人工股関節全置換術患者の手術前後の下肢荷重バランス
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(2) リハ ビ リテーシ ヨン学編 (20H年 3月. 130 表. l THAク. リニ カ ル パ ス. 人 工股関節全置換術 (丁 HA). 氏名 水. 水. 土. 金. 木. 火. 土. 木. 水. 金 月日. 術前. ). 木. (. コ車 椅子移 動 ヽE. 手術 日. リハ室. □歩 行器 歩 行. 月 日. リハ至 □試 験 外 泊. 月日. リハ室. となる1。 よつて ,THAは 股関節痛 の軽減 に よ り ADL. 象. 対. 能力 を改善す る こ とが 目的 となる。 実際 ,股 関節痛 が強 くな り歩行 困難 を呈 した こ とに よ り手術 を決断す る症 例 は多 く,術 後 の疼痛軽減 に よ. 対 象 (表. 2)は ,平 成 18年 6月 か ら平 成 21年. 10. り歩行能力 をは じめ と した動作 にお い て ,動 きやす さ. 月 まで の期 間 に当院入 院 とな り THA施 行 となった患. を自党 して退院す る患者 は多 い 。三 田市民病 院 で は ク. 者 の うち,手 術前 ・退 院時 にお い て下肢荷重検査が可. リニ カルパ ス (表 1)に よ り治療 を進 め ,術 後 13日. 能 で あ った者 27名 (男 性 5名 ,女 性 22名. 目か ら杖歩 行 を開始 し,術 後約 25日 で 杖歩 行 を獲 得. 64。 4±. 12.3歳. ,平 均年齢. )と した。 バ リア ンスの発生 した者 ,ク. リニ カルパ スか ら著 明 に逸脱 した者 お よび股 関節伸展. して退 院 となる。. THA後 の 多 くの 患 者 が 歩 行 を獲 得 し退 院 とな り. ,. 術前 に呈 して い た疼痛 に よる歩行 困難 が改善 され る こ とは ,THAが 下肢機 能 の 改善 に つ なが つた と考 え ら れ る。. THAの 術 後報告 と して筋力 ,歩 行 能力 に関す る も. 可動域 -5° 未満 の 者 は 除外 した。対 象者 の 平 均術 後 入 院期 間 は 28.8± 4.5日 で あ つた。. THA施 行 の 内 わけは,右 股 関節が 18例 ,左 股 関節 が 9例 で あ った。診 断名 は,変 形性股 関節症患者 が 24 名 (両 側 8名. ,右 12名 ,左 4名 ),大 腿 骨 頭 壊 死 2. のは 多 く見 られ るが ,下 肢支持性 を客観 的 に評価 した 研究報告 は少 ない 。下肢支持性 の一 つの 目安 と して下. 表. 肢荷 重 バ ラ ンス が あ る。 THAに よ り歩 行 能 力 が改 善 され る こ とか ら,下 肢荷重 バ ラ ンスは退 院時 には術前 よ り改善 されて い る と想定 された。 そ こで ,三 田市 民 病 院 で は平 成 18年 よ り THAの 前 後 に下肢荷重検査 を導入 し下肢支持性 の計測 を行 っ て きた。 このた び ,THAの 下肢 荷 重 バ ラ ンス に つ い て若干 の 知見 を得 たので考察 を加 え報告す る。. 1生. 2. ワJ. 平均年齢 術 後入 院期 間. 対 象者 の属性 (n=27) 男性 5名 64。 4±. 平均. 女性 22名. 12.3歳. 28。 8±. 1) (42-87デ 寂. 4.5日. 左 股 関節 9例. 手術側. 右股 関節 18例. 診断名. 変形性 股 関節症 24名 (両 側 8名 ・右 12名 ・左 4名 ) 大腿骨頭壊死 2名 THAの 弛み 1名.
(3) 川勝邦浩 他 :人 工股関節全置換術患者の手術前後 の下肢荷重バ ラ ンス. 名 ,THAの 弛み 1名 であ った。. 荷重害」 合. %. 対 象者 には下肢 荷重検査 につい て十 分説 明 し,得 ら. 1軍. 65. 術側 □ 非術倶 1. れたデ ー タは診療 ・研 究以外 には一 切使用 しない こ と を伝 え同意 を得 た。. 55. Ⅲ.方. 法 45. THA施 行前. (手 術 前 )の 術 前 評価 時 と退 院前 最 終. 理学療 法施 行 後 時 (退 院時 )に 下肢荷 重 検 査 を行 っ. 35. 有意差なし. た。 図. 使用機器 はアニ マ社 製下肢荷重計 G-620を 用 い た。. 1. 手術前 の術側 と非術側 の荷重量 の比 較. 測 定肢 位 は 開眼 で の 静 止 立位 と し 30秒 間測 定 した。 左右 の足 部 の位置 につ い て,開 脚 幅 は両側上前腸骨棘. 荷重割合. %. 囲 術側 □ 非術倶1. 65. を結 ぶ線 の 長 さと し,左 右 の踵骨 か ら下 ろ した垂 線 を. 60. 結 ぶ線 の 長 さと一致す る よ う調整 した。前後位 置 は第. 5中 足骨 の 中点が 中央線 上 に くる よ う調整 し,両 足 底 内側縁 が平行 となる よ う荷重計上 に置 い た。測 定 はす べ て裸足 にて実施 した。 得 られ た荷 重 バ ラ ンスの左右 差 のデ ー タにつ い て. ,. 手術前 と退 院時それぞれ にお ける術側 ・非術側 へ の偏 侍 の割合 ,手 術前 と退 院時 における術側 へ の偏侍 の割. **<0.01. 合 を比較 検討 した。. 図. 統 計処理 は対応 の あ る. 2. 退 院 時 の 術 側 と非 術 側 の 荷 重 量 の比 較. T検 定 を用 い ,有 意水 準 は 荷. Ⅳ。結. 果. 手術前 の術側 お よび非術側荷重量 の平均 は,そ れぞ. 恰 FIト 5 。 聾 %6 6. 5%未 満 と した。. 圏 術倶1□ 退院時. 55. れ体重 の 49。 4± 6.2%,50.6± 6.2%で 有 意差 は 認 め ら れなか った (図. 1)。. 退 院時 (術 後 28.8± 4.5日. )の 術 4%に. 側荷重量 の平均 は 45.5± 5.4%で 非術側 54.5±. 5。. 比較 して有意 に低値 (p<0.ol)を 示 した (図. 2)。. 45. **<0.01. 術前 と退 院時で術佃l荷 重量 を比較す る と退 院時 は術 前 に比 較 して有意 に低値 (p<0.01)を 示 した (図. 3)。. 図. 3. 手術 前 と退 院 時 にお け る術 側 荷 重 量 の比 較. 退 院時 に術 側 の荷 重 量 が術 前 に比 べ 減 少 した 者 は 20 表 3 左 右荷重量差. 名 (74.1%)で ,減 少荷 重量 の平均 は 6.6± 4.9%で あ った。. 10%以 上 の人数. 荷 重量. 人数. n=27. 45%以 下. 55%以 上. lo%以 上 の者 は術 前. 手術前 10名 (37.0%). 5名. 5名. で 10名 (37.0%)認 め られ ,術 側荷 重 45%以 下 お よ. 退院時 10名 (37.0%). 10名. 0名. 体重 あ た り荷重量 の左 右 差 が. び 55%以 上 を示 す者 が そ れ ぞれ 5名 ず つ で あ った 。. 45%以 下 の者 が 10名 (37.0%)認 め られ た (表 3)。 術 前 の左 右 差 lo%以 上 lo名 の う ち 7名 は退 院時 に 10%未 満 とな り,術 前 の左右 差 lo %未 満 7名 が退 院時 に lo%以 上 になって い た。 また,術 前 の荷重左右差 の平均 は 4± 7.9%で ,術. 退 院時 は術側荷重. 9。. 後 の平均 は. 10。. 9±. 8。. 7%で あ つた。. V.考. 察. 横 山 ら'は ,静 的立位 にお け る下肢荷重検 査 にお い.
(4) 甲南女子大学研 究紀要 第 5号. 132. て ,健 常者 左. 50。 9±. 看護学 ・ リハ ビリテ ー シ ヨン学編. (20H年 3月. ). (n=H2)の 体重 当 た りの荷重量 は平均 で. 定 な状態 で退 院 にな つてい る。 この 時期 の杖 の使用 は. 3.8%で 左 右 差 は 認 め られ. 人工 関節 の保護 とい う よ りは,術 側荷重不足 を補 う も. 3.8%,右. 49。. 1±. ず ,年 代別 で も有意差 はなか った と報告 して い る。 ま た ,全 体 の 85。 7%は 左右 差が. 10%未 満 で あ り,52.7. %が 左 右 差 5%未 満 であ った と述 べ て い る。廣 田 ら は ,左 右 差 10%未 満 をバ ラ ンス 良好 例 と して い る。 これ らの こ とか ら,健 常者 の静 的立位 にお ける下肢荷 重量 は左 右 ほぼ均等 で あ り,左 右 差 10%未 満 の バ ラ 3. ンス 良好 例が多 い こ とが 分 か る。 今 回,調 査 した. THA患 者 の術前 下肢荷重量平均 の. 10%以 上 の も のが 10名 37%含 まれ て お り,5名 が術 側 荷 重 45% 以下 であ つたが ,残 り 5名 が術側荷 重量 55%以 上 で. 左右 差 に有意差 はなか ったが ,左 右差. の と して重要 であ る こ とを認識 した。 今 回 の 調査 で は ,THA患 者 の 退 院時 の荷 重 バ ラ ン ° スは非術側 へ 偏侍 して い た。しか し,矢 貴 ら は,THA の平均重 心位置 は術 後 2週 か ら 4週 の 間 で術倶│へ 移動 した と報告 して い る。また ,下 肢荷重 バ ラ ンス は THA 術 後 3週 で 35例 中 27例 (77.1%)の 患者 に改 善が見 られ た とす る報 告 ',重 心 動 揺 は THA術 後 1ケ 月か い ら改善傾 向 にあ る とい う報告 があ る。 これ らの報告 と今 回 の調査 で は差 異 を認 め るため. ,. 今後 ,症 例数 を増 や しさらに調査 を進 めて行 きた い 。. Ⅵ。結. あ った ため ,平 均 値 に左 右差 と して反 映 され なか っ 」 た。 この 10%以 上 の左 右差 を持 つ もの は,横 山 ら の. 論. 今 回 の 調 査 で は ,THA患 者 の 退 院 時 の 下 肢 荷 重 バ. 示 した健常者 の 14.3%と 比 べ る と約 2.6倍 で あ った。 これ らの患者 にお い て は ADL上 の バ ラ ンスの 不安定. ラ ンス が術 前 の 状 態 まで 戻 ってお らず不 安 定 な状 態 で. 性 な どを考慮 し,理 学療法 を行 う必要性 があ る と考 え. の 退 院 とな って い た。 この 状 況 で は退 院後 も下 肢 支 持. られた。. 性 の 向上 の た め に理 学 療 法 の 継 続 が 必 要 で あ るが ,同. 退 院時 の静的 立位 での平均荷重量 は,術 側が有意 に. 時 に入 院期 間 中 に下 肢 支 持 性 が 回復 して い な い 要 因 を. 低 くな ってお り非術佃1に 偏侍 して い る。術後約 1ケ 月 の段 階 で杖歩行 は獲得 で きて い るが ,術 側へ の荷 重 は. 分 析 す る必 要 が あ る。 この 要 因分析 を今 後 の 課 題 と し て 取 り組 み た い 。. 十分 で ない状況 にあ る こ とが 分 か る。 また ,術 前 と退 院時 の術佃1荷 重量 をみて も,退 院時 のほ うが術前 と比 較 して有意 に低値 を示 してお り,退 院時 に術前 の状 態 まで荷重量が 回復 して い ない 。退 院 時 に術 側荷 重量 が術 前 よ り減 少 して い る もの は 20名. 1%)と 多 く,転 倒 の 危 険性 を考 慮 して杖 や手 す りの 使 用 な ど十 分 な ADL指 導 を して お く必 要 が あ. (74。. る。. 10%以 上 の者 は術 前 同 様 10名 (37%)と 同数 で あ るが ,す べ て術 側荷重 45 %以 下 で あ り,平 均荷重左右差 をみて も退 院時 に 10。 9 ± 7%の 差 が あ り,術 前 の 9.4± 9%か ら改 善 して 退 院時 の下 肢荷重量左 右差. 8。. 7。. い ない 。 退 院時 は股 関節痛 が改 善 され ,杖 歩行 も可能 とな り 手術前 よ り術側下肢荷 重量 は増加 して い る と想定 して い たが ,結 果 は逆で ,術 側下肢荷重量 か らみれば不安. 引用 文献. 1)岸 本勇 二 豊島良太 :変 形性 関節症 と関節 リウマチ の人工 関節.総 合 リハ 2010;38:437-443 2)横 山茂樹 井 口茂 松坂誠應 :下 肢荷重検査 ―下 肢荷重検査 の測定方法 とその実際 一。アニマ株式会社 2004: 1-56. 石川昌彦 嘉手川淳 他 :TKA退 院時 の バ 下肢荷重 ラ ンス.リ ハ医学 2006;43:146 4)矢 貴秀雄 高橋友明 青木幹 昌 他 :人 工 関節置換. 3)廣 田茂明. 術後におけ る重心位置 の経時的変化 につい て.理 学療 法学. 2005;32:199. 5)梅 田真志. 他 :片 側 人工股関 節置換術 における重心動揺お よび下肢荷重 バ ラ ンスの 飯 田寛和. 菅. 俊光. た言 寸. リハE亙 1許 2005; 42: 789 梅 成 田 渉 寺 内 竜 他 :人 工 股 関節全 ヽ 亡 動揺 の変化 .運 動療法 と物理 置換術患者 における重 ′. 6)志 賀俊樹. 療法 2007;18:32-36.
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