呆 路 感 染 予 防 に
iお
け る 感 染 コ ン ト ロ ー ル _/ゴ護 婦 の 役 害 lJとこ 関 す る 俳 究 研 究課題番 号08457646
平成8。9年
度 文部省科学研 究費補助 金 (一般研 究B)(2)研
究成果報 告書 平 成10年
3月 研 究代表者田 村 正 枝 (長野県看護 大学)
目 次
I.研
究課題 Ⅱ。 研究組織 Ⅲ.研
究経費 Ⅳ.研
究 目的V.研
究計画 と経過 Ⅵ.研
究成果 3 3 3 4 5 7A-1
院 内感染予 防 に対す るア ンケー ト調査 ―病院 としての対応―・・A-2
尿道 留置カテーテル の管理 お よび尿路感染 に対す る 看護婦 (士)の
意識調査 11B.尿
道カテーテル 留置患者 の尿 路感染成 立 とそれ に影響す 0● ●●●●●●29
る因子 に関す る調査C.空
気 中浮遊菌 を用いた病棟環境清浄度 の測定43
7 44 53 54D.尿
道カテーテル留置患者の尿路感染防止のための看護 モデルの作成 Ⅶ.あ
とがき Ⅷ.研
究発 表 付録 資料I.研
究課題 尿路感染予防における感染 コン トロール看護婦の役割 に関す る研究 Ⅱ。研 究組織 研 究代表者 研 究分担者 Ⅲ.研
究経費 平成8年
度 平成9年
度 長 野県看護 大学 長 野県看護 大学 東京 大学大学院医学系 長 野県看 護大学 長 野県看護 大学 長野県看護 大学 長 野県看 護大学 教授 (平成9年
度) 教授 (平成8年
度) 教授 (平成9年
度) 教授 (平成8年
度) 助手 助教授 助手 田村 正枝 高橋 泰子 高橋 田村 井上 石)││ 宮澤 泰子 工枝 都 之 み ち子 広恵1400千
円1100千
円 合計2500千
円-3-Ⅳ
.研
究 目的 末期 を迎 えたがん患者や高齢 患者 の死 を早 める原 因 として尿 路感染 が多 くを 占めてい るこ とは病棟 で働 く看護婦 の心痛 の1つ
で ある。 この よ うな患者 の場合、多 くは尿道 留 置 カテーテル を入れ ざるを得 ない状況 にあ り、尿路感 染症 の原 因のほ とん どは、 この留 置 カテーテル の汚染 に よるもの と考 え られ る。 従来 よ り尿路感染 を予防す る こ とは医療従事者 の大 きな関心事で あったが 、わが国で は10数
年 前 に尿 路感染 の原 因の多 くが、開放式 の蓄尿バ ックか らの逆行感染 で あるこ とが明 らかにな り、蓄尿バ ックを閉鎖式に変 えることによ り、尿路感染の発生率 を著 し く減少 させ た。 しか し、その後 、易感 染患者 の増加 に対 して感染予防 のための新 たな展 開はほ とん どな く、看護 の視 点 か らの尿路感染 の発 生機 序や感 染予防 について の系統 的 な研 究 もあま り進 んでい ない。 一方 、MRSAに
よる院 内感染 の増加 に対す る必要性 か ら、欧米 にお け る感 染 コン ト ロール看護婦の存在がわが国において もクローズア ップ されて きてい る。 本研 究 では、病 院で最 も発 生頻度 の高い尿路感染 の予防 を感染 コン トロール看護婦 の 役割 の一つ として位置 づ け、尿 路感染 を予防す るために感染 コン トロール看護婦が なす べ き看護 モデル を作成す るために以下の 目的で研究を行 つた。1.尿
路感染予防に関す るケアの実態 を明 らかにす る。2.尿
路感染成立の過程 と尿路感染成立に影響 を与 える因子 を明 らかにす る。 1。, 2.の
結果な らびに文献的考察に基づいて感染 コン トロールナース が行 うべき尿路感染予防のための看護モデル を作成 し、そのプログラムの 効果 を検証す る。 3-4-V.研
究計画 と経過1.平
成8年
度 「尿路感染予防に関す る看護モデル作成」のための基礎資料を得 るために以下の 調査 を行 つた。1)尿
道 カテーテル を留置す る入院息者 へ のケアお よび管理 の実態調査 長野県 内お よび東京都 内の300∼ 500床
程度 の 中規模 病院 の看護 婦 を対象 に 郵送 に よる質問紙調査 を行 つた。留置 カテーテル の取 り扱 いや 留置 中の患者 ケ ア、 尿 路感 染 の発 生状況 、原 因、お よび予防 のための効果的 なケア について 明 らか に した。2)尿
道 留置 カテーテル挿 入患者 の尿路感 染成 立 とそれ に影響す る因子 に関す る調 査 尿道 留置カテーテル を挿入 した患者 を対象 に、患者 の状態 、環境 因子 、看護 ケアの状況 について参加観 察 、面接 、乗境 の清浄度測定 を行 うとともに、尿お よび外尿道 日の経時的汚染度 について細菌学的に検討 して影響要因を明 らか に した。2.平
成9年
度 尿 路感染 を防止す るた めの看護 モデル の作成 な らび に検証 引き続 き 「尿 路感 染 予 防 に関す る看護 モデル作成 」 のための基礎 資料 を得 るた めの調査 を行 うとともに、以上の結果お よび文献的お よび専門家のア ドバイス を も とに尿 路感染 を予防す るための看護モデル作成 し、そ の一部 を実施 、細菌学的 に検証 した。-5-Ⅵ
.研
究 成 果
A-1
院 内感 染 予 防 に対 す る ア ンケー ト調 査
一病 院 と して の対応 一
1.目
的 院 内 感 染 予 防 に対 す る病 院 と して の 対 応 と感 染 コ ン トロー ル 看 護 師 に対 す る 役 割 期 待 を明 らか にす る。2.対
象
対 象 者 は 、 病 床 数300∼500程
度 の病 院 、 長 野 県 内23施設 (回収 率76.7%)と
東 京 都 内31施設 (回 収 率81.6%)の
看 護 部 長 あ る い は看 護 総 婦 長 と した (各 施 設1名
、 長 野 県 内 23名 と東 京 都 内31名 合 計 54名 )。 病 院 の設 置 主 体 は表A-1-1.の
通 り。「そ の他 」は社 団 法 人 や 組 合 立 な どで あ っ た 。 表A-1-1.設
置 主 体 別 対 象 病 院数 設 置 主 合 計 そ の他 私 立 公 ユ 国 立 地 域 23 8 1 ■ 10 4 長 野 県 内 施 設 数31
15 7 6 3 東 京 都 内 施 設 数 54 23 8 16 7 全 体3.方
法(1)質
問紙 の作 成 (資 料1.参
照) 院 内 感 染 予 防 へ の 病 院 と して の 対 応 や 実 態 、 考 え を 明 らか にす る た め に 、「病 院 にお け る院 内感 染 予 防 マ ニ ュ アル の有 無 」「院 内感 染 防止 の担 当者 や 組 織 の有 無 」「院 内 感 染 予 防 に 関 す る 責 任 者 」「感 染 コ ン トロー ル 看 護 師 導 入 に対 す る希 望 の 有 無 と そ の理 由」 をた ず ね る質 問紙 を作 成 した 。-7-(2)調
査 時 期 と方 法 調 査 は 、 平 成8年
10月 か ら平 成9年
2月
にか けて 、 看 護 部 長 宛 郵 送 に よ る質 問紙 調 査 法 で 実 施 した 。(3)分
析 方法 収集 したデ ー タ は 、 院 内感 染予 防 に対 す る病 院 と して の対応 と感 染 コ ン トロー ル 看 護 師導 入 に対す る意志 を明 らか にす るため、各質 問項 目 ごとに記述 統 計 を行 つた 。4.結
果 と考察
(1)院
内感 染 防 止 の た め の 病 院 内の 対 策 につ いて 「病 院 にお け る 院 内 感 染 予 防 マ ニ ュ ア ル の有 無 」「院 内感 染 防 止 の担 当者 や 組 織 の有 無 」の 各 問 い に対 して は 、す べ て の病 院 が あ る と答 え た (表 A-1-2.)。 た だ し、 そ の 具 体 的 な 部 分 、 例 え ば 病 棟 別 の感 染 防 止 マ ニ ュ アル の有 無 や 、 院 内 感 染 防 止 に 関 す る組 織 が 定 期 的 会 合 を持 って い る の か な ど につ いて は 、 詳 細 な 質 問 を用 意 して いな か っ た た め 明 らか にで き な か った 。 表A-1-2.院
内感 染 予 防 につ いて 質 問 内容 院 内感 染 防 止 の担 当者 や 組 織 の有 無 院 内感 染 予 防 マ ニ ュ アル の有 無 地 域 ぉょび回答 23 23 あ る 0 0 淀R い 長 野県 内 (n=23) あ る 3131
な い 東 京 都 内 (n=31) 0 0(2)院
内感 染 予 防 の 責 任 者 「院 内 感 染 予 防 に 関 す る責任 者 」 は 、長 野 県 内 のす べ て の病 院 が 、「医 師 」 と答 え た 。 東 京 都 内 の 病 院 で も、「医 師 と看 護 婦 」 と答 え た2施
設 お よ び 「そ の 他 」 と 答 え た1施
設 を のぞ くす べ て の施 設 で 「医 師 」 が 責 任 者 で あ っ た (表 A-1-3.)。 つ ま り、 院 内 感 染 防 止 組 織 の構 成 メ ンバ ー につ いて は わ か らな いが 、 責 任 者 の多 くが 「医 師 」 で あ る こ とが 明 らか にな った 。 欧 米 で は 、 院 内感 染 予 防組 織 リー ダー と して の感 染 コ ン トロー ル 医 師(infection
control doctol:ICD)は
通 常 、 臨 床 微 生 物 専 門 医 が 指 名 され 、微 生 物 学 に精 通 し院 内感 染 の進 展 につ いて 常 に注 意 を払 う役 割 を担 つて い る (1)。 そ して 、 院 内感 染 予 防 責 任 者 と して の 「医 師 」 は 特 に医 師 部 門 に対 して命 令 。指 示 の権 限 を も って い る と 思 わ れ るが 、看 護 や 検 査 とい った他 部 門 との協 力 も必 要 で あ ろ う。-8-表
A-1-3.院
内感 染 予 防 に関す る責任 者 地 域 責任 者 合 計 医 師 看 護 婦 医 師 と看 護 婦 そ の 他 2323
0 0 0 長 野 県 内 (n=23) 東 京 都 内 (n=31) 3128
0 2 1 全 体 (n=54) 5451
0 2 1(3)感
染 コン トロール看 護 師の院 内配置 につ いて 今後 は、 さま ざ まな専 門領 域 にお け る専 門看 護 師 や 認 定看 護 師 (日 本 看 護 協 会 認 定)(2)が
増 加 しそ の能 力 を発揮 で き る場 を広 げて い く と予想 され る。 そ の 中で も、 感染管 理 を実施す るの に重 要 な役割 を果 たせ る感染 コ ン トロール看 護 師(infection
control nurse:以
下ICNと
略 す)に
つ いて 、病 院 に配 置 した いか どうか を看 護 部 長 にたずね た (表 A-1-4.)。 表A-1-4.感
染 コ ン トロー ル 看 護 師 導 入 の意 志 地 域 導 入 意 志 そ の他 な い あ る 合 計23 (100%)
3 (13.0)
4 (17.4)
16 (69.6)
長 野 県 内 (n=23) 回答 数(%)
3 1 (100%)
10 (32.2)
2 (6.5)
19 (61.3)
東 京 都 内 (n=31) 回答 数(%)
3 5 (64.8)
全 体 (n=54) 回答 数(%)
54 (100%)
13 (24.1)
6 全 体 で も6割
以 上 の看 護 部 長 がICNの
導 入 を希 望 して お り、 そ の理 由 は 、 町CN に は感 染 に 関 す る専 門 的 な 知 識 で 、 病 院や 病 棟 看 護 婦 に指 導 や ア ドバ イ ス を して 欲 しい。」「感 染 に関 す る安 全 は患 者 へ のサ ー ビス で あ り、職 員 、地 域 に重 要 な 課 題 で あ る。」 とい う もの が あ っ た 。 一 方 、希 望 しな い と い う回答 の理 由 は 、「ICNの
活 動 の イ メー ジが つ か な い。」「現 在 は、院 内感 染 が 起 きて いな い ので 必 要 な い。」「希 望 した いが 人 員 削 減 の た め無 理 。」 な どが あ つ た 。ICNに
期待 される業務内容は、①その病院の感染率の実際 とその傾向を知 り、対
策・方法を確立するためのサーベイ ランス、②主 に環境や医療器具、医療従事者の
疫学的調査 を目的 としたモニタ リング、③院内あるいは地域に対 してそれぞれの立
場で リスクと必要な対策方法を教育 し、啓蒙す ること、そ して④感染対策 のための
研究、研究成果の発表、情報の収集、などであるといわれる
(1)。-9-今 回 の 、
ICNの
導 入 に 関 す る 国答 は 、 看 護 婦 な どへ の 「教 育 」 を導 入 希 望 の 理 由 と して い る に と ど ま って い る。 ま た 、 希 望 しな い理 由 は 、「ICNの
活 動 の イ メ ー ジ が つ か な い」た め 院 内で の配 置 が 明確 に位 置 づ け られ な い 、とい う もの が 多 か っ た 。 そ して 「ICNは
現 在 は 必 要 な い 。」 と い う 回 答 は 、 院 内 感 染 予 防 組 織 責 任 者 が 、 ほ とん ど医 師(ICD)で
あ るた め役 割 区別 が 明確 にで きな い こ とか ら影 響 を受 けて い る と思 わ れ る 。 しか し現 在 、 イ ン ター ネ ッ ト上 に は 、 い くつ か の 病 院 で 独 自に認 定 さ れ 、活 躍 して い るICNが
紹 介 され て い る 。 以 上 の よ うな こ とか ら、各 施 設 によ り感 染 へ の取 り組 み方 が 異 な る ばか りで な く、ICNが
備 え て い る能 力や 役 割 に対 す る期 待 、 あ る い は認 識 が 一 致 して い な い こ とが 明 らか に な っ た 。「感 染 」 が 、 看 護 職 お よ び 病 院 の重 要 課 題 で あ り、 院 内 感 染 が 社 会 問題 と して 扱 わ れ て い る現 在 、「感 染 」 に 関 す る専 門 知 識 や 指 導 力 を持 つICNの
果 た す 役 割 は大 き い。ICNが
活 躍 で き る た め に解 決 す べ き課 題 は 、 教 育 制 度 を確 立 して い く こ と、 役 割 ・ 職 務 内容 を明確 にす る こ と、 そ して 、 院 内 で の感 染 予 防 の た め の 具体 的活 動 内容 を広 く知 ら しめ る こ とな どで あ ろ う。(4)ま
とめ 今 回 の 調 査 に よ り、 す べ て の 病 院 で 、 院 内 の 感 染 管 理 に携 わ る組 織 を持 っ て い る こ と、 そ して 、 そ の 責任 者 の ほ とん どが 「医 師 」 で あ り、 院 内 感 染 予 防 の た め の マ ニ ュ ア ル が す べ て の 病 院 に存 在 して い る こ とが 明 らか に な っ た 。 しか し、 実 際 の 院 内感 染 の発 生 件 数 や 院 内感 染 予 防 組 織 あ る い は 責 任 者 の活 動 内容 は 明 らか にで き な い の で 、 そ の組 織 の有 用 性 は不 明 の ま まで あ る。 平 成7年
か ら運 用 され て い る 日本 看 護 協 会 に よ る専 門看 護 師 制 度(2)の専 門 分 野 に、 「感 染 看 護 」 が 加 え られ る こ とが 期 待 で き る (3)。 そ の た め 、 感 染 コ ン トロ ール 看 護 師 に対 す る教 育 制 度 は、大 学 院等 で 徐 々 に確 立 され て い くで あ ろ う。 ま た 、 今 回 の 調 査 で 明 らか に な っ た よ う に 、 院 内感 染 の管 理 や 予 防 組 ホ域の 責 任 者 は多 くの病 院 で は 医 師(ICD)で
あ るた め 、 そ れ ら との連 携 が 、ICNの
活 動 に は重 要 な ポ イ ン トとな る。 さ らに、感 染 管 理 は 一 部 の 人 のみ で 行 え る もので は な いか ら、ICDを
は じめ 、 検 査 、 薬 剤 、 医 師 、 看 護 婦 な ど病 院 や 施 設 に 関 連 す る 人 々 、 そ して 地 域 にお け る多 くの 人 々 の 関 心 と理 解 が 必 要 とな る。 今 回 の調 査 が 、ICNに
つ いて 考 え る機 会 に な る こ と を望 む 。 そ して 今 後 は 、 町CNの
活 動 」 と 「感 染 管 理 」 に関 す る研 究 を深 め な が ら、ICNの
活 動 や 活 用 範 囲 を広 く明 らか に して い き た い。 ―-10-―A
2
尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の 管 理 お よ び 尿 路
感 染 に対 す る看 護 婦
(士
)の
意 識 調 査
目 的 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の 取 り扱 い 。管 理 の 実 態 お よ び 尿 路 感 染 予 防 に 関 す る看 護 婦 (士)の
意識 を明 らか にす る。2.対
象
対 象 は 、 病 床 数 300∼500程
度 の病 院 で 働 く看 護 婦 (士)で
あ る。 長 野 県 内 30 施 設 、 東 京 都 内38施
設 に、1施
設 10名 分 ず つ の協 力 を依 頼 した 。 対 象 人 数 は長 野 県 内 225名 (回 収 率76.3%)と
東 京 都 内 299名 (回 収 率 78.7%)、 合 計 524名 (回 収 率77.1%)で
あ る。3.方
法(1)質
問紙 の作 成 (資料2.参
照) 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の取 り扱 い 。管 理 の 実 態 お よ び尿 路 感 染 予 防 に 関 す る意 識 を 明 らか にす る た め に 、 以 下 の 内容 か らな る質 問紙 を作 成 した 。「尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の挿 入 ・ 抜 去 の 理 由 お よ び 尿 路 感 染 発 症 状 況 な ど」 に 関 す る7項
目、「実 施 して い る カ テ ー テ ル 管 理 とケ ア 」 に 関 す る22項 目、 そ して 、「留 置 カ テ ー テ ル に よ る尿 路 感 染 は予 防 可 能 か ど うか をたず ね 、 そ の理 由」 を記 述 して も らっ た 。 「留 置 カ テ ー テ ル挿 入 。抜 去 の理 由や 尿 路 感 染 発 症 状 況 な ど」に関す る7項
目は 、 そ れ ぞ れ6個
の選 択 肢 か ら選 ぶ よ う に作 成 した 。 そ の 中 で 、「カ テ ー テ ル 挿 入 ・ 抜 去 の理 由、尿 路 感 染 の発 症 原 因」 は複 数 回答 可 能 とな って い る。 「実 施 して い るカ テ ー テル管 理 とケ ア」 に関す る 22項 目は 、 さ ま ざ まな 文 献 (1)(4) (5)(6)を 参 考 に して 、 一 般 的 に現 在 推 奨 され て い るカ テー テル挿 入 とケ ア手 順 の22 項 目で 、 そ れ らの こ と を 「 して い る 。して い な い 。今 後 した い」 の選 択 肢 か ら回答 す るよ う にな って い る。 対 象 者 個 人 の 特 性 と して は 、「勤 務 病 棟 、 臨 床 経 験 年 数 、 職 位 」 な ど の 項 目 を た ず ね て い る。 作 成 した 質 問紙 は 、 自由記 述 の部 分 を のぞ く と全 37項 目で あ る。-11-(2)調
査 方 法 上 記 で 作 成 した 質 問紙 を 、 各 病 院 の看 護 部 長 (看 護 総 婦 長)宛
に郵 送 し、看 護 婦 へ の配 布 お よ び 回 収 を依 頼 した 。 た だ し、 看 護 婦 の 回答 は 無 記 名 で 、 個 別 に密 封 し て も らうよ う に した 。(3)調
査 時 期 調 査 の実 施 期 間 は 、平 成8年
10月 か ら平 成9年
2月
末 まで で あ つ た 。(4)分
析 方 法 収 集 した デ ー タ は 、尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の管 理 や 尿 路 感 染 発 症 状 況 、 感 染 予 防 に 対 す る意 識 を明 らか にす る た め に 、 各 質 問項 目 ご と に記 述 統 計 を行 つ た 。 ま た 、 調 査 地 域 や 個 人 特 性 と、 実 施 して い る ケ アや 尿 路 感 染 に対 す る意 識 との 関 連 を 明 らか にす るた め にカ イ2乗
検 定 を行 っ た 。4.結
果 と考察
(1)対
象 者 につ いて 対 象 者 の経 験 年 数 、 勤 務 病 棟 、 職 位 に 関 す る 内訳 は 、表 A-2-1。2.3.の
通 りで あ る。(1)-1.経
験 年 数(表
A-2-1.) 長 野 県 内 で は 半 数 以 上 が 15年 以 上 の 経 験 を積 ん だ看 護 婦 (士)で
あ っ た 一 方 、 東 京 都 内 で は 経 験 年 数 10年 未 満 の看 護 婦 (士)が
半 数 を 占め た た め 、 平 均 臨 床 経 験 年 数 はそ れ ぞ れ 、 長 野 県 内が14.51年で 、 東 京 都 内 は10。 97年 とな っ た 。 表A-2-1.経
験 年 数 地 域 経 験 年 数 平 均 臨床 経 験 年 数 合 計4年
以 下5∼
9年
10∼ 14年
15∼ 19年
20年
以 上 長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
4 年22 5 (100%)
22
46
44
56
57
(9.8)
(20,4) (19.6) (24.9) (25. 3) 東 京 都 内(n=299)
人 数(%)
10。97年
299 (100%)
61
104
51
28
55
(20,4) (34.8) (17.1)(9.4)
(19,4) 全 体 (n=524) 人 数(%)
12.49年
524 (100%)
(15.8) (28.6) (18.1) (16.0) (21,4)83
150
95
84
112
-12-(1)-2.勤
務 病 棟 (表 A-2-2。 ) 両 地 域 と も、5割
以 上 が 「内科 ・ 外 科 」 の 一 般 病 棟 で あ る。 た だ し、 今 回 の 調 査 で は 、 看 護 部 長 に調 査 の 主 旨 を伝 え た の み で 、 配 布 を依 頼 した こ とか ら、 さ ま ざ ま な 病 棟 看 護 婦 へ の配 布 が な さた 。「混 合 病 棟 や そ の他 の病 棟 」 の 回答 の 中 に は 、「婦 人 科 」「手 術 室 」「外 来 」「老 人 病 棟 」「内科 と小 児 科 」 な どが含 まれ て い た 。 表A-2-2.勤
務 病 棟 地 域 勤 務 病 棟 合 計 内 科 外 科 泌 尿 器 脳 神 経 混 合 そ の他 長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
225 (100%)
72
59
17
26
25
26
(32.0) (26.2) ( 7. 6) (11. 6) (11.1) (11 6) 東 京 都 内 (n=299) 人数(%)
2 9 9 (100%)
90
71
716
83
32
(30,1) (23, 7) ( 2. 3)(5.4)
(27. 8) (10. 7) 全 体 (n=524) 人 数(%)
524 (100%)
162
130
24
42
108
58
(30. 9) (24.8)(4.6)
(8.0)
(20,6) (11.1)(1)-3.職
位 (表 A-2-3.) 看 護 部 長 を通 して 依 頼 を した た め か 、婦 長 か らの 回 答 も1割
以 上 あ っ た が 、6割
が 、多 くの時 間 患 者 に接 して い る ス タ ッ フナ ー ス で あ つた 。 表A-2-3.職
位 地 域 勤 務 病 棟 合 計 婦 長 主 任 ・ 係 長 スタ ッフナース 長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
225 (100%)
40
56
129
(17.8) (24. 9) (57.3) 東京 都 内 (n=299) 人 数(%)
299 (100%)
45
59
195
(15.1) (18.7) (65。 2) 全 体 (n=524) 人 数(%)
524 (100%)
85
115
324
(16.2) (21.9) (61.8) ―-13-―(2)尿
道 カ テ ーテ ル 留 置 中 の 患 者 と尿 路 感 染 につ いて(2)-1.尿
道 カ テ ー テ ル 留 置 中の 患 者 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル 挿 入 は 、挿 入 時 に粘 膜 を損 傷 した り、 カ テ ー テ ル が 微 生 物 の 侵 入 路 にな るな ど して 尿 路 感 染 を 引 き起 こす 原 因 とな る 可 能 性 が あ る。 そ の よ うな こ とか ら も、尿 道 留 置 カ テー テ ル は必 要 最 低 限 にす べ き といわ れ て い る(1)(4)(6)(7)。 しか し、 カ テ ー テ ル 留 置 中患 者 は 「い な い」 と答 え た の は3∼
4%の
み で 、「半 数 程 度 」 か ら 「少 数 」 と い う回答 が9割
以 上 を 占め (表 A-2-4.)、 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル に よ る尿 路 感 染 の危 険 が あ る患 者 が 多 い こ とが 明 らか にな った 。 表 A-2-4。 現 在 の カ テ ー テ ル 留 置 中 の患 者 数 地 域 患 者 数 合 計7割
以 上 半 数 以 上 半 数 程 度 半 数 以 下 少数 い な い
225 (100%)
5 1 560
143
11
(2.2)
(0.4)
(2.2)
(26.7) (63. 6)(4,9)
長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
2 9 9 (100%)
13
3 568
201
9(4,3)
(1,0)
(1,7)
(22. 7) 67. 2) 1) 3. 東 京 都 内 (n=299) 人 数(%)
524 (100%)
18
4
10
128
344
20
(3.4)
(0,8)
(1.9)
(24.4) (65. 6) ( 3. 8) 全 体 (n=524) 人 数(%)
(2)-2.尿
道 留 置 カテ ー テ ル 挿 入 理 由 そ こで 、 な ぜ 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル を挿 入 した のか につ いて たず ね た 。 一 般 に留 置 カ テ ー テル の適 用 と考 え られ て い る の は、高 度 の排 尿 障 害 (排 尿 困難 、 尿 閉 、 頻 尿 、 尿 失 禁 な ど)、 下 部 尿 路 、 前 立 腺 の 手 術 時 、 褥 着 や 創 傷 部 が あ り尿 汚 染 を避 け た い とき 、 そ して 排 尿 管 理 の た め (意 識 障 害 、 シ ョ ッ ク、 衰 弱 状 態 、 手 術 中、術 後 な ど特 に正 確 な尿 量 測 定 をす る場 合)(7)(3)(9)(耐 とぃゎ れ て い る。 しか し、 いず れ もケ ー ス バ イ ケ ー ス で あ る こ と、 そ して 、 間 歌 的 導 尿 や 排 尿 介 助 の手 間 の煩 雑 さ を省 くた め の留 置 カ テ ー テ ル は避 け るべ き 、 とい う こ とは言 う まで もな い。 今 回 は 、 上 記 に あ が っ た 理 由 を 回 答 の 選 択 肢 と して 複 数 選 択 可 と した (表 A-2-5.)。 「そ の他 」の 回答 には両 地 域 とも、「手術 の た め」「床 上安 静 の指 示 が あ るた め」、 そ して 特 に 、 泌 尿 器 科 病 棟 で は 「検 査 治 療 の た め 」 が あ が った 。 両 地 域 と も、 留 置 カ テ ー テ ル は必 要 な 患 者 の み にす べ き で あ る 、 と い う認 識 は 同 様 に あ る と い え る 。 特 に 、「尿 失 禁 」 の あ る患 者 に即 留 置 カ テ ー テ ル 挿 入 、 と して いな い こ と も評 価 され るべ き で あ ろ う。 -14-―表
A-2-5.留
置 カ テ ー テ ル の挿 入 理 由 (複 数 回答) 地 域 挿 入 理 由 意 識 レ ベ ル の 低 下 尿 失 禁 が あ る 褥 着 や 肛 門周 囲病 巣 尿閉 水 分 出 納 管 理 患 者 本 人 の 希 望 そ
の
他
198
58
179
191
163
75
26
(85,8) (23.6) (79.6) (84.9) (72.4) (33.3)(H.6)
長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
(92.6) (27.1) (75,9) (83. 6) (69.9) (30。 1) (15,1)277
81
227
250
209
90
45.
東 京 都 内 (n=299) 人 数(%)
(89, 7) (26. 5) (77. 5) (84. 2) (71.0) (31.5) (13.5)470
139
406
441
372
165
71
全 体 (n=524) 人 数(%)
地 域 抜 去 理 由 意 識 レ ベ ル の ア ッ プ 尿 失 禁 の 改 善 褥創や陰部肛 門周囲病巣の治癒 尿閉
の
改 善 水 分 出 納 管 理 不 要 患 者 本 人 の 要 望 そ
の
他 (80,9) (24.4) (44.4) (72. 9) (69. 3) (51.1)
(H.6)
182
55
100
164
156
115
26
長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
(90.6) (32.4) (70. 6) (77. 6) (68.9) (49. 2)(8.4)
271
97
211
232
207
147
25
東 京 都 内 (n=299) 人数(%)
全 体 (n=524) 人 数(%)
(86. 5) (29.0) (59.4) (75, 6) (69,3) (50.0)(9.7)
453
152
311
396
863
262
51
(2)-3.尿
道 留 置 カテ ー テ ル 抜 去 理 由 ま た 、尿 路 感 染 症 を予 防 す る た め の 留 置 カ テ ー テ ル ケ ア に関 して 付 け加 え る こ と と して 、 必 要 が な くな っ た 場 合 も含 め で き る だ け早 期 にカ テ ー テ ル を抜 去 す る こ と が あ げ られ る。 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル を抜 去 あ る い は終 了 した 理 由 につ いて たず ね た (表 A-2-6。 )。 表A-2-6.留
置 カ テ ー テ ル の抜 去 (終 了)理
由 (複数 回答) 「そ の他 」 に は 、「手術 後 で 時 期 が 来 た か ら」「安 静 度 が 拡 大 した か ら」「早 期 離 床 が 必 要 だ か ら」 と い う回 答 が あ っ た 。 こ の 問 い は 、「カ テ ー テ ル の 挿 入 理 由」 と 相 対 す る表 現 を並 べ た こ と も あ り、 先 述 の 回 答 に ほ ぼ対 応 した 結 果 にな って い る。 つ ま り、 留 置 カ テ ー テ ル 挿 入 時 の 理 由が 解 決 され た 状 況 にお い て カ テ ー テ ル は抜 去 され て お り、 必 要 以 上 に留 置 しな い姿 勢 が読 み とれ る。-15-(2)-4.尿
路 感 染 発 症 患 者 につ い て 「病 棟 に尿 路 感 染 を発 症 して い る患 者 が い る か ど うか 」 を た ず ね た と こ ろ 、「い な い」 と い う回答 が5∼ 6割
を 占め た (表 A-2-7。 )。 しか し、 設 間 で は尿 路 感 染 発 症 と い う 「状 態 (判断 基 準)」 を定 義 しな か った た め 、「回 答 で き な い」 と い う もの が 「い な い 。そ の他 」 に含 まれ る こ と にな っ た 。 尿 路 感 染 発 症 の判 断 基 準 を「発 熱 や 尿 細 菌 の 有 無 」 な ど と明 記 して た ず ね た 場 合 、今 回 とは 異 な る 結 果 に な っ た 可 能 性 も あ る。 今 回 は 、 そ れ ぞ れの 看 護 婦 自身 の判 断 に よ り尿 路 感 染 発 症 を捉 え 、 回 答 して い た こ と に な る 。 した が つて 、 看 護 婦 の尿 路 感 染 発 症 に対 す る捉 え 方 の違 い が あ る こ と を明 らか にす る こ と にな っ た 。 さ ら に は 、「回 答 で き な い 」 と い う も の が 多 か つ た こ とか ら、「尿 路 感 染 発 症 の状 態 で あ る」 とす る判 断基 準 を看 護 婦 が も って お らず 、 また 、 明 らか な 基 準 を求 め て い る と も い え る。 表A-2-7.尿
路 感 染 発 症 患 者 数 (尿 道 カ テ ー テ ル 留 置 中 の患 者 の うち) 地 域 発 症 患 者 合 計7割
以 上 半 数 以 上 半 数 程 度 半 数 以 下 少数 い な い 。そ の他 長 野 県 内 (n=225) 人 数
(%)
225 (100%)
3 1 2 579
135
(1.3)
(0.4)
(0,9)
(2,2)
(35。 1) (60, 1) 東 京 都 内 (n=299) 人数(%)
1 54
18
107
164
(0.3)
(1.7)
(1.3)
(6.0)
(35, 8) (54.9)299 (100%)
全 体(n=524)
人 数(%)
524 (100%)
4
6 623
186
299
(0,8) (1.1) (1.1)(4.4)
(35, 5) (57, 1)(2)-5.尿
路 感 染 の 原 因 に関 す る看 護 婦 の 意 識 先 に も述 べ た が 、 カ テ ー テ ル 挿 入 ・ 留 置 自体 が 尿 路 感 染 の原 因 に な りう る。 そ こ で 、尿 道 カ テ ー テ ル 留 置 中患 者 の尿 路 感 染 発 症 原 因 につ い て 看 護 婦 が どの よ う に捉 えて い るか をた ず ね た 。 そ の 結 果 (表 A-2-8.)、 「患 者 の 全 身 状 態 が 悪 化 す る こ と、 易 感 染 状 態 で あ る こ と」 や 「長 期 に留 置 す る こ と」 の よ う に、 原 因 を留 置 中 の患 者 自身 に求 め た 回 答 の 比 率 が5∼ 6割
以 上 あ る の に対 し、「カ テ ー テ ル 挿 入 時 の 損 傷 」 や 「便 な どに よ る カ テ ー テ ル 汚 染 」 と い つ た看 護 者 側 の 手 技 や ケ ア等 を原 因 とす る 比 率 は低 か っ た 。 しか し これ は 、看 護 婦 が カ テ ー テ ル 挿 入 手 技 や ケ ア の過 程 にお け る正 確 で 適 切 な 実 施 方 法 に留 意 して い な い とい う こ とで は な い 。 看 護 婦 が 実 施 して い る こ と に関 して は 、(3)尿
道 留 置 カ テ ー テ ル 管 理 とケ ア の 実 態 で ふ れ る こ とす る。-16-ま た 、 今 回 の調 査 で は 、 看 護 婦 が 考 え る カ テ ー テ ル 留 置 中患 者 の尿 路 感 染 原 因 に つ いて 明 らか に した とい え るが 、 実 際 の尿 路 感 染 発 症 患 者 の原 因 を特 定 は で き て い な い。 今 後 は 、 尿 路 感 染 発 症 の 状 態 を特 定 し、 留 置 カ テ ー テ ル に よ る尿 路 感 染 成 立 の過 程 と影 響 因子 を 明 らか に して い く必 要 が あ る。 また 、 そ れ と同 時 に看 護 婦 の 意 識 と手 技 内容 に関 連 が あ るか ど うか を明 らか にす る こ と も必 要 で あ ろ う。 表
A-2-8.尿
路 感 染 の発症 原 因 (複数 回答) カ テ ー テ ル 挿 入 に よ る 損 傷 挿入部 (外尿道 日)か
らの細菌感染 便 な ど に よ る カ テ ー テ ル 汚 染 長 期 の カ テ ー テ ル 留 置 全 身 状 態 の 悪 化 易 感 染 状 態 その
他 発 症 原 因 地 域
26
104
63
160
125
87
5 (H.6) (46.2) (28.0) (71.1) (55。 6) (38.7) (2.2) 長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
(H.0) (54.5) (31.1) (75,9) (61.9) (51.5) (4.3)33
163
98
227
185
154
13
東 京 都 内 (n=299) 人 数(%)
(H.3)
(51.0) (17.7) (73。 9) (59.2) (46.0)(3.4)
59
267
156
387
310
241
18
全 体 (■ 524) 人 数(%)
(2)-6.尿
路 感 染 発 症 期 間 とカ テ ーテ ル 交 換 時 期 につ いて 尿 路 感 染 を発 症 す る患 者 は 、 どの く らい の期 間 で 発 症 して い る の か を た ず ね た 。 「そ の 他 」 (表A-2-10)に
は 、(2)-4.で
の 回答 同様 、 尿 路 感 染 発 症 の 判 断 基 準 が な い た め 「は っ き り した 期 間 は わ か らな い」 や 「患 者 の 状 態 に よ っ て 異 な る」 が あ っ た 。 今 回 、3割
以 上 の看 護 婦 が 、2∼
3週
間 以 内 に尿 路 感 染 を発 症 して い る と捉 え て い る こ とが 明 らか に な っ た 。 ま た 、 対 象 の8割
が 留 置 カ テ ー テ ル を3週
間 以 内 に交 換 して い る (表 A-2-10)。 数 字 の 上 で は 、 尿 路 感 染 を起 こす で あ ろ う期 間 よ り も早 くにカ テ ー テ ル を交 換 して い る こ とにな る。 しか し、 先 行 研 究 aの 等 によ る と、 閉鎖 式 持 続 導 尿 法 を用 いて も、7日
以 内 で 20∼40%の
症 例 に感 染 が 発 症 す る。 今 回 の調 査 で も (表 A-2-9.)、 カ テ ー テ ル 留 置 が 1 週 間 を過 ぎ た 頃 か ら尿 路 感 染 発 症 が 多 くな っ て い る 。 そ して 、 ほ とん どの カ テ ー テ ル が3曰
く らい か ら2∼ 3週
間 は留 置 され て お り、 そ れ らの患 者 が 感 染 の危 険 に さ らされ て い る とい え る。 で は 、 尿 路 感 染 を起 こさ な い た め に は 留 置 カ テ ー テ ル は いつ 交 換 した らよ い の だ ろ うか 。 しか し、 カ テ ー テ ル 交 換 の 期 間 は 、 決 ま っ た も の は な い よ うで あ る 。「カ テ ー テ ル の 寿 命 」 が 調 査 され た が 、 カ テ ー テ ル ヘ の 付 着 物 の程 度 や 時 期 は さ ま ざ ま ―-17-―で あ り、個 々 の患 者 の必 要 度 に応 じて カ テ ー テ ル 交 換 時 期 を決 め る こ とが 妥 当 で あ る とされ た (6)。 表 A-2-10。 の 「そ の他 」 に も、 カ テ ー テ ル の交 換 期 間 は 「患 者 の 状 態 や 尿 の混 濁 状 態 な ど に よ って 異 な る」 とい う回答 が あ つ た 。 本 来 、尿 の流 出 が よ けれ ば カ テ ー テ ル に付 着 物 は 付 か な い はず で あ る し、頻 回 の カ テ ー テ ル の交 換 は 、 逆 に菌 の侵 入 機 会 を増 や す 可 能 性 が あ る。 ま た 、 カ テ ー テ ル 留 置 中 の感 染 の危 険 性 は 、 尿 道 国の 適 切 な ケ アや カ テ ー テ ル の 固定 お よ び チ ュ ー ブ や 集 尿 バ ック の位 置 等 を正 し く して お く こ とに よ って 低 くな る はず で あ る。 した が って 、使 用 素 材 に よ リカ テ ー テ ル 交 換 時 期 の 目安 は決 め て お くが 、 患 者 に 何 らか の尿 路 感 染 と思 わ れ る症 状 が 現 れ た 場 合 や 現 れ な い場 合 、 ま た は尿 の混 濁 の 程 度 や カ テ ー テ ル 閉 塞 な ど に よ って 交 換 期 間 が 短 く も、 長 く もな って よ い の で は な いか と考 え られ る。 表
A-2-9.感
染 に いた った カ テ ー テ ル 留 置 の期 間 地 域 期 間1∼ 3日
1週
間 以 内1週
間 以 上 ∼2週
間 以 内2週
間以 上 ∼3週
間 以 内3週
間 以 上 そ の他 合 計 長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
225 (100%)
(0,9)
(4.0)
(12.0) (18,7) (30,2) (34. 2) 2 927
42
68
77
東 京 都 内 (n=299) 人 数(%)
299 (100%)
(0.3)
(3.7)
(14.7) (16,7) (35.8) (28.8) 111
44
50
107
86
全 体 (n=524) 人 数(%)
524 (100%)
(0.6)
(3.8)
(13.5) (17. 6) (33.4) (31. 1) 320
71
92
175
163
表 A-2-10。 留 置 カ テ ー テ ル の交 換 期 間 地 域 交 換 期 間 合 計1∼ 3日
1週
間 以 内1週
間 以 上 ∼2週
間 以 内2週
間 以 上 ∼3週
間 以 内3週
間 以 上 そ の他 長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
225 (100%)
(0)
(5,3)
(56.4) (21.8)(3.6)
(12.9) 012
127
49
829
東 京 都 内 (n=299) 人 数(%)
299 (100%)
(0。 7) (15,4) (44.8) (15.1) (15.4)(8.6)
246
134
45
46
26
全 体 (n=524) 人 数(%)
524 (100%)
(0.4)
(11.1) (49,8) (17.9) (10,3) (10.5) 258
261
94
54
55
一-18-―(3)尿
道 留 置 カ テ ーテ ル 管 理 とケ ア の 実 態 表A-2-8.に
尿 道 留 置 カ テ ー テ ル に関 連 す る尿 路 感 染 発 症 原 因 が い くつ か あ が っ て い る が 、 尿 路 感 染 予 防 の た め に は 、 カ テ ー テ ル 挿 入 手 技 や 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の 正 しい管 理 ・ ケ ア が 重 要 で あ る 。 そ こで 、 実 際 に行 わ れ て い る尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の挿 入 とケ ア・ 管 理 を明 らか にす るた め に、 処 置 手 順 に伴 う危 険 性 (4)を考 慮 しな が ら、 一 般 的 に適 切 と考 え られ る尿 道 留 置 カ テ ー テ ル 管 理 手 順 を作 成 し、 実 施 して い るか ど うか をた ず ね た 。(3)-1.カ
テ ーテ ル 挿 入 時 の 管 理 ・ ケ ア につ いて カ テ ー テ ル 挿 入 時 の手 順 と して 提 示 した項 目の うち 、対 象 524名 (長 野 県 内 255名 、 東 京 都 内 299名)中
、8割
以 上 に実 施 され て いた の は 「患 者 に合 っ た 太 さ の カ テ ーテ ル を選 択(96.6%)」
「カ テ ーテ ル 挿 入 前 の手 洗 い (82.3%)」 「カ テ ー テ ル 挿 入 時 の 外 尿 道 国の 消 毒 (99,8%)」 「挿 入 時 に潤 滑 剤 の 使 用 (100%)」 で あ つ た 。 一 方 、「カ テ ーテ ル 挿 入 前 の 陰 部 洗 浄 (24.4%)」 と 「挿 入 時 の滅 菌 手 袋 の使 用 (41.4%)」 の 実 施 率 は低 か つ た (表 A-2■0)。 実 施 率 が 低 か つ た 「カ テ ーテ ル 挿 入 前 の 陰 部 洗 浄 」 は 、 尿 道 口周 辺 に存 在 す る微 生物 の数 を減 少 させ る た め の管 理・ ケ ア と して 、今 回質 問項 目 に あ げ た 。 また 、「滅 菌 手 袋 使 用 」 は 、 看 護 者 側 の 手 指 か らの微 生 物 伝 播 予 防 と滅 菌 素 材 の汚 染 を 防 ぐた め で あ る。 で は 、 これ らの項 目 は 、 ケ ア 前 に十 分 な 手 洗 い が な され 、 鉗 子 等 に よ り 無 菌 操 作 が な され れ ば 、 あ る い は 、 外 尿 道 回の 消 毒 を広 く正 確 に行 う こ とで 補 え る 項 目で あ ろ うか? 今 回 の調 査 で は 、 次 に続 く 「カ テ ー テ ル 留 置 中 と交 換 時 の管 理 ・ ケ ア 」 の 項 目 と して 提 示 した ケ ア行 為 自体 に対 す る実 証 的 評 価 を して いな い た め 、 そ れ ぞ れ の ケ ア が 代 用 可 能 な の か ど うか は 明 らか にで き て い な い 。 ま た 、 実 施 して い な い対 象 者 が 「不 必 要 と判 断 」 して い る とも い えな い。 お そ ら く、 この調 査 に協 力 して くだ さ つ た看 護 婦 の 皆 さ ん は 、 あ らた め て 適 切 な 管 理 ・ ケ ア につ いて 確 認 した い と感 じ られ た こ とで し よ う。 今 後 はそ れ ぞ れ の ケ ア の 根 拠 や 有 効 性 を立 証 しな が ら、 適 切 な ケ ア手 順 を広 く普 及 して い く必 要 が あ る。 また 、 今 回 の調 査 は 、看 護 婦 が 実 施 して い る こ との調 査 で あ るが 、「低 刺 激 製 (シ リコ ン製 等)の
カ テ ーテ ル 使 用 (67.9%)」 と、 次 項 にお け る 「閉鎖 式 持 続 導 尿 シ ス テ ム使 用 (65.5%)」 は 、看 護 婦 が 選 択 す る とい うよ りは 、 病 棟 に用 意 され て い る か ど うか が 関 連 して い る と思 わ れ る。 ま た 、 シ リコ ンカ テ ー テ ル は ゴ ム 製 よ りも高 価 な た め 「全 員 の 患 者 に使 う こ とは で き な い」 とい う意 見 も あ った 。 この よ うな 備 品 整 備 や 金 銭 管 理 面 と尿 路 感 染 発 症 との 関 連 につ い て の 調 査 は ほ と ん どな され て い な い が 、 院 内感 染 の減 少 や 「感 染 」 か ら患 者 を守 る こ とは 、 病 院 の 経 済 面 に大 き く関 与 して い るで あ ろ う。 した が っ て 、 尿 路 感 染 予 防 の た め に 開 発 さ れ て い る さ ま ざ ま な 医療 器 具 に対 す る調 査 も、 今 後 重 要 にな るか も しれ な い。-19-ケ ア の 実 態 ケ ア の 行 為 患 者 に合 った カ テ ーテ ル 太 さの選 択 低刺激製 (シリコン製等
)の
カテ ーテル使 用 カ テ ーテ ル 挿 入 前 の 陰 部 洗 浄 挿 入 前 の 手洗 い (手指 消 毒) 挿 入 時 の 滅 菌 手 袋 の使 用 挿 入 時 に外 尿 道 口 を消 毒 す るキ1 挿 入 時 カ テ ー テ ル の 先 端 に滅 菌 の 潤 滑 油 (も し くは キ シ ロカ イ ンゼ リー)をつ け る 506(96.5) 356(67,9) 128(24.4) 431(82.3) 217(41.4) 523(99,8) 524(100) 実 施 して い る 13(2.5) 123(23.5) 281(53.6) 63(12.0) 267(51.0) 0 0 して いな い5(1.0)
45(8.6)
115(21.9) 30( 5,7) 40( 7.6) 1(0。 2) 0 今 後 した い 。そ の他 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 合 計 表A-2-10.カ
テ ー テ ル 挿 入 時 の管 理・ ケ ア の実 態 数 字 は 人 数 、( )内
は%
41ヵ テ_テ
ル 挿 入 前 の外 尿 道 日へ の 消 毒 薬 は 「グル コ ン酸 ク ロル ヘ キ シ ジ ン (292名)」 「塩 化 ベ ンザ ル コニ ウム(H5名
)」 「ポ ピ ドシ ヨ ー ド (61名)」 「ジ ア ミ トー ル (21名)」 「ハ イ ア ミ ン (20名)」 「マ ス キ ン (15名)」 な どが あ った (複数 回答)。(3)-2.カ
テ ー テ ル 留 置 中の 管 理 ・ ケ ア につ いて 尿道 留 置 カ テー テル で の感 染 経 路 (細菌侵 入 部位)は
一 般 に以下 の4ヶ
所 といわ れ て い る。 つ ま り、① 蓄尿 バ ックか らの逆 流 、② カ テー テ ル とチ ュー プ の連 結 部 、 ③ 挿 入 部 (尿道 粘 膜 とカ テ ー テル の 間 隙)、 ④ 蓄 尿 バ ック の排 出 口で あ る。 今 回 の 質 問項 目で も これ らに対処す るた めの管 理・ ケ アを中心 に聞 いて い る。 そ の結 果 (表 A-2-11.)、 ① 蓄尿 バ ックか らの逆流 によ る細菌侵 入 に対 して は、「集 尿 バ ック を勝 月光よ り高 く しな いな ど正 しい位 置 に して い る (95。 4%)」 「導 尿 チ ュー ブ は折 れ 曲が った り、垂 れ 下 が った りさせ な い (95.0%)」 「患 者 へ のカ テー テルお よび集 尿 バ ック取 扱 いの説 明 (77.3%)」 な どの よ うに、高 い実 施 率 で あ った。 ② カ テ ー テル とチ ュー ブ の連 結 部 か らの細 菌侵 入 へ の対 処 「連 結 部 は はず さな い (79,6%)」 もほぼ案施 されて いる ことがわか った。 しか し、 中には 「尿検査 時」「膀 月光訓練 時 」「交 換時 (尿道 カテ ーテル のみ交 換)」 な どを理 由 と して 連 結部 をはず し て い る もの もあ った(17.0%)。
これ らの理 由の 中で 、尿 路 感 染 予 防 よ りも優 先 さ れ る もので はな い と考 え られ る。 ③ 挿 入 部 (尿道 粘 膜 とカ テ ー テ ル の間 隙)へ
の対 処 は 、「カ テ ーテ ル 留 置 中の陰 部洗浄 (79,6%)」 はな されて いたが 、「日々のケ ア として の外尿 道 口消毒 (48.7%)」 「抗 菌薬 の外 尿道 口へ の塗布 (7.6%)」 「滅菌 ガーゼ によ る挿入部保 護 (43.9%)」 に 関 して は 、実 施 率 が 低 か った。「外 尿 道 口を毎 日消 毒 して も、抗 菌 剤 軟 膏 の塗 布 を して も感 染 症 の予 防′デ‐力果 はな い」 とい う通 説 に対す る研 究 結果 が あ る (H)。 そ れ は、 カ テー テ ル 留 置患 者 の外 尿 道 口を、イ ソ ジ ン消 毒群 、イ ソ ジ ンク リー ム塗 布 群 、 タ ―-20-―オ ル 清 拭 群 に分 けて 比 較 した と ころ 、 尿 路 感 染 症 の発 生 率 が 低 か つ た の は イ ソ ジ ン 消 毒 群 で あ つ た 。 イ ソ ジ ン ク リー ム 塗 布 の効 果 は認 め られ て は い な いが 、 今 ま で の 通 説 か らケ ア方 法 の 実 証 確 認 に 目 を 向 け させ た 意 味 の あ る結 果 で あ る 。 つ ま り、 外 尿 道 口の 消 毒 、 抗 茜 剤 の塗 布 に対 して も、 今 後 実 証 的 な研 究 調 査 が 必 要 と い え る だ ろ う。 そ して 、細 菌 侵 入 経 路 と して の④ 蓄 尿 バ ック の排 出 口、へ の管 理・ ケ ア と して は 、 「集 尿 バ ッ ク を空 にす る前 後 の手 洗 い (39,7%)」 「尿 を廃 棄 後 、集 尿 バ ッ ク排 出 口 の 消 毒 (6.5%)」 と、 非 常 に実 施 率 が 低 か つ た 。 多 くの 病 院 で は 、集 尿 バ ッ ク か ら の尿 廃 棄 は 、24時 間 ご と、そ して 何 人 分 か を一斉 に廃 棄 す る こ とが 多 い よ うで あ る。 果 た して 、 尿 バ ッ ク の 中 に 、 そ して 排 気 口 に細 菌 は存 在 しな い と考 え られ る で あ ろ うか 。 また 、 看 護 者 が細 菌 伝 播 の経 路 とな って いな い とい え るだ ろ うか 。 表
A-2-11.カ
テ ー テ ル 留 置 中 の管 理・ ケ ア の実 態数字は人数、
( )内
は%
ケ ア の 実 態 ケ ア の 行 為 カ テ ーテ ル 留 置 中 の 陰 部 洗 浄*2 留 置 中 の外 尿 道 日消 毒43 抗 菌 薬 の外 尿 道 日へ の塗 布 滅 菌 ガ ー ゼ に よ るカ テ ー テ ル 挿 入 部 保 護 閉鎖 式 持 続 導 尿 シス テ ム の使 用 連 結 部 は はず さな い 集 尿 バ ック を空 にす る 前後 の 手 洗 い 尿 を廃 棄 後 のりF出日の 消 毒 集 尿 バ ック の 正 しい位 置 チ ュー ブ の管 理 留 置 カ テ ー テ ル 挿 入 中 の飲 水 励 行 集 尿 バ ック等 の 扱 い に関 して 患 者 へ 説 明 尿 の性 状 の チ ェ ック 実 施 して い る 417(79,6) 255(48,7)40(7.6)
230(43,9) 343(65。 5) 417(79.6) 208(39,7) 34( 6.5) 500(95,4) 498(95.0) 396(75.6) 405(77.3) 516(98.5) して いな い 67(12.8) 212(40.5) 448(85,5) 265(50.6) 128(24.4) 89(17.0) 267(51,0) 430(82.1)9(1.7)
H(2.1)
94(17. 9) 77(14.7)2(0.4)
今後 した い 。そ の他40(7.6)
57(10.9)36(6.9)
29(6.5)
53(10.1) 18(3.4) 49( 9.4) 60(11.5)15(2.9)
15(2.9)
34(6.5)
42( 8.0)6(1,1)
合 計 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 524(100) 42尿 道 カテー テル 留置 中患 者 に対 して の陰部洗 浄 の回数 は、「 1日1回
(286名)」 「陰部 汚 染 時 (55名)」 「2日 に1回 (19名)」 「1週
間 に2回
(13名)」 な どが あ つた。 ■3ヵ テ_テ
ル 留置 中の外尿道 日へ の消毒薬 は 「グル コ ン酸 クロル ヘキ シジ ン (123名 )」 「塩化 ベ ンザル コニ ウム (58名)」 「ポ ピ ドンヨー ド (38名)」 「ジア ミ トール(9名
)」 「マスキ ン (7名)」 「ハイ ア ミン (7名)」 な どが あ つた (複数 回答)。 ―-21-―また 、毎 日の看 護 業 務 の 中で 「尿 の性 状 の チ ェ ック (98.5%)」 と して 、尿 量 、色 、 混 濁 な どへ の 留 意 が な され て い た 。「留 置 中患 者 へ の飲 水 励 行 (75.6%)」 に 関 して は 、「水 分 制 限 が あ る場 合 は無 理 」「意識 障 害 な どの た め経 口摂 取 で き な い 人 もい る」 た め 、患 者 の状 態 によ って は、点 滴 量 で調 節 す る な どの工 夫 が 必 要 で あ ろ う。 また 、 水 分 摂 取 量 あ る い は尿 量 と尿 路 感 染 との 関連 も明 らか に して い く必 要 が あ る。
(3)-3.留
置 カテ ーテ ル 交 換 時 の管 理・ ケ ア につ いて 留 置 カ テ ー テ ル を交 換 す る 時 の ケ ア に 関 して は 、「カ テ ー テ ル 再 挿 入 前 の 陰 部 洗 浄 (36.1%)」 は実 施 率 が 低 か っ た 。「全 シス テ ム (カ テ ー テ ル ∼ 集 尿 バ ッ ク)を
取 り替 え る (95.0%)」 は 、9割
以 上 に実 施 され て いた (表 A-2-12。 )。 お そ ら く、 カ テ ー テ ル 交 換 時 もカ テ ー テ ル 挿 入 時 と 同様 (表 A-2-10。 )、 陰 部 洗 浄 は実 施 率 が 低 いが 、外 尿 道 国の 消 毒 は実 施 され て い る とは考 え られ る 。 しか し、 先 述 した よ う に 、 消 毒 の み で 尿 道 口周 囲 の細 菌 数 が 減 少 した り、 尿 道 へ の細 菌 侵 入 が 防 げ る とは言 い切 れ な い。 表A-2-12.カ
テー テ ル 交 換 時 の ケ ア の実 態 数 字 は 人 数 、( )内
は%
ケ ア の 実 態 ケ ア の 行 為 カ テ ー テ ル 再 挿 入 前 の 陰 部 洗 浄 全 シス テ ム を取 り替 え る 実 施 して い る 189(36.1) 498(95,0) 245(46.8) 13( 2 5) して いない 今後 した い 。そ の他 90(17.2)13(2.5)
524(100) 524(100) 合 計 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の管 理 ・ ケ ア の 中で 、 実 施 率 が 低 く、 ほ とん ど実 施 され て い な か っ た の は 「外 尿 道 口へ の 抗 菌 剤 塗 布 」「尿 廃 棄 後 の排 出 口の 消 毒 」 の2項
目で あ っ た 。「外 尿 道 口へ の抗 菌 剤 塗 布 」 につ い て は 先 に も述 べ た とお り、 そ の 効 果 に つ いて の 実 証 的研 究 が され 始 め て い る。 我 々 の研 究 にお い て もパ イ ロ ッ トス タ デ ィ を実 施 した の で そ の結 果 につ いて 後 で 述 べ る。 「尿 廃 棄 後 の排 出 国の 消 毒 」 につ いて は 、「今 まで そ の 必 要性 を感 じた こ とが な か っ た 」 と い う意 見 が あ っ た よ う に多 くの看 護 婦 に意 識 され て い な か っ た の で は な い だ ろ うか 。 今 回 の ア ンケ ー ト調 査 で は 、 ケ ア 内 容 と尿 路 感 染 発 症 率 の 関 連 を 明 ら か に は で き な い の で 、 これ らの ケ ア の 有 効 性 を判 断 す る こ とは で き な い 。 しか し、 今 回 の調 査 で 提 示 した よ うな ケ ア行 為1つ 1つ
に対 す る根 拠 や 有 効 性 を 立 証 しな が ら、尿 路 感 染 予 防 に適 切 な 看 護 ケ ア 手 順 を確 立 し、 広 く普 及 して い く必 要 が あ る だ ろ う。-22-(3)-4.個
人 特 性 に よ る尿 道 留 置 カ テ ーテ ル の 管 理 ・ ケ アの差 につ い て 長 野 県 内 (255名)と
東 京 都 内 (299名)の
対 象 者 間 で 、 そ れ ぞ れ の ケ ア 行 為 の 実 施 率 に差 が あ るか ど うか を調 べ るた め にカ イ2乗
検 定 を行 った と ころ 、 有 意 な 差 が 認 め られ た ケ ア項 目は 、「カ テ ー テ ル 挿 入 前 手 洗 い 」「滅 菌 手 袋 使 用 」「挿 入 中 の 陰 部 洗 浄 」「挿 入 中の外 尿 道 口消 毒 」「尿 の廃 棄 前 後 の 手洗 い」で あ つた 。(表 A-2-13)。 ま た 、 対 象 の特 性 に よ っ て ケ ア行 為 の 実 施 率 に差 が あ る か を調 べ た 。「臨 床 経 験 年 数 」 は 、3年
以 下 (53名)と
そ れ 以 上 の グル ー プ (471名)に
分 けて カ イ2乗
検 定 した と ころ、 有 意 差 が 認 め られ た の は 、「挿 入 時 の尿 道 口消 毒 (Pく ,05)」 「閉鎖 式 シス テ ム の使 用 (Pく 。01)」 で あ っ た 。 こ こで は 、 経 験3年
以 下 の方 が 、 挿 入 前 に 消 毒 を して い るが 、 閉鎖 式 シス テ ム を使 用 して い る 比率 は低 か つた 。 「勤 務 病 棟 」 によ る比 較 で は 、「カ テー テ ル 留 置 中 の 陰 部洗 浄 」「留 置 中 の外 尿 道 口消 毒 」「滅 菌 ガ ー ゼ 保 護 」「患 者 へ の説 明 」 が P値 く,01で
有 意 差 が あ っ た 。 い ず れ も、 泌 尿 器 科 病 棟 の 実 施 率 が 他 の病 棟 に比 べ 高 か つた 。 さ らに 、「職 位 」 で は 、「カ テ ー テ ル 挿 入 前 の 陰 部 洗 浄 (P〈 ,05)」 「滅 菌 手 袋 使 用 (Pく ,001)」 「留 置 中 の 陰 部 洗 浄 (Pく ,05)」 「留 置 中 の尿 道 口消 毒 (P〈 ,01)」 「抗 菌 薬塗 布 (P〈 .01)」 「閉鎖 式 シス テ ム 使 用 (P〈 .01)」 「尿 廃 棄 前 の手 洗 い ( Pく ,01)」 「患 者 へ の説 明 (Pく 。05)」 「全 シス テ ム を交 換 す る (P〈 .05)」 で 有 意 差 が あ った 。「留 置 中の 陰 部 洗 浄 」 を のぞ いて 、「婦 長 」 の実 施 率 が 高 か っ た 。 今 回 の調 査 に よ り、 あ る特 定 の地 域 間 にお い て 、 あ る い は病 棟 に よ って 、 臨 床 経 験 な ど に よ って 看 護 ケ ア の実 施 内容 が 異 な る こ とが 明 らか にな った とい え る。本 来 、 ど こに い る患 者 に対 して も最 善 の方 法 で 接 す るべ き で あ り、 患 者 を危 険 に さ らす こ とは避 け な くて は な らな い 。 そ の た め に は 、 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル に 関 す る管 理 ・ ケ ア に関 して も、適 切 な看 護 ケ ア手 順 を確 立 して い く必 要 が あ るだ ろ う。 表A-2-13.尿
道 留 置 カ テ ー テ ル 管 理 ・ ケ ア の地 域 差 数字 は人数、( )内
は%
挿 入 中 の外 尿 道 日消 毒 挿入 中 の陰部 洗 浄 滅 菌 手 袋 使 用 カ テ ー テ ル 挿 入 前 手 洗 い ケ アの行 為 長 野 東 京 長 野 東 京 ケ ア の 実 態 長 野 東 京 長 野 東 京 161(71.6) 256(85.6) 73(32.4) 144(48.2) 174(77.3) 257(86.0) 実 施 して い る 78(34. 130(43. 7 5 41(18.2) 26(8.7) 130(57.8) 137(45.8) 34(15.1) 29(9,7) して いな い 114(50,7) 140(46.8) 今 後 した い 。そ の他 33(14.6) 29(9.7) 23(10.2) 17(5,7) 22(9,8) 18(6.0) 17(7.6) 13(4.3) 255(100 299(100 合 計 255(100) 299(100) 255 299 100) 100) 255(100) 299(100) 16.016 ** 16.764 ** 8.958 * カ イ 2乗 統 計 量 38.725 *** *イま P〈 .05 ,**イま P〈 ,001 ,キ**イよ Pく ,001-23-(4)尿
道 留 置 カテ ーテ ル によ る 尿 路 感 染 に関 す る看 護 婦 (士)の
意 識 「(2)-5.」
で 、看 護 婦 が 考 え る尿 路 感 染 原 因 につ いて 明 らか に した が 、 こ こ で は さ らに 、「尿 道 留 置 カ テ ー テ ル に 関 連 す る尿 路 感 染 予 防 の 可 能 性 」 につ い て 、 看 護 婦 (士)が
どの よ う に思 って い る の か を明 らか にす る。(4)-1.尿
道 留 置 カ テ ーテ ル に関連 す る尿 路 感 染 予 防 の 可 能 性 につ いて 尿 道 カ テ ー テ ル 留 置 患 者 の尿 路 感 染 は予 防 可 能 と考 え るか 、 あ る い は予 防 は 不 可 能 と考 え るか をたず ね 、 そ の理 由 を記 述 して も らった が 、 そ の結 果 (表 A-2-14。 )、 予 防 可 能 と考 えて い る看 護 婦 は両 地 域 と も58%以
上 で あ った 。 理 由 は 「看 護 婦 の管 理 次 第 で あ る」 の よ う に、 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル に よ る尿 路 感 染 症 は看 護 婦 の管 理 ・ ケ ア に よ る 「責任 」 と考 え た 人 が 多 い。 そ こで 、「(2)-5.尿
路 感 染 の 原 因 に関 す る看 護 婦 の 意 識 」 で あ げ た 発 症 原 因 との 関 連 を検 討 した (表 A-2-15)。 有 意 な差 が あ っ た の は 「発 症 原 因 を患 者 の全 身 状 態 が 悪 化 」 とす る項 目に対 して の み で あ つた 。 つ ま り、「尿 路 感 染 は予 防 不 可 能 」 と考 え る人 の ほ うが 、尿 路 感 染 の原 因 を 「患 者 の全 身 状 態 悪 化 」 と認 識 す る比 率 が 高 い と い う結 果 に な っ た 。 しか し、「予 防 可 能 」 の認 識 と 「看 護 者 側 の 挿 入 手 技 や 管 理 な どが原 因」 とす る認 識 との 間 に関 連 は み られ な か った 。 一 方 、 尿 路 感 染 は 「予 防 不 可 能 (長 野 県 内 24.0%、 東 京 都 内20.1%)」
と答 え た 理 由 の 中 に は 「長 期 に な る と難 し い 」「患 者 の 状 態 次 第 で あ る」 な どの よ う に 、 看 護 婦 の カ テ ー テ ル 管 理 だ け で は 予 防 は 難 しい考 え て い る も の が 多 か つ た 。「 どち ら と も い え な い 。無 記 入 」 の 理 由 に も、「看 護 婦 と して 注 意 す べ き こ と を して も、 尿 路 感 染 を起 こ して しま っ た 患 者 さん が い る」 な ど、 予 防 の難 しさ を記 して い る も のが 多 くあ つた 。 表A-2-14.尿
道 留 置 カ テ ー テ ル に関 連 す る尿 路 感 染 予 防 の可 能 性 地 域 尿 路 感 染 予 合 計 予 防 可 能 予 防 不 可能 どち ら と もい え な い 無 記 入225 (100%)
132
54
15
24
(58,7) (24.0)(6.7)
(10.6) 長 野 県 内 (n=225) 人 数(%)
東 京 都 内 (n=299) 人 数(%)
2 9 9 (100%) (58.5) (20.1)(4,3)
(17.1)175
60
13
51
全 体 (■=524) 人 数(%)
524 (100%)
(58.6) (21.8)(5.3)
(14.3)307
114
28
75
―-24-―表 A-2-15。 尿 路 感 染 予 防 に関す る意識 と発 症 原 因 に関す る意識 原 因 予 防 カイ2乗統 計量 他 n=103 不 可 能 n=114 予 防 可 能 n=307 1.460 10 9.7 98 90,3 16 98 14.0 86. 0 38 274 89.8 10. 7 挿 入 に よ る損 傷 原因と 考える 他 挿 入 部 か ら細 菌 原因と 考える 他 6.664 41 62 39.8 6 0. 2 62 52 54 4 45.6 164 43 46.6 53.4 35 79 69.8 30.7 94 213 4 30.6 69 便 な どに よ る汚 染 原因と 考える 他 0.878 27 76 73.8 26.2 70 68.0 33 32.0 98 21 81.6;18.4 224 88 27.0 73 0 長 期 の 留 置 原因と 考える 他 5。 770 全 身 状 態 の悪 化 原因と 考える 他 9.277 │ 65 38 36.9 63.1 76 38 66,7 33. 3 169 188 44.0 45,0 易 感 染 状 態 原因と 考える 他 50 48.5 53 51 5 51 68 44 7 5 5. 3 140 167 45. 6 5 4. 4 1.506 上段は人数、下段は%、
*は
Pく ,05 尿 路 感 染 確 立 に関 与 す る 因 子 と して は尿 停 滞 や 全 身 の抵 抗 力 の低 下 な どが あ り、 尿 感 染 を持 続 させ る 因子 と して 膀 】光内残 尿 、 膀 脱 内 異 物 な どが あ げ られ る °か。 つ ま り、 尿 路 感 染 は尿 道 カ テ ー テ ル に 由来 す る も の が 多 い が 、 身体 症 状 と して 発 症 す る に は様 々 な 因子 が 影 響 して い る。 そ の た め 、 今 回 の よ うな 質 問 に は っ き り回 答 す る こ と 自体 が 難 しい こ と とい え る だ ろ う。(4)-2.尿
路 感 染 予 防 に関 す る看 護 婦 (士)の
意 識 とカ テ ー テ ル ケ ア との 関 連 上 記 の調 査 にお い て 、 尿 路 感 染 を 「予 防 可 能 」 あ る い は 「不 可 能 」 と回 答 した そ れ ぞ れ の群 ご と、(3)に
お け る尿 道 留 置 カ テ ー テ ル の管 理 ・ ケ ア 項 目 を カ イ2乗
検 定 した と ころ 、 有 意 な 差 が 認 め られ た の は 「滅 菌 手 袋 の使 用 」 の み で あ つ た 。 こ こで は 、尿 路 感 染 に対 す る意 識 の差 が 、 ケ ア 内容 の 差 に結 び つ く とは言 い切 れ な い 結 果 とな った 。 しか し、 医 療 従 事 者 と して 重 要 な こ とは 、 成 す べ き こ と を成 さず に 、影 響 因 子 を 理 由 に尿 路 感 染 を許 す べ き で は な い とい う こ とだ ろ う。 看 護 者 は 、 ケ ア 前 後 の 手 洗 い は も ち ろ ん清 潔 操 作 お よ び 的 確 な 管 理 ・ ケ ア の手 順 を確 実 に実 施 して い く必 要 が あ る。 そ の た め に も今 、尿 路 感 染 を起 こ さ な い あ る い は 予 防 に役 立 つ 看 護 モ デ ル の 作 成 が 求 め られ て い る。 ―-25-―(5)調
査 の限 界 今 回 の 調 査 に よ り、看 護 婦 (士)の
尿 路 感 染 に対 す る意 識 につ い て は 明 らか にで き た とい え る。 しか し、実 施 して い る ケ ア につ いて は質 問紙 に よ る調 査 方 法 の た め 、 実 際 に実 施 して い る か ど うか まで は確 認 で き な い。 また 、 今 回 の調 査 で は 、 多 くの 看 護 婦 が 今 まで 実 施 す る項 目 と して 認 識 して い な か っ た ケ ア方 法 (カ テ ー テ ル 挿 入 前 の 陰 部 洗 浄 、 外 尿 道 口へ の抗 菌 剤 塗 布 、 尿 廃 棄 後 の集 尿 バ ッ ク の 消 毒 な ど)、 あ る い は 、 す べ き こ と と して 認 識 ・ 実 施 して い る項 目が 明 らか にな っ た 。 今 後 は 、 こ の よ うな ケ ア行 為 の 実 証 的 評 価 を しな が ら、 多 くの看 護 婦 (士)が
求 め て い る 、尿 路 感 染 予 防 に役 立 つ 看 護 モ デ ル を確 立・ 普 及 して い く こ とを 目指 して い き た い。 【謝 辞 】 本 調査 実 施 に際 して 、多 くの方 々 に ご協 力 を得 ま した こ とを、 こ こに深 く感 謝 申 し上 げます 。 調 査 実施 にあた って は、長 野 県 内 、東京 都 内 の病 院施 設 の看 護 部 長 、看 護総 婦長 の御 手 を煩 わせ る こ とにな りま した。 質 問紙 に回答 いた だ き ま した看 護 部長 、看護 総 婦 長 、 各病 棟 婦 長 、そ して病棟看 護 婦 (士)の
皆 様 に厚 く感 謝 の意 を表 します 。-26-引用文献
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