1.研究対象と方法 昨年度の研究結果をふまえ、今年度は了解の得られた精神科訪問看護ステーションの看護職に面接調査を 行った。面接調査の聞き取り項目は、①精神科訪問看護ステーションを取り巻く現状、②精神障がい者の在宅 療養を支えるための連携について(主治医、PSW、訪問看護ステーション間、行政等)、③困難事例への対応、 ④印象に残ったケース、⑤訪問看護のやりがい………等である。研究の趣旨ならびに個人情報の取り扱いに関 する同意書を説明し、同意された調査対象者には署名してもらった。 2.調査結果 4つの事業所のうち、1つは大阪府内の訪問看護ステーションで、残り3つは兵庫県内の訪問看護ステーショ ン及び単科の精神科病院である。 3.まとめ 精神科医療の施策が「入院期間の短縮」と「地域ケアへの移行」へと大きく変化しているなか、患者は地域社会 に出て、症状とつきあいながら生活していかなければならない。十分な退院準備や生活訓練を行えないままに 地域での生活を開始することで、さまざまな生活上の困難に直面することが予測される。患者が地域での生活 を、よりその人らしく継続していくために、主治医や関係者と連絡を取りながら生活が営めるために支援する ことが訪問看護の役割である。今回の調査から、以下の支援が精神障害を持つ人々が地域で暮らし続けるため に必要であることがわかった。 1)病状の安定のための訪問看護師の役割 症状の安定のためには、通院や服薬が継続できること、生活場面でのストレスに適切に対応できることが 不可欠である。また、服薬管理や受診勧奨などの医療面への支援だけでなく、生活全般への支援が求められ る。 2)家族がともに暮らす利用者を理解するための訪問看護師の支援 訪問看護は単身者だけでなく家族と同居している人も利用しているが、利用者自身よりもむしろ家族に関 わる時間が長くなるケースもあると聞いた。また、家族に対して「聴き役」としてだけでなく適切な対応につ いて教育する役割も担っている。 3)地域の人々の理解を得るための訪問看護師の役割 地域で生活するための住居の確保、近隣住民とトラブルなく過ごせるよう、直接支援や利用者が地域社会 に受け入れられ、安心して生活できるための環境調整が必要である。 4)関係機関との連携に果たす訪問看護師の役割 いずれのステーションでも、ステーション同士での連携はあまり行われておらず、行政との連携はまちま ちであるが、うまく連携して同行訪問をしている事業所や利用者が保健所から紹介されてくる事業所もある。
精神科訪問看護の現状と課題-訪問看護ステーションの取り組みと課題-
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