の C≡N 伸縮振動に帰属される吸収帯がみられた。また, 拡散反射スペクトルではカルボン酸ルテニウム二核ユニットやテトラシアニド金属酸に特有の 吸収が観測されため,合成した混合金属錯体にはカルボン酸ルテニウム二核ユニットとシアニ ド金属酸が存在することが示唆された。ルテニウム-白金,ルテニウム-パラジウム混合金属錯体 の結晶構造はどちらも,カルボン酸ルテニウムニ核ユニットとシアニド金属酸が交互に配列し

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た ポ リ マ ー に な っ て お り , 二 次 元 ネ ッ ト ー ワ ー ク を 形 成 し て い る こ と が わ か っ た 。 [{Ru2(O2CCH3)4}2Pt(CN)4]nについて空隙があったため,窒素吸着特性を調べたところ,IUPAC の

分類で I 型の窒素吸着特性が見られた。[{Ru2(O2CCH2CH3)4}2Pd(CN)4]nにも空隙は存在するが,

カルボキシラートのアルキル基が空隙の方に伸び,その空隙の容積を小さくしたため, [{Ru2(O2CCH3)4}2Pt(CN)4]nに比べて空隙の大きさは小さかった。[Ru2(O2CCH2CH2CH3)4Au(CN)4]n

ではカルボン酸ルテニウムニ核ユニットとシアニド金属酸が交互に配列し,テトラシアニド金 酸イオンのシス位に配位した一次元鎖状構造であることがわかった。

参照

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