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ゴール指向要求分析における妥当性確認と検証に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 76 回全国大会. 5A-3. ゴール指向要求分析における妥当性確認と検証に関する研究 岡野. 道太郎†. 中谷 多哉子†. 筑波大学大学院 ビジネス科学研究科†. 1 研究の目的と背景 1.1 研究の背景 ゴール指向要求分析では,要求の詳細化を, ゴールからサブゴールへの分解によって行う。 分解には,複数のサブゴールすべてが達成さ れるとゴールが達成される AND 分割と,複数に 分割されたサブゴールのうち 1 つ以上が選択さ れればゴールが達成される OR 分割がある. 例えば,「パーソナルコンピューター(以下パ ソコンと記述する)のオペレーションシステム (以下 OS と記述する)が WindowsXP から他の OS に 変 更 さ れ て い る 」 と い う ゴールに対して, 「Windows7 が導入されている」,「Windows8 が 導入されている」,「Linux が導入されている」 等は,それらの OS のうち,どれか1つが選択さ れればよい.従ってこれは OR 分解である.また, 「Windows7 が導入されている」というゴールに 対 し て , 「 Windows 7 が 購 入 さ れ て い る 」 , 「 Windows7 が イ ン ス ト ー ル さ れ て い る 」 , 「Windows7 が設定されている」等は,購入,イ ンストール,設定の全てが行われなければ Windows7 が導入できない.従ってこれは AND 分 解である. ここで,上記の例のように,OR 分解による選 択肢となるサブゴールが複数あり,かつそれら OR 分解されたサブゴールそれぞれに AND 分解さ れたサブゴールがあるとき,最下層の AND 分解 のサブゴールによって,上位の OR 分解のサブゴ ールが達成されないと,OR 分解のサブゴールを 選択する際に,達成不能な選択肢を選んでしま う可能性がある.このような状況に陥らないた めには,AND 分解されたサブゴールが全て達成さ れたら,上位のゴールが達成され,かつそのこ とが確認できなければならない. 本研究では、AND 分解において,サブゴールが 全て達成された場合,ゴールが達成されること を妥当性と定義する.. 1.2 研究の目的 本研究は AND 分解の妥当性を確認することを 目的とする.そこで,まず AND 分解を行う際に考 慮すべき範囲を明確にする手法[1]を提案する. 前述の OS の例の場合,例えば「Windows7が 導入されている」というゴールに対し,「パソ コンを買い換える」や,「メモリを追加する」 等も,サブゴールの可能性がある.しかしゴー ル中に,サブゴールに出現する「パソコン」や 「メモリ」という言葉は出てこない.このよう にゴールに出現しない言葉もサブゴール抽出の 対象になる場合がある.その際のサブゴールの 対象範囲を明確にする手法を提案し,その手法 をもとに「6.今後の研究について」で妥当性 確認を行う手法について議論する. 1.3 研究のアプローチ まず,前述の例で,「なぜパソコンやメモリ の購入が必要になるのか」を考察する.その理 由は,現状からゴール「Windows7が導入されて いる」へと OS が変化すると,OS に関連する対象 物であるアプリケーションソフトウェア等も変 化しなければならない場合があり,さらにそれ に関連するメモリ容量等も変化しなければなら ない可能性があるからである.したがって,サ ブゴールの範囲を決めるには,ゴール達成によ って変化する対象物に関連する「モノ」を連鎖 的に調べていかなければならない.なお,本発 表では上述の「関連」を明確に判断するために データや情報の入出力について調べる.. 2 関連研究. 要求工学知識体系 REBOK[2]では,妥当性確認 を「要求仕様書がステークホルダが期待してい る所期の要求を満たしているか確認すること」 とし,要求仕様書が作成された後の段階での妥 当性について議論している。しかし,本研究で は要求仕様書を作成する際,あるいはその前に A study on validation and verification in 行われるゴール指向分析に対するゴール,サブ goal-oriented requirements analysis ゴール間の妥当性確認について議論している. † University of Tsukuba Graduate School of Business Sciences. 1-225. Copyright 2014 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 76 回全国大会. 3 提案手法 データや情報の入出力に着目し,達成ゴール に対し,以下のことを行う. (1)ゴールに挙げられているオブジェクトが属す るクラスを列挙する (2)上記(1)で挙げられた各クラス(以下対象物 と記す)に対し,その対象物と入出力のある オブジェクトが属するクラスを列挙する (3)上記(2)で挙がったそれぞれのクラスに対し て,ゴール達成前と達成後で変化があるかど うかを確認し, ・変化が無ければ,それ以上,そのクラスに ついては,検討せず, ・変化がある場合,そのクラスを,(2)の対象 物として検討する.但し,すでにそのクラ スが,他の対象物で検討されている場合, そのクラスについて検討しない. 4 提案手法の適用と結果 4.1 適用内容 以下のケースを考える. ある企業が,業務遂行のために使っているパソ コンの OS が「WindowsXP から他の OS に変わって いる」という達成ゴールを立てた時,ゴールに 対するサブゴールの範囲を考える. ここで,以下のことを仮定する.業務を行う人 は,ゴール達成前と達成後で変わらないものと する.また,業務内容もゴール達成前とゴール 達成後で変わらないとする.ユーザーインター フェースも変えないものとする. 4.2 結果 以下の対象物が得られた[1]. OS,パソコン(CPU,メモリ),アプリケーショ ン,周辺装置,操作者(操作知識),装置への入 力 , 装 置 からの出力,マニュアル等,表記方 法,業務知識. 5 考察 「1.2 研究の目的」で挙げた「パソコン」, 「メモリ」については,提案手法で抽出できて いる.その点では,本手法は有効であるといえ る.しかし,以下の点で課題がある. 「1.1 研究の背景」で,「Windows7 が導入さ れている」というゴールに対して「Windows7 が 購入されている」というサブゴールを挙げてい る.このサブゴールから「購買者」という対象 物 が 得 ら れ る は ず で あ る が 、 そ れ は 「 4.2 結. 果」にはない. この理由は,本手法が「データや情報の入出 力 」 に の み 着 目 し て い る か らである.ここで 「カネ」の流れに着目すると,購入者等の対象 物が出てくる.すなわち,提案手法によってサ ブゴール分解の範囲を定めるには,「データや 情報」の入出力のほかに,「カネ」の流れ等の 複数の観点が必要であることを,この適用結果 は示唆している.. 6 今後の研究について 今後の研究の1つの方向は,上述の複数の観 点を用いた,ゴールからサブゴールへの分解手 法である.本研究では,「データや情報」の流 れに着目し,その流れをトレースすることによ り,サブゴールの対象物を明確化した.しかし, 観点には,このほかにも「カネ」の流れや「成 果物」,「フェーズ」等,様々挙げられる.そ れらの観点を利用し,サブゴールを抽出し,抽 出されたサブゴールがすべて達成された場合, ゴールが達成できることを確認することが,今 後の研究課題として考えられる. もう1つの方向として,サブゴール間の整合 性の研究がある.一般に「モノ」が導入される 場合,その「モノ」が購入され,利用できる状 態に設定されていなければならない.よって前 述の「Windows7 が設定されている」というサブ ゴールが挙げられた場合,「Windows7」も「モ ノ」の一種であるから,「購入されている」に 相当するサブゴールが存在するはずである. このように,「あるサブゴールが存在した場 合,このサブゴールが存在するはずである」と いうサブゴール間の関連性をもとに,サブゴー ルの整合性を検証することも,今後の研究課題 として考えられる.. 7 参考文献 [1] 岡野 道太郎,中谷 多哉子: ゴール指向要 求分析の AND 分解における妥当性確認に関す る研究, 電子情報通信学会技術研究報告 KBSE 知能ソフトウエア工学 ,(2014.1 予定) [2] 一 般 社 団 法 人 情 報 サ ー ビ ス 産 業 協 会 REBOK 企画 WG 編: 要求工学知識体系 第 1 版, 株式会社 近代科学社,2011. 1-226. Copyright 2014 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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