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IRUCAA@TDC : インプラント治療の潮流(IV) : トップダウントリートメントのための骨造成法

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

インプラント治療の潮流(IV) : トップダウントリート

メントのための骨造成法

Author(s)

古谷, 義隆; 佐々木, 穂高; 本間, 慎也; 田口, 達夫;

伊藤, 太一; 関根, 秀志; 矢島, 安朝

Journal

歯科学報, 109(5): 480-481

URL

http://hdl.handle.net/10130/1621

Right

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カ ラ ー ア ト ラ ス の 解 説

インプラント治療におけるトップダウントリート メントとは,機能的,審美的に優れたインプラント 治療を行うために,補綴学的に理想的な上部構造の 位置や形態を想定し,インプラント埋入を含めてマ ネジメントする方法である(図1)。 インプラント治療を成功させるために必要不可欠 なことは,インプラント体を確実に骨内に埋入し, オッセオインテグレーションを獲得することである が,骨量不足によるインプラント治療の断念や,無 理な治療計画による不具合を招くこともある。そこ で,吸収・萎縮した歯槽骨に対して積極的に骨造成 を行ってインプラント治療を行う方法が開発・臨床 応用され,最近ではそれらの治療成績も一定の成功 を収めるようなってきている。 現在,インプラント治療に用いられる骨造成法に は,骨移植法および人工材料嵌植法がある。これら には,①患者自身の骨を用いる自家骨移植,②凍結 乾燥骨等の他家骨移植,③様々な処理を施したヒト 以外の骨を用いる異種骨移植,④β­TCP,ハイド ロキシアパタイト等の代用骨,などがあるが,現在 のところ移植骨に求められる骨形成能,骨誘導能, 骨伝導能の面から,自家骨移植が多用されている。 一方,骨造成手術法には,ベニア・オンレーグラフ ト,骨誘導再生法(GBR:Guided Bone Regenera-tion),上顎洞底挙上術,ソケットリフト,スプリッ トクレスト,仮骨延長法などがあるが,必要とされ る骨量および骨形態に応じて手術法を選択している (図2)。 これら様々な骨造成法の開発によって,骨量の不 足があれば積極的に骨造成を行うということも可能 となり,インプラント治療でトップダウントリート メントを行う環境は整ってきているとも言える(図 3,4)。しかし,造成した骨の経時的な吸収は, 臨床的にはしばしば遭遇する事象であり,基礎的研 究からも移植骨は吸収する運命にあることも示され ている。したがって,トップダウントリートメント によって骨造成を行った後のインプラント埋入のタ イミングや,インプラント埋入に対して適した移植 材料,骨造成術とインプラントの存続率の関係など は,いまだ明確とは言えない(図5)。 こ れ ら の 疑 問 に 関 し て,AO(Academy of Os-seointegration)のコンセンサスレポートでは,「イ ンプラント埋入に充分な骨支持を獲得するために最 も成功する骨造成法は何か?」というクリニカルク エスチョンを提示し,骨造成の該当論文から信頼性 の高い論文を選択し,さらにデータを供する論文の メタアナリシス解析を行っている1)。評価は上顎洞 と歯槽堤に対する骨造成法で検討している。結果と しては,上顎洞部骨造成法は,移植材料の種類,イ ンプラントの最適な埋入時期,負荷開始時期に関す るコンセンサスは得られないが,同部に埋入したイ ンプラントの長期的予後は良好である,としている。 また,歯槽堤部骨造成法については,GBR をおこ なった歯槽部へ埋入したインプラントの長期的予後 は良好であるが,その他の方法(オンレーグラフト, 仮骨延長術,スプリットクレスト等)により歯槽部 へ埋入したインプラントの長期的予後は,コンセン サスが得られていない,と報告している。 また,東京歯科大学学会では,2005年から3年連 続してインプラントシンポジウムを開催し,2007年 度には「2007年版東京歯科大学学会インプラントコ ンセンサス」を発表している2) 。このレポートにお ける口腔外科関連のコンセンサスで示された骨造成 の目的とは,既存骨だけではインプラント埋入リス クの高い症例に対して,そのリスクを軽減するため だけのものとしている。さらに,骨造成による長期 間の骨量維持は目的ではなく,審美性の改善を目的 とした骨造成の長期的な予後にも疑問を投げかけて いる。 これら最近のコンセンサスレポートをふまえ,第 38回(社)日本口腔インプラント学会学術大会のシン ポジウムでは,「骨造成部へ埋入したインプラント の長期的予後は良好か?」とのクリニカルクエス チョンを立て結論を発表している(表1)。現時点に おける骨造成法のコンセンサスは,このシンポジウ ムの結論に示される内容が妥当と思われる3) 。した がって,トップダウントリートメントに基づいて骨 造成法を選択する場合には,最新のコンセンサスも 考慮して行うべきと考える。 文 献

1)Aghaloo, T. L., Moy, P. K. : Which hard tissue augmen-tation techniques are the most successful in furnishing bony support for implant placement? Int. J. Oral Maxillo-fac.Implants,22:49∼70,2007. 2)矢島安朝:2007年版東京歯科大学学会インプラントコン センサス− 2005,2006年のインプラントシンポジウムを 総括して−.歯科学報,108:255∼257,2008. 3)矢島安朝:インプラントの変遷と今後の展開−過去,現 在,未来−.日口腔外会誌,55:42∼53,2009.

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インプラント治療の潮流(Ⅳ)

−トップダウントリートメントのための骨造成法−

古 谷 義 隆

1)

,佐 々 木 穂 高

1)

,本 間 慎 也

1)

,田 口 達 夫

2)

伊 藤 太 一

1)

,関 根 秀 志

2)

,矢 島 安 朝

1) 1) 東京歯科大学口腔インプラント学講座 2) 東京歯科大学口腔健康臨床科学講座 表1 第38回(社)日本口腔インプラント学会学術大会のシンポジウムの結論 クリニカルクエスチョン「骨造成部へ埋入したインプラントの長期的予後は良好か?」 ・上顎洞底挙上術を行った部位へのインプラント治療の予後は良好である。しかし,最適なインプラント埋入時期,負荷開始時 期,移植材料についてはコンセンサスがない。 ・歯槽部骨造成術を行った部位へのインプラント治療の予後は,GBR に限って良好である。しかし,その他の骨造成法や移植 材料については,現在のところコンセンサスがない。 ・骨造成を行った部位での骨量が長期間維持され,生体の恒常的なリモデリングの枠組みに取り込まれることが理想だが,現在 のところ長期的な骨量の維持は難しい。 図2 骨移植時の口腔内写真 左側下顎枝部より骨採取を行い,"1部へ骨移 植を行った。ブロック骨はスクリュー固定を行 い,ブロック骨周囲に骨細片を填塞した。 図3 骨移植後,5ヶ月後の矢状断 CT 画像 インプラント埋入予定部 で は,充分な唇側骨量が得られて いた。 図1 "1部唇側骨骨量が不足してい る症例(矢状断 CT 画像) 歯冠部(上部構造)に対して, 無理のない位置へのインプラン トフィクスチャー埋入を設定す ると,唇側骨骨量が不足してた。 (画像内の歯冠は,抜歯した歯 の歯冠部を紹介医で暫間補綴と して利用したもの) 図4 インプラント埋入時の口腔内写真 アンキロスインプラントⓇA11(直径3.5mm, 長経11mm)を埋入した。移植骨と既存骨の境界 (点線部分)が認められるが,骨の生着は良好であ り,無理のない位置にインプラント埋入が可能で あった。 図5 最終上部構造装着時の口腔内写真("1部) 周囲歯列との無理のない調和が得られた。し かし,長期的にこの状態が維持できるかは,明 確ではない。(!1は形態修正のため,合わせて 歯冠補綴を行った。)

参照

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