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Title
A study on the intrapapillary capillary loop
detected by narrow band imaging system in early
oral squamous cell carcinoma
Author(s)
関根, 理予
Journal
歯科学報, 116(5): 406-407
URL
http://hdl.handle.net/10130/4155
Right
Description
博士(歯学)・第2002 号(甲第1243号)・平成
25年3月31日
406 歯科学報 Vol.116,No.5(2016) せき ね り よ 氏 名(本 籍)
関
根
理
予
(東京都) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2002 号(甲第1243号) 学 位 授 与 の 日 付 平成25年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当学 位 論 文 題 目 A study on the intrapapillary capillary loop detected by narrow
band imaging system in early oral squamous cell carcinoma
掲 載 雑 誌 名 JournalofOralandMaxillofacial Surgery, Medicine, and
Pathology doi:10.1016/j. ajoms.2014.11.010
論 文 審 査 委 員 (主査) 阿部 伸一教授
(副査) 柴原 孝彦教授 片倉 朗教授
山本 仁教授 松坂 賢一准教授
論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的
上部消化管・下部咽頭領域では Narrow Band Imaging(NBI Ⓡ
)システム搭載拡大内視鏡を用いて病変とその 周囲の上皮乳頭内毛細血管ループ(Intrapapillary Capillary Loop : IPCL)のパターンを分類することで早期癌 の描出に成果をあげている。これまでに,われわれも口腔領域において拡大内視鏡検査を応用し,IPCL の異 常形態から早期口腔癌を検出し追及を行ってきたが,口腔粘膜に発生する様々な病変を鑑別するには至ってい ない。特に健常粘膜と上皮異型成,悪性腫瘍の鑑別が重要である。そこで今回われわれは拡大内視鏡を用いて 健常口腔粘膜,口腔粘膜疾患,悪性腫瘍における IPCL の形態を分類し,口腔粘膜疾患の鑑別が可能であるか 試みた。また切除標本の健常口腔粘膜から上皮異形成,扁平上皮癌に至る領域の IPCL 変化の3次元構築画像 を作製し,各病態における IPCL の血管径や密度について比較検討を行った。 2.研 究 方 法 2007年4月から2011年10月までに当科を受診した口腔粘膜疾患患者および口腔癌患者のうち,予め同意の得 られた患者119名に対して NBI システム搭載拡大内視鏡を使用して病変部およびその周囲粘膜の観察を行っ た。また同意の得られた健常者40名については歯肉,口唇,頬,口底,舌縁,舌背について観察を行った。本 研究は東京歯科大学倫理委員会の承認を得て行った(承認番号235)。IPCL の3次元構築画像については,病 理組織学診断において上皮異型性,悪性腫瘍と診断された患者の切除標本から連続切片を作製し,抗 CD34抗 体で免疫染色を行ったのち,コンピューター上で IPCL の輪郭線を抽出し3次元構築を行った。 3.研究成績および考察 健常口腔粘膜では IPCL の出現は明らかに少なく,形態は直線に近い。配列に異常がなく,規則正しく走 行,配列していた。上皮異形成では IPCL の出現が増加し,形態学的には軽度の拡張,蛇行を認めた。悪性腫 瘍においては IPCL のさらなる増加,形態学的にも,蛇行,口径不同,形状不均一といった不規則な変化を認 め,走行異常,形態異常が顕著になることが確認された。また,3次元構築画像では,IPCL の集積,血管厚 径増加を認めたことから口腔粘膜上皮の悪性化においては,IPCL の集積や厚径が増加することが客観的に示 唆された。 ― 62 ―
407 歯科学報 Vol.116,No.5(2016) 4.結 論 本研究より IPCL の形態変化が粘膜の悪性化を示す重要な所見の1つであることが示唆された。 論 文 審 査 の 要 旨 NBI 搭載拡大内視鏡を用いた IPCL の観察は消化管領域において早期癌の発見に有用であると報告されてい る。教室では口腔内においても NBI を応用し同様な有効性を明らかにしてきた。しかし従来の IPCL 変化は 視診的評価のみで形態学的詳細は明らかにされていない。本論文は NBI を用いた IPCL の形態変化が早期癌 の発見に有用であることを再確認するとともに,視診との関係性を明らかにすべく IPCL の三次元構築画像を 作成し normal,dysplasia,OSCC において比較検討を行った。その結果,早期癌発見の感度と特異度ともに 89%以上を示し,IPCL の三次元的形態的変化も明らかにすることができた。
本審査委員会は non-OSCC において TypeⅢ,Ⅳに分類される症例,形態変化を認めた IPCL は既存の血管 または新生血管であるのか,IPCL の形態変化は腫瘍の間質において起こるのか,または正常であっても間質 の血管が形態変化で起こるのか,浸潤癌ではなぜ TypeⅢが多くみられるのか,NBI のスクリーニング検査に おいて正診率を向上させる手段等,について質問があった。NBI を用いた IPCL 形態の観察では NBI 光源の 深達度の問題から角化の厚い病変や深層における病変では観察が難しい。また,扁平苔癬などの炎症性病変で は血管拡張や形態変化を認め,TypeⅢやⅣを示すものもあり IPCL 分類の診断では困難を極める場合がある。 そのため OSCC の検出において NBI 検査単独での診断は難しい。NBI の正診率の向上のため細胞診,組織 診,画像検査,生体染色やベルスコープといった光学機器を使用して総合的に診断を行うことが必要であるこ と,あくまで NBI は早期癌のスクリーニングの一つであることを回答した。また浸潤癌において TypeⅢが多 くみられることについては,浸潤癌での最深部では NBI の観察が行えないといった点が考えられた。浸潤し ている最深部では新生血管が形成されるため,最深部へ NBI 光源が到達しない部位であると判断した。今後 の展望として,腫瘍細胞の脈管侵襲の解明を挙げた。腫瘍細胞と周囲血管は近接しているが,IPCL とは距離 がある。各病態の IPCL の形態を観察することで,腫瘍細胞への脈管浸潤の関係を,今後明確にしていく予定 である旨,説明した。 以上より本研究で得られた結果は,今後の歯学(口腔外科学)の進歩,発展に寄与するところであり,学位授 与に値するものと判定した。 ― 63 ―