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IFHE会議に参加して

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Academic year: 2021

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「IFHE会 議 に参 加 して 」

「10分後 、 王 女 が い ら っ し ゃ い ます 。 王 女 が い ら した ら、 座 席 を立 っ て は い け ませ ん 。 報 道 関 係 者 以 外 の 写 真 撮 影 は 禁 止 で す 。」 と い う ア ナ ウ ン ス が 流 れ た 。 タ イ は 立 憲 君 主 制 国 家 で 、 国 王 は 国 家 元 首 で あ り陸 海 空 軍 の 統 帥 権 を も ち、 仏 教 の 宗 教 擁 護 者 と規 定 され て い る 。 現 国 王 は プ ミ ポ ン ・ア デ ュニ ヤ ー ト国 王 で1男3女 の 子 供 が い る が 、 そ の 中 の1人 の 王 女 が InternationalFederationforHomeEconomics 会 議(以 下IFHE会 議 と略 す)の 開 会 式 で祝 辞 を述 べ られ た 。 IFHE会 議 と は 、 四 年 に一 度 行 わ れ る 国 際 家 政 学 会 の こ と で 本 年 は タ イ の バ ン コ ク に お い て 、7月21日 ∼26日 の 日程 で 開催 され た 。 開 会 式 に先 立 ち21日 に ウ ェル カ ム ・レセ プ シ ョンが 行 わ れ 、22日 ∼25日 の 問 は、 講 演 、 分 科 会 、 研 究 発 表 や ポ ス ター セ ッ シ ョンが 行 わ れ た 。勿 論 、 全 て 英 語 で あ る。 ご 一 緒 させ て い た だ い た 家 政 科 の 川 崎 先 生 は か な り理 解 な さ っ て い る よ うだ っ た が 、 語 学 力 の な い 私 に は、 流 暢 な英 語(特 にnativespeakerの 英 語)は 、 ほ とん ど聴 き と れ なか っ た 。 しか し、 有 難 い こ とに 旅 行 代 理 店 か ら 「講 演 の 日本 語 訳 」 の 冊 子 が 配布 さ れ た の で 、 こ こ で ア ウ トラ イ ン を ご紹 介 で き る 次 第 で あ る。 22日 の 講 演 内 容 は 、 「生 活 環 境 一グ ロ ー バ ル な 責 任 と家 政 学 の 役 割 」 とい う テ ー マ で 、 「現 代 家 政 学 の 主 要 な任 務 は被 服 、 食 物 、 住 居 の 分 野 を機 能 本 位 の 面 か ら見 る だ け で な く、 人類 の 生 活 を 系 統 的 に研 究 す る こ と こ そ 大 切 で あ る」 とい う こ と に つ い て で あ っ た 。23日 の 講 演 は 、 「社 会 の 変 化 を め ぐる 経 済 的 ・社 会 的 価 値 の 安 定 」 と い う テ ー マ で 、 「1)社 会 ネ ッ トワ ー ク の 中 で 、 一 番 大 切 な ネ ッ トワー ク は家 族 で あ る こ と、2)移 民 や 不 法 移 民 が 大 都 市 に居 住 す る こ とに よ る弊 害 、3)経 済 成 長 は 人 間発 達 の最 終 目的 で は な く、 人 間発 達 へ の 大 事 な手 段 に過 ぎな い 。 社 会 の シ ス テ ム を変 え る に は、 経 済 的 な価 値 と文 化 的 な価 値 を 平 衡 させ な け れ ば な ら な い こ と」 な ど につ い て で あ っ た 。 9

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24日 は 、 「世 界 経 済 の 実 情 と生 活 水 準 、 生 活 の 質 的 向 上 の た め の教 育 の重 要 性 」 とい うテ ー マ で 、 「1)国 民 所 得 とい う指 標 の 問 題 点 、2) Economicsの 元 来 の 意 味 、3)家 庭 管 理 の 能 率 化 、4)未 来 志 向 の 教 育 目標 、5)生 活 能 力 の 習 得 の 重 要 性 」 な ど につ い て の 講 演 で あ っ た 。 25日 は 、 「私 的 領 域 へ 進 入 す るハ イ テ ク ノ ロ ジー と 家 庭 生 活 へ の 影 響 」 とい うテ ー マ で 、 過 去 数 十 年 間 に テ ク ノ ロ ジ ー が 家 庭 生 活 に及 ぼ し た 影 響 に つ い て 、1)健 康 、2)食 物 と栄 養 、 3)住 居 、4)被 服 、5)通 信 、6)教 育 、7) 雇 用 、8)エ ンパ ワ ー メ ン トの8つ の 分 野 に 分 け て 言 及 して い た。 そ して26日 に は 閉会 式 が 行 わ れ た 。 会 議 全 体 を通 し て、 ア フ リ カや 東 南 ア ジ ア 地 域 の 女 性 の 発 言 が 印 象 に 残 っ た 。 特 に 、 「ジ ェ ン ダ ー 格 差 の 是 正 」 に 関 して の発 言 は 積 極 的 で あ っ た 。 上 記 の 地 域 で は 大 きな 階級 格 差 か 存 在 して お り、 様 々 な タ イ プ の女 性 が い る 。 高 い 地 位 につ い て 手 腕 を振 る っ て い る女 性 もい れ ば、 一 方 で は 重 い 病 気(コ レ ラ な ど)に 感 染 して も、 女 性 だ か ら とい う理 由 で 、 満 足 な治 療 を受 け られ な い 女 性 もい る 。 従 っ て コ レ ラが 蔓 延 した 場 合 、 女 性 の 死 亡 率 は 高 い。 また 、 経 済 的側 面 か らの ジ ェ ン ダ ー格 差 も顕 著 で 、 例 え ば 森 や林 は男 性 名 義 に な っ て い る こ とが 多 い。 土 地 に 関 して は 女 性 名 義 に な って い る 地 域 もあ る が 、 そ こ に換 金 性 の あ る 木 が 植 え て あ る と、 そ の 木 の 名 義 は 男 性 で あ り、 最 終 的 に お 金 に な っ た 時 は全 て 男 性 の 所 有 物 に な る とい う状 況 が 多 い(原1996)。 現 在 の 日本 で も、 ジ ェ ンダ ー格 差 は、 是 正 され つ つ あ っ て も依 然 と して存 在 し て い る 。 しか し、 こ の よ うな地 域 の 格 差 とは性 格 が 異 な っ て い る 。彼 ら に とっ て ジ ェ ンダ ー格 差 の 是 正 は 、死 活 問 題 とい って も過 言 で は な い。 そ の 他 、 会 議 期 間 中 に バ ン コ ク に あ る 国 立 カ セ サ ー ト大 学 がIFHE会 議 の 参 加 者 を対 象 に、 同大 学 の 家 政 学 に 関係 の あ る学 部 お よ び研 究 所 (農 学 部 、 教 育 学 部 、 食 物 食 品 研 究 所)を 案 内 す る企 画 が あ っ た の で 参 加 した 。 学 部 や研 究 所 の 施 設 見 学 後 、 大 学 の 先 生 方 や 学 生 に よ る タイ の 民 族 衣 裳 の フ ァ ッ シ ョ ン シ ョー が 行 わ れ た 。 色 と り ど りの 美 しい 衣 裳 を披 露 して くれ た が 、 日本 人 好 み の 黒 い服 装 は な か っ た 。 厂黒 色 」 は タ イ の フ ァ ッ シ ョン ・カ ラー で タ ブ ー と され て い る ら しい 。 「黒 」 は 不 吉 な色 と し て不 幸 の 際 に使 用 す る。 親 族 に不 幸 か あ っ て 喪 に服 す る 期 間(1∼3ヶ 月)は 仕 事 場 に黒 い 服 装 で 出 勤 し た り、 黒 い リボ ン を袖 に付 け る の が し きた り と な っ て い る ら しい 。 ま た 、 フ ァ ッ シ ョ ン シ ョ ー の 会 場 で は 学 生 が 、 一口大 の大 きさの甘 くて 美 味 しい お 菓 子 を数 種 類 作 り、 持 て成 して くれ 10一

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写 真5チ ャ ン ・ク ル ア ン ・ソ ッ ド を彫 刻 して い る 様 子 た。写 真4は お 菓 子 を作 っ て い る 様 子 で あ るが 、 こ の 写真 に 写 って い る 女 子 大 生 は二 人 と も白 い ブ ラ ウス に紺 色 の ス カ ー トを はい て い る。 タイ で は バ ン コ ク の よ うな都 市 部 で も地 方 に行 っ て も必 ず 制 服 を 着 用 して い る 。 大 学 生 に な っ て も 標 準 服 や 色 の 指 定 が あ る な ど、 制 服 は 学 校 教 育 と切 り離 して 考 え られ な い よ うで あ る 。 以 上 の 様 な 手厚 い持 て 成 しを 受 け 、 更 に参 加 者 全 員 が 石 鹸 製 の 「チ ャ ン ・ク ル ア ン ・ソ ッ ド」 をお 土 産 に い た だ い て 、 大 学 を後 に した 。 「チ ャ ン ・ク ル ア ン ・ソ ッ ド」 と は 通 常 、 新 鮮 な野 菜 や 果 物 な ど に彫 刻 を して 花 の形 に した もの で、 王 宮 料 理 の 飾 りつ け や 、 客 を持 て 成 す 際 に用 い ら れ る もの で あ る 。 この 作 り方 は 、 昔 は 親 か ら子 へ と伝 承 さ れ 、 タイ の 女 性 の ほ ぼ全 員 が こ の技 術 を 有 し て い た 。 しか し現 在 で は こ の 生 活 技 術 は消 失 しつ つ あ り、技 術 伝 承 の場 も、 家 庭 か ら 大 学 な どの 教 育 機 関 に 移 行 し つ つ あ る 。 都 市 化 と と も に、 生 活 技 術 が 消 失 ・変 容 し て い くこ と は万 国 共 通 の こ とな の で あ ろ うか 。 以 上 、 日程 を 追 い 乍 らIFHE会 議 を 中 心 に 述 べ て きた が 、 最 後 に滞 在 中 よ く食 し た タイ 料 理 に 関 して 簡 単 に 言 及 して 本 報 告 を 終 わ りに す る 。 タ イ は敬 虔 な ・仏 教 国 で、 全 国 ど こへ 行 っ て も立 派 な 寺 院 が あ る 。 寺 院 総 数 は 全 国 に 約 28,500あ り、 そ の 内 バ ン コ ク に は422の 寺 院 が あ る 。 そ して 国民 の 大 多 数(約95%)が 仏 教 徒 写 真6ワ ッ ト ・プ ラ ケ オ (タ イ 国で 最 高 の地 位 と格 式 を 誇 る 王室 寺 院 で 、 本 堂 に エ メ ラ ル ド色 の仏 像 を祭 っ て あ る こ と か ら、 「エ メ ラ ル ド寺 院 」 と も呼 ば れ て い る 。 「ワ ッ ト」 とは 寺 院 の こ とで あ る が、 これは サ ンス ク リ ッ ト語 の ヴ ァー タ 〈小 さな林 〉が語 源 で あ る。) で あ る か ら食 物 に対 す る 宗 教 的 タ ブ ー も な く、 豊 富 な 食材 を多 くの ハ ー ブ や調 味 料 で 調 理 す る こ とが で き る。 そ の為 か 世 界 三 大 ス ー プ と もい わ れ て い る 「トム ・ヤ ン ・ク ン」 を は じめ 、 一 度 食 す る と病 み 付 き に な っ て し ま う美 味 し さ を 持 っ て い る 料 理 か 数 多 くあ る。 タ イ料 理 の 旨 み の 源 と 言 っ て 、 誰 もが 真 っ先 に 考 え るの が ナ ム プ ラー で あ ろ う。 ナ ム プ ラ ー は塩 漬 け の 魚 を長 時 間発 酵 させ て そ の しぼ り水 を集 め た 魚 醤 油 で あ る 。 グ ル タ ミ ン ソー ダ を含 ん で い る為 、 少 量 加 え る だ け で 一 味 違 う。 ま たハ ー ブ も独 特 な味 を作 り出 す た め に不 可 欠 で あ り、 よ く使 わ れ る もの と し て は 青 唐 辛 子 、 赤 唐 辛 子 、 パ ク チ ー (英 名 コ リ ァ ン ダ ー 、 中 国 名 香 菜 、 解 毒 作 用 が あ る こ と で も知 られ て い る ドク ダ ミの 様 な香 り の す る ハ ー ブ)、 ニ ンニ ク、 レモ ン グ ラ ス 、 し ょ うが 、 バ ジ ル 、 ミ ン ト、 ジ ャ ス ミ ン な どが あ る 。 バ ン コ ク の 人 達 は 、 食 材 を 主 に 街 の 市 場 (マー ケ ッ ト)で 購 入 して い る。 そ こ で は 、 米 、 野 菜 、 果 物 、 菓 子 類 、 調 理 済 み の カ レー 、 そ し て 珍 しい も の と して は 、僧 侶 に捧 げ る お 供 え物 な どが 売 られ て い た。 勿 論 、 タ イ料 理 の 旨味 の 源 で あ る様 々 な 調 味 料 や ハ ー ブ の コ ー ナ ー もあ っ た(写 真7)。 11

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また 、 タイ に 訪 れ て本 場 の タ イ 料 理 を食 した い と思 う 。 (引 用 文 献) 1)原 ひ ろ 子(1996)「 開 発 」 課 題 と ジ ェ ン ダ ー,家 庭 経 営 学 研 究,31,3-8 写真7市 場(調 味料 売場) 写 真8市 場 の 中 の 屋 台 で食 事 を して い る タ イ 人 (タ イ の 人達 は 、屋 台 を よ く利 用 す る。 バ ンコ ク の 朝 は 早 く、6時 と もなれ ば 町角 や 路 地 に屋 台 は 店 開 き を して朝 食 を とる人 た ちで 大 入 り満 員 に な る。) IFHE会 議 に初 め て 出 席 致 し ま し た が 、 国 際 レベ ル にお け る家 政 学 の 現 状 を 勉 強 で きた ば か りで は な く、 タイ 王 国 の 衣 、 食 文 化 に も多 少 触 れ る こ とが で き、 非 常 に有 意 義 で した。 夏 休 み 開 始 前 に も係 わ らず 、 参 加 の お 許 しい た だ け た こ と を深 謝 し ます 。 有 難 うご ざい ま した 。 一12一

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