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tokugikon
2009.8.24. no.254
浅村特許事務所について(概要)
特許制度の始まった 6 年後の 1891 年に、特許局の審査官 をしていた浅村三郎氏が、高橋是清初代専売特許所長の勧め で、大阪において特許事務所を開設したのが始まりです。昨 年7月1日に「浅村内外特許事務所」を特許業務法人化して「浅 村特許事務所」となりましたが、私は、その翌日 7 月 2 日か ら電気分野を担当する特許二部門で働いています。その構成 は、弁理士5名(うち特許庁OBは私を含め2名)、専門スタッ フ13名、アシスタント7名です。
創業以来 118 年という永い歴史があり、取引外国事務所 数が 2 千以上で外国からの依頼及び外国への依頼が 90%以 上というのが、浅村特許事務所の特徴です。
(現在の私の主な仕事)
外国からの特許出願がほとんどですが、外国への特許出願、 先行技術調査依頼、特許無効見解書作成依頼もあります。 特許出願の明細書等は、和訳も英訳も翻訳者に外注します。 出願書類の書式に整えるのはアシスタントや事務センターが しますので、翻訳者から納品された翻訳のチェックに集中で きます。また、特許庁からの通知のクライアントへの報告や、 意見書・補正書作成、費用請求等の作業について、実体以外 はアシスタントや事務センターが整えてくれます。
特許業務法人浅村特許事務所 弁理士
大日方 和幸
外国関連出願中心の
浅村特許事務所
特許一部門(機械)
情報調査室 特許二部門(電気) 特許三部門(化学)
法務室 商標意匠部門
出願部 総務部 コンピュータ
システム グループ 経理グループ 人事グループ
担当部門
事務部門
浅村特許事務所
浅
村
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特許二部門における拒絶理由通知等に関する業務
拒絶理由通知等の実体部 分の翻訳、補正のアドバ イス等の作成(英語)
意見書・補正書等の 提出報告作成(英語) (英文クレーム添付)
指示に基づいて意見書・ 補正書等の実体部分の 作成
指示 (英語) アシスタント
弁理士 (専門スタッフ)
拒絶理由通知等報告 作成(英語)
(拒絶理由通知の翻訳、 補正のアドバイス、 引例・英抄等添付)
応答期間管理、引例・ 英抄の入手・翻訳依頼
意見書・補正書等の 作成
拒絶理由通知等
拒絶理由通知等報告
意見書・補正書等の 提出報告 指示の受領処理
意見書・補正書等
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tokugikon
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活 躍 す る O B
特許庁時代との違い (英語力)
特許庁でも翻訳をすることはありましたが、明細書等の翻 訳チェックは、担当する技術分野(電気)が広いため不慣れ な技術に関する訳語の選択に悩むだけでなく、一つの文が長 くて複雑なので正確にチェックするのは想像していた以上に 難しい仕事です。審査・審判の負担が少しでも軽くなるよう に、記載不備のない読みやすく分りやすい翻訳を目指して締 め切りぎりぎりまでがんばっています。最初は、拒絶理由通 知等の英訳や英文レターを書くことが一番の大きな違いだと 思いましたが、繰り返しが多いのでパターンに慣れれば、明 細書等の翻訳チェックよりは楽です。
幸い、今のところ、Reading と Writing で間に合っていま すが、ListeningやSpeakingの向上も常に心がけています。
(補正と分割)
外国からの特許出願は、翻訳の難しさのためどうしても記 載不備が多くなります。拒絶理由通知等をクライアントへ報 告する際に補正のアドバイスをしますが、特に誤訳や記載不 備について拒絶理由通知等の中に補正の示唆があると助かり ます。私の特許庁での経験でも、外国出願について、補正の 示唆として付記した請求項の補正案は、ほとんどそのとおり に出願人・代理人に採用して頂き、双方にとって効率が良かっ たと思います。
また、審判請求時、補正の目的違反や新規事項という補正 の制限に違反しないように誤訳や記載不備をどう補正するか 苦労します。特許庁は、さらなる補正によって特許の可能性
があっても、審判請求時の補正に記載不備や補正の制限の違 反があれば補正却下して拒絶審決をすると思いますが、出願 人・代理人の立場からすると、さらなる補正によって特許の 可能性を追求できる機会を確保したいと考えます。そのため、 当事務所では、拒絶審決を受けても、さらなる補正によって 特許の可能性を追求できるように、審判請求時に予備的な分 割出願をしておいて、実質的な補正の機会を確保するようク ライアントにアドバイスしています。弁理士として拒絶査定 や拒絶審決を経験してみて、米国の最後のオフィスアクショ ンに対して最後でなかったことにするRCE(継続審査の請求) や新規事項を加えて新たな出願にできる CIP 出願のように、 実質的な補正の機会がたくさんあったらいいのにと思うよう になりました。
まとめ
特許庁では、出願人・代理人に対して公平に対応しますが、 特許事務所は、各国のクライアントや事務所、そして各国の 特許庁からの多様な要請に対応しなければなりません。 このような特許事務所の仕事についてのノウハウについ て、特許庁 OB(昭和 62 年退官)の林鉐三副所長はじめ所員 の皆さんから指導を受けながら、今後は、外国への特許出願 の比重を徐々に大きくしたいと思っております。
Proile
昭和51年4月 特許庁入庁 平成18年4月 審判部第27部門長