痩身願望をもつ子どもともたない子どもにおける運動有能感の比較
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第6 5巻 第 2号 J o u r n a lo fHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n( E d u c a t i o n ) Vo . l6 5,N O . 2. 平成 2 7年 2 月. 0 1 5 Fehruary,2. 痩身願望をもっ子どもともたない子どもにおける運動有能感の比較 上家. 卓・黒河あおい*.秋月. 石津伸弘****・神林. 勲****・城後. 茜**・古川博人***・中道荊央****. 豊*材料・小松. 一保******.寺田. , 1 , 丘 * * * * * * l口. 北海道大学教育学研究院 *名寄市立大学 料北海道教育大学大学院 料水札幌市立あいの里西小学校 キ**北海道教育大学札幌校保健体育研究室 材料*北海道教育大学 材料仲北海道教育大学教員養成開発連携センター. Comparisono fP e r c e i v e dS p o r t sCompetencei nC h i l d r e nw i t h D e s i r et oL o s eWeightandW i t h o u tD e s i r et oL o s eWeight KAMIIESuguru,KUROKAWA A o i *,AKIZUKIAkane**,YOSHIKAWA H i r o t o * * *, NAKAMICHIR i o * * * *,ISHIZAWA N o b u h i r o * * * *,KAMBAYASHII s a o * * * *, ]OGO Y u t a k a * * * * *,KOMATSUK a z u y a s u * * * * * *,TERADAS a t o r u * * * * * *. Studen , tG r a d u a t eS c h o o lo fE d u c a t i o nR e s e a r c h,HokkaidoU n i v e r s i t y *NayoroC i t yU n i v e r s i t y 帥. G r a d u a t eS c h o o lo fE d u c a t i o n,HokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n 料. ' * S a p p o r oA i n o s a t o n i s h iE l e r n e n t a r yS c h o o l. 材料D e p a r t r n e n to fTeachersT r a i n i n g ,S apporoC a r n p u s,HokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n 材料水H okkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o nSapporo 材料帥H okkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o nC e n t e rS u p p o r tP a r t n e r s h i pAdvancernento fTeachingE d u c a t i o n. 概要 本研究では痩身願望をもっ子どもともたない子どもの運動有能感を比較・検討した。調査対 象は小学校 3年生から 6年生の男女 2 4 8名とし,調査は 2 0 1 1年 1 1月から 1 2月に実施した。調査 の結果,男子の「痩身願望」群は運動有能感およびその下位尺度である「統制感 J, i受容感」 を感じづらいことが明らかとなった。痩身願望があり現在の自身の身体に対する不満が高い男 子は,運動への自信である運動有能感も低くなると推察される。また,男子の「痩身願望」群 は自らの身体に自信が持てず,自己の努力や練習によって運動をどの程度コントロールできる かの認知である「統制感」と教師や仲間から受け入れられていると認知する「受容感」におい. 403.
(3) 上家卓・黒河あおい・秋月. 茜・吉川博人・中道新央・石津伸弘・神林勲・城後豊・小松一保・寺田悟. ても低値を示した可能性がある。したがって,痩身願望をもっ男子の積極的な運動参加のため には運動有能感および「統制感 j, i受容感」を高める工夫や教材の提供が重要であることが示 唆された。一方で,女子では,「痩身願望」群と「非痩身願望」群において運動有能感および 下位尺度に有意差は認められなかった。. キーワード:痩身願望統制感受容感男子. の研究によると運動有能感の高群は低群よりも高. 緒言. いレベルで体育・スポーツに内発的に動機づけら. 現行の学習指導要領(文部科学省, 2008a ,文. れており,運動有能感の下位尺度である「身体的. 部科学省, 2008b ;文部科学省, 2 0 0 9 ) やスポー. 有能さの認知 j, i統制感」および「受容感」がそ. ツ基本法(文部科学省, 2 0 1 1 ) などでは,様々な. れぞれ内発的動機づけに有意な影響を及ぼしてい. 場所で、生涯にわたって運動に親しむこと,いわゆ. ることが示唆されている。加えて,先行研究(武. る「生涯スポーツ」の重要性が説かれている o. 田 , 2005;武田, 2006;上野・関, 2011;岡津,. WHO ( 2 0 1 0 ) では 5歳から 1 7歳の子どもに対し. 2 0 0 3;岡津・馬場, 1 9 9 8 ) から運動有能感は体力. て,筋や骨の成長のため中強度から高強度の運動. や運動好感度,体育授業中の行動といった生涯に. を週数回行うことを推奨しており,. Evenson・. わたって運動に関わっていく上で重要な要素と関. Mota ( 2 0 1 1 ) も若い時期における運動の重要性. 係性を示すことも明らかにされている。したがっ. を報告している。また,小林 ( 2 0 0 8 ) によれば適. て,運動指導を実践していく上では,特に運動に. 度な運動は身体の発達だけではなく,精神の発達. 自信がない子どもの運動有能感を向上させること. にも影響を与えることが示唆されている。さらに. が生涯スポーツの実践に大きな影響を及ぼす可能. 集団で運動を行うことにより仲間意識を育み,良. 性が高い。. 好な人間関係を構築するという点においても運動 は大きな役割を担っている。. ところで,深谷ほか ( 2 0 0 1 ) の研究によると, 子どもの痩身願望と運動が得意かという自己評価. 児童・生徒が運動や体育授業に積極的に取り組. に関係性があることが確認されている。これまで. むためには,学習者自身が体育や運動をしたいと. 痩身願望と自尊感情の関係性を検討した研究(田. 感じる内発的動機付けを向上させることが必要不. 崎・今回, 2004;池田, 2 0 0 7 ) は見られるが,運. 可欠である。岡津(19 9 6 ) はこの内発的動機づけ. 動有能感と痩身願望に着目した研究はほとんど見. に関連がある概念として運動有能感を提唱してい. 当たらない。また,これまでの痩身願望に関する. る。運動有能感はかつて自身の運動技能や運動能. 研究の多くは高校生や大学生を対象としており,. 力に優れているという認知である「身体的有能さ. 小学生を対象とした研究もほとんど見当たらな. の認知」のみで捉えられていた(北, 1 9 9 5;岡沢,. し 、 。. 1 9 9 6 )概念であった。しかしながら,岡沢 ( 1 9 9 6 ). そこで,本研究では小学生を対象に痩身願望を. は「身体的有能さの認知」に,自己の努力や練習. もっ子どもともたない子どもの運動有能感を比. によって運動をどの程度コントロールできるかの. 較・検討する。そして痩身願望をもっ子どもが積. 認知である「統制感 j,運動場面で教師や仲間か. 極的に運動に参加できる方法を検討する。. ら自分が受け入れられているという認知である 「受容感」を加え,運動有能感を運動に関する総 合的な自信の様な概念とした。岡 i 畢・三上(19 9 8 ). 404.
(4) 痩身願望をもっ子どもともたない子どもにおける運動有能感の比較. さの認知」である。第二因子は自己の努力や練習. 方法. によって運動をどの程度コントロールできると認 知しているかを示す項目で構成されている「統制. 1.調査対象および調査期間 札幌市内の小学校 3年生から 6年生の男女に質. 感」である。第三因子は運動場面で教師や仲間か. 問紙を配布した。質問紙回収後,回答が全て一方. ら自分が受け入れられているという認知に関する. の極にあるなどの極端に得点の偏った回答,欠損. 項目で構成されている「受容感」である。. 回答を除外した結果,調査対象者は 248名になっ. 各項目の選択肢には 5件法を用い,「当てはま 5点J,1"ややあてはまる. た。対象者の学年ごとの人数を表 1に示す。調査. る. は2011年 1 1月から 1 2月の聞に実施した。. もいえない. 3点J,1"ややあてはまる. よび「あてはまらない. 2 . 調査内容. 4点J,1"どちらと 2点」お. 1点」を与えて得点化し. ており,下位尺度である「身体的有能さの認知 J,. 本研究では,質問紙による自記式無記名の調査 を実施した。調査内容は以下の 2点である。. 「統制感」および「受容感」がそれぞれ20点満点 となっている。そして,. 4因子の合計を「運動有. 0点満点で評価した。 能感」とし, 6 ( 1 ) 運動有能感. 1 9 9 6 ) によって作成された「運動有 岡沢ほか (. ( 2 ) 痩身願望. 能感測定尺度」を使用した。 12項目からなる運動. 2 0 0 0 ) は痩身願望を「自己の体重 馬場・官原 (. 有能感は三つの下位尺度によって構成されている. を減少させたり,体型をスリム化しようとする欲. ( 表 2)。第一因子は運動技能に対する肯定的な 認知に関する項目で構成されている「身体的有能. 求」と定義するとともに. 従来の食行動や摂食障. 害の尺度などを参考に, 1 1項目からなる痩身願望. 表 1 対象者の性別および学年の内約 3年生. 4年生. 5年生. 6年生. 男子(名). 2 8. 30. 2 9. 30. 1 1 7. 女子(名). 2 8. 3 9. 2 8. 3 6. 1 3 1. 合計(名). 56. 6 9. 5 7. 6 6. 2 4 8. 男女総計. 表 2 運動有能感の質問項目および下位尺度 l.運動能力が優れていると思います。 第 1因子. 身体的有能さ の認知. 2 . たいていの運動は上手にできます。 8. 運動の上手な見本として,よく選ばれます。 1 0 . 運動について自信を持っている方です。 3. 練習すれば,必ず,技術や記録は伸びると思います。. 第 2因子. 統制感. 4. 努力さえすれば,たいていの運動が上手にできると思います。 1 1.少し難しい運動でも,努力すればできると思います。 1 2 . できない運動でも,あきらめないで、練習すればできるようになると思います。. 5 . 運動している時,先生がはげましたり,応援してくれます。 第 3因子. 受容感. 6 . 運動している時,友だちがはげましたり,応援してくれます。 7 . 一緒に運動しようと誘ってくれる友だちがいます。 9 . 一緒に運動する友だちがいます。. 4 0 5.
(5) 上家卓・黒河あおい・秋月. 茜・吉川博人・中道新央・石津伸弘・神林勲・城後豊・小松一保・寺田悟. 尺度を作成している。しかしながら,この尺度の 質問項目は女子青年を対象に作成されたものであ. 4 . 統計処理 EXCEL2 0 0 7f o rWindows. 質問紙の結果は,. り,本研究の対象者である小学生には不適応な可. ( M i c r o s o f t社製)を用いてまとめた。また,質. 能性も考えられた。そのため,本研究においては. 問紙の分析については,統計解析ソフトの「エク. 全調査対象者に対して,「あなたは今の自分の身. 0 1 0 f o rWindowsj (SSRI製)を用い セル統計 2. 体をどのように変えたいで、すか」との質問を実施. た 。 2群聞における平均値の差の検定は対応のな. し,選択肢に「太りたい j, iやや太りたい j, iこ. い t検定を行った。なお,有意水準は 5% 未満と. のままでよい j, iやややせたい」および「やせた. し,高値を示した項目に*を添付した。. い」という項目を設定した。 そして,「やややせたい」および「やせたい」. 結果. を選択した群を「痩身願望」群とし,「このまま でよい j, iやや太りたい j, i太りたい」を選択し た群を「非痩身願望」群とした。男女における 2 群の割合を図 1に示す。. 「痩身願望」群と「非痩身願望」群における運動 有能感および下位尺度の比較. 表 3は男子の「痩身願望」群と「非痩身願望」 群において運動有能感およびその下位尺度の値を. 3 . 分析方法. 比較したものである 「痩身願望」群と比較して「非 O. 「痩身願望」群と「非痩身願望」群における運動. 痩身願望」群が運動有能感およびその下位尺度で ある「統制感 j, i受容感」で有意に高い値を示し. 有能感および下位尺度の比較 調査対象を男女それぞれ「痩身願望」群と「非. た 。. 痩身願望」群と分類し,「痩身願望」群と「非痩. 表 4は女子の「痩身願望」群と「非痩身願望」. 身願望」群における運動有能感およびその下位尺. 群において運動有能感およびその下位尺度の値を. 度の値に有意な差が認められるかを検討した。. 比較したものである。女子においては全ての項目 において 2群聞に有意な差は認められなかった。. 100 鉱. c非;喪主導勝紫雲孝. 90 鉱. 司際捜暴露委譲群. 8~鴻. 7部毛 急部も 芸部毛. 4 ' 勝義 3関 4 20 特 主的毛. び 鵠. 5 努子 図. 406. 女二子. 1 男女における「痩身願望」群と「非痩身願望」群の割合.
(6) 痩身願望をもっ子どもともたない子どもにおける運動有能感の比較. 表 3 男子の「痩身願望」群と「非痩身願望」群における運動有能感および下位尺度の比較. 身体的有能さ の認知. 統制感. 受容感. 運動有能感. n=49) 痩身願望群 (. 1 2 . 7. 1 5 . 4. 1 3 . 5. 4l .7. 標準偏差. 4. 4. 4 . 1. 3 . 9. 1 0 . 6. 非痩身願望群 ( n=6 8 ). 1 3 . 5. 1 6 . 8 *. 1 4 . 8 *. 45.1*. 標準偏差. 4 . 0. 3 . 0. 3 . 1. 8 . 1. l .0. 2 . 0. l .9. l .9. t1 直. * :P<0.05 表 4 女子の「痩身願望」群と「非痩身願望」群における運動有能感および下位尺度の比較. 身体的有能さ の認知. 統制感. 受容感. 運動有能感. 痩身願望群 ( n=7 8 ). 1 0 . 7. 1 6 . 0. 1 4 . 3. 4l .0. 標準偏差. 4 . 7. 3 . 7. 3 . 6. 9 . 6. 非痩身願望群 ( n=5 3 ). 1 0 . 9. 1 6 . 3. 1 4 . 2. 4l .5. 標準偏差. 4. 4. 3 . 7. 4 . 0. 9 . 6. 0. 4. 0 . 5. 0 . 1. 0 . 3. t1 直. 考察. 1 .r 痩身願望」群と「非痩身願望」群における. いことが明らかになった。 「統制感」とは自身の努力や練習によって,運 動がどの程度までできるようになるかという見通. 運動有能感および下位尺度の比較. しである。痩身願望をもっ子どもは自身の身体に. 男子においては「痩身願望」群と比較して「非. 自信を持つことができず,運動場面において「や. 痩身願望」群の運動有能感および「統制感J, r 受. ればできる,努力すればできる」と感じづらい可. 容感」の値が有意に高い値を示した。この様な結. 能性が示唆されたが本研究の結果のみでは,因果. 果より,「痩身願望」群は「非痩身願望」群と比. 関係まで言及することはできない。また,痩身願. 較して運動有能感を感じづらいと推察される。痩. 望をもっということは肥満傾向にある可能性が高. 身願望があり,現在の自身の身体に対する不満が. く,運動場面においてなかなか活躍できないため. 高い男子は,運動への自信である運動有能感も低. 努力を嫌うとも考えられる。笹津ほか ( 1 9 9 8 )や. くなる傾向が示唆された。運動を行う際に使用す. 藤原ほか ( 1 9 9 9 ) の研究によると,肥満児は陸上. るのは自身の身イ本であり,身イ本に自信がもてない. 運動や器械運動の様な個人競技を嫌う傾向にある. 子どもは運動への自信も低下させていく可能性が. と報告されており,自身の努力や頑張りが結果に. ある。また,痩身願望をもっということは肥満傾. 反映される状況を嫌っているとも推察される。そ. 向にあるとも推察される。そのため,運動場面に. のため,「統制感」を向上させることは痩身願望. おいて活躍する機会が少ないことが要因となり運. をもっ子どもの運動参加に影響を及ぼす可能性が. 動有能感の低下を招いているとも考えられる。い. 宰・辰巳(19 9 9 ) によると「統制感」を ある。岡 i. ずれにしても,この様な結果は痩身願望と運動が. 向上させるためには,努力は報われるという経験. 得意かという自己評価に関係性があるという深谷. や,成功したのは教師や仲間からの励ましゃ応援. 2 0 0 1 ) の研究結果と類似しており,痩身願 ほか (. があったからだと感じさせることが重要であると. 望をもっ男子は運動に対しての自信を形成しづら. されている。また,小畑ほか ( 2 0 1 1 ) の研究では,. 4 0 7.
(7) 上家卓・黒河あおい・秋月. 茜・吉川博人・中道新央・石津伸弘・神林勲・城後豊・小松一保・寺田悟. 学習カードを使用し活動に見通しをもたせること. における痩身願望への意識が関連している可能性. や視覚的フィードパックによって自分のできぼえ. が考えられる。図 1に示した男女の「痩身願望」. を客観視させることで,児童の「統制感」が向上. 群と「非痩身願望」群の割合においても男子と比. することが明らかにされている。この様なことよ. 較し女子において「痩身願望」群の割合が高い。. り,痩身願望をもっ男子に対して運動指導を実施. この様なことからも女子において痩身願望をもつ. する際には,教材および教具に工夫を施し,子ど. ことは一般的な傾向であり,運動に自信をもって. もができばえを客観視しやすくする方法や,指導. いる子どもでも自身の体型に対して不満を抱いて. 者が積極的に子どもに関わり,努力を称賛したり. いると推察される。しかしながら,本研究の結果. 活動に見通しをもたせたりしてあげる方法が検討. のみでは,女子において痩身願望と運動有能感に. されるべきである。. 関係性が無いと言及することはできなかった。そ. 「受容感」は自身が教師や仲間から受け入れら. のため,今後は女子の対象者を追加して学年進行. れているという認知であり,痩身願望をもっ子ど. での痩身願望と運動有能感の関係性を調査すると. もは運動場面において教師や仲間から自分が受け. いった方法が検討される必要がある。. 入れられていると感じづらいと推察される。先行 研究(田崎・今回, 2004;池田, 2 0 0 7 ) より痩身. 2 . 本研究の課題と限界. 願望と自尊感情には関係性があることが報告され. 本研究は小学生を対象に調査を実施したが,身. ており,自身の身体への自信のなさから,自己評. 長および体重の計測が実施できず,児童に対して. 価を低下させてしまい,自分は周囲に受け入れら. 痩身願望を質問紙で調査するのみであった。その. れていないと感じている可能性も考えられる。一. ため,今後の課題として BMIや肥満度といった. 般的に児童期の運動は周りに他者がいる状態で行. 実際の身体的特徴と痩身願望の関係を明らかにす. われることが多く,仲間と協力して活動を進める. ることや,実際の身体的特徴と運動有能感の関係. 過程に楽しさを見出すことができる。この様なこ. 性を調査することが挙げられる。また,調査対象. とより,「受容感」を向上させることは痩身願望. 者数が十分とは言えず. をもっ子どもの運動参加に影響を及ぼす可能性が. 年で 2群聞の比較を実施できなかった点や学年進. 2 0 0 8 ) の研究では「教 示唆される。北見・吉野 (. 行に伴う縦断的評価の実施を考慮し,今後は調査. え合い・学び、合い」の時間を授業時間の中に設定. 対象者の追加が検討されるべきである。. 3年生から 6年生の各学. し,意識付けを行うことが「受容感」に大きく影 響を及ぼすと報告されている。また,高瀬・石田 ( 2 0 0 8 ) の研究においても,体育授業の中に長期. まとめ. 的なグループ学習を取り入れることで,子ども同. 本研究では札幌市内の小学校 3年生から 6年生. 士が関わり合い,教え合いや励まし合いが生じ「受. の男女 248名を対象に痩身願望をもっ子どもとも. 容感」の向上に繋がることが明らかにされている。. たない子どもの運動有能感および下位尺度の比較. したがって,痩身願望をもっ男子に対して運動指. を行った。その結果,以下の様な知見を得た。. 導を実施する際には,グループ活動や教え合いの. 男子の「痩身願望」群は運動有能感およびその. 場面を設定し子どもが協力し合える環境を提供す. 下位尺度である「統制感 J, i受容感」を感じづら. ることや子どもに対し肯定的な言葉かけを多く行. いことが明らかとなった。そのため,痩身願望を. うことが意識されるべきである。. もっ男子の積極的な運動参加のためには運動有能. 一方,女子では「痩身願望」群と「非痩身願望」. 感および「統制感J, i受容感」を向上させる工夫. 群の運動有能感およびその下位尺度において有意. や教材の提供が重要であることが示唆された。一. な差は確認されなかった。この様な結果は,女子. 方で,女子では,「痩身願望」群と「非痩身願望」. 408.
(8) 痩身願望をもっ子どもともたない子どもにおける運動有能感の比較. 群において運動有能感および下位尺度に有意差は. 岡沢祥訓・北真佐美・諏訪祐一郎 ( 1 9 9 6 ) 運動有能感の 構造とその発達及ぴ性差に関する研究.スポーツ教育. 認められなかった。. 6( 2 ): 1 4 4 1 5 5 . 学研究, 1 岡j 畢祥司1 ・辰巳喜之 ( 1 9 9 9 ) 運動有能感を高める原因帰. 7 ( 7 ): 5 3 5 6 . 属のあり方.体育科教育, 4. 引用・参考文献. 岡j 畢祥司1 ・真庭美保 ( 1 9 9 9 ) 運動有能感を高める方法そ. Evenson.K .R andM o t a . ] .( 2 0 1 1 )ProgressandFuture DirectionsonPhysicalActivityResearchAmong Y o u t h .J o u r n a lo fP h y s i c a lA c t i v i t yandH e a l t h .8( 2 ):. .. 7( 1 ): 4 9 51 . 体育科教育, 4 岡i 畢祥訓・三上憲考(19 9 8 ) 体育スポーツにおける「内 発的動機付けと J I運動有能感」との関係.体育科教育,. . 1 4 9 1 51 藤原. の 1 現職教師に対するインタビューの結果から. 寛・井上丈夫・木崎善郎:肥満児とその家族を対. 1 9 9 9,5 :1 9 3 2 0 0 .. 象とした運動指導(第一報).肥満研究. 深谷和子・平野真穂・市川薫子 ( 2 0 0 1 ) 子どものやせ願 望,子どものやせ願望一見た目を気にする子どもたち ,モノグラフ・小学生ナウ. voI .21-2, h t t p : / / a 11 1 .. !fl1111143111115m/benessel .d o w n l o a d . a k g . a k a m a i . n et amai.com/1431 l1 /j/monographpdfl1/1-vol-21-2.pdf. 4 6( 1 0 ): 4 7 4 9 . 笹i 幸吉明・松崎利行・鈴木庄亮:小学校高学年児童にお ける肥満指数と運動および食習慣との関連.学校保健. 研. 1 9 9 8,4 0 : 1 4 0 1 4 9 .. 高瀬淳也・石田譲 ( 2 0 0 8 ) 体育授業を通して運動有能感 を高める事例研究. ~}II 路論集. 北海道教育大学釧路校. 研究紀要一, 4 0 : 1 5 1 1 5 5 . 武田正司 ( 2 0 0 5 ) 児童における体力と運動有能感との関. (最終参照日 2 0 1 4年 9月3 0日). 2 0 0 7 ) 思春期男子のやせ志向と自尊感情お 池田かよ子 ( よび体型との関連新潟青陵大学紀要,. 7,6 3 71 .. 北見裕・吉野聡 ( 2 0 0 8 ) 器械運動の授業における教え合 い学ぴ合い活動が生徒の運動有能感に及ぼす影響. 2 : 4 1 4 7 . 係.盛岡大研究紀要, 2 武田正司 ( 2 0 0 6 ) 児童における体力と運動有能感との関. 中. 学校体育における実践事例の分析を通して一.茨城大. 3 : 6 7 7 4 . 係(第 2報).盛岡大研究紀要, 2 立木正・新開谷央・菊幸一 ( 2 0 0 9 ) 小学校体育科授業研 究(第 3版).教育出版:東京, p . 3 6 . 岡崎慎治・今回純雄 ( 2 0 0 4 ) 大学生男女における自尊感. 7 : 7 7 9 0 . 学教育実践研究, 2 小林寛道 ( 2 0 0 8 ) 子どもにとってなぜ運動は必要か.体. 情と痩身願望の関係,広島修大論集人文編, 4 5,1 7 3 7. WorldHealthO r g a n i z a t i o n( 2 0 1 0 )G l o b a lrecommenda-. 8( 5 ): 3 0 0 3 0 4 . 育の科学, 5 文部科学省 ( 2 0 0 8 a ) 小学校学習指導要領解説. 体育編(第. t i o n sonp h y s i c a la c t i v i t yf o rh e a l t h .http://www.who. i n t ld i e t p h y s i c a l a c t i v i t y/ f a c t s h e e t _ r e c o m m e n d a t i o n s /e. 4版).東洋館出版社・東京. 文部科学省 ( 2 0 0 8 b ) 中学校学習指導要領解説. 保健体育. . l (最終参照日 2014年 9月 1日) n / i n d e x . h t m. 編(第 2版).東山書房:東京.. 2 0 0 9 ) 高等学校学習指導要領解説保健体 文部科学省 ( 育・体育編(初版).東山書房:東京.. 2 0 1 1 ) スポーツ基本法, 文部科学省 (. http://www.mext. g o . j p /a_menu/sports/kihonhou/a t t a c h /1 3 0 7 6 5 8 . ht m . 宰祥訓・石川元美・森本寿子 ( 2 0 1 1 ) 運動有 小畑治・岡 i 能感を高めるマット運動の授業づくり一技能獲得に必 .奈良教育大学. 0 :1 3 7 1 4 4 . 教育実践総合センター紀要, 2 小畑治・岡 i 畢祥訓・石川元美 ( 2 0 0 7 ) 運動有能感を高め る体育授業に関する研究. 卓北海道大学大学院研究生). (黒河あおい (秋月. 名寄市立大学准教授). 茜大学院生). (吉川博人あいの里西小学校教諭). (最終参照日 2 0 1 4年 9月3 0日). 要な技術認識を高める工夫を中核に. (上家. フラッグフットボールの授. 6 : 業実践から一.教育実践総合センター研究紀要, 1 1 2 3 1 3 0 .. (中道荊央札幌校講師) (石津伸弘札幌校准教授). (神林. 勲札幌校教授). (城後. 豊北海道教育大学理事). (小松一保特任センター教授) (寺田. 悟特任センター教授). 岡i 畢祥訓 ( 1 9 9 8 ) なぜ有能感なのか.体育科教育, 4 6 ( 6 ) :. 7 0 7 2 . 岡淳祥訓 ( 2 0 0 3 ) 運動好きと自己有能感.体育の科学, 5 3. ( 1 2 ): 9 0 5 9 0 9 . 同津祥訓・馬場浩行 ( 1 9 9 8 ) 運動有能感が体育授業中の. 6( 1 4 ): 4 3 4 5 . 生徒行動に及ぼす影響.体育科教育, 4. 4 0 9.
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図
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○○でございます。私どもはもともと工場協会という形で活動していたのですけれども、要
今回、子ども劇場千葉県センターさんにも組織診断を 受けていただきました。県内の子ども NPO