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特別支援学校における音楽の授業のあり方の研究~肢体不自由養護学校高等部の授業を通しての一考察~

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Academic year: 2021

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(1) 特別支援学校における音楽の授業のあり方の研究 一肢体不自由養護学校高等部の授業を通しての一考察一. I 問題と目的. 専攻. 特別支援教育学. コース. 心身障害コース. 学籍番号. M07117B. 指名. 山下 大樹. 関する方法論的研究(上原ら、2005)」など多数.  r養護学校の教育実践においては、対象者を音. あるが、肢体不自由を持つ生徒についてのものは. 楽で援助し、音楽で教育しようとする音楽療法の. 比較的数が少ない。. 理念と教育方法が加味された指導が効果的であ.  本研究では、音楽の授業を通して、自己決定・. る」(井戸ら、2001)との言葉に象徴されるように、. 自己評価という視点から知的障害、および重度・. 授業において音楽とは、音楽そのものを教える場. 重複障害を持つ生徒にとって、主体的に学ぶため. 合と音楽を用いて教える場合とが考えられる。そ. の工夫とその実践を分析することにより、適切な. して、一つの教科、一つの授業として捉えたとき、. 支援のありかたと評価の方法等について考える. どこまで到達したか、どのような力がついたか、. ことを目的とする。. という点において、非常に評価がしづらい、とい. n 方法. うのが音楽という教科の特徴であるということ.  (1)対象. もできるであろう。それは音楽の持っr一過性」.  ある肢体不自由特別支援学校高等部に在籍す. やr偶然性」、そして時間とともに消滅していく. る、研究の趣旨を本人と保護者とに説明し、同意. 時間芸術であること、のゆえであるとも言える。. を得られた2名の生徒。. 「中学校指導要領第5節 音楽」のなかに「感じ.  ちなみに本特別支援学校においては、音楽や美. 取る」や「工夫する」という表現が多用されてい. 術など実技系の教科において、能力・習熟度別ク. ることからもそのことが例える。そしてまた、生. ラス編成をとっている。したがって、1つのクラ. 徒自身がより積極的に関わること、あるいはその. スには1年生∼3年生までの生徒が混在している。. 態度を育成することも、教科としての音楽にとっ. 今回対象としたクラスは、言語による意思の疎通. ては重要な要素となる。それについては、アメリ. が可能であり、十分であるとはいえないまでも、. カ合衆国において広く浸透し、1900年代以降日. 自分の意思によってある程度身体を動かすこと. 本においても障害児教育の分野において注目さ. ができる生徒を対象としている。. れ始められている「自己決定」および「自己評価」.  (2)期間. という考え方が大切になってくると考える。.  2008年6月∼12月.  音楽という教科に着目し、それを特別支援教育.  (3)手続き. においてどのように活かすことができるか、とい.  「創造的音楽療法」を提唱するノードフとロビ. う研究はr音楽を活用した子どもの発達と評価に. ンズのアセスメントのモデル等を参考に検討し. 一238一.

(2) チェックリスト(大項目) 声楽. た結果、基本拍節(安定した拍を意図して持続させ る能力)について、指導することが必要であると判. 生徒A. 生徒B. 断した。どちらの生徒も程度の差はあるが、器楽. 1. 声が出る. O. O. 演奏および歌唱の際に、リズムが恣意的になりが. 2. 言葉が出る. ○. O. ちな部分がある。一人で演奏する時にはほとんど. 3. ある程度の旋律を真似て歌える. O. O. 問題にならないが、みんなで歌ったり、器楽で合. 4. 音程とリズムを概ね正しく歌える. ○. △. 奏をするときには、生徒自身が感じているテンポ. 5. 音程とリズムを正確に歌える. △. X. が遅すぎたり早すぎたりしていて、ほかの生徒と. チェックリスト(大項日):器楽 生徒A. 生徒B. ずれていくことがある。このことはまた、歌唱よ りも楽器を用いた時により顕著でもある。以上の. 1. 楽器に興味を示す. ○. ○. ことから、メトロノームを用いたリズムの指導を. 2. 正しい方法で音を出せる. O. ○. 取り入れることになった。. 3. BGMに合わせて楽器を鳴らせる. ○. △.  指導は以下の手順で計画された。. 4. 指示に従いある程度正確に鳴らせる. O. △.   ①rリズム」の言葉の意味と概念の説明. 5. 独力で正確に音を鳴らせる. △. △.   ②メトロノームの用途と使用法について.   ③基本のリズムパターンの習得   ④メトロノームを使用しないリズム打ち、お.    よび楽器演奏 ①および②について  音楽の授業において、実技を習得することは必 須であるが、ある程度の理論(楽典)の知識とあ わせていろいろなことを説明することで、より理 解が増すと考えられる。また「何のためにそうす るのか」を理解することで、より意欲が高められ るものと信ずる。. ③について.  楽器はキーボードを使用した。生徒Aが鍵盤楽 器に興味を抱いていることと、音量を容易に調整 できるので、音に対する過敏さにも対応しやすい と考えた。. ④について  メトロノーム(=指揮者)はあくまでめやすで. あり、生徒A自身が確たるリズムを刻んで表現す ることが肝心である。. 皿 結果および考察.  生徒2名にそれぞれ3回ずつ、メトロノームを 用いての基本拍節についての指導を行う。 「楽し. んで楽器を演奏する」から「ある目的(この場合 は器楽合奏)のために正確に楽器を演奏する」ま での変化を追い、そこからどのような力をつけら れたかを考察した。. 1V 総合考察.  指導の流れを通して、特別支援学校における教 科音楽の授業の形体や、指導の有効性などについ て考察。また、生徒自身の自己決定や自己評価を. 大切にして主体的に活動できるような方策を考 え、①現在の自分の状態や技能の到達度をどの程. 度把握しているか、②①を踏まえた上で、より 上達・改善を目指した方策を考え、実施している か、③上記①と②を比較して、どこがどのように 変化・上達したか、等の観点から評価することが 肝要であると考察した。. 主任指導教員  鳥越 隆士. 指導教員 高野美由紀. 一239一.

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