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NYTIMES記事2007717 日本語

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ニューヨークタイムズ 2007 年 7 月 17 日付の記事から

慢性疲労症候群はもはや「ヤッピー風邪」とはみなされない

デビット・トゥーラー著

何十年にもわたって、慢性疲労症候群で苦しんできた人々は自分達が体を衰弱させる症 状を頭の中で想像しているわけではないと言うことを、医師や雇用主、友人、そして家族 にさえ信じてもらうのに苦心してきました。懐疑論者たちはこの病気を「ヤッピー風邪」 とか「怠け病症候群」と呼んでいました。

しかし、この症候群は今ようやく公に認められるようになってきています。(アメリカの 疾病対策センター「CDC」は、1999 年に慢性疲労症候群の研究のために国会から割り当 てられた何百万ドルというお金を他のプログラムに転用したことを認めました。)疾病対策 センターは、この病気の状態が基本的な生理学的プロセスに伴う遺伝子の表現における、 遺伝子の突然変異や異常に関連しているという研究を発表しました。センターはまた 600 万ドルをかけてこの病気について一般の人々に向けた認知キャンペーンを行いました。(C DCが 2006年 11月に行った慢性疲労症候群は認知された病気であり、医者は深刻にとら えなければならないというキャンペーン-訳者注)また先月疾病センターは、この症候群 にかかっている人々の数が、以前考えていたよりもはるかに多いということを示す調査デ ーターを発表しました。しかし、これらの調査結果は患者や科学者の間で論争を巻き起こ しました。科学者の中の一部の人々や多くの患者は、慢性疲労症候群(CFS)について の疾病対策センターの記録には非常に批判的です。しかし今やほとんどすべての人がこの 症候群が本当の病気であるという意見で一致しています。

疾病センターで先頭に立つこの病気の専門家であり、センターでの慢性疲労症候群の予 算の誤用を暴露するのを助けたウィリアム・リーブス博士は、「慢性疲労症候群にかかった 人々は、エイズや乳がん、慢性閉塞性肺疾患にかかった人々と同じくらい重病で生活機能 が損なわれている」と言います。

慢性疲労症候群は始め、1980 年代に他の病気とは異なる実在として確認されました。(そ れより 30 年ほど前にイギリスで事実上全く同一の病気が確認され、筋痛性脳脊髄炎と呼ば れています。)この病気は打ちひしがれるような疲労感、睡眠障害や他の深刻な症状を引き 起こし、男性より女性のほうが苦しんでいる数が多い。一貫した病気を特定できる生物学 的因子は確認されておらず、根本的な原因に対する治療法もまだ承認されていませんが、 いくつかの薬物療法は症状を緩和させます。

患者たちは「疲労」という言葉で自分たちの病気の状態を表すことはとてもできないと 言います。カルフォルニア州ロスガトス市在住で物理療法士であり、元プロのフィギアス ケートの選手であったドナ・フラワーズさんは、はかり知れないほど深い極度の疲労感は、 彼女が経験したことのある何ものとも似つかないと話しました。

「1 日 12 時間から 14 時間も眠りましたが、それでもまだ眠足りないように感じました。」 と、数年前に急性伝染性単核球症を発症後に病気になった。55 歳のフラワーズさんは言い ます。「私達が『頭に霧がかかった』と呼ぶ症状にかかっていました。私は理路整然と考え ることも、読むこともほとんど出来ませんでした。ドアを開けて部屋の外に出るエネルギ ーが出ませんでした。私は破滅する運命なのだと思いました。死んでしまいたかった。」

この症候群の人々は中枢神経系統、自立神経系統、免疫系統、認知機能、ストレス応答 経路や他の主要生物学的機能に異常を経験していることが、研究によってわかっています。 この病気は遺伝的気質や、細菌(ウイルス因子)や有害物質にさらされること、他の肉体

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的、精神的トラウマを経験することなどを含む多数の原因によって引き起こされると最終 的には判明するであろうと、研究者たちは信じています。研究によって慢性疲労症候群の 発病と急性のライム病、Q熱、ロス・リバー・ウイルス、レトロウイルス、急性伝染性単 核球症や他の伝染病などと関連づけられています。

「種々の症状に当てはまるこの多くの人々が、皆同じ誘因を持っているということはあ りそうもない。」と疾病対策センター(CDC)の後援で行われた認知キャンペーン担当の 支持団体である、アメリカ慢性疲労免疫機能不全症候群協会の会長であるキンバリー・マ クレアリー氏は話しています。「リンゴとバナナだけを見ているのではなく、パイナップル、 ホットドック、スケートボードも見ているのです。」

最も広く用いられている症例の定義のもと、慢性疲労症候群の診断には 6 ヵ月以上持続 する説明のつかない疲労の他に、以下の 8 つの持続する症状のうち 4 つを満たすことが求 められます。記憶力と集中力の低下、咽頭痛、リンパ節の腫脹、筋肉痛、関節痛、頭痛、 睡眠障害、軽い労作後に続く全身倦怠感。

症状の定義が広いことによって、この症候群の疾病者数はさまざまに推定されています。 前回の調査を元に、CDCでは 100 万人以上のアメリカ人がこの病気にかかっていると推 定しています。

しかし先月疾病対策センターは、症例数を確認するために制限の緩い方法論を用いて無 作為に抽出された人々に電話による調査を行い、18歳から 59歳までの成人のうち、約 40 人に 1 人は診断クライテリアを満たすことがわかったと発表しました。前回の報告データ より 6~10 倍も高い推定です。

しかし多くの患者や研究者たちは、疾病者数の割合が拡大することによって患者集団全 般に及ぶ一貫した調査結果の探求を複雑にする恐れがあると考えています。こう批判する 人々は、新しい数値は慢性疲労症候群ではなく精神病を患っているであろう多くの人々を 含み、大きく膨れ上がったのだと言います。

「この病気と同じ症状を訴え、本質的には心理的なところに起因するとても多くの病状 があるのですが、根本的な生物学の多くを共有していません。」と元医学書のイラストレー ターであり、20 年にわたって慢性疲労症候群患者である 55 歳のジョン・ハードは言います。

多くの患者は慢性疲労症候群のもう一つ問題点を指摘しています――病名それ自体です。 それによって自分たちの病状が矮小化され、研究者、製薬会社、政府機関などが真剣に取 り上げることを妨げていると言います。多くの患者は古い英国での名称「脳と脊髄の炎症 を伴う筋肉痛」を意味する筋痛性脳脊髄炎、あるいはもっと包括的な名称である筋痛性脳 炎の方を好みます。

「もっと医学的な響きの名前であれば、人々のこの病気の深刻さに対する理解を変える ことができます。」とシカゴのデ・ポール大学の集団心理学の教授のレオナード・ジェイソ ン博士は話しています。

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