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中国語と日本語 : 初級中国語教育の問題点を中心に

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Kobe Shoin Women’s University Repository

Title 中国語と日本語―初級中国語教育の問題点を中心に―

Chinese language and Japanese language

Author(s) 鮑 顕陽(Bao Xianyang)

Citation 研究紀要(SHOIN REVIEW),第 41 号:23-41

Issue Date 2000

Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文

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中 国語 と 日本 語

CHINESELANGUAGEAND

JAPANESELANGUAGE

∼初級 中国 語教 育 の 問題 点 を 中心 に一

目次: 一、 は じ め に 二 、"普 通 話"に つ い て 三 、"排 音"に つ い て 四 、 簡 略 字 に つ い て 五 、 単 語 に つ い て 六 、 お わ り に は じ め に

一 、 日本 で 中 国 語 を教 え て 、 五 年 に な る が 、 中 国 で 日本 語 を教 え て 、十 五 年 に な る。"同 文 同 種"と 言 わ れ る両 国 民 と両 国 語 だ が 、 そ の 両 国 語 は時 代 の 流 れ で け っ こ う違 っ た形 に な っ てい る の は 言 う ま で も な い こ とで あ る。 中 日文 化 対 照 研 究 は私 に と っ て永 遠 の 課 題 で あ る と言 っ て も過 言 で は な い が 、 文 化 を研 究 す る前 に 、両 国語 の 対 照 研 究 が どう して も必 要 だ と痛 感 い た して お る次 第 で あ る。 そ れ は研 究対 象 国 の 言 葉 が で きな け れ ば 、 また 自 国 の 言 葉 との違 い を知 らな け れ ば 、 文 化 の 研 究 ば か りで な く、 い ろ い ろ な面 で支 障 を きた す か らで あ る 。 そ こで 、本 稿 で は 中 国 語 と 日本 語 とい う大 テ ー マ の も とで 、 初 級 中 国語 教 育 の 問 題 点 を中 心 に、 両 国語 の 異 同 に つ い て論 じて み た い と思 う。 二 、"普 通 話"に つ い て まず 、 中 国語 に つ い て 説 明 しよ う。 ご承 知 の通 り、 人 口約 十 三億 の 中 国 は 、

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五 十 六 の民 族 か ら成 る 多民 族 国 家 で あ る 。 そ の 総 人 口 の 約 九 十 三 パ ー セ ン トを 占め る最 大 の 民 族 で あ る 漢族 の 言 葉 が"双 悟"で 、 ま た"中 文"、"中 国 活" と も言 う。これ を 日本 で は 中 国 語 と呼 ん で い るの で あ るが 、世 界 の 言 語 の 中 で 、 母 語 と して の 使 用 人 口 が最 も多 い 言 語 で 、 英 語 、 フ ラ ン ス語 、 ス ペ イ ン語 、 ア ラ ビ ア語 と と も に 国連 の公 用 語 の 一 つ に な っ て い るの で あ る。 一 口 に 中 国 語 とい っ て も、 日本 の約 二 十 六 倍 もあ る広 大 な 国 土 の な か で 、 長 い 歴 史 を 経 て い く うち に い くつ もの方 言 が 形 成 され 、 そ れ ぞ れ に発 音 や 語 いが 大 き く異 な るの で あ る 。 そ れ らの方 言 は一 般 に次 の 七 つ の 方 言 群 に 分 け られ て い る の で あ る。 1.北 方 方 言:中 国 の 北 部 、 中部 、 西 部 で 広 く用 い られ て い る 。 北 京 語 が そ の 代 表 で 、総 人 口 の 七 十 パ ー セ ン ト以 上 を 占 め る 。 2.呉 方 言:漸 江 省 お よ び江 蘇 省 の長 江 一 帯 で 用 い られ て い る 。 蘇 州 語 や上 海 語 な どが そ の 代 表 。 3.湘 方 言:湖 南 省 の 大 部 分 で 用 い られ て い る。 長 沙 語 な どが そ の代 表 。 4,蟹 方 言:江 西 省 と湖 南 省 の 一 部 で 用 い られ て い る。 南 昌 語 な どが そ の代 表 。 5.閨 方 言:福 建 省 、 台 湾 省 な ど で用 い られ て い る。 福 建 語 や 厘 門語 な どが そ の 代 表 。 6.客 家 方 言:広 東 省 、江 西 省 な ど主 に山 地 に散 在 す る客 家 の 人 た ち が用 い て い る 。 7.興 方 言:広 東 省 、広 西 チ ワ ン族 自治 区 な どで 用 い て い る 。 広 東 語 と も言 う。 同 じ中 国 人 で も異 な る 方言 で 話 した 場 合 に は 、 ほ とん ど通 じ な い の で 、 そ こ で 中 国 で は 、 中 国 語 の共 通 語 と して 定 め られ た の が 感普 通 話"で あ る。 それ は 中 国 全 土 に広 く通 用 す る もの で 、 次 の よ うな 基 準 に よ っ て い る の で あ る。 1.北 京 語 の 音 体 系 を標 準 とす る 。 2.語 い は 北 方 方 言 を基 礎 とす る。 3.文 法 は現 代 口語 体 で 書 か れ た 代 表 的 著 作 の 文 法 体 系 を基 準 とす る 。 現 在 、 中 国 で は 、学 校 教 育 に 於 い て 、 略普 通 話"を 用 い る こ とが 原 則 とさ れ

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て お り、 ラ ジオ 、 テ レ ビ も、 特 別 な 場 合 を 除 い て 、"普 通 括"で 放 送 され て い る の で あ る。 授 業 の 時 、 学 生 は し ょっ ち ゅ う 中国 語 の こ と を"中 国 悟"と い うが 、 そ れ は 間 違 い で あ る 。 中 国 語 は 、 中 国 語 で は"中 国 悟"と は 言 わ な い 。 そ れ は①"双 悟"、 ②"中 文"、 ③"中 国 括"と 言 うの で あ る。 この 三 者 の 意 味 す る 内 容 は 少 し違 っ て い るの で あ る 。 そ の 違 い に つ い て 、 神 戸 市 外 国 語 大 学 の 佐 藤 晴 彦 教 授 は 《な る ほ ど分 か る 中 国語 》(同 学 社)の 中 で 詳 し く述 べ た の で 、 こ こで そ れ を引 用 して 説 明 して み よ う。 1."双 悟"は"双 族 的 悟 言"(漢 民 族 の言 葉)の 意 。 2."中 文"は ①"中 国 的 悟 言 文 学"(中 国 の 言 語 文 学)の 意 。 ②"中 国 的 悟 言 文 字"(中 国 の 言 語 文 字)の 意 。 3."中 国 活"は"中 国 十 括(言 葉)"の 意 で 、 上 の② の 通 俗 的 言 い 方 。 普 通 、 沖 文"と い う時 は② の 意 味 で あ る が 、"中 文 系"(中 国文 学 部)と い う時 は"中 文"の ① の 意 味 で使 って い る の で あ る。 ま た 学術 的 に は厳 密 さが 要 求 され るか ら、"双 悟"が 使 わ れ る こ とに な る。 そ れ な ら、 話 し手 が これ らを 口 にす る時 、 三 者 の 違 い を 意 識 して 明 確 な使 い 方 を して い る か とい う と、 そ れ は 恐 ら く して い な いで あ ろ う。 三 者 に は こ の よ うな違 い が あ る が 、 日常 生 活 で は"双 悟"、"中 国活"が 普 通"口 頭 語"と し て、"中 文"が 普 通"書 面 語"と して用 い られ る傾 向 が あ る。 こ れ は 口頭 語 の 文 法 を"悟 法"と 言 い 、 書 面 語 の 文 法 を意 味 す る"文 法"と 区別 す る こ と に通 じる もの が あ る 。 脱 双 悟"、"悦 中 国活"(中 国語 を話 す)と い う言 い 方 が 抵 抗 な く感 じ られ る の に対 し、"悦 中文"が や や 抵 抗 を覚 え る の はそ の た め で あ ろ う。 三 、"排 音"に つ い て 前 章 の"普 通 話"と 次 章 の"簡 略 字"と 合 わせ て 中 国 で 実 施 され た の が 、耕 音"(ピ ンイ ン)の 制 定 で あ る。 こ れ は ロ ーマ 字 を 用 い た 中 国語 の 発 音 表 記 で 、 1957年 に"双 悟 併 音 方 案"と して正 式 に公 布 され た もの で あ る 。 こ れ は 声 調 の 記 号 も加 わ っ て い る こ と もあ っ て 、 日本 語 の ロ ー マ 字 読 み と英 語 の 発 音 と も異

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な っ て い るの で あ る。 中 国 語 の 学 習 は 、 この ピ ンイ ンを 覚 え な が ら発 音 練 習 を す る こ とか ら始 ま る の で あ るが 、そ れ ま で 中国 で は"注 音 符 号"(注 音 字 母 と も言 う)な る もの が 使 わ れ て い て 、 そ れ は 一・九 一 八年.中 国 で 公 布 され た符 号 で 、 日本 の 片仮 名 に 似 て い る よ うな もの で あ る。 一 九 五 六 年(ち ょ う ど筆 者 が 生 ま れ た年}に 小 学 校 に 入 学 した学 童 まで が 、 この 符 号 で 教 育 を受 け た(い ま台 湾 で も まだ こ の注 音 狩 号 を使 って い る よ う だが)の で あ る 。 現 在 使 用 さ れ て い るの は 一一九 五 六 年 二 月 にそ の 革 案 が発 表 され 、 一 九五 七 年 十 二 月 に その 修 正 案 が公 布 され た"耕 音 字 母 ケ で あ る。 そ れ は次 の通 りで あ る。 しる しを つ け た の は学 生 が よ く間違 っ て発 音 す る もの で あ る 。

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【中国語音節表】 1韻 母 声 母 1(介 音 な し) . a o ☆ e Ii 回 由 日1 ☆ ef . ai ei . ao OU an en I ang eng 0皿9 ia . ie iao ,10U ■ -1U b ba bo bi .

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こ の"排 音 字 母"を 中 国 語 を勉 強 す る さい 、 まず 最 初 に習 う もの で あ るが 、 日本 語 の 発 音 と似 て い る よ う な もの もあ る し、 日本 語 に な い音 もあ る。 し た が っ て 、 ピ ン イ ン を教 え る 時 に 、特 に そ うい う発 音 の練 習 を く りか え しす る必 要 が あ る 。 また 、 そ れ は 単 に教 科 書 に た よ るの で は な く、先 生 の 実 際 の 指 導 の下 で 行 うの が 理 想 的 で あ る。 今 ま で の教 科 書 な ら、皆"発 音 器 官 図"な る も の が のせ て あ るが 、 そ れ は全 ぜ ん役 に立 た な い もの で あ る。 実 際 に 先 生 の発 音 を 聞 い て 、 口 の 形 を見 て 、 まね を して発 音 す るの が 教 室 の 実 態 で あ るか ら、 こ ん な "発 音 器 官 図"を 見 て も分 か らな い 人 が 多 い。 私 は 二 十 数 年 前 、 日本 語 を勉 強 し始 め た 時 も 同 じで 、教 科 書 に は 日本 語 の"ア イ ウエ オ"に つ い て 寒発 音 器 官 図"が あ るが 、 ど う見 て も分 か らな い ので 、見 な い こ とに した が 、 同級 生 に 聞 い て み た ら、 ほ とん どが 分 か らな い の で 、 見 な い こ と に して い るの だ か ら、 中 国語 につ い て も同 じで あ ろ う。 素 人 の 分 か らな い も の は載 せ な い で ほ しい の で あ る 。今 の 新 しい教 科 書 に は これ が な い の は い い こ とで あ ろ う。 また 、 ピ ン イ ン には 四 声 が あ るの で 、 そ れ は 難 しい とい う学 生 もい るが 、 こ れ に つ い て 、 私 の感 じで は 、 た と え ば、 日本 語 の 阜行 き ます か"に は"V-一 \/"と い う 四声 が つ い て い る の で は な い か と思 うの で あ るが 、 日本 人 が そ れ を 意 識 せ ず に使 って い る だ け で 、 先 生 が 指 摘 す れ ば 、 な る ほ ど と納 得 す る で あ ろ う。 実 際 の 練 習 は先 生 の 指 導 で行 な うべ きで あ る か ら、先 生 の 責任 は重 大 で あ る 。 中 国 語 の 発 音 で 、 日本 人 が 掌握 しに くい もの は 、 た と えば 次 の よ う な も の が あ る 。 まず は単 母 音 の ㌔"、 ㌔"と そ り舌 母 音 の 黙er"(ア ル 音)で あ る 。 こ れ らの 音 は、皆 日本 語 に な い もの な の で 、重 点 的 に練 習 す る必 要 が あ る 、"u" も 日本 語 の"ウ"の 音 に近 い が 、 口 を す ぼめ て発 音 す る必 要 が あ る。 また 、子 音 な ら"h"と 巻 舌 音 の"zh、ch、sh、r"も 難 しい よ うで あ る が 、 そ れ は解 決 で き るか ど うか は先 生 の教 え方 に か か って い る の で あ る。つ い最 近 、 NHKの テ レ ビ番 組 を見 た ら、あ る大 学 の 中国 語 の授 業 風 景 が うつ し出 さ れ た 。 そ の 大 学 で は 先 生 は本 文 の 朗 読 を や ら な い で 会 話 で 覚 え て も らお う と会 話 に重 点 を置 い て教 えて い る との こ とで あ る。 そ れ は け っ こ うな こ とで あ る が 、 た だ

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一 つ 気 に な っ た こ とが あ っ た。 そ れ は先 生 の 質 問 弥 吃 什 広?(あ な た は何 を食 べ ます か) に対 し、学 生 は 我 吃 中 学 。(私 は 中華 を食 べ ます) と答 え た 。 そ れ で 先 生 は"中 国 を食 べ て ど うす る ん だ"と 言 っ て 、 み ん な笑 っ た が 、 先 生 が 坤 孕"の 意 味 す る とこ ろ は よ く知 っ て い る の で 感 心 した が 、 た だ 気 に な っ た の は そ の"吃"と い う動 詞 の 発 音 で あ る。 学 生 も先 生 も皆"吃" (c㎞)を"(デ(日 本 語 の ツ の音)と 発 音 した の で あ る 。 こ れ は 正 しい発 音 で は な い 。 これ は 日本 語 に ない 発 音(巻 舌 音)だ か ら、 先 生 が こ ん な に発 音 す る な ら、 もち ろ ん学 生 も同 じよ うに発 音 す る の で あ ろ う。 この 先 生 は た ぶ ん 日本 人 で 、仕 方 が な い か も知 れ な い が 、 日本 人 で も、 た とえ ば 学 生 の 中 に は きれ い に巻 舌 音 の 発 音 が で き る人 もけ っ こ う い る の で あ る。 逆 に 、 中 国 人 で 、"普 通 話"の 章 の 中 で述 べ た よ う な方 言 の 関 係 で巻 舌 音 の 発 音 の で きな い 人 もい る か ら、 中 国 人 な らだ れ で も そ れ が で き る とは 限 ら な い の で あ る。 要 す る に 、 まず 先 生 が 上 手 に 出来 る こ と、 そ れ か ら丁 寧 に指 導 す る こ とが 必 要 で あ ろ う。 も う一 つ の 問 題 点 はanとangの よ う に 一nや 一ngで終 わ る音 で あ る。 日本 語 で は 一nか 一ngか を あ ま り区 別 し な い の で 、 そ れ が 難 しい と感 じ る 学 生 が い る が 、 実 際 の 発 音 で 、 た と え ば"案 内"(ア ン ナ イ)で は 一nに、 寧案 外"(ア ン ガ イ)で は 中 国 語 の 一ngに近 い発 音 が さ れ て い る の で あ る。 も う一 つ 例 をあ げ る と、た とえ ば 、英 数 字 の 、1"は 英 語 で は 「ワ ン」 とい うが 、そ れ は ㌦an" とい う発 音 で 、犬 の 鳴 き声 の"ワ ン ワ ン"は 中国 語 の やw註ngwang"の 寧一ng" の発 音 で あ る 。 これ も先 生 が 指 摘 す れ ば 、 学 生 は な る ほ ど と納 得 す る の で あ ろ う。 そ れ は 中 国 語 に は 一nと 一ngの対 立 が あ るの で あ る 。 また 、 この 一ngも また 日本 語 の外 来語 の 発 音 と違 う の で あ る。 日本 語 の 外 来 語 で は"一 ン グ"と 発 音 され る よ う だ が 、 中 国 語 で は、 た と え ば 、送"と い う字 の 発 音 は"sδng"(ソ ン)で"ソ ン グ"で は な い の で あ る。 そ の ほ か に、日本 人 の学 生 が よ く間違 っ て発 音 した の は次 の よ う な 音 で あ る。 "q" 、 中 国 語 で は"ヂ と発 音 し、qinは 黙チ ン"と 読 む の で あ る が 、 学 生 は よ くこれ を 、ク イ ン"と 発 音 す る 。

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"C" 、 中 国 語 で は"ツ"と 発 音 し、congは 感ツ オ ン"と 読 む の で あ る が 、 学 生 は よ くこれ を"コ ン"と 発 音 す る。 そ れ は 英 語 の 影 響 が あ った か らで あ ろ う。 先 生 と して は根 気 よ く指 導 しな け れ ば な ら ない ので あ る 。 日本 人 が 一 番 発 音 が 苦 手 な の は 増 本 人"と い う言 葉 で あ ろ う。 こ れ を ク リ アす れ ば、発 音 が 合 格 で きる ので は な い か と思 う。そ の ピ ンイ ンは"RIBEN蛇N" で 、声 調 が 三 つ 出 て 、巻 舌 音 も二 つ あ るか ら難 しい よ うだ が 、要 す る に"リ ー ベ ン レ ン"と 発 音 しな い こ と、 そ の よ う な発 音 を させ な い た め に、 先 生 の 指 導 が 重 要 で あ る。 四 、 簡 略 字 につ い て ご承 知 の 通 り、 中 国 の 漢 字 の総 数 は五 万 以 上 。 画 数 が 多 くて覚 え に くい 漢 字 も少 な くな い 。 そ の た め 、 識 字 率 が極 め て低 い 時 代 が 長 く続 い て きた 。 そ の 状 態 を打 破 す るた め に 、 中 国 政 府 は 一 連 の措 置 を取 っ た の で あ る。 ま ず 一 九 五 五 年 に異 体 字 整 理 表 を発 表 、 そ れ か ら翌 一 九 五 六 年 に漢 字 簡化 方 案 を公 布 、 そ し て 一一九 六 四 年 に簡 化 字 総 表 を発 表 し たの で あ る。 以 後 、 簡 略 化 した 漢 字(簡 体 字)が 正 式 の 字 とな っ た の で あ る 。 そ の 簡 略 化 の方 式 は次 の よ うで あ る。 1,も との 字 の一 部 を残 した もの に 務 → 多 開→ 升 電 → 屯 習→ 刃 郷 → 多 廣 →   術 → 木 麗 → 朋 産 → 声 業 → 立 飛 → 、 雲 → 云 な どが あ る。 2.へ ん、 つ く りを 簡 略 化 した も の に 筆 → 第 淺 → 浅 婦 → 始 観 → 双 構 → 椥 難 → 唯 進 → 送 陽 → 限 陰→ 明 勝 → 月生 億 →f乙 権 → 板 な どが あ る。 3.同 音 字 を借 りた もの に 裏 → 里 幾 → 几 醜 → 丑 麺 → 面 後 → 后 瞭→ 了 な どが あ る。 4.草 書 体 等 を採 用 した もの に

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頭 → 美 馬 → 与 書 → お 義 → 又 為 → 力 長 → 長 龍 → 尤 楽 → 朱 聴 → 所 專 → 寿 亜 → 亜 な どが あ る 。 5.形 声 文 字 の 原 理 を利 用 した もの に 憂 →'1尤 驚→'諒 護≡→ 壬戸 垂B→由β 態 → 恣 極 一 扱 な どが あ る 。 中 国 語 の文 字 に つ い て話 す 場 合 、 や は り まず 漢 字 廃 止 論 を紹 介 しな け れ ば な らな い と思 う。 簡 体 字 運 動 は 子 供 の(字 を覚 え る)負 担 が 大 きい か ら、 表 記 の 道 具 で あ る 文 字 は で き る だ け 易 し く し、 そ れ で 、"節 約"さ れ た エ ネ ル ギ ー を 他 の 方 面 へ 振 り向 け よ う とす る ね らい もあ っ た。 だ が 、 わ ず か 二 十六 文 字 の ア ル フ ァ ベ ッ ト(ギ リ シ ャ文 字 は二 十 四文 字 だ そ うだ が)で あ の ケ ンラ ンた る ヨ ー ロ ッパ 文 明 が 築 け る の な ら、 何 も数 千 以 上 もの漢 字 を覚 えて"表 記 手 段 にす ぎ な い文 字"そ の も の に過 大 なエ ネ ル ギ ー を費 や す 必 要 は な い で は な いか 。 そ うい う発 想 で 、 出 て きた の は 、漢 字 廃 止 論"で あ っ た 。 塾文 字 改 革 は ロ ーマ 字 化 す る道 を歩 も う"と 、 そ れ は確 か に毛 沢 東(新 中 国 の 創 設 者)が 最 初 に提 侶 した もの で 、 ピ ン イ ン を普 及 させ て 、 漢 字 を廃 止 し、 ピ ン イ ン だ け を使 お う と い う もの で あ る。 しか し、 そ れ は大 胆 す ぎ る発 想 で 、 い く らそ れ は え らい人 が 提 侶 した もの で も賛 同 した 人 は ほ とん ど い な い の で 、 そ の あ と 自然 に消 え た の で あ る が 、 そ れ に は また 別 に原 因 が あ っ た 。 一 つ は ピ ン イ ンだ け に な る と、数 億 の 人達 は い っせ い に 文 盲 み た い に な っ た ら、 政 治 、経 済 、 教 育 な ど に多 大 な 影 響 を与 え る に ち が い な い 。 も う一 つ は 世界 で ま だ 漢字 を使 って い る 国 で 、 た と え ば 日本 と シ ンガ ポ ー ル は経 済 が 発 達 し、 先 進 国 の仲 間入 り を は た した こ と と、 台 湾 、 香 港 も経 済 が 発 達 し て い る こ と、 これ は また 中 国 人 に一 つ の ヒ ン ト を与 え た の で あ る 。即 ち漢 字 は 悪 魔 で は な く、 漢 字 を覚 え た り、 書 い た りす る こ とは 脳 を刺 激 し、 頭 が よ くな る の だ とい う こ とで あ る。 した が っ て 、 漢字 は 簡 略 化 す べ き もの で あ っ て 、 廃 止 す る必 要 は な い或 い は廃 止 で きな い とい う結 論 に な った の で あ る。 しか し、 漢 字 が 簡 略 化 され る こ とに よ っ て、 日本 語 の 漢 字 とず いぶ ん と違 う よ う に な っ た の は 言 う ま で も な い こ とで あ る。 そ れ よ り もっ とや や こ しい の は

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似 て い て 違 う両 国 の文 字 で あ る。 た と えば 、 (中 国 語)→ 辺 、単 、 対 、 骨 、画 、 角 、 繭 (日 本 語)→ 辺 、 単 、対 、 骨 、 画 、 角 、 両 (中 国 語)→ 脳 、浅 、 牧 、 困 、圧 、 庫 、 宜 (日 本 語)→ 脳 、浅 、 収 、 団、 圧 、 応 、 直 (中 国 語)→ 具 、包 (日本 語)→ 県 、 包 な どで あ る 。 こ れ は ほ ん と う に 間違 い や す い の で あ る 。 ま た 、 自然 消 滅 した の は"漢 字 を廃 止 し、 ピ ン イ ン だ け に す る"と い う発 想 だ け で は な い 。 実 は 寧第 二 次 漢字 簡 略 化 方 案(草 案)"な る も の も一 九 七 七 年 十 二 月 二 十 日 に発 表 され た の で あ る 。 そ の後 、 一 時 新 聞 な どで 使 用 され た の だ が 、 反 ば つ が 大 き く、取 り止 め に な っ た が 、 い ま、 手 書 きの 文 や看 板 な どに は 使 わ れ て い る もの もあ る。 た とえ ば 次 の よ う な文 字 で あ る 。 賜 → 蹄 展 → 日 影 → 杉 蝿 → 咀 迎 → 通 敗 → 帳 鮭 → 珪 信 → 伎 圓 → 閏 耀 → 妖 齢 → 令 嘆 → 吐 審 → 宙 算 → 赫 糖 → 紅 舞→ 午 藍 → 豊   → 荒 競 → 耕 虹 → 江 盒 → 合 副 → 付 幕 → 邦 播 → 柿 部 → コ 菜 → 芽 餐 → ダ 蛋 → 旦 富 → 実 器 → 口 もち ろ ん、 そ れ 以 外 に も抵 抗 感 の 大 きい 簡 略 字 も多 い の で あ る 。 た とえ は次 の よ うな もの 、 雪 → ヨ 意 → 忌 宣 → 亡 預 → 予 虐 → モ 病 → ダ 私 → ム 壁 → 望 藏 → 韮 答 → 蒼 稿 → 初 道 → 辺 殿 → 展 短 → 卦 雄 → 広 修 → 多 靴 → 就 演 → 泣 源 → 玩 以 上 の よ うな 簡 略 字 は速 記 の 場 合 、 と て も役 に立 つ よ うだ が 、 ち ょっ と略 し す ぎ とい う き らい が あ る 。 で も、 使 っ て もい い の で は な い か とい う よ う な もの もあ る と思 うの で 、一 概 に だ め に な っ た こ とは ち ょ っ と残 念 だ と思 う し、ま た、 そ れ に よ っ て こ こ数 十 年 間 、 漢 字 の 簡 略 化 は遅 々 と して進 ん で い な い こ と は あ

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ま り好 ま しい こ とで は な か ろ う。 た だ 、 漢 字 の 簡 略 化 はや は り現 在 漢 字 を使 っ て い る 国 、 中 国 と 日本 な どが協 力 して や っ た ほ うが よい と思 う。 確 か に シ ン ガ ポ ー ル で は 中 国 の 簡 略 字 が 導 入 さ れ、 使 わ れ て い る よ う だが 、 日本 は ど う だ ろ う。 実 際 に 、 中 国 で 漢 字 の 簡 略 化 が 進 ん で い る と同 時 に、 日本 で も漢 字 の簡 略 化 をや っ て い る よ う に見 受 け られ る。 た と え ば次 の よ う な例 で あ る。 (中)

龍{

(日)

氣偲

(中)

(日) 尤 竜 ﹃ 気 庫 応 (中)

廣{

(日) (中)

預{

(日) (中)

(日) 翻 く   広 預 予 方 弁 普 通 、 中 国 語 は 簡 略 字 を、 日本 語 は 元 の 繁 体 字 の 方 を使 用 してい る 場 合 が 多 い の であ る が 、 以 上 の例 の よ う に 、程 度 の 差 こそ あ れ 、 両 方 と も漢 字 の 簡 略 化 に力 を入 れ て い る よ うだ 。 ま た 、 中 国 語 よ り、 日本 語 の方 が も っ と簡 略 化 さ れ た 文 字 を使 っ て い る例 もあ る。 た とえ ば"預"の 例 で あ る 。 中国 語 の"第 二 次 漢 字 簡 化 方 案(草 案)"に も"予"と 粘辺"が 取 り入 れ ら れ て い る か ら、使 っ て もよ い で は な い か 。 た だ 、 日本 語 の"辺"は 中国 語 の"辺"と 同 義 で あ る の に、 糖 二 次 漢 字 簡 化 方 案(草 案)"で は そ れ を 黙道"の 略字 と して認 定 し よう と して い る 。 これ が 実 施 され る と、 中 日両 国語 は ま た あ らた な 同 じ漢 字 の意 味 の ね じれ現 象 も生 じか ね な い の で 、 日本 の 言 語 学 者 か らの 反 ば つ も予 想 さ れ る で あ ろ う 。 した が っ て 、 こ れ か ら この 両 国語 の 漢 字 の 簡 略 化 の ギ ャ ップ を ど う 埋 め る の か 、 そ れ は両 国 の 言 語 学 者 に課 せ られ た 大 きな 課題 と言 え よ う。 学 生 に この 簡 略 字 を教 え る 時 、 や は り まず そ の も との 漢 字(即 ち 繁 体 字)の 方 も一 緒 に教 え た ほ うが い い で あ ろ う。 また 簡 略 字 の書 き方 も教 え な け れ ば な ら な い。 学 生 が よ く間違 っ て書 く字 もあ る の で 、 細 か く指 導 す る必 要 が あ る 。 た とえ ば 次 の よ う な漢 字 で あ る 。 頭 → 美 車 → 李 東 → 奈 給 → 給 趙 → 赴 語 → 悟 封 → 対 頁 → 瓦 個 → 全 劉 → 刈 中 国 で は 古 文 書 で さ え皆 簡 略 字 に直 して 出 版 さ れ て い るか ら、 若 い人 を 中心

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に 、 繁体 字 を知 らな い 人 は け っ こ う多 い 。 ま た 、 中 国 で は 、 し ょっ ち ゅ う漢 字 の 基 準 化 の キ ャ ンペ ー ン をや っ て い るの で あ る が 、 そ れ は乱 れ た簡 略 字 を規 制 す る の で は な く、主 に繁 体 字 の は ん ら ん を制 限 す る た め の も の で あ る 。そ れ で 、 中 国 語 を勉 強 す る さい 、 や は り簡 略 字 を覚 え な け れ ば な ら な い し、使 わ な け れ ば な ら ない で あ ろ う。 ち な み に、 日本 で は 一 九 九 五 年 か ら、 一 年 の 世 相 を 漢 字 一 文字 で 表 わ そ う と い う こ と をや っ て きた の で あ るが 、一 九 九 五 年 は"震"、 一 九 九 六 年 は"食"、 一 九 九 七 年 は"倒" 、 一 九 九 八 年 は 感毒"、 一 九 九 九 年 は 略末"だ っ た よ うで あ る 。 こ れ らの文 字 は 簡 略 す る 必 要 の な い 文字 で 、 中 日両 国 語 は 皆 同 じ字 を同 じ意 味 で 使 っ て い る の で あ る 。今 年 は二 千 年 で 、 も しそ れ は 寧未"か 、明"だ っ た ら、 ま た 中 国 で も こ う い う こ と を や っ た らい い な あ と思 う次 第 で あ る 。 五 、 単 語 につ い て こ こで まず 、 中 国 語 の外 来 語 の 受 容 に つ い て 述 べ て み よ う と思 う。 日本 語 に は片 仮 名 が あ る の で 、 そ れ は外 来 語 の受 容 に大 変 役 に立 っ て い るの に対 して 、 中 国語 に は 、片 仮 名 の よ うな もの が な い の で 、 全 て 漢 字 で 表 わ す こ とに な っ て い て 、 そ れ を 覚 え るの も大 変 なの で あ る 。 そ れ を覚 え る た め に は、 や は りそ れ が ど うい うふ うに 中 国 語 に入 っ て きた か につ い て 知 る必 要 が あ るで あ ろ う。 まず 日本 語 で は"意 訳 語"か ら 寒音 訳 語"へ とい う流 れ が 優 勢 で あ る よ う に 見 受 け ら れ る が 、 そ れ とは反 対 に、 中 国 語 の 外 来 語 は皆 先 に音 訳 語 で入 っ て き て 、 定 着 す る か或 い は、 意 訳 語 を作 っ て 、 音 訳 語 が 意 訳 語 に と っ て か わ られ て い る とい う現 象 が あ る の で あ る。 た とえ ば 、 カ シ ミヤ→ 升 司 米K五isf皿i→ 羊 絨 エ ン ジ ン→ 引 摯yinqing→ 友 功 机 ペ ニ シ リ ン→ 童 尼 西 林p6nnfxnin→ 青 霧 素 ビ タ ミ ン→ 維 他 命w6it査ming→ 堆 生 素 モ ダ ン→ 摩 登m6deng→ 吋1毫 もち ろ ん今 で も音 訳 語 を使 っ て い る 人 もい る が 、 や は り意 訳 語 の方 が広 く知 られ 、使 わ れ て い るの で あ る 。 当然 、 音 訳 語 で そ の ま ま 定 着 した言 葉 もか な り

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あ る 。 た と え ば 、 外 国 の 人 名 や 地 名 は 音 訳 語 が 多 い 。 ロ ン ド ン → 恰 敦1丘nd亘nパ リ → 巴 黎bah ニ ュ ー ヨ ー ク → 紐 約ni丘yue ク リ ン ト ン→ 克 林 頓k61fndhn エ リ ツ ィ ン→ 叶 利 歓y6n(抑 ナ ポ レ オ ン→ 掌 破 合 舶P61丘n そ の ほ か に 次 の よ う な 例 が あ る 。 サ ラ ダ → 色 拉S甑 ギ タ ー → 吉 他jfta ワ ル ツ → 隼 ホ 舷11U66r頭 サ ン ドイ ッ チ → 三 明 治s亘nmingzhi ウ ィ ス キ ー → 威 士 忌weishiji ソ フ ァ→ 沙 友sh計 巨 コ コ ア → 可 可k6ukou コ ・一 ピ ー → 日加唄卜kaf己i マ ク ドナ ル ド→ 麦 当1芳maid加glao ケ ン タ ッ キ ー → 肯 徳 基k6nd6jI マ ラ ソ ン→ 弓 拉 松m益1互s6ng デ ィ ス コ→ 迫 斯 科dislke オ リ ン ピ ッ ク → 奥 林 匹 克aolfnPf短 そ れ か ら 中 国 語 に は 外 来 語 の 発 音 と 意 味 を 兼 ね た 漢 字 を 使 っ た 外 来 語 も あ る 。 た と え ば 、 コ カ コ ー ラ → 可 口 可 朱k6k6uk61ら(口 に 合 っ て 楽 し い) シ ャ ン プ→ 香 波xi五ngb6(香 りの 波) リ ン ス → 洞 幼 血ns1(髪 の 毛 が う る お う) テ ト ロ ン → 的 碗 良dfquδH血9(確 か に よ い) フ ァ ン デ ー シ ョ ン→ 粉 底 霜 」動dlshu翫ng (お し ろ い を つ け る 前 の ク リ ー ム) ま た 、 音 訳 し て 、 そ の 前 か あ と に 説 明 み た い な 言 葉 を つ け た 外 来 語 も あ る 。 た と え ば 、 ピ ン ポ ン → 兵 兵p血gp互ng十 球

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ボ ー リ ン グ → 保 齢b五〇血 厚+球 ミニ ス カ ー ト→ 遡 称1㎡n{+裾(あ な た を 迷 わ す ス カ ー ト} ジ ャ ズ → 爵 士j凹く三呂h竃+{奉≡ ハ ン バ ー ガ ・一→ 双 螢h軸b加+包 カ ー → 十 ㎏+牢 エ イ ズ → 丈 滋a惚r+病 バ ー → 酒+杷b昂 ビ ー ル → 碑pi十 酒 ジ ャ ン パ ー → 央 克j憾k匙+杉 そ し て 、 ま っ た く意 訳 した 外 来 語 も あ ・る。 た と え ば 、 フ ァ ッ ク ス → 侍 真 〔写 し を 伝 え る) CD-ROM-・ 光 盆 ワ ー プ ロ → 文 字 赴 理 机 イ ン ス タ ン「ト ・ラ ー メ ンr一呪方便 面 フ ァ ッ シ ョ ン ・シ ョ ウ → 肘 装 表 演 チ ュ ー イ ン ガ ム → 口 香 糖{ロ カ愕爵 る 飴) デ ジ タ ル ・カ メ ラ → 数 禍 相 机 ロ ボ ッ ト→ 机 器 人 ミ ッ キ ー ・マ ウ ス ー与米 老 鼠 こ れ に は 現 在 は や っ て い る パ ソ コ ン 用 語 が け っ こ う 多 く見 受 け ら れ る 。 た と え ば 、 ハ ー ド ・ウ エ ア → 硬 件 ソ フ ト ・ ウ エ ア → 軟 件 フ ロ ッ ピ ー ・デ ィ ス ク → 歓 疲 マ ウ ス ー・鼠 書示 カ ー ソ ル→ 光 締 Eメ ー ル ー 魁 子 信 件 ボ ー一ム ペ ー ジ ート1囲瓦 ア ド レ ス.ネ ッ ト ネ ー ム → 隅 名

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パ ス ワ ー ド→ 密 碍 ネ ッ ト ・マ ニ ア→ 囲 虫 デ ィス プ レー → 昼 示 器 リタ ー ン ・キ ー→ 回 牟鴇 イ ンプ ッ ト→ 輸 入 実 は、 外 来 語 に は 日本 か ら逆 輸 入 した も の もあ る。 中 国人 が あ ま り意 識 せ ず に使 用 して い る こ と ば は多 い の で あ る 。 た とえ ば 、 取 消 、 取締 、 手 繧 、 立 場 な ど 文 化 、 法 律 、 経 済 、 附 級 な ど が あ る。 一行 目の 単 語 は 純 粋 の 日本 語 か らの もの(即 ち 日本 人 が使 用 し た こ と ば)で あ る が 、 二 行 目の 単 語 は 、 日本 人 が 中 国 よ り早 く欧 米 の 思 想 や 事 物 を取 得 した の で 、 本 来 、古 代 中国 語 にあ っ た こ とば を利 用 した 意 訳 語 で あ る 。 い わ ば、 中 国 に逆 輸 出 した もの で あ る。 こ れ は また"中 日同 形 語"を 形 成 す る 重 要 な要 素 にな っ て い る の で あ る。 そ れ ば か りで は な い 。近 年 来 、中 日両 国 の交 流 が 盛 ん に な っ て くる につ れ て、 新 しい 言 葉 も どん ど ん 両 国語 に そ れ ぞ れ 取 り入 れ ら れ て い る よ う に 感 じ られ る。 た と え ば、 中 国 語 に は こ うい う外 来 語 が あ る。 カ ラ オ ケ→ 圭 拉k削aOK 寿 司 → 寿 司sh6u訂 日本 料 理 → 日本 料 理db6n胎oli 日本 ペ イ ン ト→ 立 邦 漆1ibangqi ロ ー ソ ンお で ん→ 夢 森 熟 点lu6sen60di甑 マ ツ ダ→ 弓 自込m益zidま に っ さん→ 尼 桑nisang そ れ か ら、英 語 の ア ル フ ァベ ッ トを借 りて使 用 され て い る 外 来 語 もあ る。 た と え ば、 ポ ケ ッ ト ・ベ ル→BP机."侍 呼 机"と も言 う 割 り勘 →AA制 Tシ ャ ッ→T'1血杉

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前 に あ げ た"カ ラOK"も そ うで あ る 。 また 、 こ うい う外 来 語 も だ ん だ ん増 え て くる よ う に感 じる の で あ る。 次 に 中 日同 形 語 につ い て述 べ よ う。そ の 中 に は 両 国 語 にお け る 意 味 が 同 じか 、 ほ と ん ど同 じ ものが た く さ んあ るが 、 そ れ で も発 音 と簡 略 字 に は気 を つ け る必 要 が あ る と思 う。 そ れ以 外 に、 意 味 のぜ ん ぜ ん異 な る も の と部 分 的 に重 な っ て 部 分 的 に違 う もの とが あ る。 ま っ た く意 味 の 同 じ もの は省 くが 、 違 う もの につ い て 例 を あ げ て み よ う。 走 → 歩 く 老 婆 → 女 房 工 作 → 仕 事 、 働 く 麻 雀 → す ず め 愛 人 → 配 偶 者 手 紙 → ち り紙 新 同→ ニ ュ ー ス 祝 → 祈 る 外 人→ 他 人 、 第 三 者 部 長→ 大 臣 に相 当 す る 軽 理 → 社 長 栓t寸→ 自己 批 判 す る 汽 牟 → 自動 車 前 年→ お と と し 寿1'一]→も っ`まら 巧 上→ す ぐ 対 象→ 結 婚 相 手 、 恋 人 告 訴 → 教 え る 工 夫→ 時 間 、 ひ ま 野 菜 → 食 べ られ る野 生 の植 物 勉 強 → 無 理 人1司→ 世 間 、 人 の 世. 娘 → 母 親 最 後 の"娘"は 母 親 の 意 で あ る が 、"姑 娘"と な る と、"む す め 、 女 の 子"の 意 に な り、 状 娘"の 場 合 は"お ば さん"と い う意 で 、"娘 佃"は"女 性"の ぞ ん ざ い な言 い 方 に な るの で あ る 。 六 、 お わ りに 以 上 、 中 国語 と 日本 語 の 異 同 に つ い て 、"普 通 話"、 発 音 、 簡 略 字 、 単 語 の 面 で 、論 じて み た が 、 一 教 育 者 の 立 場 か ら言 う と、初 級 中 国語 を教 え る場 合 、 や は りま ず 、 中 国 は ど ん な 国 か 、 中 国語 と は何 か か ら始 め よ う。 そ れ か ら、 発 音 の 段 階 に入 るが 、 日本 語 に近 い 発 音 の 場 合 は これ で い い 、 こ うす れ ば い い と

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教 え て 、 日本 語 に な い発 音 は く りか え し、 丁 寧 に一 人 一 人 時 間 をか け て 、 発 音 指 導 を しな け れ ば な ら ない と思 う。 声 調 も本 来 日本 語 に も あ る よ う な の で 、 そ れ を指 摘 し、意 識 させ る必 要 が あ る。 ま た 、 学 生 が よ く間違 っ て発 音 す る音 に つ い て は、 た え ず指 摘 し、 な お して あ げ な け れ ば な ら な い。 会 話 の 練 習 を させ て もい い の で あ る が 、 正 しい発 音 で 字 を読 め る よ う に教 え る の が 先 で あ ろ う。 な ん と言 っ て も、発 音 が 基 礎 で あ るか ら、 い く ら単 語 を た く さん 覚 え て も、 発 音 が だ め だ っ た ら、 人 との コ ミ ュニ ケ ー シ ョンが う ま く行 くは ず は な い で あ ろ う。 そ れ か ら、本 文 編 に入 る が 、 簡 略 字 、 同 形 異 義 語 な ど を中 心 に、 中 国 語 を 教 え なが ら、 た え ず 、 日本 語 との 間 の異 同 に つ い て 説 明 しな け れ ば な ら ない と 思 う。 も ち ろ ん宿 題 の 添 削 の 時 も丁 寧 に 直 して い か な け れ ば な らない 。 小 論 が 少 しで も中 国 語 教 育 に ご参 考 に な れ れ ば 幸 い だ と思 う。 参 考 文 献: 1.《 中 国 語 ・は じめ の 一 歩 》 サ 景 春 ・竹 島 毅 著.白 水 社 2.《 中 国 語 ・プ ロ ム ナ ー ド》 大 河 完 三 郎 ・孟 広 学 著.白 水 社 3.《 一 年 生 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 中 国語 》 劉 穎 著.白 水 社 4.《 美 香inChina》 荒 川 清 秀 著.同 学 社 5.《 新 編 ・例 文 中 心 初 級 中 国 語 》 牧 田 英 二.楊 立 明 著 。 同 学社 6.《 中 国 語 レ ッス ンABC》 青 木 光 等 著.白 帝 社 7.《 中 国 語 で コ ミ ュニ ケ ー シ ョン》 山 下 輝 彦 著.金 星 堂 8,《 表 現 す る 中 国 語 》 楊 凱 栄 著.白 帝社 9.《2000年 か らの 中 国語 》児 野 道 子 ・鄭 高 詠 著.金 星 堂 10.《 中 文 課 本 基 礎 編 》 竹 島 金 吾 著.金 星 堂 11.《 実 用 中 国語 ・基 礎 編 》 王 延 平 著.金 星 堂 12,《 や さ しい入 門 中 国語 》 丁 秀 山 ・坂 井 田 ひ とみ 著.金 星堂 13,《 簡 明 実 用 初 級 中 国 語 》 郭 春 貴 著.白 帝 社 14.《 実 用 中 国 語 八 百 句 》 三 野 昭 一等 著.同 学社 15,《 例 解 中 国語 入 門 ・弥 問 我 答 》 上 野 恵 司 著.白 帝 社 16.《 基 礎 中 国語 ・チ ャイ ニ ー ズ ス テ ー シ ョ ン》 沈 国 威 等 著.好 文 出版

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17.《 トー ク ・ ト ピ ッ ク ス 》 沈 国 威 等 著.白 帝 社 18.《 な る ほ ど 分 か る 中 国 語 》 佐 藤 晴 彦 著.同 学 社

参照

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