JAIST Repository: 化学量論的組成に近い低温成長GaAsの格子欠陥
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(2) A18p4 化学量論的組成に近い低温成長 GaAs の格子欠陥 田中宏靖(大塚研究室) 【研究の背景と目的】 GaAs を分子線エピタキシー(MBE)を用いて 200℃付近の低温で、通常の As と Ga フラックス条件で 成長すると、高濃度の過剰 As を点欠陥として含んだ結晶となる。しかし、As と Ga のフラックス比を特 別の条件に制御すると、化学量論的組成に極めて近い GaAs 結晶層が成長でき、その光学的性質は通常の 高温で成長した GaAs 結晶層に匹敵するものとなる。ただし、この低温成長の GaAs 結晶層の光学的性質 は、成長時のフラックス条件に非常に敏感に依存して変化する。本研究では、フラックス条件をわずかに 変化して成長した化学量論的組成の GaAs 結晶層および GaAs/AlAs 多重量子井戸構造(MQW)の内部構 造を透過電子顕微鏡(TEM)によって観察し、成長時のフラックス条件と光学的性質の関連を明らかにす ることを目的とする。 【実験】 MBE により GaAs 均一膜を基板温度 240℃で As/Ga フラックス比をわずかに変えて 4 試料成長し、そ の X 線回折像およびその表面光学像を観察した。GaAs/AlAs MQW は、基板温度 300℃で試料の一端から 他端まで As/Ga フラックス比をわずかに変化させて成長した。これらの成長試料の断面薄膜試料を作成し、 TEM により観察した。 【結果と考察】 GaAs 均一膜は、TEM 観察および表面光学像により、成長時の As/Ga フラックス比の増加に伴って 3 種類の試料が存在することがわかった。As/Ga 比がいちばん低い場合は、表面は乳白色で内部に積層欠陥 および転位が高密度に存在した。As/Ga 比がやや高くなると表面は鏡面状になるが、やはり高密度の欠陥 が存在した。As/Ga 比がさらに高くなると表面は鏡面状になり、内部に欠陥が全く存在しない膜となった。 MQW 試料は、As/Ga フラックス比が最も高い部分で図 1 の TEM 像に見られるように欠陥のない多層構 造となり、As/Ga フラックス比が低下するにつれて図 2 に見られるように多層構造は著しく波状になり、 より多くの格子欠陥が表面に向かって発生していた。この MQW の TEM 観察結果を、フォトルミネセン ス(PL)や超高速分光の結果と比較して考察した。. 図 1 MQW 試料の As/Ga フラックス比が. 図 2 MQW 試料の As/Ga フラックス比が. 高い部分の断面明視野 TEM 像. 低い部分の断面明視野 TEM 像. <Keywords>. MBE,TEM,格子欠陥.
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