NII-Electronic Library Service
不
確 実性
下
の
地
域 環 境
と
開発 政
策
大
石
和 博
要 約
本 論 文で は, 環 境 価 値 不 確 実 性下における地 域開発の意 思 決 定 と最 適 開 発 政策の 可能 性
をreal optien approach により検 討す る
.
環 境価値不確実 性 下 に お ける開発 業 者の地 域 開発 が barrier controL に従っ てい るこ と,
政策変 数の操作によっ て開発 業 者を社 会 的最 適な開 発 行動に誘 導で きる 可 能性 が ある こ と を示 す.
Key
Words
:不確 実性,
地 域開発,
自由境 界,
社 会 的 最 適.
目 次1 .
は じ め に2 .
環 境 価 値 不 確 実 性下の地 域開発の 意思 決 定3 .
開発 業 者の 自由境 界と政策変 数の操作4 .
開発政策決 定 者の 自 由 境界と最適開 発 政策5 .
お わ りに Appendix1
.
は じ めに本 論 文で は
,
real option approach に より不確 実 性下 に おける地 域開発の 意思 決定と最適開発 政策を分 析 す る1
.
不確実 性 につ い て は伊 藤 確 率 微分方 程 式に より記 述し
,
地 域開発の timingの 決 定は最 適 停 止 問 題 として扱 う.
こ の分 析 枠 組み に基づい て私 的 自由境 界お よ び 社 会 的 自由境 界を 導 き,
不確 実性下に おける最 適 開発 政 策を考 察 する.
本稿は大きく3
つ に分 けるこ と がで き る.
まず
,
本 稿の基本 的枠 組みであ る不 確 実性 下の連続 時間の動 学model を設 定 する.
こ れ は,
開発 業 者が環 境価値不確実 性 下 に おい て地域開発 を行 う意 思 決 定model である.
model では2
種 類の 租 税 制 度 を 設 け る,
環境 資 産の価 値を把 握できる政 策 決定 者が存 在し,
1本 稿 で展 開 さ れ るreal
option approach はfinancial option approach の analogy で ある
.
と りわ けAmerican opti 。n と関 係 が 深い
.
開 発 政策の設計に こ の approach を使 うadvantage につ い て は [X2 ]を参 照さ れ たい.
77
開発業者による過 剰な開発を抑 制 するとともに地 域 環 境 保 全の財源とし て用い る た め に開 発業 者に課 税を行 うとする
.
こ れ らの設定の下で 地 域開発 投 資の意 思 決 定問 題を確率 的 動 的 計 画 法に より解 き, 地域開 発投資
の意思決 定の条 件 式を導 出 する.
つ ぎに
,
この条 件 式に基づい て 自 由境界問 題 を解き,
自由境 界を定 義する.
この 自 由境 界は 開発 業 者が地域開 発 投資
を行 う領 域と行わ ない 領域 に分 ける境 界になっ てお り , 地 域 開 発 投 資の意 思 決 定がbarrier
・control と なっ てい るこ と を示 す.
ま た,
政 策 決 定 者が 政策 変 数 (2
種 類の税 率 )を変 更した場合の効 果(
自 由境 界の shift)を考 察 する.
最 後に
,
環 境 価 値不確 実 性下の最 適 開 発 政策につ い て考 察 する.
政策決定者は環 境 資産 の利用価 値だけで な く非利 用 価値を も考 慮して地 域 開発 投 資を行 うとする.
上 と 同様に し て,
こ の設定下で政策決定 者の 自 由境 界を定 義 する.
最 後に,
簡 単な例を挙 げて開 発 業 者 の自 由境 界 (私 的 自 由境界)と政 策 決 定 者の そ れ (社 会 的 自由境 界 )が一
致 する条 件 式を 導 く.
これ が不 確 実 性下にお ける最適開 発 政策の1
つ の rule で ある.
この 条件式は税率 の関係 式とな り,2
種類の税率の 問 にtrade−
off がある こ と を示 す.
2
.環
境価値
不確 実性 下
の地 域 開発
の意 思
決 定
本 節で は
,
地 域開発 業 者の地 域 開発 投 資の意思 決 定 を 定 式 化 する.
ま ず,
決定 論 的に設 定 を行い,
つ ぎに model の 中に不確 実 性を 入れ る.
環境 資 産の価値の分類或る地域を 開 発 す る 場 合 を想定 する
.
この 地域に おける環境 資 産の価 値 を利 用 価値 (直 接 的利用価 値 )と非 利 用 価 値(
間 接 的利用価 値, 存 在価 値な ど を含む)
に分 ける こ と がで きる と し よう.
地 域 開 発 が行われ た後に環 境 資 産か ら供 給さ れる service の価値を利 用 価 値, また は直 接 的 利 用 価 値 と よ び,
他 方,
未 開 発の状 態で環 境 資 産か ら供給 さ れ るser>−
ice
の価 値を非 利用価 値と よ ぶ こ とに す る2.
地 域の環 境 資 産の価 値その地 域 をすべ て開発 し た場 合の 環境 資産の 直接 的利用 価値を
P
>0
と記 す3.
また,
その地域がすべ て未 開発の状 態である とき, 環境 資産の非 利 用 価値を(?(P
)>0
と記 す,
こ こ で,
関 数Q
の は環 境 資 産の非利 用 価 値 を表 す関数であ り,
非 利 用 価 値は直 接 的利 用 2 環 境 資産の価 値の定 義お よ び評価 方 法につ いては,
た とえば [F],
[J]な ど を参照 さ れ たい.
3 直接的 利 用 価 値は 開 発によっ て環境 資産か ら供給さ れ る service の市場 価 格に基づい て 近 似 さ れ る と仮 定 する.
NII-Electronic Library Service 価値に 基づ い て測定さ れ る と仮 定 する4
.
開発 業 者が 地 域開発にK
≧0 だけの資 本を投 入 してい る と き,
環 境 資 産のうちΦ (K
)∈ [0,1)の割合だけ開発が行わ れてい る と仮 定する.
K =
0ではΦ(0)=0 とする.
これ は開 発 業 者が 全 く地 域開発 資 本を投 入し てい ない 場 合 で あ り,
その 地 域 が すべ て未開発の状態にある こ と を表 す.
また,K
>0
で はつ ぎの よ うに仮 定 する5.
Assumption
;Φ(
・
)∈ 02 (R+ +iR
+),lim
Φ’ (K
)= 十〇 〇 1 K\0 Φt(K
)>0
,Φ”(
K
)<0
, 1三m Φ’(K )= 0.
K−→
十eo よっ て,
K
>0
の と き はΦ (K
)∈ (0,1 )と なっ て,
開 発 業 者が地 域 開発 資 本を投 入し て 地 域開発 を行っ てい るこ とにな る.
Φ (K
)が1
に近づ くとい うこと は地 域 開発が進ん で い くこ と を,
い いか えれ ば, 未開発の 地域が小さくなっ てい くこ とを 示し てい る.
以 下で は,
K ≧o だけの資 本を投入 してい る とき, 地域の 環境 資産の 総 価値を直 接的 利 用 価 値 Φ (K
)P
と非 利 用 価 値 (1 一
Φ (K
))Q
(P
)の和, つ ま り Φ (K
)P
十 (1 一
Φ (K
))Q
(P
) に よっ て近 似 す るこ とにし よう.
開発 業 者の収 入 関数 地域 開発 後は環境 資 産か ら さま ざ ま なservice が供 給さ れる ようになる.
こ の Service の 市 場におい て開発 業 者は十 分 小さな存 在であると仮 定 する.
上の定 義か ら, この 開発 業 者 がK ≧0 だ けの 資本 を投 入 してい ると き,
地 域の環 境 資 産の直 接 的 利 用 価 値は Φ (K
>P
と表
すこ とができ,
開発業 者の収入 を直 接 的利 用 価 値 Φ (K )P ≧o で近 似 する.
本稿で は環境 保全 と地 域 開 発 に 関 す る 政策の意 思決 定 者 (略して
,
開発 政策 決 定 者 )が 存 在 する場 合 を想 定 する.
開 発 政 策 決定 者は 環 境 保 全の財 源 と して地 域開発 か ら得ら れ る 収入に対 して課税 する と しよう.
税 率 をθΦ ∈ [0
,1
)とす れ ば,
開 発 業 者 は θΦΦ (K
)P
だ け の 税を支 払わ なければ なら ない ことになる.
以上 の設定か ら,
開 発業 者の収入 関数 をつ ぎ の ように定 義 する.
11(P
,
K )会 (1一
θ Φ)Φ(K )P.
よっ て,
固 定さ れ た直 接 的 利 用 価 値P
に対 し て,
収入関 数H
(P
,・
)はK につ い て strictly 4 非 利用価 値は未 開発の状 態で の環 境 資 産 (森 林,
生態 系の生物 多 様 性 など)か ら供 給 される service の価 値であ る た め,
その正確な評価が非 常に困 難である,
本 稿で は,
議 論を簡 単にする ためにこの仮定を おく.
5 本 稿で はつ ぎの 記号を 用い る.
Rn
A n次元Euclid空 間1R 全 R1
,
R+
A
{x ∈R ;x ≧ o},R++ 全 {x ∈ R ;= > o}
,
σm (XIY )A {開 集合X ⊂ Rn上で定義 されY
⊂R
の中に値 を持つ m 回連 続微 分可能なすべ て の関数 }79
N工 工一
Eleotronio Librarycencave functionで ある6
,
地 域開発へ の課税地 域 開発の 投 資財の 価格を c > 0
(
fixed
constant)
と する.
環境 保 全 を 目 的 と して開発 政策 決 定 者が 地 域開発 投 資に対して課 税 する場 合を想 定 する.
税 率をθ1≧0
とする と,
地 域開発投 資財1
単位当た りの購入費用 は(1+ θ【)c であ り,
」だけの地 域開発投 資を行 うと き投 資財の総費用 は(1
+ θ1)cl と な る.
notation を簡 単に す る た め に,
地 域開発投資
財1
単
位当 た りの費用 を A ψ; (1+ θr)c と し,
地 域開発 投 資の総 費 用を ψ∫ と書 くこ とにする.
以 上では開発業 者の意 思決 定につ い て決 定論的に設定を行っ た.
以 下では 上で与え ら れ た model に 不確 実性 を導人 し よう.
経 済の不 確 実性は外生的な shock で起 き,
そ れ は幾何Brown
運動で表すこ と がで き る と仮 定 する.
議 論を簡 単にす る た めに,
その shock は直接 的利 用 価 値の動きのみに限定 す る.
直接的利用価 値は確 率的 な sbock にさ ら さ れてい る と し,
時刻t
≧0
における直 接 的 利用 価値をP (t)> 0 と記し,
確 率過 程 {P
(t)}t≧oは1
次元幾何 Brown 運動に従っ て変 動 する と仮 定 する.
{z
(t)}t≧o を1
次 元 標 準 Wiener 過 程, (p
,μ,σ)∈R
餌
を既 知の定
数と し,dP
(t)=
μP (t)dt+ σP (t)dZ (t),
withP
(〔〕)=P
,登xed
(
P1μ
,σ)∈R
馬
+7 であるとする7.
つ ぎに,
不 確 実 性下 で の地 域開発 投 資の意 思決 定 model を設 定する.
開発業者 は 時 刻t
≧0
におい て1
(t)≧0 だ け 地 域 開 発投 資を 行 う とす る.
許容制御の 集 合 を簡単につ ぎの ように記 すti,
6直 接 的 利 用 価 値p を 固 定 した とき
,
strictly cencave functionであ る ための必 要 十 分 条件架
K )一
・・−
ee・・ Φ〃… 〈 ・が成 り立つ
.
収入関数の strjct concavity は 後の評 価 関 数の strict concavity を導出 す る た め に 必 要 と な る.
ア
幾 何Brown 運動はfinanclal option m (〕delにおい て B!ack
−
Scholes過 程 ともよばれ,
株 価な どの変 動 を 表 すmodel として用い られ る.
μは driftと よ ば れ,
P (t)が時 刻と ともに変 動する方 向を 示し
,
σ はvolatility と よばれ,
その変動の方 向の不確 実 性 を表 す.
本 稿で もこ の用 語 を用い る.
vola−
tilityが大 き くなる ほ ど不確 実 性 (直 接 的利 用 価 値の上 下変 動 ) も大 き くなる
.
8 許容 制御につ いて は,
[FS],
[YZ ]な ど を参 照さ れ たい,
NII-Electronic Library Service
u
(R . )A
{1 ・R + ∋ t・H ・1(t)∈R + }.
時 間 区 間 [O,
T】⊂R
+ で の資本 stock 量 をつ ぎの ように定め る9.
姻
ll
距
、dt
:
i
;
:
1
:
こ こ で,
k は 地 域開発 資 本の初 期stock 量で あ る.
不 確 実 性下 で の地 域開 発 投 資の意 思決 定 問 題は確 率制
御
問 題であ る.
こ の 問 題を確 率 的 動 的計 画 法に よ り解 く.
開発 業 者は,
初 期の直 接 的利 用 価 値,
初 期の資 本量の組(
P
(0),K
(0))=
(P,k
)∈R
+ を所 与とし て
,
投 資 費用 を差 し引い た 収 入の割引 現在
価 値の期 待 値 を最 大にする よ うに資 本の非 減 少 過 程 {K
(t)}t≧oを選 択 する と仮 定しよう.
割 引 率ρ>0
(た だ し,
ρ〉 μ⊥D)
が与え ら れ た と き目的汎 関 数を・[醐 … 】
…
[
f
。 +°° ・一
ρt(・(・ ・t
・,
K
)一
ψ川 ・)dt
]
と定め る.
こ こ でEo は時 刻zero に おい て初期 値の 組 (p,
k
)が与 えら れ た ときの条 件 付 き 期待 値の 演 算を表 す.
つ まり,
開発 業 者の 地 域開発投 資の 意 思 決定問 題は maxJ
[P,k
;1
(・
)], ∫(
・
)∈u(R+)subject to dP(t)
一
μP (t)dt+ σP (士)dZ
(t),州
二
淑
:
fixed
(P,鳶,μ,σ)∈
R
〜
+, である.
この問 題 に対 応する実 数 値評価関数をV
(P,k
)全sup
J
[P,k
;1
(・
)] J(・
)∈u(R+) とお く11.
上 で示し た ように収入関 数n
(
p
,・
) が iCにつ い て g.
trictly concavefunction
で あ るの で
,
関 数 V(p,
・
)もk につ い て strictly concavefunction
である12.
以 下では
V
(・
,
う∈02
(
1
暗
+IR)
と仮 定し,
上で設定 した 不確 実性 下の地 域 開 発 投資の 意 9 以 下の展 開 を簡単にす る た めに,
資本 減 耗 を無視する.
10 この 条 件 が 必 要 な 数 学 的,
経 済 的 根 拠 につ い ては [DP ]を 参 照 さ れたい.
ll sup はあら ゆ る 許容 制 御 system の と り方を考えて,
そ の 中 で の 上 限を とること を意 味 する が,
こ こ では略 記している,
詳 しくは,
[FS],
[N],
[YZ] などを参 照さ れ たい.
12 証 明につ いて は [DP ]を参 照され たい.
81 N工 工一
Eleotronio Library思決 定問 題 を 最適停 止 問 題と して解 こう
.
各 時点で開発 業 者は 二者 択
一
の選 択肢一
地域開 発 投資
を す る か否か一
を持っ てい る.
こ こ での 地域 開発 投 資model で は継 続して収入を得るか,
停 止 して地 域開発投 資を実 施 す る か に対応する.
[FS ]に従い , 地 域 開 発 投資
が行われる未知の 時 刻丁 > 0を停 止 時 刻と すれば, Bellman の最 適 性 原 理 か らv
・蒔晶
)輒
丁 ♂ ・・… t・,・ ・t・〉−
a
… t・)dt+ e−
・Tv … T ・・
K ・T・)]
を得る.
時間 区 間 [O
,
ti]⊂R
+ に おい て 開 発 業 者は投 資を行わ ない と し,
こ の時 間 区 間で初 期 資 本 stock 量を k> 0 に保つ と仮定する.
この と き,Bellman
の最適性 原理 か ら 隅 )・輒
一
佃
・ ・t・,
嗣 ・ + e一
鞭
暇 )]
が成り立 つ.
等号が成 り立つ の は,
[o,tl]におい て地 域開発 投 資を行わ ない こ とが最 適な 場 合である.
不 等 式の右辺の評価関数
y
(,k
) に 対 して 伊藤 の 補 題 を 適 用 し,
t1≠ 0 で割っ て,
tl \ 0と して極 限を とる と, ・晦 肋 ∂γ1
黔
L
去
・諺
号
讐
恥 ・≧・ を得る13.
等 号が成 り立つ の は, [O,t、]⊂ R+におい て地域開 発 投資を行 わ ない こ とが最 適 な 場 合であ る.
以上で は地域開 発 投資を行 わ ない 場 合 を考え た
.
つ ぎに地 域 開発 投 資を行 う場 合 を考え る.
い ま, 初 期 資 本 stock 量alS
’
k で ある と きに △K ≧0だけの地 域開発 投 資を瞬時 に行 う 意思決 定 を考 えよう.
この とき, 最 適 な投 資行 動を表す条件 式は ∂ γ(P
,il
)一
ψ ≦0 ⇒ △K
=0,
∂k
∂yl
絆
)一
ψ・ ・ ⇒ ・△ ・[
△K
> o〈 ∂v
(P・k
∂k )L
_一
ψ一
・1
と なる14.
すな わち, ∂v
(P
,k
)一
ψ ≦0 ∂k
の場 合には,
最 適な投 資の意思決 定は投 資を行わずに資 本 stock 量を初 期 値 k に保つ こと 13 詳し く は,
た と え ば [KS],
匚MB ]な ど を参 照さ れ たい。
1・t これ らの 式 を導く た めに,
収 入 関数と 評 価関数の性 質 (strict concaVity >を用い てい る.
導 出に つ い ては,
[DP]を参 照さ れ たい.
NII-Electronic Library Service で あ る
.
逆 に,∂
v
(P,
il
)一
ψ> 0 ∂k
の場 合には,
最 適な投 資の意思決 定は条 件 式 ∂ γ1
籍
1L
+△。一
ψ一・
を 満 た すように 瞬 時 に△K
> 0 だ けの地域開発投 資 を行 うことである.
したがっ て
,
地 域 開 発投資
を行わない こ と が最 適な場 合に は, 条 件 式∂
v
(P
,k
) 122 ∂ 2v (P
,k )− H
(P,k
)=0
ρv
(P,
k
)−
itP∂P
−
i
σ一
P ∂P
・ が 満 た さ れ,
逆 に,
地 域開発投資
を行 うこ と が 最適な 場合に は,
条 件 式 ∂ γ1
劉
_一
ψ一 ・ が 満 た さ れ る,
開 発 業 者 はこれ らの 条 件 式にもと つい て地域開発 投 資の意思決定を行 うこ とに な る.kp
平 面は,
地域開発 投 資 を行 う領 域と地 域開発 投 資を行わ ない領 域に分か れ る.
以 下で は,
これ らの 境界,
すなわち自 由境 界を求めてみよう.
3
. 開発 業
者
の自
由境 界 と
政策
変 数
の操作
自由境界 問 題を解い て開発 業 者の 自 由境 界関:
ft
PFB
(・
)を求め る ことに し よう.
Resu
旧 上の モ デ ル が与え られた と き,
評 価 関数と自由境 界 関 数は そ れ ぞ れv
(P,
k
)=
ムω P防 + (1一
θ ・)Φ (k
)P
,
ρ一
μ PF …辰
β1謡
三
雛
, とな る.
こ こで,
防
一
去
一
拳
・(
拳
一
跡
汐
・ 1 で ある.
Proof
;Appendix にて行 う.
■ こ の結 果か ら地 域開発 投 資の 限界 効 果を考えて み よう.
83
N工 工一
Eleotronio LibraryResult
1
で得ら れ た自 由境界 関数 を変 形 し , 両 辺 に 追 加 的資
本 投入 量dK
>0
を掛 ける と (1一
θΦ)撃
dK 一
誰
1
ψ・・ と なる.
まず,
左 辺の直 感 的 意 味を考えよう.
現存の 資本 stock 量 k と確 率的 shock にさ ら さ れ た直 接 的利 用 価 値 瑞B娩 )が与えら れ た場 合, 資 本 を追 加 的にdK
単位投 入 し た と きの追加 的収 入が (1一
θΦ)PFB
(k)Φ’(k)dK である.
直 接的 利 用価値の期 待 成 長率はdrift
μ であ り,
将 来の収 入はP
で割 り引かれ るの で, 左辺は追 加 的 収入の 期 待現在価値であ る.一
方,
右辺 の ψdK
は資 本を 追加的に 蹟 単位投 人 した ときの 投 資 費用で あ る.
さ らに,
(1竃讐
Φ儲 ・ ψ・K
[
・誰
、・ ・!
が 成 り立 つ か ら
,
追 加 的 収 入 の 期 待 現 在 価 値 は投 資 費 用 をoption value multiple β1/
(β1− 1
)倍だけ上 回っ てい なければな ら ない.
以 ヒか ら, 上 の 等式は追 加 的投 資が 正 当 化さ れる条 件を表し てい るとい える.
つ ぎに,
評 価 関数の直感 的意 味を考えて み よう.
評価関数の第2
項 (1一
θΦ)Φ (k
)P ρ一
μ は, 地域開 発資本 を永久 に 初 期 水ag
kで・
一
定に保 ち 続けた場 合に開発 業 者が得る収 入の期 待現在 価 値である.
よっ て,
第1
項Ai
(k
)pa は最適 な将 来の開発 規 模 拡 大の価 値,
すな わち, 将 来に お い て 開発 規 模 を拡 大 する とい うoption の現 在価値になっ てい る.
開発 業 者が 地域開 発資本 を追 加 的に投 入 す る とい うoption を行 使 する と き,
限界 option 価 値を 放 棄 するこ とになるの で,A1
’ (k
)〈0
であ る.
Result
1
と 関数 Φ(・
) に関する仮 定を使って,
自 由境 界関数が満たすべ き基 本的 な 性質
を示し,
自由境 界をkp
平 面に描い て みよう.
まず,
つ ぎの計 算か らResult
2
を得る.
PF
・一
、β1謡
…
鶲
…,
Bl(ρ一
μ )ψΦ”(k)丹B’
=一
>0
,(β1
− 1
)(1 一
θΦ)(Φ’ (k
))2 β1(ρ一
μ〉ψ1
1im
PFB (k) = 1il皿 = 07(
61
−
1)(1一
θΦ )為\oΦ ’ (階) k\0廐(ρ
一
μ)ψ1
1im
」%B (k
)=
li
皿=
十〇Q.
(β、
− 1
)(1 一
θΦ )k→+・。Φ ’ 鳶→十DQNII-Electronic Library Service
Result
2
自 由 境界関 数 昂B (
・
)は kにつ い て strictly monotoncincreasing
function
で あ り,limj
}B (k
)=0
,li
皿 PFB (k);十〇 〇 k→
十DC ic\ 0 で ある.
図
1
はResult
2
に基づ い て不確 実 性 「の自 由境 界 関 数PFB
(・
;θ1,θΦ)のgraph
, つ ま り 自 由境界 を描い た もの である.
こ こ で,
(θ1,θΦ)は固定さ れ た 政策変 数の組である.
曲 線の 右下で は 地 域 開 発 投 資は行わ れ ない
.
価格が確 率的 に変 化 する に従い,
点 (K (t),P(t))は垂 直 方 向に 上下する.
この点が 上 に移 動 し,
曲線にぶつ か り,
さらに曲線 の上 に 出ようとすると, 点が曲線を超え ない だけの 地 域開発投資
が行わ れ る.
価 格が低下 して点が曲線の下に移 動した と きには,
価 格が再び 上昇して曲線にぶつ かるまで地 域 開 発 投資は行われ ない.
[DP ]の用 語に従え ば,
これ は barrier contro1 である15,
図1
不確 実性下の自 由境 界P
本節の残 りで は比較動学分析を試み よう
.
以上の 考 察で は政策 変 数を 固定し てい た
.
開発 政策決 定 者 に よっ て政 策 変数θ1,θΦが変 更さ れた と き自由境 界が どう変 化す る か を 見てお こう.
これ らの効果はつ ぎの ように決 定 さ れる.
15 詳し く は [DP ]を参照 さ れ たい.
85
N工 工一
Eleotronio Library響
一
,β1.
留
三
鵲
>fU
.’ ,、)・ ・i騫
一
( β1(ρ一
μ)ψ1
β1−
1 )Φ’(k
)(1一
θΦ)・ 〉 ・・す な わ ち
,
税 率の引 き上 げ (θ1,
θΦ の 上 昇)
に よっ て 自由境界は 上 に shift し,
地 域開発 投 資を行 う領域が小 さくな る.
図2
は こ の内容を示した もの である.
shift前 と比べ る と,
任 意に与えら れ た直 接的 利 用 価 値 に 対 して地 域開 発を抑 制 する こ と に なる.
逆 に減税 (θ1 ,θΦの低下)の場 合には地域開 発 を促進 す るこ とになる.
ま た
,
volatility σ が他の parameter と独 立 で あ れ ばつ ぎの性 質を得る こ とがで きる.
籌
・ ・i鼻
(
β1 βi− 1
)
…volatility σ は直 接 的利 用 価 値の変 動の 方 向の不 確 実 性を表 すか ら
,
不確 実性 が 増 大(
つ ま りvolatility σ が増 大 )す れば,
β1が 減 少 す る た め,
option value multiple β1/
(β1−
1)は 増 大 する ことになる.
したがっ て,
不 確 実 性が増大 すれば自 由 境界は 上 に shift し,
地 域 開 発投 資を行 う領域が小 さ くな り, 地 域開発 資 本の追加 的投入 を 遅 らせ て し まうことにな る.
も し,
地 域 開発を 早め る方が 望 ま しい の であ れ ば,
不 確 実 性が増 大 する ときは税率の 引き 下げ (θ1,θa」の低下)が望 ましい とい える.
以 上の内容をつ ぎの
Resuit
3
で まとめておこ う.
Result3
不確実 性の 増 大の 下 で は 地域 開発が遅れ る可能性 が あ る
.
地 域開発 を促 進させるため に は税 率 を一
ドげると効 果 的であ る 可能 性がある.
図2
政策変 数の操 作 と自由境界の shiftP
0
Φ )k
NII-Electronic Library Service 次 節で は政策 変 数を どのように組み合 わ せ れ ば よい かにつ い て
考
察 しよう.
4
.開 発
政策決定者
の自由境
界
と最適開発政策
本 節で は開発 政 策 決定 者の意思決 定問 題 を扱い , [X1 ]に依拠して不確実 性 下の 最適開 発 政 策の可 能 性 につ い て考 察 する
.
上 の議論か ら
,
開発 業者は政 策変 数を所 与と してい るの で政 策 変数の変更により 自由境 界が shift する こと が分かっ た.
し た がっ て,
も し 開 発 政 策 決定 者が 政策 変 数を最 適に操 作で きるならば, 開発 業 者の 自由境 界を社 会的最適 な自由 境界に一
致させ る こと がで きる で あ ろう.
そこ で以下で は政 策 変 数を最 適に操 作で き る開発政策 決 定 者を想定する こ と に しよう.
開発 政 策 決 定 者は未 開発 地 域の非 利 用 価 値を考 慮して 自 由境 界を 決定
す る と仮定 する.
以 上の前 提に基づ い て開発 政 策 決 定 者の収 入 関数をHS
(P
,K
)全 Φ (K
)P
十 (1 一
Φ (K
))Q
(P
) と定め る,
こ こ で関 数Q
(・
)は環境の非 利 用 価 値を表す関 数であ り,
つ ぎの ように仮 定 する.
Assumption
;9
(P
)< P,
Q
・り ∈ C2 (R + +;R +),Q
’ (P
>> 0,Q
” (P
)≦0.
よっ て
,
p を固 定 し た と き 開発政策 決 定 者の収入関 数HS
(P ,
・
)はK
> 0 につ い てstrictly concave
function
となる16.
こ の収入 関数を用い て開発 政 策 決 定 者の 目 的 汎関 数を」S[P,k;∬(
・
)]AE
・[
f6
+°° e−
pt(
nS
(・・啝 ・)一
…t・
)
・dt】
と おく17.
すな わ ち,
開発 政策
決 定 者は環 境の価 値 (直接 的 利 用 価 値と非 利用価 値の和)
か ら 地域開 発投 資 費用 を差し引い た もの の割 引現 在 価 値の期 待 値を最 大に す るよう に資本 の非 減 少 過 程{K
(t)}t≧oを選 択 する,
と仮 定 するの であ る.
開 発 政策決定 者の問 題 に対 応 する実 数値評価関数を16
価 格p を固 定し た と き
,
strictly concave functionであ る た めの必 要 十 分 条件∂2Hl
黔
一
・P− Q
・P・)Φ〃・・ … が成 り立つ.
17 議 論 を簡 単にするた め,
私 的割 引率=
社 会 的 割 引 率と仮 定してい る.
割引率の厳密 な扱い につ いては,
[W ],
[X2 ]な ど を参 照さ れ たい.
87
N工 工一
Eleotronio Libraryvs (
P
,k
)9
・up 」S
[凾 ∫(
・
・1
∫い )∈召(R+)
とお く
.
収 入関 数ns
(P ,
・
)は K > 0 につ い て strictly concavefunction
で あ るか ら,
関 数Vs
(p,・
)も k につ い て strictly concave functionで ある.
上 と 同様にして
,
不 確 実 性下で 社 会 的 最適な地 域開発 投 資 を決め る 自 由 境界を定 義 する こと が で きる.
こ の 自由 境 界を磆B
と記し て社 会 的 自由境界 と よぶ.
E
で述べ た よう に,
最適開 発 政策の1
つ はResult
1
におい て定 義さ れ たPFB
(kl
OI,
θΦ)(
これ を私 的 自 山 境界 とよ ぶ)
と社 会 的 自 由境 界瓏
を等しくする ように 政策変数の 組 (θ1,θΦ )を設 定 す る ことで ある.
つ ま り,
不確 実性下 の最 適 開発政策の 政策変数は端
一
PF。(klθi
θΦ*
〉 を みたす組 (θ1 θΦ*
)と して定 義さ れ る とい うこ とである.
つ ぎに, 非 利用価値 を
表
す関 数(2
(・
)を特 定 化 する こ と に よっ て,
最適開発 政策の 政 策 変 数の組み合わ せ を考えよう.
直感 的な 理解を重 視し,
簡 単な場 合 を 想 定 す る.
Example
;Q
(・
)が1
次 関 数の 場合非 利 用価 値 を表す 関 数 をつ ぎの よ うに特 定化 する
.
q
(P
)全 qPfixed
q
∈ (O,1),
上で 述べ たこ とか ら
,
地域 開 発 投資を行わない ことが最 適な場 合に は,
条 件 式齦
・一
μ・ ∂1li
’;
(;
LS ppk)
一
去
♂≠
咢
1
典
嚇
・一
・ が 満 た さ れ,
逆に,
地 域開発 投 資を行 うことが 最適な 場 合には,
条件 式∂
vs
(P
,k
)−
c = 0 ∂k
k=
k+△ κ が満たさ れる.
開 発 政策決定 者はこれ らの条件 式にもとつい て地域開 発 投資
の 意 思決 定を 行 うことになる.kp
平 面は,
地 域 開 発投 資を行 う領域 と地 域 開 発 投 資 を行わない 領 域 に 分か れる.
こ れ ら の境 界,
すな わ ち 社 会 的 自 由境 界を求める こ とがで きる.
これを結 果 と して ま と めて お こう.
Result
4
上の model が与 え られ た とき,
開発 政策 決 定 者の評 価関数と自 山境界 関 数はそ れ ぞ れv
・ (P,k)− B、 Pβi + Φ ω P + (1
ゆ )ap , ρ一
μ鴫
一
(謡
1
註
…
騒
w
NII-Electronic Library Service と な る
.
Proof
;Appendix にて行 う.
■開発政策 決定者 が 地 域 開 発資本を追 加的に投入 した場合の効 果 を考 察してみ よう
.
Result
4
で得られ た 社 会 的自由境 界関数を変形 し,
両辺に追加的資 本 投入 量dK
>0
を 掛 ける と(・
−
q嘛
Φ’ (k
>dK
一
β・ cdK ρ一
μ β1− 1
と な る.
まず, 左 辺の 直 感的意 味を考えて み よう.
地 域 開 発資本 を 追加 的にdK
単 位 投入 す る と開発 地 が 拡大し, 環 境 資 産の直 接 的利 用価 値が鴫
(肋 Φ ’ 己K
だけ 増加 する.一
方,
未 開 発 地の 減 少によっ て非 利 用 価 値が 9璃
(k
)Φ ’ (k
)dK
だ け 減少 する.
した がっ て 左 辺 は,
環境 資 産の追 加 的価 値 (1一
の崘
(k)
Φ’ (k
)dK
の期 待現在
価 値 を示してい る.一
方,
右辺の cdK は地 域 開 発資
本 を追 加 的にdK
単 位 投入 した ときの 地域開発 投 資 費 用であ る.
以 上 か ら,
追 加 的 価 値の期 待現在 価 値
=
β1
> 1
追 加 的 投資 費用
β1
−
1 と なっ て い る ことが分かる.
い い か え れ ば,
開発 政策決 定者の 地域開発 投 資は,
追 加 的 価 値の 期 待 現在価値が 地域 開発 投 資 費用 を option value multiple β1/
(β1− 1
)倍だけ上回っ てい る場合に妥 当となるとい うこ とである
.
つ ぎに
,
評 価 関 数の直 感 的意味を考 えてみよう,
評価関数の第2
項 Φ (k
)P 十 (1 一
Φ (k
)>qp ρ一
μ は,
地 域開発資 本を永久 に 初期 水 準た で一
定に保 ち続 けた場 合の環 境 資産の期 待現在 価 値 であ る.
よっ て,
第1
項B1
(k
)pn
は最 適な将 来の開 発規 模 拡 大の価値,
すな わち,
将 来 におい て開発 規 模を拡 大 するとい うoption の現 在 価 値に なっ てい る.
開発 政 策 決 定 者が 地 域開発資本を追加的に投入する とい うoption を 行使する とき,
限界option 価 値を放 棄 す るこ とに なるの で,B1
’ (k
)く0
で ある.
さ て
,
最 適な 政策 変 数の組み 合わ せ が 開 発 政策 決 定 者に よっ て どの よ うに決 め ら れ るの か を見よう.
89 N工 工一
Eleotronio Library
Result
4
で社 会 的 自 由境界軸
一
、謡
結
i
毒
’ ,、) を得た か ら,
社 会 的 自由境 界と私 的 自由境 界との差 は瑞
・k
・− PF
・… 一 (誌
il
、(
、≒
一
路
)
と な る.
これ を受 け,
つ ぎの2
つ の場 合 を想定するこ と ができる.
・・嵩
一
鷺
・ ・の ・き固定さ れ た gに対して, 1
一
θ Φ0
≦θ1 〈−
11 − q
を満た す ように税 率の組 (θ1,θΦ)が設 定 さ れて い ると きの私 的 自 由境界 を孺晋
偽 θ1,
θΦ) と 記 すと,
瓏
(k)
〉踏盞
)(k1θ1,θΦ) と な り,
社 会 的 自 由 境 界 は 私 的 自 由 境 界 の 上 に な っ て い る.
こ の 場 合,
瓏 =踏晋
偽 θ 玉,θΦ) と なる ように税 率θ・,
θΦ を引 き上 げて私 的 自由 境 界を 上 に shiftさ せ る必 要がある.
…〉嵩
一
鷺
・ ・のと き 固定さ れ た q に対 して,
1一
θΦ θ1 >−
1 1− q
を 満 た す ように(θbθ Φ)が設定され てい る ときの私的 自由境 界を蹣
) θ、,
e¢ )と記 す と,
璃
3 く瑠
(k;θ1,θΦ) と な り,
社 会 的 自 由境 界 は私 的 自 由 境 界 の 下 に な っ て い る.
こ の 場 合 に は瓏
(k);踏盗
)(kl OI , eo)と なる ように税 率 θ・,
θΦ を引 き 下 げて 私 的 自 由境 界を 下に shift さ せ る必 要がある.
以 上の内 容 を図 示 した ものが 図3
であ る.
NII-Electronic Library Service 図
3
社 会 的 自由境 界と私的自由境界P
0
)
鳶 こ れ らの操 作の後,瓏
=
昂B偽 θ1,娠 )と なっ た場 合を考えて み よ う.
こ の と きA
− _
1+ θ1=
0 1−
9 1一
θΦ が成 り立つ か ら,
1 一
θΦ θ1 =− 1
1 − 9
を得る.
税 率 θΦ を操 作 する と亟 =__
L
< o dθΦ 1−
9 でなければな ら ない.
よっ て, parameter gが 与 えら れ た とき,瓏
(k)= 昂B 僑θ王,
娠 )を み た す2
種類の税 率 θ、 と θΦ との間に は trade−
offが あるとい うこ とが 明ら か と なっ た.
以 上 か ら次の 結 果を得た ことになる.
Result
5
開発政策 決 定 者は
2
種類の 税 率 θ1,
θΦ を操 作して,
開 発 業 者を社 会的 最 適 な 開 発行 動 へ 誘 導で きる可能 性が ある.
開 発 業 者を社会的 最適な開発 行 動に誘導した後で は,
税率の 間には trade−
off が存 在し,一・
方の税 率 θ亜を引 き上げる と他 方の税 率 θ1を 引 き 下 げる必 要 性が 生 じ る.
以 上か ら 最 適 開 発 政 策に お ける税率の rule を示すこ とが でき た.
91 N工 工一
Eleotronio Library5
.
お わ り に 我々 が行っ た こ とを簡単 に ま とめておく.
第
2
節で は,
地 域 開発 投 資の timing の 問 題 を 伊藤 過 程の最適停 止 問 題 として扱っ た.
その 前 提 とし て, 環 境 資 産の価値が確 率 的な shock に さら され てい る 状 況 を 想定し,
環 境 価 値 不 確 実性を幾 何 Brown 運 動で表 現 した.
我々は地 域開発 投 資 を行 う領 域 と行わ ない 領域 とに分 ける自由境 界があること を 明 ら かにし た.
第
3
節で は,
自由境界 問 題 を解 き評価関数と自 由境 界 関 数を定 義し,
地 域 開 発投 資の限 界 効 果を考 察した.
つ ぎに自由境界関 数の基本 的な性 質を 示し た後,
環境 価 値 不確 実 性F
における地 域 開 発投 資行 動 がbarrier
・control に従っ てい る こ とを明 ら かに し た.
本 節の最 後で は比較 動 学を行い , volatility の 増 大,
税率の変 更が自由境 界に 及ぼす 効 果 を示した.
第
4
節で は,
我々 の approach の advantage を 生 か して,
不確 実 性下にお ける開発 政策設 計の可 能性を探っ た.
開発 業者と 同 様の環 境 価 値不確 実性下におい て意 思決 定を行 う政 策 決 定者を想 定し, 政 策 決定 者の 自由境 界を定 義し た.
この 自 由境界と最 適開発政策下の開 発 業 者の 自由境 界が一
致す る よ うに政策 変 数を決 定し た.
この 分 析の直感 的 な 理解を促 す た めに環 境 資 産の非 利用 価 値 を 特 定 化 し,
最 適 開 発 政 策下の税 率の rule が存
在 する可 能 性 を 明 ら かに した.
Appendix
Proof
ofResult
1
地 域開 発投 資を 行 わ ない領域におい て は
,
∂V (P,
k
)122
∂ 2V (P,
κ) pv (P,
k)一
μP−
H (P
,k
)=0
∂P
一
喜
η∂P・ が成 り立つ
.
この 偏 微分 方 程 式 はつ ぎの変 数係 数の2
階 scalar 値非 斉 次 線 形常 微 分方 程 式 と み な して よい IS.
dV (Plk) 122 d2v (P・k ) pv (P;k)
一
μP− H
(P;k
)=
o.
dp
一
百
σ Pdp
・ これ は Euler型の常微分方 程 式で ある.
こ のEuler
型の常 微 分 方 程 式 を解 くために,
まず,
対応する斉 次 方 程 式 ls以 下では [DP ]の recipe に従っ て展 開 する
.
評 価 関 数V(・
,
・
)は多変数関 数 なので,
上の式 は 偏微分 方 程式で あ る
.
この式はilに関 する偏 微 分 を含ん でい ない の で,
y(・
,
k)を未 知 関 数,
P を 独 立 変 数 と す る2
階の scalar 値 非 斉 次 線 形 常微 分 方 程 式と みな して よい.
こ の場 合,
kは関 数 を shift させ る parameterであ る。
NII-Electronic Library Service
122
d2V
(P;k
)dV
(Plk)=
0 ρy
(P;k
)一
μPdp
ri
σ’
P
dp
・ の一
般解を求め る.V
(P;k
)=A
(k
)pS と お け ば, 特 性 方程 式は β2+ ・(
畚
一
1
)
・懈
一・
と なる.
こ の2
次 方 程 式の 解を β1÷
菱
・腸 )
2 +挈
・ ・,暢
一
畚
一
腸 )
2 +挈
… と書 くと,
斉 次 方 程 式の一
般 解はv
(P;k
)=Al
(鳶)P角 +A2
(k
)P亀 と なる.
よっ て,
上の常 微分方程式の一
般 解は,
v
(P
;k
)=
Al(k)P
& +A2
(k)P& +Vps
(P;k
) と書ける.
こ こで Vps (p
;k)は特殊 解で ある.
pが zero に近づ い た と き評価 関 数の 値 が有 限と なるように,A2
(k
)=0
と お く.一
般 解はv (P;鳶〉
− A1
Pβ・+Vps
(P;
k
) と修正 さ れ る.
特 殊 解の ひ とつ を未 定係 数 法で求めてVp
、(,、k
>一
(1 一
θ・)Φ (iC
) , ρ}
μ を得る19・
.
よっ て,
一
般 解はv
(,、k)− A
、(k
), ・1 +(1 一
θ・)Φ(k) , ρμ で ある
,
追 加 的投 資の ない 領 域の もう
1
つ の境 界,
す な わ ち 曲線 ∂v
(P,k
)一
ψ=0
∂k
をp につ い て解い てk の式で 表し,
P ;
昂B と記述 す る.
これ がつ ぎの最適性の2
条 件を満たすと仮 定 する20.
19収 入 関数はn(p ;k)
=
(1一
θΦ)Φ (h)p であるか らVps(p;櫛 全くlp +Co
と お くと,
未 定 係 数 法か ら (1一
θΦ)Φ (k) >O,
ζo=
OCi
=
ρ一
μ を得る.
2° これ ら2
条 件が 必 要 な根 拠につ い ては [DP ユを参 照さ れ たい.
93 N工 工一
Eleotronio LibraryValue−
matching condition∂
v
(P
,k
) ψ= ∂k
」
一
・
P
・…晒
(1 一
緤
・k・・
Smooth −pasting
condition・
一
鷂
詳
> P。
。
、1,
B、、、一
瑠
照 ・]・・,−
1 +(1 一
鍔
・
これ ら2
条 件か ら自 由境界関数β1(ρ
一
μ)ψPFB
(k
)=
(β1
− 1
)(1 一
θΦ)Φ’ (k
)を得る
.
この とき,
smooth−
pasting condition か らA
・ ’ ・・k
・」
1
諺
黌
’ [PFB
・… ]・一
・・ , < ・ を得る.
■Proof
ofResult
4
Result
1
と同様に して証 明で きる.
地 域 開 発投 資を行わ ない 領域に おい て は
,
ρvs (P
・
k)一
μP
∂y
評
鳶)一
圭
σ2p2 ∂2y譯
毒
罫
ん)−
rls(P,k )
一
=0
が成り立つ.
こ の偏 微 分 方 程 式はつ ぎの Euler型の常 微 分方程 式とみな し て よい.
・舳一
・μ
禦
一
去
・〆
f
(
t2
!
IYIVSi2P
;k
)一
嚇
・一
・・
この 常 微 分方程 式を解 くた めに,
まず,
対応 する斉 次 方 程 式 ・vs
(P・
・)一
・・dy
}
;鳶L
押
♂y謡
;k)一
・ の一
般 解を求め る.vS
(p;k
)=B
(k
)pfiと おけば,
特 性 方 程 式は β2 + ・(
μ1
σ22
)
β一
髪
一 ・ と なる.
こ の2
次 方 程 式の解を β1 ・梯
・腸
)
2 +噐
・ ・,畔
1
一
拳
一
(
畚
一
1
)
2 ・耋
・ ・,NII-Electronic Library Service と書 くと
,
斉 次 方程 式の一
一
般 解はvs
(P;k
)=B
、(k
)pfii+B2
(k
)pa と なる.
よっ て,
上の常 微 分 方程 式の一
般 解は,
yS (
PlfO
)・
=
Bi声
+ B2(k)P・
4 +噌
S(P
;k) と書 ける.
こ こ で噌s
(p;k)は特 殊 解で あ る.
p が zero に近づい た とき評価関数の値が 有 限 と な る ように,
B2 (k)=
0 とお く,一
般 解はvs(P;
k
)− B
、 P・
th +噌s
(Plk
) と修正 さ れ る.
特 殊 解のひ とつ を 未定 係 数 法で 求 めて噛
P
;il)一
( 1−
q)Φ + qp ρ一
μ を得る21.
よっ て,
一
般 解はV
・ (P
、k
)− Bl
(k
)pP1
+ (1−
q)Φ +1P
ρ一
μ である.
追加 的投 資のない領域の もう1
つ の境 界,
す な わ ち 曲線∂
vs
(P,
k
>−
c=0
∂k
をp につ い て解い て kの 式で 表し,
P =
瓏
(k
) と記述 す る.
これ がつ ぎの 最 適 性の2
条 件 を 満 た す と 仮定す る.
Value−
matching condition ;・
一
∂vi
絆
〉灘 ω一 Bl
’ ・・)[
瑞
」
・ + (1−
・)Φ ’ (’C
ρ一
μ )醜
・k
・・
Smooth −pasting
condition ;・一
弯
藩
紛 騨 一・
[
瑞
・iC
・匹
(1
諜
・
これ ら2
条件か ら自由境 界 関 数 21収入 関数はnS (Plk)
一
((1−
q)Φ +g)p であるからVllls(p;め 全ξ1p + ξo と お くと,
未 定係 数 法か ら (1−
9)Φ (k)十9 ξ1=
> O,
ξo一
ρ一
tt を得る.
95
N工 工一
Eleotronio Library軸
一
、β1
弩
仁
翫
)を得 る
.
この と き,
smooth−pasting
condition か らβ1’
」
謡
〉繋
〉[
醜
・k)]
1−,
a < ・を得る
.
■参
.
考
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