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講演会 大岡地区住民自治協議会 長野市ホームページ

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大岡地区住民自治協議会設立総会

講演会 「山村の限界集落化と地域の再生

∼自分たちの地域を自分たちの手で∼」

講 師:長野大学環境ツーリズム学部教授 高知大学名誉教授

大野 晃さん と き:平成 19 年7月 14 日(土) ところ:大岡文化センター

大岡地区の皆さ ん、こ んにちは。今、たいそうな紹介を預かりましたけれども、なんか ちょっと聞いてい て自分 で恥ずかしいような感じがしまして、おもはゆい思いで聞い てお りましたが、改め て、長 野大学の環境ツーリズム学部の大野と申します。長野大学では、 この4月に日本で初めて 環境ツーリズム学部という学部を立ち上げたわけですが、この環 境ツーリズム学部というのは、信州の美しい自然を守りながら観光を振興させて地域を活 性化していくため の研究 と教育を実践していくという、日本で初めての学部なんです けれ ども、今、日本全国から 問い合わせが来ているところでございます。皆さんも、ひとつぜ ひ、応援をしていただきたいと思います。大岡の皆さんに お会いするのを楽しみにし てき たのですけれど、あいにく天気がよろしくなくて、また、明日台風も接近するなんていう そういうような状 況で、 今日泊まって明日久しぶりにすばらしい信州の山並みが見えるの ではないかと心待ちにしてきたのですけれど、なかなか大岡に来て美しい信州の山並みを 見るのは難しいのかなと 、また、いずれ機会を見て出直してこようと、そんなことを先ほ ど総会をしている間に、 考えておりました。もうぼつぼつ話しにいかなくてはならないか なと思っていたら、議論 が白熱したのかどうなのか、時間がずいぶん長くなったのですけ ど、長くなった分、私の 話を短くしたなら皆さん予定通り帰れると、こういうことだ ろう と思います。(笑い)

私の専門は、山 村環境社会学という、これは自分で最初に開拓した分野なん ですけ れど も、環境社会学と いう、 皆さんにはまったく耳慣れない専門だろうと思いますけれど、長 い間、環境社会学と地域社会学という二つの専門をずっと自分の仕事にして、全国津々浦々 まで調査をし、か れこれ 35年になるでしょうか。どこに行っても地下足袋で、あちこち 調査に回って来て おるわ けですけれど、日本は、北は北海道、南は沖縄まで、南北に非常 に長くて、 それぞ れの地 域に環境の問題、地域の問題をみんな抱えているわけですよ ね。 そういうところへ出向い て行って、そこで問題になっている環境問題や地域の問題を 、ち

(2)

くと

..

調査をして。ちくと

...

と言うのは、信州ではなんて言うんだろうか。土佐の高知では、 ちくと

...

と言うのは、じっ くりとという意味ですけど。ほんとうに腰を構えて3年・5年・ 10年・20年・25年 そういうところにずっと通い続けながら、問題を解決する施策・ 対策をその都度展開をし てくるような、そういう仕事を全国あちこちでやってきておりま す。問題が起きて、その問題を調査して、その問題を解決していくその具体策を提起する、 いわばそういう処 方箋を 書いていく、それが私の仕事でございます。ですから、学生で気 の利いた学生は、「先生は、社会の病気を治すお医者さんだ。」ということを言ってくれた 学生がいて、そういう答案には全部100点をやることにしているのですけれど。(笑い) それほど名医にな れない でいて、今、よわい67歳になっているところですけれど。どん なところをいったい調査 してきたのかを、今日は、皆さん初めてお目にかかりますので、 簡単に自己紹介がてら話をしてみたいと思います。

南の方では、沖 縄の、日 本で一番南にある自治体が竹富町という自治体で、 その竹富町 という自治体は、7つの 有人島、人が住んでいる7つの島から成っている自治体なんです けど、その中で、沖縄県の中で2番目に大きな島が西表島という島があります。西表島は、 皆さんご存知のよ うに、 西表ヤマネコとセットで頭に入っているんではないかと思います けれど、この西表ヤマネコ、これは日本で特別天然記念物に指定されている野生生物 です けど、そういうヤ マネコ と島民の人達がどう仲良く共存を図っていくのか、そういう よう な仕事を長い間、西表島 に通って研究をしてきております。何年か前に、私が、この西表 島で人間と自然が ともに 豊かに歩んでいけるような共存の論理を、そこで開発したわけで すけど、今、放送 大学の 、千葉の幕張メッセに放送大学があるのですが、そのテレビで環 境社会学という講 座が、 前期・後期それぞれ15回ありますけれど、最初に放送大学 で環 境社会学を放送し たとき に、2回目に僕の共存の論理が紹介された。僕が収録のために西 表に出かけていって、西 表のマングローブを背景にしながら、僕の西表ヤマネコの島民の 共存の論理を、そ こでず っと説明してきたりしてきておりますが、そういうような南の方 の調査をすると思えば、 北海道の北の方へ行って、北海道の蝦夷シカを皆さんは見たこと はございますでしょうか 。これも特別天然記念物に指定されている野生生物ですが、これ が畑に入ってきて、農作 物を荒らす、いわゆる食害ですね、そういう問題を引き起こして 大きな問題になっていま すけれども。私がまだ高知大学にいるころから、北海道の網走郡 の津別町という、オホーツク海からちょっと内陸部に入ったところにある自治体ですけれ ど、そこにずっと通って 蝦夷シカの食害調査をしてきております。蝦夷シカというの は、 山に食べるものがある時 期には、畑に入って来ないんですけど、食べるものが少なく なっ てくると畑に入っ て来て 、ビート。ビートってわかるかな。砂糖大根、こんな大きな、僕 の顔くらい大きな大根で すけど。糖度が14度くらいある。そこから皆さんご存知の白い 砂糖を作る原料で すけど も。ビートですとか、馬鈴薯ですとか、玉ねぎだとか、こば く

...

、 北海道では こばく

...

と呼ん でますけど、小麦ですね。そういうものを畑で作るわけです 。作 るといっても、信 州の大 岡村のこの辺の畑と規模が違う。1つの広さが、10ヘクタール

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くらいあるわけですから 、全然規模が違うんです。はるかずっと向こうまで平 らな畑にな っている。ジャガイモ畑 も、花が咲く時期には紫色と白い色と、パッチワークのようにワ ーと広がっている。そう いう広大な広さが、北海道農業の特徴なんですけど、そうしたと ころへシカが入っ てきて 、農作物を食べる。私が調査しているところの、その津別町では 1年に被害額が2億1千 万という被害で、ずいぶんこの問題については農水省へ頼まれて 講演に行ったりするときに、講演の趣旨ではないんですけど、資料をそこに入れてこうい う実情だという話をしてきております。

南から北まで全 国あちこち調査をしておりますかたわら、ここ10年くらい は海外の調 査にかなり力を入れて、 ルーマニアの山村、ルーマニアの北部山村でウクライナ国境に近 いところに、スチ ャバ県 のヤコベニ村という村があるのですが、そこにここ10年くらい 毎年調査に通って います 。それと並行して、北欧のスウェーデンの中北部にイエムト ラン ド県という県があ りまし て、ノルウェーの国境に接しているところですけど、そこにある 小さな自治体、オ ーエコ ミューンというんですけど。スウェーデンには、市・町・村とい う自治体を人口で区分す る呼び方が一切なくて、全部コミューンと言うんですね。ですか ら、長野市もコミ ューン だし、上田の隣の青木村もコミューンです。そういう意味で長野 コミューン、青木コミューン、そういう形で全部呼んでいるんですけども。私が調査に入 っているオーレコミューンとクロコムコミューンという2つの山村ですけど、そういうと ころへ調査に入っ て、い ずれも今日の主題になっております限界集落、そういうスウェー デンのオーレコミューン のフーソーという集落、これは限界集落で、世帯数がわずか 55 戸で人口が110人くら いの、高齢者ばかりが残された集落で、調査に行き始めた当初は 1年生から6年生まで1 1人の複式学級で、男の校長先生と女の教師と2人が11人 の面 倒を見て、通って3年目 くらいにそこが閉鎖されて30キロ離れたカルという小学校に統 合されて、そういうこと に伴って、そのフーソーという集落にただ1軒あった小さなスー パーマーケットが閉店に なり、保育園も閉園になり、そうした限界集落へ、毎年毎年 、泊 まるところはホテ ルなん てありませんから、農家の空き家を借りて、そこへ住みながら自 炊生活をして調査を続けた。1軒1軒1人暮らしのお年寄りを訪ねていくわけですけどね。 そんな仕事を、こ このと ころ海外ではかなり力を入れてやってきております。海外ずいぶ んいろいろなところを、 ヨーロッパのスペインのバレンシアの調査から始まって、イタリ アのベルチェリリという 稲作単作地帯の調査から、ドイツの黒い森と言われている、シュ バルトバルツとい う、ち ょうどドナウ河の源流にあたる山林の被害の調査だとか、あるい は中南米、ブラジルだと か、パラグアイだとか、ブラジルのアマゾンの奥へ入って焼畑か ら何から環境に及ぼす影 響だとか、いろいろなところを歩いてきておりますけれど、今は そのスウェーデン、ルー マニアで、今年の12月半ばに入ったら、スウェーデンのそこへ 調査に行く予定に してい るのですけれど、そのときにはもう真っ暗で、11月・12 月・ 1月・2月・3月くらいまで、ほとんど日が差さない、真っ暗闇の世界。夏は、夜がなく て、11時過ぎても明るい感じがして、1時・2時になるとほんとうに明るくなるような、

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そういう世界です けど。 いろんなところを見ながら、調査をしてきておりますけど、今日 は、その話をしていると 、5時までには終わらない。もうみんな、5時までには帰さない といけない。

今日は、ここにありますように、山村の限界集落化と地域の再生という、そ ういう テー マで今日の話を進めていかなくてはいけないわけなんですけど、私が、今、自分でど んな ところを調査して きたか ということをごく簡単にお話ししましたけれど、信州ではずいぶ ん前に、環境庁、まだ環 境省ではなく環境庁の時代、環境庁から委託されて奈川安曇 スー パー林道ってありますでしょ。あそこの調査を委託されて、あそこへ何回か通ってスーパ ー林道の開設が、過疎地域の人たちの社会経済的なことにどうプラスになるか、マイナス になるか、そういうよう な調査もしてきておりますけれど。今日の限界集落という話は、 私のホームグラウ ンドの 高知大学に二十何年ずっといて、今でも嫁さんや子どもは高知に おりますけれど、高知で 三十何年高知の山村を歩いて、そこで自分で考えてきた概念が限 界集落ということなんですが、そういう意味では、高知県は限界集落の発祥の地と言って も過言ではありません。 信州というのは、山国日本の代表のような印象を全国的に見ると 受けるわけですけど、実 は、山国日本の代表というのは高知県なんですね。高知県という のは、県土全体の面積の 中で山林原野が占める比率、いわゆる林野率、これが83.5パ ーセント、全国一林野率 の高い県なんですね。よそから見ると、高知県は海のイメージが 非常に強い。黒潮だとか、カツオのタタキだとか。カツオのタタキを食べたことのある方、 手を上げて。何人かいるね。カツオは、川で獲れないことは知っているでしょ。長野大学 はおもしろいんだよね。 僕は講義していて、学生に魚はどこで獲れるか、川で獲れると思 う人、と言うと、みんな 手を上げるんだ。海で獲れるとは言わないんだ。みんな、魚は川 で獲ると。高知大学の学 生に魚をどこで獲る、と言うと、全員、海と言う。だから、ここ は海がないところ で、学 生は長野県の出身が多いのですが、ずいぶん魚と海とは結びつか ないで川と結びつ く。皆 さん、カツオのタタキでカツオは海だ、カツオ のタタキを食べた と言うのですが、カツオ のタタキというのは、僕の作ったカツオのタタキを食べたなら、 恐らく日本のどこのカツ オのタタキよりうまいと言うと思う。うそじゃないぜ。おばあち ゃん、うそじゃないよ。(笑い) 例えばね、今日みんなに配った資料あるでしょ。資料の 23ページをちょっと見 てもらってね。縦に見る一番下の右側のところに、プロフィ ール って書いてある。そのプロフィールの一番下のところを見てくれるかい。『「カツオのタタ キ」料理は料亭の板前以上とも』って。(笑い) 自画自賛ではないぜ。これを書いたのは、 まちづくり新聞の記者が 書いている。僕は、電話して おまん

...

どうしてこんなこと書くのよ って。そうしたら、先生 のカツオのタタキが食べたいからって。これは、うそじゃなくて ほんとなの。ほん とだぜ 。上田へ何人か、長野市、千曲市、小布施、上田の連中が僕のと ころに来て、僕のタタキ を食べて、最初にタタキを出したら一言もしゃべらず、みんなだ まりこくって食べ始める 。土佐の高知では、まず、くっく、くっく飲むんだけど、もう一 生懸命食べてる。よっぽど、僕のタタキがうまいんやね。ただ、ここ大岡村で作るのはな

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かなか大変やね。海で釣った一本釣りの新鮮 なものを急速冷凍して、マイナス50度くら いに。そうすると鮮度が 落ちないんですよ。そいつを空輸して家へ来る。僕のとこの タタ キは、そういうタ タキ。 僕の有名な論文に、カツオのタタキこそ、世界に誇るべき最先端 の漁法であるという有名な論文がある。自分でほめているな、とその辺で言いそうだけど。

(笑い) それは何かと いうと、カツオのタタキは一本釣りでやると、30分くらい 釣れ るが、30分過ぎ るとそ こにカツオが群れていても釣れなくなる。片口イワシの生きてい る元気なエサをま いて、 一生懸命くいを立たせようとするが、1時間持たない 。そう いう 習性がある。だか ら、釣 るときには、夢中で釣る。 へのり

...

といって、船の突端に座って釣 る人は、1.8人 役の日 当をもらう。船の真ん中へいくほど、下手なの。0.8、0.8 5人役とか、決ま ってて 。短時間に釣り上げた総量で賃金が決まるわけだから、下手なや つがもたもたしていたらいかんから、へのり

...

の人がぱっぱか、ぱっぱか釣るわけ。だけど、 1時間持つか持たないか。みんな逃げていくでしょ。それがいいんです。逃げていくから、 また、卵産むでしょ。だ から、僕の論文では、資源再生産型の漁法。これに対して巻網漁 法といって、カツ オの群 れがどっちの方向へどのくらいのスピードで進んでいるか、リア ルタイムで船の中のモニ ターでわかる仕組みになっている。ランドサットで全部水面 の温 度をあれしている。そこ へ行って待ち構えていて、網を張っていて、2艘の船が絞り込ん でクレーンで上げ て船に 積んで港へ出している。こういうのを巻網漁法と言う。一網打尽 にするわけ。だか ら、資 源収奪型漁法と言う。釣り型、漁法と海洋資源の保護の関わりか らいくと、現代の環境問題、海洋資源の問題からすると、巻網は近代装備を備えてやって いるわけですから、そう いう漁法はダメだ。一本釣りこそが、世界に誇るべき最先端 の漁 法だ。逃がして、産卵し て、資源が持続していく。そういう論文がある。だから、カツオ のタタキの料理が うまく なったということでもないんだが。こういう話をしていると、5 時に終わらないから。土 佐の高知は、外から見ると海のイメージが非常に強いわけ。坂本 竜馬も海援隊とい って、 今の海軍みたいなものを組織するでしょ。ジョン万次郎も遭難し て、アメリカに行って、 通訳になって帰ってきていろいろ活躍するけど、みんな海のイメ ージ。ところがね、土佐 の高知は、全国一林野率が高い、山国日本の代表で、こんな急峻 なところに家々が しがみ ついているところが圧倒的に多い県なんです。だから、そういう ところの山に張り付いて いるところから人口が長期的に林業が不振になって、食っていけ なくなって、若い人だけ ではなくて、家族ともども許可離村で仕事を求めて出て行く。そ ういう状況の中で、限界 集落が生まれてくる。だから、そういう意味で、土佐の高知は限 界集落の発祥の地になる。そういう研究をし、そういうことを日本で最初に提起したのは、 今から20年前。20年 前に限界集落の問題を提起し、NHKで番組を作ったり、地元の 地方紙が、高知新聞と言 うんですが、限界集落の問題を取り上げて、そういう中で、 では 一体限界集落とは何なの かということを、今日はみんなに話をしなくてはいけないなと思 っている。最初に限界集落の実態を話した上で、全国の限界集落がどういう状況になって いるのか、それに対して 全国的にどのように取り組んでいるのか、そういうことを話しし

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た上で、限界集落化して いく山間地域の地域再生をどう考えていったらよいのか、そうい う筋道で、時間ま でに終 わるよう話していこうと思ったら、後40分。急がにゃいかん。 40分で話しを約束するから。

限界集落とはどういうものなのか、わかりやすく言うと、5ページを開いてくれるかな。 すいませんけれども。こ こに、左側のところに「はじめに−限界集落と沈黙の林−」とい うところがあるでしょ。ここを読んでみますわ。『65歳以上の高齢者が、集落人口の半数 を超え、冠婚葬祭をはじめ田役、道役などの社会的共同生活の維持が困難な状態におかれ ている集落を、私は「限界集落」とよんでいる。』。集落の総人口のうち、65歳以上の高 齢者が半分を超え るよう なそういう集落で、お祭りや葬式や自分たちの生活道を維持管理 することが難しく なって くるようなそういう集落を限界集落とよんで いる。次のとこ ろに あるのは、先ほど言った 限界集落発祥の地の高知県のある集落を私が調査したときのもの を書いておきましたので、読んでみます。『独居老人が滞留する場と化したむら、人影もな く、一日誰とも口をきかずにテレビを相手に夕暮れを待つ老人。天気がよければ野良に出 て、野菜畑の手入れをし 、年間36万円の年金だけが頼りの家計に、移動スーパーのタマ ゴの棚に思案しながら手を伸ばすシワがれた顔。バス路線の廃止に交通

機関

を なくしタク シーでの気の重い病院通 い。1か月分の薬をたのみ断られ、2週間分の薬を手にアジの干 物を買い、杖を突きながら家路を急ぐ老人。テレビニュースの声だけが聞こえているトタ ン屋根の家が女主 人の帰 りを待っているむら。家の周囲を見渡せば、めぐら池(家周りの 田畑)に植えられた杉に 囲まれ 、日も 射さな い主人

なき廃 屋。苔 むした石垣が階段状に連 なり、かつて棚田であった痕跡をそこに溜めている杉林。何年も人の手が入らず、間伐は おろか枝打ちすらされな いまま放置されている線香林。線香林というのは、僕が作った言 葉ですが、線香の ように 細い、ひょろひょろの林。日が射さず下草も生えないむきだしの 地表面。野鳥のさ えずりもなく、枯枝を踏む乾いた音以外に何も聞こえない「 沈黙の林」。 田や畑に植林された杉に年ごとに包囲の輪をせばめられ、息を凝らして暮らしている老人。 これが、病める現代山村の偽らざる姿であり、〈限界集落と沈黙の林〉はまさにその象徴で ある。』もう少し読んでいいかな。みんな読んでおかんと、すぐ読まないでゴミ箱に入れら れたら、せっかく支所でコピーしてくれたのによ。そういう状況の上で、次。『〈限界集落 と沈黙の林〉に象 徴され るこの状況はとりもなおさず、現代山村の〈人間と自然〉の貧困 化にほかならない。すみ かを奪われた野鳥が姿を消し、保水力を失い荒廃した人工林は水 枯れの沢を生むだ けでな く、時として鉄砲水をよび、これが川底を変え水棲昆虫やエビ、 カニ、川魚のすみかを奪 う。また、線香林が部分的林地崩壊を招き、むきだしの表土が雨 で河口に流され、これが 沈殿堆積し磯枯れした死の海をつくりだしている。保水力の 低下 した「山」は渇水 問題や 鉄砲水による水害を発生させ、これが下流域の都市住民や漁業者 の生産と生活に大きな障 害を生んでいる。こうした現実は「山と川と海は、自然生態 系と して相互に連関し有機的 に結びついている総体的存在である」ことをわれわれに示してい るものであり、そ の認識 の重要性がいっそう増してきている。山と川と海を自然生態 系の

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総体としてとらえ ること 、これが流域の環境保全問題を考える私の基本的視点である。わ が国では、いま「山」の 荒廃による流域河川の自然環境が悪化しているところが多くなっ てきており、この ため流 域の環境をいかに保全していくのかが大きく問われている。テレ ビに映しだされる詩情豊 かな日本最後の清流、四万十川とて例外ではなく、映像化されて

“ つくられた清流”と現実とのギャップが日ごとに大きくなっている。』四万十川を相手に、 長い間私はこの流 域の研 究をしてきて、2年半くらい前、平成15年4月に初めて上田に 来て、知ってる人は仲介 してくれた不動屋さんしかなかったのですが、その上田に来て、 古舟橋という橋の ところ に自転車で来て千曲川をずっと眺めていて、そ こで詠ったう たが ある。「清らなる 千曲の川の源に すみしやまめに恋するわれは」 いったいこの源流は どんなにきれいな川なの か。そこに、どんなすばらしいやまめがすんでいるのか、という ことをずっと考え ながら 、流域学会、この汚れた千曲川をきれいにしていくための千曲川 流域学会を作って、みん なでここに根を下ろして千曲川の流域を守っていこうという 思い で、こういううた を詠っ て、この4月に2年かけてわれわれの仲間と一緒に千曲川流 域学 会というものを作ったわけです。それは、四万十川の山そのものの荒廃が川にいろい ろな 影響を及ぼ してき ている 。上流の山の荒廃の元になってきているのが、山を手入れで きな くなった限界集落が増え てきて、田や畑や山林の手入れができなくなってきて、山そのも のの環境が悪化し てくる ことによって、川底や川にすんでいる水棲昆虫やエビ、カニ、川 魚が非常にすみづらい環境になってきている。それが海に流されて、死の海になってくる。 信州は海がありませんが 、磯枯れということばがあって、上流から流れてきた泥水が海に 流されてきて、しばらくすると泥水が沈殿して澄んだきれいな海になるんです。ところが、 その細かく沈殿し た濁っ たものがずっと沈んで澄んでしまったけれども、貝や海草の上に それがのってる。息ができなくなって死んでいく。それをエサにしている魚がいなくなる。 魚を獲ることを糧としてしている漁師の生活ができなくなる。ですから、山と川と海とい うものは一つのつながり をもっている。だから、山を豊かにすることが、川や海を豊かに していき、その流 域の人 達の生活を豊かにしてくれる。そういうものにつながってい く。 限界集落と言われ ている 、高齢者が増えてきて自分たちの集落の維持管理がうまくいかな い、畑の耕作放棄をせざるを得ない、棚田を耕作放棄せざるを得ない。棚田というの は、 ご存知のように重 要な水 の調整機能を持っている。土佐の高知などは、特にそうです。梅 雨時になると、こ じゃん と

. ... .

雨が降って。こじゃんと

.....

、というのはわかるかな。台風の時期 になると、ほんと うにこ じゃんと

. ....

雨が降る。 こじゃんと

.....

、というのは、たくさんとか すご くとか、そういう意味で す。棚田がちゃんと維持されていれば、雨が棚田で抱きとめられ て、棚田がプールの役割 を果たしてくれる。しばらくすると、その棚田にたまった水が地 下浸透して沢に流れ川に 流れだしていく。地下浸透していった水は、地下のミネラル 分を 抱き取って川へ流れていく。そうすると、植物プランクトンがたくさん発生して、それを エサにする魚が増えていく。そういう水が海に流れていく。広葉樹の落ち葉の腐葉土をく ぐり抜けて、地下 浸透し ていった水が海に流れていく。そういう水は植物プランクトンが

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たくさん発生する から、 かきやホタテの養殖が順調にいく。そういうプランクトンがたく さん発生する水質でない 水がいくら流れてきても、今まで2年半かけてホタテが出荷でき たものが、3年半、4年 かからなければならない。そういう問題が出てきている。ですか ら、山を豊かにするということは、非常に重要なことなんです。限界集落が増えてくると、 山の環境が、そし て川・ 海の環境が、下流域に住む都市の住民の皆さんにも大きな影響を 及ぼしてきている。だか らこそ、今、われわれは限界集落への抜本的な対策を考えて、考 えて、考え抜いて いかな ければならないときに来ている。私は、20年前に限界集落 の問 題を提起し、提起した時 期には、1990年代になって、西日本で限界集落がいろん な形 で取り上げられるようになってきた。その発祥の地、高知、西日本といっても高知、四国 ですね。それから、中国 地方。広島、日本海側の島根、中国山脈の背骨に沿って点在して いる集落、そういうところが限界集落です。そして、南九州。鹿児島、宮崎、大分、熊本、 そうしたところの限界集落が増えている。西日本が、1990年代、限界集落がずいぶん 問題になって、地 方紙が 取り上げ、地方のテレビ局が取り上げ、限界集落の問題が199 0年代西日本を中 心に取 り上げられてきたものが、2000年に入ると、東日本に移って きて、北陸、北関 東、甲 信越、東北、北海道まで、取り上げられるようになってきた 。そ ういう状況の中で、全国 、北は北海道から南は九州、沖縄まで、限界集落の問題が県単位 で、市町村単位で議論さ れるようになってきて、そうした状況の一端を例えば11ページ で見ていただきたい。

秋田魁新報とい う秋田県の地方紙、ここで言えば信濃毎日新聞に当たる地方 紙です 。こ こでも、新聞社が独自の 集計で、秋田県全体で限界集落がどのくらいあるのか、そういう ようなことを調査し、こ の5月22日1面でこの見出しにあるような状況を報じている。 秋田魁新報社の独 自の調 査で、秋田県全体で4,359の集落があって、そのうち限界集 落が145集落数える状 況になってきている。合併した秋田市、その周辺の小規模自 治体 を合併して大きく なりま したけれど、合併で急増した秋田市が最も限界集落が多く、49 集落に上っている等々、 また、後でゆっくり読んでいただければわかりますが、こうした 秋田県の状況を5月22 日に報じている。これに先立って、2月に国土交通省が昨年やっ た限界集落の全国 調査を 公表した。全国で過疎法に過疎地域として指定された775市町 村あるわけですが、そこ を対象に行った調査で、総集落が62,271集落あって、その うち限界集落が7,87 1集落に上っている。総集落に占める割合が12.6パーセント に達している。さ らに、 国土交通省の調査結果では、近い将来消滅していくだろうと 答え ている集落が2,641 集落あって、その2,641集落のうち、10年以内に消滅する と答えている集落が42 2集落に上る。全国の過疎地域の中でね。そうした全国調査 に触 発されて秋田新報社が、今述べたような調査をやっている。12ページを見てください。

左側のところに徳島新聞の1月元旦の1面の記事がありますけれど、徳島は 阿波踊 りで 有名な高知の隣の県です が、ここでは、県独自で徳島県の過疎地域に指定されている現在 の13市町村、合 併前の 旧30町村の調査をした結果、全集落数が1,620集落で、そ

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のうち限界集落が なんと433集落に上っていて、総集落数の26.7パーセント、 この 見出しにある「4分の1 が限界集落」というのは、そういうことで、この表にそれぞ れ3 0町村の総集落に占める 限界集落の数とその比率、限界集落率というのが括弧の中に示さ れています。中で も全集 落の中の8割が限界集落だというふうに報告されている自治体が

「一宇」という自 治体で すが、上げられている。そういう状況、また、もう一度11ペー ジに戻っていただいて、左側のところに新潟日報の記事が載っています。この間6月18 ・ 19・20日と、僕は上 越市の限界集落の調査に行ってきたのですけ れど、僕が調査 に入 っただけで記事に なるっ ていうんで、新潟日報の記者が3人2日間くっついてきて、その 状況がここに簡単に示さ れていますけど、上越市では、昨年の3月に議会で限界集落 が取 り上げられた。そ して、 その中で、市挙げて限界集落の実態調査に乗り出した。53ある 上越市の限界集落に対し て、市の職員が全力を上げて実態調査を行った。この2月にその 結果がまとめられ、それ をもとに今年度具体策を考えるということで、今検討していると ころなんですが、その53の限界集落の表がここにまとめられている。一番左側に「50% 台」「60%台」というのは、53の限界集落の中で高齢化率が50パーセント台のものが 19集落、60%台が1 6集落、70%台が9集落。これらの集落というのは、世帯数の 括弧内を見ると平 均の戸 数で20戸あるいは15戸前後になっていますが、80%台にな ってくるととたんに戸数 が10戸以下になってくる。90%以上になってくると2戸足ら ず、平均1.8戸になってくる。80%台・90%台になると、消滅集落への一里塚を着 実に刻みつつあるような 状況になっている。だから、上越市では今、どうしたらよいか実 態をしっかり把握して具 体策を考えている。次の12ページの右側のところに、下野新聞 ってありますね。これは 栃木県の地方紙ですが、その記事が出ております。日光市で限界 集落の調査・対策に乗り 出したという記事です。日光市の市の職員が、部長始め、課長・ 係長5人が2月に僕の研 究室に来て、市長に勉強に行って来いと言われたから、1人だと 思っていたら研究 室で対 応しようと思ったら5人来て多すぎるものですから、長野大学の 図書館長という役を仰せ つかっているので、図書館長室へ行って5人に4時間くらい話を した。その後、日 光市の 市長が限界集落に乗り出していて、限界集落の対策を必ず次 年度 やりますという約 束をし たようなんですけれど、こういうふうにして、次の13ページに は、鹿児島の南日 本新聞 という6月28日付けの新聞ですが、こういうような状況で。後 でゴミ箱に捨てないで読んでおいてください。時間がありませんので、急ぎますが。

というふうに見ていくとわかりますように、県レベルでいろいろ県下全体で 限界集 落が どのくらいあって、それ に対してどういう施策・対策を考えたらいいかということが 、い ろいろなところで取り上 げられてきて、時間がありませんのでここで紹介は省きますが、 例えば、鹿児島で もそう ですし、岩手県も県知事が対策に乗り出している。ついこの 間、 岩手日報という地 方紙の 社説でも取り上げられていますし、そういうような状況になって おります。ここ1・2ヶ 月の間、地方紙の社説が、限界集落の問題を取り上げるよう にな ってきている。例えば、北海道新聞の見出し「放置できない集落の危機」、高知新聞「消滅

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集落、歯止めをかけ地域再生を」、山陰中央新報、長崎新聞、河北新報、河北新報は宮城県 ですね、新潟日報、秋田 魁、南日本新聞、ついこの間7月に入って、鹿児島の南日本新聞 でも限界集落の問 題を社 説で取り上げている。こういうような動 きの中で、特に際立った 動きが1つ出てきております。それは、資料の16ページを見ていただけますか。

京都府綾部市の主催する「全国水源の里シンポジウム」というパンフレット です。 今年 の10月18・1 9日に 、京都府綾部市で全国の限界集落を抱えている自治体を集めてシ ンポジウムをやるという企画なんです。右側の方にテーマとして「いま考えよう水源の里」、 ここへ参加したならば、 おみやげは元気になって帰っていくことですよということで、そ の内容は1時20分から 基調講演があって。誰が基調講演すると思う。限界集落の言い出 しっぺで、四方

という市長なんだけど、2月に基調講演の 申し出 があっ て市長の直筆のま ずっこい毛筆で来て、敬 意を表したつもりなんだろうけど、ちょうどそのとき入っていた 講演予定をずらして、こ の日程で承知をしましたけど、ここで全国水源の里に当たる限界 集落の人達を集め て講演 をしてシンポジウムを行う。今週の月曜日に、綾部市の環境部長 と課長と2人が僕の研究 室に来て、あいさつがてら打合せに来て、松本に泊まって帰りま したけど、そういうこと で、綾部市でシンポジウムを開く。では、何でというと、綾部市 は、昨年の12月に議会 で日本で初めて限界集落を救済する条例を通した。その趣旨を見 ていきますと、綾 部市に は5つの限界集落がある。福井県境に5つの限界集落があるが、 総人口95人。高 齢者が そのうち74人。高齢化率77.8パーセント。その5つの限界 集落が、綾部市の水源の 里に位置している。市長始め市民が、いろいろ考えて、水源の里 が消滅していくことは、下流域に当たる自分たちの水そのものが大変な状況になってくる。 市民生活の崩壊に つなが る。だから、上流に当たる、水源の里に当たるところを、市挙げ て支援していくという条 例を作って、この4月にスタートした。具体的にどんなことをや っているかというと、時 間がないので詳しい紹介はできませんが、例えば、空き家の有効 利用だとか、そう いうこ とをやりながら人を呼び込んで定住化させようとか、都市住民と の交流会をやって活発に 地域をしていこうだとか、地域資源を活かした特産物の開発だと か、除雪・保健医療等の 生活基盤の整備だとか、いろいろなことをやりながら、ここへ財 政的な支援、人的な支援 を含めてやっていく。こういうようなことが4月以 降具体的 に実 施されてきている。綾部 市の取組みは、水の源に当たるところの集落が消滅するよう な状 況になれば、その下流域 の都市の人達の生活そのものの崩壊につながってくる。だから、 上流をみんなで支えていこうという考え方、理念が条例の根底にあるわけです。この問題 は、とりもなおさ ず今、 日本全体が抱えている問題でもあるわけです。山が荒廃して、最 初に私が読みましたけれど、山が荒廃する、限界集落が増えて田畑の耕作ができなくなり、 山林が放置林化さ れる。 こういう状況になってくれば、山の保水力が低下して、その雨が ちょっと降ると下 流に水 がどっと流れて来る。あるいは、日照りがちょっと続くと、渇水 になってくる。そ ういう 意味で、綾部の取組みは、まさに日本全体で直面している問題そ のものなんだ。だ から、 綾部市の取組みそのものを、全国の市町村レベルでそれぞれが取

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組み、都道府県レ ベルで も取組み、国が取組みをしてくということ。地方からのそうした 政策提起が、国の政策に 昇華していくような問題を綾部市の問題は持っている。できたら 800人は、この中丹文化会館に集めていく目標を立てている。全国から応募しているか ら、たくさん申し込みが 入っているようですけど、800人ホールを埋めて私は一ほ え、 1時間半くらい。今度は、時間は、ここみたいに遅れないと思うけど。(笑い) 講演をし なければいけませんけれど。

そんなようなことで、全国津々浦々、限界集落の問題が議論されるようにな ってき てい る。ならば、1回、われ われはその問題を目の前にして、地域の住民1人1人がどういう ことを考えていったらよいのか、何をしたらよいのか、そのことが今一番問われてい るこ とです。私が、ま ず第1 に指摘しておきたいことは、自分たちの地域は自分たちの手で、 私が二十何年も前から、 そういうスローガンを掲げながら、地域の人達と自分たちの地域 を自分たちの手で どう活 性化していったらよいのか、その具体的な取組みをやってきてお ります。それを一 言で言 うならば、何かと言うと、地域住民そのものが自分たちの地域に 課せられている、あるいは当面している課題を、自分たちで整理してその課題に即して自 分たちで政策を作って、 そして政策を発表しあって、それを行政が政策提起を受けて行政 の中に生かしていくような、そういう取組みを二十何年やってきております。そういう意 味では、地域住民の政策 企画立案能力を高めていくことによって、自分たちの地域を自分 たちの手で活性化していく、そういう主体を形成していく、このことが一番重要な、しか も今、問われている大き な課題だ。17ページを開いてくれるかな。ああ、もう5時1分 過ぎたか。後、もう少し我慢してね。

ここに、縦に資 料2枚を添えておきましたけど、これがどういうものかとい うと、 高知 県の四万十川の中流域に十和村という村がある。十和村の女衆と僕は勉強会をやっている。 女性グループ、そ れぞれ の集落から2・3人集まってきて、村の企画が集落から2・3人 ずつ推薦してもらって、 自分たちの村を自分たちでどう考えたらよいか、という勉強会を 企画が仲立ちして人集め をした。僕は、北海道の大学にいましたんで、北海道の大学から 十和村に通って、最初3 年間勉強会をやった。1年目は、十和村に関わる課題をみんなで 話し合って、課題に即し ていろいろなものを読んで勉強して、2年目は僕が十和村に関す る論文を書いたりして、 十和村というものが高知県の中でどういう位置にあり、日本全体 の中でどういう位 置にあ るか、世界の中でどういう位置にあるか、そういう視点で十和村 の勉強会を女性グ ループ と、30人ちょっとですかね、やって、3年目には、2年間の勉 強を踏まえて役場の課長 さんに農林業 の活性化をどう展望するのかをみんなに資料を配っ て話してもらった。課長 さんが来て、その話をするわけです。なっかなか展望を見出すの は難しいようで、1週間 前から落ち着かないでうろうろしている。保健福祉課の課長さん を次の回に呼んで、高齢 化の問題を村でどういうふうに解決し展望していくのか、課長さ ん一つお話ししてくださ いと。村の女性がいるでしょ。課長が下手なこと言うたら、狭い 村の中だから全部広がるから、下手なこと言われんでしょ。僕は30年も十和村に入って、

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どこの集落のどこの家の どこが誰だということも全部頭に入っている人 間ですから、下手 なこと言われん。役場の 中、緊張感が走って。そういう勉強会を、役場の人達も大変だっ たが、3年やって、4年 目になって、3年間勉強したんだから自分たちの村をどう活性化 していったらいいかとい う政策を、自分たちで作って、それを発表していくようなこ とを やろうと。そしたらみん な、縫製工場に行っているばあちゃんもいるし、一人暮らしのば あちゃんもいるし、郵便 局に臨時で行っているお母ちゃんもいるし、雑貨屋のお店をやっ ている人もいるし、農業やっている人もいるし、そういう人達が自主的に11人集まった。 僕が、自分たちで政策作 って1年間かけてやろうやと言ったら、最初みんな何と言っ たと いうと、「先生、私ら、議員じゃあるまいし、そんな政策なんてできるかや」って、みんな 言う。では、一体どういう課題がこの村にあるのか、今まで勉強してきたことを基にしな がら、次に僕が北 海道か らこっちへ来るまでの間にみんなで話し合って整理しておい てく れや、ということで、彼 女たちが課題を整理して、その課題に即して、では、それぞれの 課題に対して自分たちで 努力すればできること、集落の中で努力すればできること、行政 や農協がちょっと後押し すれば前に進むもの、県がやらなければどうにもならないも の、 国がやるべきこと、それ ぞれの課題に即して政策を考えて、それを村長始め村民みんな集 めてこのくらい広いところで発表会を女性たちがやった。それが、この資料です。ここに ありますように、下の段 では、1番目は若者の定住と人材育成だとか、2番目は農林業の 振興のためにだと か、次 の18ページのところに、清流の里十和村、4番目は高齢者のデ ィズニーランド、こういうようなことでまとめあげて、そして村民みんな集めて、役場の 人も議員も集めて議論し て、それに対して村議だとか役場の職員だとか村長さんだと か、 そういう人達の質 問がそ こに出ておりますが、こういう形で政策発表して。次の19ペー ジを開いてください。1 9ページは、そうした十和村の女性部グループの政策提起が議会 に取り上げられて、1つ、980万円の予算がついてそれが具体化したのが、「北見の女性 グループが訪問、交流」 の左側の下に『地元農産物などを販売する「十和の台所」を見学 する北見夢想会の会員』。真っ黒になっているんでわからないが、これがどういうものかと いうと、女性グル ープが 政策提起して、980万円の予算がついて、それが具体化したの が野菜やお寿司な どをみ んなで持ち寄って、国道縁に売店「十和の台所」という建物を建 てて、そこを拠点に女性 グループが一生懸命頑張って、金儲けに走って。女の人はすごい ね。日銭が入ってくるようになると、もう目の色が変わって。村ががらっと変わってくる。 そういうグループと北海 道の北見工業大学にいて、そのときに僕の家に、女の人達が勉強 会に来た。勉強会を続けていく中で、「北見夢想会」という会を彼女たちが作って、今でも 会費をとって会長とか会 計とか決めて、毎年、いろんなことをやっている。僕が北海道に 行くとき、集まっ て勉強 会やったりだとか、新年は必ず温 泉付きのホテルに泊まって総会 やって、新年会や って、 そういうことをずっと続けてきております。そういう人達と交流 会をした、北海道新聞の記事です。

次のページを見てくれるかな。これは、高知新聞ですが、僕は高知中芸いな か大学 の学

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長を十何年やっています が、5町村が集まっていろいろな勉強会をやって、自分たちで勉 強会をやって、自 分たち で調査して、地域を自分たちで分析して、自分たちで調査して、 それを自分たちでまとめ て、そして政策課題を自分たちで設定して、政策を立案して、そ れを調査したところへ持 っていって、住民に自分たちの政 策はこうだと発表会をして、地 元の人達と交流す る。こ ういうようなことをずっとやってきております。次の21ページ を。ここに「津別 農業の 振興を目指す。農業プロジェクト会議が研究成果を発表」とあり ますでしょ。これ は、僕 がいる北海道の津別町というところ、ここに蝦夷シカの食害調査 で長い間、高知か ら通っ ていて、調査の拠点に農家の空き家を買って、そこを拠点に調査 をして、今でも北 海道に 帰るとそこが僕の家ですからみんな集まってくるんですが、その 津別の人達が、農 家と農 協と役場の農業関係者と、僕が高知大学からここに通ってきて農 業振興プロジェクトとい うのを作って、自分たちの農業が直面している課題が何であ り、 それに対してどういう政 策を自分たちで立案していったらいいのか、自分たちで努力すれ ばできること、役 場が後 押しすれば前に進むもの、道がやらなければどうにもならないも の、国がやらなければ一 向に解決できないもの、そういうものを自分たちでそれぞれの課 題に即してやって、それ を町民みんな集めて、当然町長も出てくるわけですけど、発表す る。農家の人が大きな模 造紙を貼り付けて、町民みんな集めて説明して報告会をする、そ の様子が真っ黒で わかり ませんが、やっているところです。こういうふうに、自分たちの 地域に課せられている課 題が何であるかということを、それぞれのレベルで考えていくと いうこと、これをもっと 普遍化すれば、それぞれの自治体というものを日本では、自治体 を支えている基本 的な単 位が集落です。あるいは、言い換えて町内会、自治会と言い換え ていいかと思いま す。自 治体を支えている柱、それが集落です。その集落ごとに自分たち の抱えている課題が何で あり、課題の解決に向けて自分たちがどういうことをしたら いい のか、それぞれのレベル で自分たちで考えたものを作り上げてきて、それぞ れの集落 で取 組んできた課題と解決策 をみんな集まって発表しあって、その問題を市の行政に向けて提 起していくような、そう した政策提起型の地域づくりというものが、今まさにわれわれ一 人一人に課せられている 重要な課題なんだ。そういう意味では、21世紀というのは、地 域からの、地方か らの、 草の根の政策提起が国政を動かす時代なんだ。そんなこと言った って、俺たちにはそんなこと無縁だよっていうような顔しているが、そんなことはない。 高知県の大豊町と いうと ころで、僕は農家の人と農協と役場の農協関係者と一緒になって 2年間、棚田の保 全条例 、棚田と言うのは先程来、話をしているように、上流域にあ って 雨がこじゃんと

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降ってくれば、それをきちんと抱きとめてくれて。(チャイムの音) 止め ろということかな。(笑い) 後1分で終わる。それはね、しっかり抱きとめて、下流域に 鉄砲水などを出さ ないよ うに、渇水をしないように、棚田を保全していく条例を作ったん です。本来これは、県や 国がやらなくてはならないことなんだけど、いくら言ってもなか なか県も国もやらん。だ から、過疎財政の中で、町単独でそういう条例を作った。その条 例を作って、65歳以上 の高齢者で棚田が耕作できない、そういう人に直接お金を支援す

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る。そして、安く棚田を 耕作できるような、そういう仕組みを町で作って、それを引き受 ける人、受託する人には 、平場の10アール当たりのコストと、棚田の10アール当たり のコストとの差額を、町 で補填していく。そういうことで、棚田保全条例を作って、棚田 を維持することをやったわけですね。そうしたら、全国から視察が殺到した。当然、農水 省も来るわけ。国 会議員 も来る。県議会も、福島県議会とか、北海道議会とか、全国から 視察が殺到する。その次 の年に、国会で調査費が認められて、農業の直接支払制度が20 00年の4月にできた。その前段の国会へ法案を通すその文言の中に、明治始まって以来、 地方からの草の根の政策 提起を国が取り上げたのは初めてだった。こういう文言が入って いる。20年前だ ったら 、なかなか難しいけれど、今の時代というのは、地域からの、地 方からの草の根の政策提起というものが、国政にまで通じていくような時代になって きて いる。だから、綾 部市の 水源の里条例という水の源を市民みんなで支えていこうという条 例は、山を抱え豊かな水 源を持っているような地域を国民こぞって支援をしていこうとい う国の政策になる可能性 は十分あるわけです。ですから、そういうような時代になってき たのだということを、皆 さん是非認識をしていただきたい。俺たちにはできないなんてこ とはない。新生大岡を、 ほんとうに皆さんの一人一人の力で、そして今日はここにあるよ うな住民自治協議 会の発 足、そういう住民自治協議会の人達のこれからの地道な積み上げ が報われていくよ うな時 代になってきつつある。だから、やらなければダメ。やらなけれ ば、誰も救ってくれない 。そういう問題を住民の中で提起していくことが基本になってき ています。まだまだ、言 いたいことはいっぱいあるんだけど、約束し た時間を20分 オー バーしちゃった。これは、総会が延びたからしょうがないと理解して。(笑い) 勘弁して もらって。今日の話はこ れで終わりたいと思います。どうも長時間ありがとうござい まし た。(拍手)

(質疑)

質問者 今日は、ありがとうございました。住民からの政策企画立案能力 が大事だと いうこ とが、 大変参 考になりました。そのことに関わ ってお聞きしたいのです が、地 域から の政策 企画立案というところに関わって なんですが、政策提案を 私は教 育分野 でいく つかしてきた中で、とっても大切 というか、例えば市や県 に政策 を提案 した場 合、その政策が全県の理解を得な ければ通っていかないん ですが 、大岡 の利益 が長野県の利益につながる、長野 市の利益につながるとい うふう な視点 で、政 策を作る必要があるなと、いつも そこで一番難しいのはそ の視点 だなと 思って きました。大岡が発展することが 長野市の利益につながる んだ、 長野県 あるい は国の利益につながるというふう な視点を持ちたいと思う のですが、そのことに関わってアドバイスをいただければと思うのですが。 講 師 大岡のことはよくわからないから、お答えが難しいのですけれど 、最後に言

ったよ うに、 それぞ れの集落ごとに、みんな集まって 自分たちが抱えている当

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面して いる課 題が何 であるのか、そういうことを話し 合って、それを整理をし て、整理した課題の中で一番重点的に取組まなければならない課題は何なのか、 自分た ちで順 位をつ けて、それをどう解決していった らいいかということをそ れぞれ が考え て、そ の問題を集落がみんな集まって発 表会をしていくという、 そこが 出発点 になる ということです。それが、長野市 全体の利益につながるか どうか の問題 はおい て、まずそこから出発しなければ 先がなかなか見えないの ではな いのか なとい う気がします。それぞれここにあ りま すように、大岡地区 の住民 自治協 議会、 こういうものがありますでしょ。 それぞれのところにそう いう自 治協議 会のま とまりがあって、地区があるわけ ですから、そこの単位で まずは考えてみてはどうかと思います。

参照

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